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0024




 <異世界10日目>



 おはようございます。昨日はリヤカーを作って終わりましたが、今日から魔物の間引きです。森に行って帰っての生活になりそうだが、お金の為にも頑張ろう。


 いつも通りに浄化しているとダナが起きた。



 「チュッ! おはよう、アルド。昨日はゴメン、ちょっと不安でね」


 「おはよう、ダナ。気にしなくていいさ、昨日はいつも以上に可愛かったよ」


 「/////。朝からそういう事を言わない! 我慢できなくなっちゃうだろ?」


 「それは大変魅力的だけど、今日は森に間引きに行かなきゃならない。ちょっと早いけど服を着て食堂へ行こう」



 お互いの体や口内、服や部屋を浄化する。そんないつも通りの浄化の最中も、抱きしめてきたり、キスをせがんで来た。どうも朝からそういう気分になってしまったらしい。


 イチャイチャした後に長めのキスをして、落ち着かせてから一緒に部屋を出る。少し恨みがましい顔をされたが仕方がない。



 「おはよう、御二人さん。ダナさん、今日はどうしたんだい? 機嫌悪そうだけど」


 「おはようございます」


 「おはよう、トーカ。機嫌が悪いんじゃないよ。朝から火を点けられただけさ!」


 「あ~……。ソレは辛いねぇ……」


 「本当にアルドは悪い男さ!」


 「そうだねぇ。私も昔……」



 さっさと逃げる事にした。今日はいつも以上にダメージを受けそうだ。朝食を2人前、いつもの従業員に注文して大銅貨2枚を支払う。


 水を頼みゆっくりしていると、女将さんと話して落ち着いたのか、ダナが隣に座った。



 「しょうがない、夜まで我慢するよ」


 「ゴメン、ゴメン」


 「ふぅっ……。それで、今日は間引きだけど無理しないようにね」


 「分かってる。少し森に入るけど、危険なら直ぐ撤退するよ」


 「ちゃんとアタシの所に帰ってきてね?」


 「もちろん。ちゃんと帰って来るさ」



 朝食の後にお互いを浄化して、俺は準備の為に部屋へ戻る。装備を身に着け部屋を出ると、裏庭にリヤカーを取りに行く。


 リヤカーを牽いて村を出発し、川の傍を遡るいつものルートを進む。


 村から2キロで森に入るのだが、そこから600メートルぐらい進む。実はこの場所から森に200メートルほど入ると開けた場所がある。


 川の方、つまり外側からは見えないのだが、【空間把握】では簡単に分かるほど大きい。


 300メートルほどの円形に開けた場所。そんな場所がなぜ在るのか分からないが、整備して利用しようと思っている。まずはそこまでの道を作る為に木を伐ろう。


 伐っては【錬金術】と【練成術】で丸太にして進んで行く。途中ゴブリン3匹とコボルト3匹が襲ってきたので始末し、処理しながら進む。


 昨日作った大きめのリヤカーが通れる道なので広めに道を作る。


 リヤカーの幅は3メートル程度あり、長さは5メートル程ある。これぐらい無いと獲物を沢山持って帰れないのでしょうがない。200メートル進み開けた場所に道が繋がる。


 一旦村に戻って解体所で獲物を売り、ついでにナンサンドを買って再び森へ。



 「グルァーッ!!!」



 ソードグリズリーじゃなくてフォレストベアだった。いつも通り目を抉り脳を破壊する。最早慣れてしまったので、流れ作業で処理をしていく。

 

 開けた場所に着いたので、まずは堀作りからだ。【土魔法】の【落穴】を使い、深さと幅が5メートルの堀を作る。


 【落穴】は、名前の通り落とし穴を作る魔法なんだが、1回で作れるのは最大で深さ1メートル、直径1メートル程度だ。


 土は無くなったりせず任意の方向に出せる。この世界の土木工事でも土魔法は使われており、色々な所で活躍している魔法だ。


 重機要らずとは言わないが、魔法の御蔭で地球よりは苦労の少ない世界だと言える。


 昼食のナンサンドをたべた後、長い時間を掛けて堀が完成した。出入り口になる所は2ヶ所作り、幅6メートル程の道は出入り口用に残してある。ここでタイムアップだ。


 既に夕日が森を照らしているので早々に村へ帰らないといけない。案の定、帰り道で魔物に遭ったが、ソイツは初めてのヤツだった。



 「グガァッ!! グガググガ!!! グガァガグ!!!」



 ソイツは身長2メートル近くのゴブリンだった。ただし普通のゴブリンとは違い、灰色のオーラを纏っている。邪生だが、久しぶりに見たな。



 「【肉体浄化】【精神浄化】【魂魄浄化】」


 「グギュッ! ………グ……ゲ……」



 アッサリ動けなくなったので、今回は全力で邪生を浄化する事にした。浄化の力を強めていき、神界の雰囲気が少し出てきた辺りで完全に浄化されたらしく、邪生は死んだようだ。


 何故なのか全く分からないが、前に戦った邪生と違い安らかな顔をしている。もしかして邪生は完全に浄化してやった方が良いのかもしれない。


 そんな事を考えながら首を切り心臓を取り出す。心臓を食べた後に残りをリヤカーに載せ、更に浄化してリヤカーを牽いて帰る。


 村に戻れたのはギリギリだったので直ぐに解体所へ持って行った。登録証を預けると昼前と同じくジャロムさんとベグさんが来た。



 「ほう! フォレストベアはともかく、ゴブリンの邪生か!」


 「ゴブリンの邪生ですか、中々珍しいですね」


 「珍しいんですか?」


 「うむ! 他の魔物に食われてソヤツが邪生になる。ゴブリンは邪生でも弱くてな、他の魔物を邪生にする餌のようなものだ」


 「なるほど、そういう意味で珍しいんですね」


 「しかし、相も変わらず綺麗に浄化してあるな……」


 「何故か安らかな顔をしてますね……」


 「ふむ……。フォレストベアは大銀貨1枚で、ゴブリンの邪生は金貨1枚と銀貨3枚という所だな」


 「それでお願いします」



 登録証と売却金と木札を受け取り、リヤカーを浄化して宿に戻る。女将さんに話し、庭にリヤカーを置かせて貰ってギルドへ行く。


 ギルドに着きミュウさんに登録証と木札を渡すと、横に居た5人組が声を掛けて来た。



 「どうも、お疲れ様です」


 「お疲れ様。稼げたかい?」


 「稼げたよ。そんな事より、アタイの武器はアルドが作ったんだって?」



 虎人族の子の武器を見たら、俺が作ったバルディッシュだった。アレをチョイスしたのか……。攻撃の手数は多くないので、上手く狙えるだけの技量が要る武器だ。



 「確かにそれは俺が作った物だよ」


 「これ中々良くてさ、豪快に叩き割れてイイんだよ!」


 「御蔭で調子に乗ってますが……」



 そんな事を話していると横にダナが来ていた。ちょっと機嫌が悪いようで、また軽いヤキモチを焼いているらしい。機嫌を直す為に抱き寄せてキスをする。


 こういう細かな事が出来るかどうかを、女性は見ているし感じ取る。昔職場に居たモテる同僚がそう言っていた。いつか刺されるだろうと笑われていたヤツだったが。



 「///。お帰りっ! アルド」


 「ただいま、ダナ」



 かつての同僚よ、今だけは素直にありがとうと言っておく。ダナの機嫌は一気に急上昇した。


 代わりに周りからジト目で見られているが……。もう気にする事じゃ無いな、周りも呆れているだけだ。


 この世界は地球の古い時代とよく似ている。恋愛関係は職場でオープンでも特に問題が無い。


 地球でも古い時代は、恋愛も性的なものもオープンだったと聞く。この世界もそんな感じだ。


 性的なものはそこまでオープンでは無いものの、代わりに恋愛関係はオープンだ。俺も順調にこの世界に染まってきているなぁ。


 ミュウさんから登録証を返して貰い宿に帰る。ダナはもう少し仕事があるらしく、一緒に帰れない事を非常に残念がっていた。


 宿に帰り、女将さんに宿の宿泊費である銀貨1枚と大銅貨10枚を払い10日延長する。その後、夕食を注文して大銅貨2枚を支払い部屋に戻った。


 装備を外してから、部屋を含めて全てを浄化した。十手だけベルトに指し食堂へ行くと、丁度ダナが宿に入って来る所だった。


 いつものカウンター席に座ると、ダナも隣に座った。今日はワインの小樽を持って来ている様だ。



 「アルド、ゴブリンの邪生を倒したんだって?」


 「お客さん、邪生と戦ったの!? 体は大丈夫かい?」


 「大丈夫ですよ。前もオークの邪生を討伐していますから」


 「そうそう。トーカ、問題なんて無いんだよ」


 「そうなのかい? 強いんだねぇ」


 「そうさ! アルドは怪我もしてないよ」



 食事を終えて部屋に一緒に戻る。テーブルをベッドに寄せ小樽を置くと、ダナはベッドに座った。ダナが自分の横をポンポンと叩くので、横に座りワインを【熟成】する。


 ダナはワインを機嫌良く飲みながら話しをするも、頻繁に俺の体を触ってくる。どうも朝からの我慢が限界に近いらしい。お酒もそこそこに、ダナは俺を押し倒してきた。


 我慢が余程辛かったのか、昨日以上に激しかった。ダナが大満足したので浄化して一緒に眠る。おやすみなさい。



 ▽▽▽▽▽


 0024終了時点


 金貨9枚

 大銀貨5枚

 銀貨15枚

 大銅貨25枚

 銅貨9枚


 鋼の脇差

 鋼の十手

 鋼の槍

 石斧

 オーク革の鎧

 革と鉄の肘防具

 革と鉄の膝防具

 革と鉄のブーツ


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