0248
ダンジョンに入り、どんどん先へと進んで行く。途中の海の層で海産物をゲットしたら更に先へと進む。昨日と同じ15層に到達したので、魔鉄の鉱脈まで行ってみる事にした。
昨日追い駆けられて逃げた奴等が戻ってきているのかと思っていたが、人が1人も居ないという状態だった。中を調べて分かったが、魔鉄が復活していないので誰もいなかった。
少し戻り小山の頂点部分で昼食を食べる事にする。小山の上なので見通しが良く、不意打ちなどは受け難いので大丈夫だ。【土魔法】で焼き場と焼き網を作り薪を出す。
皆も慣れたもので、薪に火をつけてどんどんと焼いていく。今日はこの層に来るまでにフォレストベアとダッシュボーアを倒して解体しているので、2匹には内臓類を食べてもらう。
2匹がガッついてる横で、海産物や肉を焼いていく。そうそう、今日は海の層で海老と蟹がとれたんだ。この世界には海老とか蟹は居ないのかと思ってたけど、居たんだよ。
海老と蟹は浄化したら、浄水と塩の入った鍋に入れて殻と身を【分離】していく。既に死んでいるので、【錬金魔法】や【練成魔法】は効果がある。
【分離】が終わったら、そのまま煮込んでいく。十分なエキスが出るように時折【抽出】を使い、旨味を出して煮込めば完成だ。これも潮汁の一種か? 何か名前があったような?。
まあ、美味しければ何でもいいや。海老や蟹に関しては、そもそも見た事が無い為に忌避感も無いようで何よりだ。2匹にもちゃんとあげるから、落ちつきなさい。今入れるってば。
「いやー、このスープはちょっと洒落にならないね。こんなに美味しいのは生まれて初めてだよ! 妙な生き物だと思ったけど、こんなに美味しいなんて。世界は本当に不思議さ」
「あんな甲殻だらけのものが、煮込むとこんなに美味しくなるなんて、殆どの者は知らないでしょうね!」
「それにしても美味しいわ~。本当に美味しい。初めて見たという事は、なかなか居ないのでしょうね。こんなに美味しいのだから、滅多に居ないのも頷けるわ」
「あの平べったい足が8本の奴は、昔エルダ海洋国に行った時に食べたような……。昔の事だから殆ど忘れてしまっているけど、あの蟹とやらを見た気がするんだよ」
「私は海を見た事もなかったから、どんな生き物が海にいるかもしらないが、どこにでも美味しいものというのは居るんだな。大きな虫かとも思ったが、違っていて美味しい」
「一応言っとくと、海老と蟹は厳密には虫の仲間と言えるからな。美味しいんだから野暮な事を言う気は無いんだが、言っておかないと勘違いされそうなんで、一応な」
「虫の魔物は食べられるんですよね。そんなに大きくないですから、子供の頃から捕ってました。美味しい虫の魔物もいるので、なかなか侮れないんですよ」
「これが虫の仲間ですか……。まあ、美味しければ何でも良いのですが。それにしても、美味しいスープですね。城の料理でも、ここまで美味しいスープが出た事はありません」
「本当に美味しい。虫と聞くと若干抵抗があるが、姫様の仰る通り美味しければ何でもいいな。海の生き物というのは、本当に美味しいものが多いんだと分かる」
「こんなに美味しいものばかり食べていて良いのでしょうか……。とはいえ、食べないという選択肢は無いのですが、何故かモヤモヤします」
食事を終えた皆はゆっくり余韻に浸っている。あの汁は冷えると食えた物じゃないからな。暖かい内に全員が食べ終わってやれやれだ。食休みの今の内に魔鉄を使って何か作るか。
ミレイアの左手用の武器か盾だな。ただし盾を作るなら木材が必要だ。このダンジョンには硬木があった筈なんだが、変化しているのでどこにあるか分からない。よって硬木は使えない。
となると左手用の武器か。1つは十手だな。ジャンの分も魔鉄で作ってお揃いにしてやろうか。それはいいが……どうする? 順当なトコならダガー、スティレット、鎧通しぐらいか。
大穴で槍、戟、バルディッシュ、ハルバード。結局のところ本人に聞くのが1番手っ取り早いな。ジャンも含めて聞けばいい。俺が魔鉄を使うならフォレストベアの素材より優秀な物を作れる。
「僕の武器……ですか? そもそも僕は何が合ってるかも、何を使ったら良いかも分かっていません。近中遠と3つの距離に対応出来た方がいいのは、教えて頂きましたが……」
「3つの距離か……。近衛では剣を教えられるだけで、それ以外の武器については教えられる事も、教えてくれる者も居ない。王軍には槍兵が居るが、近衛には居ないな」
「普通の国なら槍兵と弓兵、後は騎馬兵ぐらいは揃えるんじゃないのか? 特に弓兵か投擲兵は絶対に必要な筈なんだがな。戦争の時も居なかったんだよ、あれって何でだ?」
「弓はお金が掛かりますので、大抵は魔法兵です。投擲兵……ですか? 多分石を投げるんだと思いますけど、そういう兵は聞いた事がありません」
「そうか……。ところで2人はさっき説明した中に使ってみたい武器はあったか? 何でもいいぞ。駄目なら素材に戻すだけだからなー」
「僕は剣だけ変えて、後は魔鉄で作り直しをお願いします。剣はファルシオンという剣が使ってみたいです」
「私もジャンと同じ剣をお願いする。それと十手という物の他にダガーが欲しい。後、両手に持つ武器は戟というものがいい」
「了解だ。早速始めるんだが、この伐採斧を持って近くの木を伐ってきてくれ。それとジャンの持ってるポーチはミレイアに貸してやれ」
俺は早速魔鉄を【変形】させていく。まずはジャンの槍とダガーと十手を作成する。槍の穂とダガーの刃、十手を作って持ち手は凹凸にしておく。そうしていると木を伐って戻ってきた。
受け取った木をいつもの丸太にして、槍の柄を作る。穂を柄に差し込んだら目釘で止める。後は石突を作って完成だ。魔鉄でダガーの鍔を作ったら、木で持ち手と鞘を作る。
ダガーも持ち手と刃を、鍔を挟んでから差し込み、目釘で固定して持ち手に凹凸を作ったら出来上がり。ファルシオンは、ララに作ったのと同型の物をさっさと作って渡した。
残るは戟だが、これはライブルに渡した物と同じ物にする事にした。本当は青竜戟や方天戟でも良かったのだが、それだと引っ掛ける枝が無いので使い勝手は悪くなるかもしれない。
あえて引っ掛ける事の出来る、普通の戟にする事にした。穂先も槍の穂にしたので、ライブルに渡したのと違うのは材料ぐらいだ。完成したので渡して振らせる。
俺はその間に穴を掘って、いらなくなった武器を【粉砕】して埋めてしまう。オルニアが「勿体ない!」と言っているが、作った俺が捨てているのだから別にいいだろうに。
バランスや重心など、特に問題は無い様だ。今の内にミレイアに戟の使い方を教える。特に枝の使い方を重点的に教え、槍として使うのは止めるように言っておく。
妙な表情をしていたので、前に近衛の男が槍として使った話を聞かせてやった。すると、ミレイアよりもオルニアの方が渋い表情をしていた。ファルシオンも問題ない。これで完成!。
オルニアは横で熱心に聞いていたが、特に戟を使って重装兵を引き摺り倒す方法に興味があるようだった。詳しく聞いてみると、重装兵を倒せば名を上げられると考えているらしい。
一応、帝国の重装兵は精鋭中の精鋭なので、普通の兵を倒すよりは当然だが評価が高くなる。オルニアとしては、平民として何処まで成り上がれるか試したいそうだ。
上昇志向が高い所為で、余計にミレイアの恋愛に呆れていたのかもしれないな。成り上がろうとする平民と、恋愛する子爵家の令嬢。腹が立つのも分からないではない。
とはいえ、ミレイアが成り上がりの邪魔をする訳じゃないから、嫉妬や憎悪を持たないのだろう。こっちに妙な感情を向けてきたら、始末すれば良いか……。たぶん大丈夫だろうけどな。
こういう成り上がりを真面目に考えてる奴は、高い確率で自制出来る奴だ。怒りを撒き散らしても、成り上がりの邪魔にしかならないと分かっているからだろうけど。
成り上がりは良いが、余計な揉め事とか起こすなよ。場合によっては始末されるぞ? ……まあ、言われなくても分かってるだろうが。
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0248終了時点
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銀貨56枚
大銅貨274枚
銅貨2枚
ヒヒイロカネの矛
ヒヒイロカネの小太刀
剣熊の爪のサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
二角の角の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
剣熊の骨の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
強打猪の革のジャケット
強打猪の革のズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ