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 「これがマシって相当酷いね? 流石にちょっと……洒落にならないと思うよ。どうにかした方が良いんだろうけど、掃き溜めと言われる所をどうにか出来るのかい?」


 「それは……。本人に問題のある者は無理でしょうが、この者のように周囲が問題な場合は改善出来るやもしれませぬ。ただ、そこまでする価値があるのかと、そんな暇があるのか……」


 「確かに、そうだな。我が国としても、そのような者どもに国の財を使う訳にもいかんし、構っている暇も無いと言える。己でなんとかしろと言いたいが、安易に手を離すとな……」


 「何をするか分からないってトコか……。王都の近くの間引きとかさせれば良いんじゃないのか? 適当におだてりゃ、やりそうな気がするし、そこで死んでも本人の責任だしな」


 「何と言いますか……それって、ついでに自分達の食い扶持は自分達で稼げと言ってませんか? 私としては無駄金使うくらいなら、やらせた方が良いと思いますが……」


 「今までにも似た様な提言が何度かあったらしいのだが、奴等はその程度すら出来ない程に弱かったらしい。それと、プライドだけの連中なので命令を聞かなかったそうだな」


 「だったら、言う事を聞く奴とか役に立つ奴と、それ以外で扱いを変えてやればいい。魔物の間引きもキチンとやる奴は、プライドが少し満足する扱いにしてやれば良い」


 「成る程。良い扱いをしてやるのではなく、バカのプライドが少し満足するだけにしてやる訳ですね。そうすれば、また満足したくて仕事に励むでしょう」


 「結局は平民よりも貴族の方が欲深いものだしな。奴等に対しては、鼻先に餌をぶら下げるのが1番良いのだろう。その時点で貴さなどカケラも存在しないのだが……」


 「ディルは意外に言うねぇ……。まあ、バカな貴族に関われば誰だって思う事だけど。……そういや、ディルの昔の仕事に、貴族に対して行うものとかあったのかい?」


 「貴族を暗殺する仕事は無かったな。良くも悪くも、政治争いというのも貴族の仕事だ。そこで相手の首をとらないと、功にならないらしくてな。暗殺されると手柄にならないそうだ」



 成る程ねぇ……。確か、日本の戦国時代でも暗殺は多くなかったと聞いた事がある。戦場で倒さないと武功にならないから、暗殺者に首をとらせなかったらしい。本当かどうかは知らない。


 ただ、寺社関係が暗殺者を使った記録も残ってるんだよな。それが何とも言えない。それが寺や神社のやる事か? と思うのは、俺が戦国時代の人間じゃないからだろうなぁ……。



 「さて、流石にそろそろダンジョンに出発しよう。このままダラダラしていてもしょうがないし、ジャンもそうだが第五の女騎士も鍛えた方が良いだろうしな」


 「そうだね。今のままじゃ本当に邪魔にしかならない。本気でやる気があるなら、一定のレベルまでは伸びるんだけどね。結局、やる気の問題って凄く大きいんだよ」



 近衛の本部を出て、貴族街の門を通り王都を出る。ダンジョンに到着したら早速7層目の森まで進む。ここまで魔物との戦闘は無いので、練習させる事も出来なかった。


 7層目では魔物を探して歩かずとも、【気配察知】に十分な反応がある。【気配察知】もそうだが、使い熟す事で範囲が広がったり、詳細が分かるようになったりする。


 使えるのと使い熟すのは全く違う。そう言われる理由はキチンとある。そんな事をこの場の全員に伝えておく。ウチの女性陣は知ってる事だが、大事な事なので何度も言い聞かせる。


 俺は完全にサポートに回って皆に【気配察知】をやらせていく。いつまでも俺が教えてると上達しないしな。俺が何してるかって? 第五の女に剣の振り方から教えてるよ。


 幾らなんでも基本すら出来てないんだから、危なっかしくてしょうがない。1度目の時、よく剣を出さなかったな。そこだけは褒めてやる。そう言える程に酷いんだよ、冗談じゃなく。


 子供の頃に自分の家の傘下である、男爵家の者から教えてもらったらしい。貴族がまともに剣を使えるとは思わないんだが、疑問も持たなかったんだろうな。一から矯正するのは大変だ。


 面倒になった俺は【心静】と【集中】を使い、強制的に集中させて訓練をさせる。半洗脳とも言えるやり方だが、戦闘方法を教えるだけなのでセーフ、セーフ。言わなきゃバレないさ。


 ちなみに第五の女騎士は、ミレイア・ヴォランというらしい。ヴォラン子爵家というのは王国の東部に領地を持つらしいのだが……アレ? 戦争の時に子爵家の奴を殺したぞ?。


 そんな話を王女にすると、第二騎士もミレイアもビックリしていた。どうも、平民が貴族を殺すというのが信じられなかったそうだ。戦争の時に殺した奴は、別の子爵家の当主らしい。


 第二の方は平民からの抜擢らしく、余計に驚いたんだそうな。平民が近衛に上がっていくには王軍からのコースしかないそうで、王軍に入るには募集に応募すれば良いらしい。


 その時の体力測定などの試験で落ちる者も多いそうで、試験を潜り抜けた優秀な者が鍛錬を積んで近衛に行く。本当の狭き門なので、近衛に居る平民は全員優秀で取り合いになるらしい。


 第五騎士団以外は優秀な者を常に募集している状態らしく、平民からの叩き上げは引く手数多なんだと誇らしげに語っている。気持ちは分かるし、凄い事なんだろう。


 ウチの女性陣は全くカケラも理解出来ないと言っているが……。傭兵の方が自由だしお金も儲かる。なぜ自分から国の駒になりに行くのか理解出来ないようだ。どっちの気持ちも分かるな。



 「まあ、やりたい事をやれば良いんじゃないか? 「そこ、もっとコンパクトに振れ!」傭兵だろうと軍だろうと、自分の命を懸ける事に変わりは無いんだ」


 「それも、そうなんだけどさ。理解できないものは理解できないねぇ……。それはともかく、意外にこの子才能あるんじゃないかい? なんか、あっと言う間に正しく振れてるんだけど……」


 「集中しているからじゃないですか? まあ、集中力を維持出来るのは一種の才能と言えるでしょうが。ジャンもそうですが、正しいやり方を指導されれば伸びるのでしょうね」


 「ライブルですら、斧の振り方も知らなかったしな。メイスや戦斧なんて、元々戦争の時に使う対人用の武器なんだ。なのに、騎士団長が使い方も知らないってどうよ?」


 「メイスや戦斧というのは、戦争用の武器なんですか? 硬い魔物などを倒す為の武器だと思っていました。もしかして、兜ごと相手を倒す為なんでしょうか?」


 「そういう事。人類種は古くから、頭を守る為の兜と、胴体を守る為の鎧を発明してきた。致命傷を受けない為だ。ただ、倒す側からすれば致命傷を与えたいワケだな」


 「だから、兜や鎧ごと叩き殺す武器を使うようになった。私が若い頃に見てきた者達も、木の棍棒とかを普通に使ってたからね。棍棒なんかは1000年以上前から使われてるだろうさ」


 「シンプルであり、それだけ優秀って事だ。戦斧もそうだが重量を叩きつける武器というのは、それだけで恐ろしい威力を発揮するからな。剣のように技術を学ぶ必要も無い」


 「振り下ろして叩きつけるだけで良く、誰にでも使える恐ろしい威力の武器か。そんな物があるのなら、古くから使われるのも当たり前の事だな。兵士に持たせるには良い武器だ」


 「槍も、剣に比べれば使い勝手の良い武器だと言える。剣が悪いという事はないが、そこまで剣が良い武器だとも言えないんだよ。剣はむしろ汎用性の高い武器だと思う」


 「色んな場面で使える、それなりの武器。それが剣って事だね? ……まぁ、言われてみれば否定のしようがないんだけども、身も蓋も無いと思ってしまうのはアタシだけかねぇ……」


 「どうでしょうね。私は元々拳ですし、姉上は鞭ですから剣を主体に使っていた訳ではありません。ダナとディルぐらいですか、剣を主体にしていたのは」


 「そうね。私は槍だし、アルドは何でも使い熟せるわ。……アルドが1番反則なのは間違い無いけど、何でも使い熟せるならそれが1番良いのよね」



 反則ってなんだよ、反則って。闘神との修行の結果だよ!。……大変だったんだよ、ホント。



 ▽▽▽▽▽


 0240終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨18枚

 金貨68枚

 大銀貨104枚

 銀貨56枚

 大銅貨309枚

 銅貨2枚


 ヒヒイロカネの矛

 ヒヒイロカネの小太刀

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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