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0236




 朝食を終えて俺達は動き出す。まずはライブルの所へ行くんだが、当然のように隠密の3つの技を使い素通りしていく。貴族街の門も王城への門も素通りし、近衛の本部に到着した。


 ここの訓練場で、前回呪いを解く仕事をしたんだよなー。ちょっと懐かしくなっているのが、何とも言えない。気を取り直して、ライブルの居る奥の部屋へと進んで行く。


 近衛の中でも上の方の者が固められている区画だからか、他の場所に比べて随分静かだ。訓練場の方からは、訓練をしている近衛の声が小さく聞こえるが、それ以外は凄く静かだな。


 ライブルの部屋の前まで来たが、中に3人の反応がある。ライブル以外に2人居るんだが、何故か懐かしの兵務卿と軍務卿が居るぞ? 戦争の事で何かあったのか……聞けば分かるか。



 「こんにちわー、お届け物でーす。……おはよう、そしてこれを届けに来たんで受け取ってもらえるか?」


 「おはようございます。……まぁ、構いませんが、いきなり私の部屋に来られても困るのですがな。……??? この白紙の手紙はいったい何ですか? 見た事がありませんが?」


 「はぁ? どういう事だ? 近衛を名乗る奴が村に来て、報酬が欲しけりゃ火の季節の35日までに取りに来いって言ってきたんだ。だから俺達は王都に来たんだが……嘘だった?」


 「!!! いったい誰がそんな事をやったのだ!? 近衛を名乗る者を使うとはどういうつもりだ! ……この件、このまま放っておいては問題になりかねんぞ」


 「うむ、全くだ。白紙の手紙というのもよく分からんが、近衛を名乗る者が居るという事そのものが大きな問題となる。近衛の言う事だからと、騙される者が出かねん」



 俺は村に来た使者の特徴と、火の季節35日までに王都に来るように言われた事。それと、この白紙の手紙を持参するように言われた事を、この場の3人に詳細に説明した。



 「ふーむ。……近衛が使者をする事はあります。ただ、言葉が悪いのは承知の上で言いますが、一介の傭兵程度に対して近衛が使者をする事はあり得ません」


 「いや、言葉は悪くないし、そりゃそうだろとしか思わない。そもそも、近衛って暇じゃない筈だしな。俺達はその手紙が、本人確認用の物だと思ってたんだよ」


 「ああ、成る程。そう思うのも分からんではないが、それでも白紙というのはあり得ん。説明の内容を記した紙を入れる筈で、白紙というのは流石に無い」


 「白紙では何がなんだか分からんからな。ただ、先ほどの説明にあった、近衛の鎧を着ていたというのは大きな問題ではないかね? どこからか流出したという事になる」


 「とりあえず、私はこの件を陛下に御報告して来るので、アルド殿はお聞きした宿で待機をお願いしたい。傭兵ですからな、狩りやダンジョンに行かれるのは構いませんぞ」


 「それを聞いて安堵したよ。流石に宿の中にずっと居続けるのは暇すぎる。適当に硬木でも伐ってきて、お金を稼ぎながら待っているとしようかな」



 俺は再び隠密の3つの技を使い、近衛の本部を出て宿へと戻る。門の意味が無いなー、なんて横目で見ながら宿に戻ると、中庭で皆がジャンを指導していた。自分の練習はどうした?。



 「おかえり。ライブルとの話は上手くいったかい? 拗れたりは無いと思うけど、上手くいかなかったなら、あの子に話を通してくるけど?」


 「上手くいく、いかないという問題じゃなかったよ。あの手紙を持ってきた近衛が、偽者の可能性が高いという結果になった」


 「「「「「「えっ!?」」」」」」


 「どういう事です!? あの近衛が偽者? いったい誰が何の為にそんな事を。そういえば、あの手紙の中身は白紙の紙でしたね。妙な物だと思いましたけど、偽物ですか……」


 「確かに妙な手紙だったのよね……。でも、近衛の鎧は本物だったと思うけれど、偽者はどうやって近衛の鎧を手に入れたのかしら? あれって売ってる物では無い筈よ」


 「前にアルドに喧嘩を売った、アホの鍛冶師組合かねぇ……。確か、近衛の剣やら鎧やらを作ってるのは、鍛冶師組合だった筈。あの対決の時も、偉そうにその事を言ってたし」


 「鍛冶師組合……。たかがその程度の組織が、近衛の偽装をして主様に意味の無い手紙を渡すのかい? ……何か腑に落ちないと言うか、納得は出来ないね」


 「仮に鍛冶師組合がやったのなら、その後ろに貴族でも絡んでいるのではないか? 確か、この国にはアルドが気に入らないという貴族が、それなりに居るんだろう?」


 「まあ、何人かの貴族はブッ殺したからなぁ。それでの恨みとかはあるかもしれないし、貴族相手には敢えて言葉使いを悪くしたりしていた。それが気に入らないんだろうさ」


 「貴族から睨まれただけで、生きていけないのが普通なんですが……。貴族を倒してしまったんですね。それってマズいんじゃないんですか?」


 「問題ないよ。殺して良い奴しか殺してないからな。そんな事よりもだ、狩りに行ってもダンジョンに行っても構わないらしい。だから今日はダンジョンに行って実戦訓練だ」



 部屋に戻って装備を身に着ける等の準備をする。終わったので、宿の入り口で2匹と共に皆を待っていると、何故か第三王女がやって来た。……これからダンジョンなんだけど?。



 「おはようございます。実はですね、皆さんが来ているとライブルから聞きまして。狩りかダンジョンに連れて行って頂けると、大変ありがたいのですが……」


 「まあ、構わないが……。そもそも近衛の護衛が居るんだし、俺達に関係なく行けば良いんじゃないか? それとも行けない事情があったりするのか?」


 「あまり言って良い事ではないのですが、第三王女ともなると護衛の質は下がります。もちろん、護衛は皆頑張ってくれているのですが……質の問題で陛下から許可が下りないのです」


 「それは多分、父親として許可を出さないだけだと思うぞ。娘に危険な所に行ってほしくないだけだ。王太子のように、魔物を討伐したりしてアピールする必要も無いんだろ?」


 「それは、ありませんが……。ですが、将来の為に力をつけておきたいんです! 第三王女という立場である以上は、婚姻に利用されるか傭兵ぐらいしか選択肢がありませんから」


 「それで、変な貴族に嫁がされるくらいなら傭兵になりたいって事か。気持ちは分かるが、そう簡単な事じゃないんだがなぁ……。どっかの国の第一王女じゃあるまいし」


 「リヴィアーテ様の事ですね! あの方とお姉様方は私の憧れです。同じ女として、最高ランクのあの方を誇りに思います」


 「それは止めた方がいいですよ。リヴィアーテがランク12なのは様々な政治的取り引きの結果です。実力で得たものではないですから、憧れるのは止めておきなさい。迷惑でしょう」


 「……そうだったんですか、知りませんでした。まさか、そんな裏があったなんて」


 「実力が無い訳ではありません。ですが、様々な政治的思惑の上でランク12なのです。リヴィアーテはそれに納得した上で受け入れていますから、そこは勘違いしないように」


 「そもそもアルドもそうだけど、実力のある奴ほどランク6で止めたがるからね。アタシ達の場合は、長い時間と様々な関わりがあってのランクなんだよ」


 「ランクを上げるよりも、誰かの為とか何かの為に依頼を請けていたら、現在のランクになってしまったという事ね。それよりも準備は出来てるから、そろそろ行きましょう」


 「今日は宜しくお願いします。……あの、彼はいったい誰でしょうか?」


 「じ、自分は猫人族のジャンと言いますっ! アルドさんに弟子入りして、教えてもらってます!」


 「弟子入り……ですか? まさか弟子をとられるとは思いませんでした。そういう事は面倒臭いと言って、断りそうな気がするのですが」


 「本来なら、そうなんだけどな。ジャンには浄化魔法を教え込むのと、最初から正しい方法で修行したらどこまで強くなるのか。そういう実験に付き合ってもらってる」


 「じ、実験……」



 第三王女がジャンを憐れみの目で見ているが、滅茶苦茶優遇されているとは思わないんだな。正しい修行法なんて、神様しか教えてくれないんだけどね。



 ▽▽▽▽▽


 0236終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨18枚

 金貨68枚

 大銀貨107枚

 銀貨56枚

 大銅貨22枚

 銅貨2枚


 ヒヒイロカネの矛

 ヒヒイロカネの小太刀

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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