0244
「相変わらず、海産物は美味しいねぇ! 海の臭いは好きじゃないけど、食べ物は美味しいんだよ、ホントに。……そういえば、アルドは1つ前の層で何してたんだい?」
「ああ、忘れてた。ほらっ! それジャンにやるよ。偶々見つけてな、急いで取ってきたんだ。ポーチだから入る量は少ないし、俺達は必要ないからジャンが持ってろ」
「は、はい! ありがとう御座います!! ……これがアイテムポーチなんですね、初めて見ました。これって沢山の物が入るんですよね? いったいどれくらい入るんだろう……」
「残念ですが、あまり入りませんよ。入っても背嚢4個分ぐらいですかね? まあ、ポーチ1つにそれだけ入ると考えたら多いのでしょうが、小物を入れておくぐらいにしなさい」
「そうしておかないと、何かあった時に困るからな。私もアイテムバッグの中に持っていたポーチを入れてあるが、急に荷物が増えると困る事が結構あった。常に空けておいた方が良い」
「成る程、分かりました。……と言っても、お金の袋ぐらいしか入れる物がありませんので、空きだらけですが。いつか、入れ過ぎて困る時が来るんでしょうね」
「アイテムポーチはそれなりに見つかると言われるけど、それでもなかなか見つからないんだよ。私も昔探してた事があってね、逆にアイテムバッグの方が見つかったんだ」
「私もダンジョンに潜って探せば見つかるのでしょうか……見ていると欲しくなってきてしまいます。ダンジョン内では様々な物が見つかると聞きますけど、どうなんでしょう?」
「どうと言われてもね……。魔道具とかはよく聞くけど、実際に手に入るかと言えば……難しいよ。100回潜って、1回手に入れば運が良い方じゃないかねぇ……?」
「同じ様な魔道具も多いって聞くわね。形が違っていても効果が一緒とか、魔力の消費が多いのに効果は一緒とか……。昔もよく聞いたけど、今は違うのかしら?」
俺の方を見て言わないでくれる? 俺だって魔神が何を作ってるかなんて知らないよ。それに、ダンジョンに下ろす魔道具を作っているのは魔神だけじゃないし。浄神が作っている事もある。
他の神が作っている事もあるしで、よく分からないんだよ。だから俺に聞かれても困る。ここは話を逸らす為、フォレストベアの肉も焼こう。浄化と【熟成】がしてあるので良い匂いがしてきた。
ジュージューという良い音と、脂が焼ける良い匂いがすると皆の目が釘付けになる。これは1人1枚以上は食うだろうな。止むを得ず、ジャンと一緒に熊肉をドンドンと焼いていく。
流石に全員分は大変だったが、ジャンに第三王女と近衛2人の分を任せたから助かった。ジャンは泣きそうな顔をしていたが気にするな。誰も気にしてないぞ? だから安心しろ!。
「フォレストベアの肉も美味いな。熊の肉とはこんなに美味いものなのか……それとも自分で倒したからだろうか?」
「どっちもじゃないですか? アルドさんの【浄化魔法】や【錬金魔法】の御蔭で美味しいものが食べられるそうですし、僕も自分で狩った魔物は思い入れがありました」
「成る程な。やはりそういう部分はあるのか……。私もな、戦っていて気付いたんだ。フォレストベアなど戦う相手とも考えていなかった。意識しないようにしてたんだ、魔物そのものをな」
「……とはいえ、騎士団の相手は敵国な訳ですから、魔物相手の戦いは想定しないんじゃないですか? それは違うというか、傭兵の仕事ですから」
「そうなのだが、戦争中でも魔物に襲われる事もある。それにな、私は国の為、誰かの為に戦いたかった。それに敵国や魔物は関係ない。戦いの後にそんな事を思い出していたのだ」
「………」
「家柄だけの愚か者なのに、今更ながらに子供の頃を思い出すとは何とも情けないものだ。でも……思い出すと、愚かにも諦める気はなくなるのだから、バカは救いようが無い」
「そんな事ありませんよ。僕は強い人に弟子入りすれば強くなるなんて、安易に考えていました。どれ程の努力が必要で、どれほど大変かなんて考えもしなかった……」
「似た様なものか……。本当の強者からすれば話にならないのだろうが、たとえ弱くとも諦められないものはある。今度こそ諦めずに前を向こうと思う。お互い頑張ろう」
「はいっ! 一緒に頑張りましょう!!」
あの2人随分良い雰囲気だな、ここまで上手くいくと笑いが止まらなくなりそうで困る。何とかミレイアをこっちに引き込めないかなぁ……。もっとじっけ……ゲフンッ! ゲフンッ!。
もっと鍛えてやるんだがなー。姫騎士とは違って捕まらず、ゲリラ戦で戦い続けられるぐらいに仕込んでやるんだが……。まあ、今は焦らなくていいか。その内上手くいくかもしれない。
「大変良い雰囲気のところ申し訳ありませんが、そろそろ出発ですよ? 2人とも立ちなさい。後でゆっくり愛を語り合えばいいでしょう。何でしたら、その場を用意しましょうか?」
「い、いえ! 直ぐに用意を致します! しょ、少々お待ち下さいっ!!」
「ジャンもミレイアも焦らなくていいぞー。まだ焼き場と焼き網を壊してないからなー。……聞いてんのか、あの2人? 顔真っ赤にしてるだけで、返事もしないとは……」
「まあ、良いんじゃないかい。いやー、甘酸っぱい青春だねー。見てる分には楽しいんだけど、本人達は大変だろうからさ。あんまり楽しむのも良くないかね?」
「まあ、その結果駄目になると本人達も納得出来ないでしょうから、程々で良いのでは? 周りを気にせずに恋愛をすれば良いと思います。私達は気にしませんし」
「私達はオープンだもの、2人もオープンにすれば良いのよ。別に悪い事をしてる訳ではないし、寧ろ良い事なのだから胸を張りなさい」
「男と女が愛し合うなんて、とても自然な事さ。どうせ私達はオスとメスでしかないんだ。お互いに求め合うものなんだよ、産まれてきた時からね」
「そういう意味では、私も変わらないな。愛する男を見つけたら、暗殺者だった私は普通の女になった。だが、そんな自分が嫌いじゃないし、最近は好きになってきている」
「男と女ってそんなものなんですね。なんだかちょっと羨ましいです。いつか私にも、そういう殿方が現れるのでしょうか?」
「そりゃ、現れるさ。ただし、自分でも探そうとしないと、”良い男”は見つからないよ? それに、居ても他の奴に取られるかもしれないから、頑張って探しな」
流石にそろそろ出発しよう。俺達は再び三角形の陣形を敷き、西へと進む。どうせこっちに転移紋があるんだろ? そう思って進むと予想通りに転移紋があったので、乗って11層へ。
11層も西へと進んで行く。海の層は魔物が少ないので移動が楽だ。西の転移紋で12層へ。12層目も西へと進むと転移紋があったので、乗って13層へと進んだ。
「13層は山か……。人が固まっている所があるんだが、もしかして金属でも掘ってるのか? この辺りだとどんな金属が採れるんだろう。銀とか金か?」
「分からないよ? 大量に鉄が取れる場合だってあるかもしれない。帝国は特にだけど、やっぱり鉄は必要な金属だからね。生活に必要だってのが決め手だろうけど」
「まぁ、武具だけだとそこまで大量に必要ではありませんからね。国家としては、金や銀より鉄でしょうね。どこかの国に鉄を依存していると、困った事になりますし……」
「まさに帝国がその状態だと言えるけど、だからいつかは鉄欲しさに攻めてくるだろう。今回は愚かな貴族の処理だっただけで、いつ本格的に攻めてくるかは分からない」
「まずは人が集まっている所で何をしているか調べましょう。ここで話していてもしょうがないわ」
「そうだな。とはいえ、調べて意味があるのかは分からないが。金属を掘ったりはしないのだろう?」
鉄なぁ、どうしようか迷ってるんだよな……。場合によっては掘っても構わないんだが……どうしたもんかね?。
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0244終了時点
大白金貨1枚
白金貨2枚
大金貨18枚
金貨68枚
大銀貨104枚
銀貨56枚
大銅貨292枚
銅貨2枚
ヒヒイロカネの矛
ヒヒイロカネの小太刀
剣熊の爪のサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
二角の角の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
剣熊の骨の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
強打猪の革のジャケット
強打猪の革のズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ