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0234




 ダナとシュラの本日の練習の感想は、特に間違っていない。自分の事が正しく把握出来ている様だ。高くとも低くとも、自己分析としては間違いだからな。修正しておく事は必要な事だ。



 「私はコツも無かったから、ひたすら魔法を使っては制御に挑戦するという繰り返しだったわ。結局1度も上手くいかなかったけど、多少のコントロールは何度かできたわね」


 「シュライアも言っていたけど、魔力消費の多い魔法に慣れる事は出来てないね。流石に難易度の高い魔法だ、一筋縄ではいかないよ。魔力の制御も含めて、今後の課題さ」


 「私は正しい身体強化を多少は身につけられたんじゃないかと思う。体を動かしながらも失敗せずに使う事は出来ていた。戦争時についていく事も出来ていたしな」


 「ディルは戦争時に何とかという感じだったが、ついて来る事は出来ていたな。その事も含めると、もう少しで感覚強化の方を覚えてもらう事になるだろう。その後が大変だが……」



 まぁ、ディルの場合は基本が完全に終わったら【念術】が待っているんだがな。あの地味で音も無いキツイ修行をする事になるのか。ディルなら耐えれそうかな? どうだろうか……。


 どのみち念神の子孫と言えるだけに、【念術】の修行は避けられない事だ。教えなければ、絶対に念神からクレームが入るだろうからな。四六時中【念話】とかしてきそうなんだよ。


 そういう嫌がらせは御免被るので、こっちから教える事になるだろう。


 さーて、そろそろ夕食の時間だろうから食堂に行くか。お腹が空いていたのか、2匹が先導する形で食堂に行く。


 食堂に着くと、見知らぬ人物が1人立っていた。着ている鉄の鎧は……アレって確か、近衛の鎧じゃなかったか? という事は、もしかしてアレが王都からの使者か。


 その使者は固い言い回しで口上を述べた後、手紙を渡してきた。言っていた事は、火の季節35日までに王都に来る事と、渡された手紙を持ってくる事だった。本人確認用の手紙か?。


 使者は口上と手紙を渡すとさっさと帰っていった。こっちも用は無いので別にいいんだが、一応手紙を確認しておくか……。思った通り、何も書かれて無い紙が入ってるだけだ。


 もう少し捻っても良かったと思うが、こんなものか。明日から王都に出発だ。ジャンを連れて行くかどうかを決めないといけないんだが、まぁ置いて行く事もできないからなぁ……。


 今日が火の季節29日だから、余裕で間に合うし道中も練習をさせればいいか。ついでにダンジョンに入って、中を探っていくかな。もしかしたら、アイテムバッグが見つかるかも?。


 淡い期待ではあるんだけど、それぐらいは期待してもいいだろう。アイテムポーチぐらいなら、ジャンにあげればいいか。装備品の収納には使えるだろうし、多少の荷物は入る。


 俺達はカウンター席に座り、大銅貨9枚を支払い夕食を注文する。ゆっくり待っていると女将さんが夕食を運んできてくれたが、今日は俺の話を先にさせてもらおう。



 「明日から王都に向かって出発するけど、ジャンもついてくるようにな。ついでにダンジョンに潜って戦闘もさせるから、そのつもりで」


 「は、はい! 王都なんて初めてです。僕はこの村と生まれ育ったサングの町しか知らないので、王都などの都会には行った事が無いですから。凄く楽しみです!」


 「あー……。まぁ、楽しみにしてるといいよ、うん。誰もが憧れて、誰もが幻滅する。それが王都ってもんだからねぇ……。どこの国でも変わらないけどさ」


 「ですね。都会というか人が多い所ほど、汚い所は多いですから。それに、妙なのが居たり邪気が溜まっていたりと、この村の方がマシだという所は沢山ありますよ」


 「そうなんだよね。私も村ぐらいしか知らないから、王都なんてどんな凄い所だろうと思ってたんだよ。けれど、ダナさん達の話を聞いて、行かなくてもいいやって思ったしね」


 「人が多い所が、華やかなだけとは限っていないわね。どこの国も都市を目指す人は多いけれど、都市で挫折する人もまた多いのよ」


 「挫折した者の掃き溜めがスラムさ。その内に挫折した者達の間に子供が出来て、子供達はスラム出身となって常に底辺で生きる羽目になるんだ」


 「挫折したら故郷に帰ればいいのに、都市の華やかさにしがみつこうとする。既に挫折したのだから、執着したところで意味は無い。だが、それが分からない奴はとても多いな」


 「サングの町にもスラムはありましたけど、そこまで酷いものではありませんでしたが……。色んな人が居ましたし、働いてる人も沢山居ましたよ?」


 「サングの町のスラムは、ボロい家が集まってただけだ。安い家賃の家なだけで、仕事の無い貧民が集まっている所じゃなかった。王都のスラムとは明らかに違うぞ?」


 「そうなんですか。サングの町でよく見てたものが、スラムだとばかり思ってました。アレはスラムですらなかったんですね」


 「王都のスラムは領都と比べても汚い。どれだけ汚いかと言えば、邪生が生まれないのが不思議なレベルだ。特に人口が多いからだろうが、澱みが本当に多いんだよ」



 食事を終えていて良かったよ、食事中にする話じゃないからな。それに、皆は女将さんといつもの猥談をする様だし、俺は2匹と共にさっさと部屋に避難しよう。相変わらず、好きだね。


 部屋に戻る途中には、ジャンも部屋に戻るのが見えた。代わりと言うべきか分からないが、何故か猥談に5人組が参戦している。あの子達、良い所のお嬢様じゃなかったのか?。


 村の宿で猥談とか、家族にバレるとヤバい気がするんだが……。バレなきゃ良いって思ってそうだな、あの5人。まぁ、俺には関係ないから好きにしてくれ。揉め事を持ってこなきゃいい。


 部屋には2匹と俺しかいないので、浄化して抱き締めたり、ワシャワシャしたりして構ってやる。2匹は楽しそうにしているが、お腹いっぱいだからか若干ウトウトしてきた。


 それでも遊ぼうと踏ん張っているが、これは時間の問題だろう。浄化を強く掛けてやると更に眠くなってきたのか、頭がカクンカクンと揺れるようになってきた。なかなか粘るね。


 気合いと根性で頑張っている感じだが、そこまで頑張る事か? おっ! ついにダリアは撃沈したら……カエデもいったな。あんなに頑張って耐えなくとも、明日があるだろうに。


 2匹が寝た直ぐ後に皆は帰ってきたが、2匹が寝ていると知ると直ぐに襲い掛かってきた。【房中術】と【喜昇】で撃沈し、浄化して俺も寝よう。それじゃあ、おやすみー。



 <異世界110日目>



 おはようございます。今日から王都に向かって出発です。ジャンが身体強化を殆ど使えない以上は、歩いて行く事になるだろうな。少しでも身体強化が上達してくれればいいんだが。


 とはいえ焦らせるのは間違いだし、難しいところだ。少しスパルタ気味ぐらいなら大丈夫かな? 慣れるという意味でも上手くやればついて来れるだろうし、考えてみるか。



 「おはよう。ダリア、カエデ」


 「ニャー」 「ガウッ」



 2匹は今日も元気だな。元気の秘訣は夜に電池が切れる事か? いや、冗談だけどさ。はいはい、浄水ね。2匹の水皿に浄水を入れてやると、大人しく水を飲み始めた。


 俺も自分のコップに浄水を入れて飲む。2匹と共にゆっくりした時間を過ごす。水を飲み終わった後も、2匹は大人しく静かにじゃれついてくる。


 と言っても、静かに俺の服に顔を押し付けてくるんだが。押し付けてはフガフガして遊んでいる。久しぶりだな、コレ。その割には、今日はテンションが上がっていない様だ。



 「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」


 「おはよう、皆」 「ニ!」 「グ!」


 「また、それやってるのかい? 思い出したみたいにやってるねぇ。……今日は王都に出発するけど、ジャンがいるから時間が掛かると思うんだよ。そこはどうするんだい?」


 「身体強化の練習をしながら旅をする事になるだろう。ジャンにとっても悪い事じゃないし、良い練習になると思うんだ。少しだけ厳しめにいこうと思う」



 皆にも練習させるつもりだけどね。



 ▽▽▽▽▽


 0234終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨18枚

 金貨68枚

 大銀貨107枚

 銀貨66枚

 大銅貨88枚

 銅貨2枚


 ヒヒイロカネの矛

 ヒヒイロカネの小太刀

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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