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0232




 ジャンのセンスがいいのが分かって何よりではあるんだが、ジャン自身は横に居るディルのセンスと才能が凄い事をどうやら理解したっぽいな。上手く目標になってくれればいいが。


 それよりもジャンが5人組の目標になりそうで、何とも言えない気分になってくる。いいとこのお嬢様達は下手くそから教えられて、余計な回り道をしてるからなぁ……。


 案外、神殿に伝わってるコツもそこまで良いものじゃないのかもしれない。ファレンも他よりマシとはいえ、矯正しなきゃいけない事に変わりはない。放置すればその分ズレるからな。



 「ほらほら、正しいやり方からズレてるぞ! ゆっくりでいいから正確にやれー。間違ったまま覚えたら、後で覚える全てを間違って覚える事になるからなー」


 「ほんの少しの魔力や闘気だけを動かすって、思ってるより大変なんですけどっ! こんな僅かな量を循環し続けるのが、ここまで大変だとは……」


 「正しいやり方でやると、滅茶苦茶大変だよっ。そのうえ、こんな少ない量の魔力や闘気を動かす事なんてなかったから、こんなに大変だと思わなかった」


 「これ、この後は前回と同じように、動きながら循環させる事になるのでは? 今でさえここまで大変なのに、今後はそれ以上になっていく……」


 「だから日々の練習が大事なんだよ。毎日の積み重ねが強くなり、上手くなる秘訣だ。どんなに才能があっても、練習しない奴は強くも上手くもならないぞ」


 「そうなんですか? 才能がある方は簡単に強くなるような気がするんですが……。才能があっても地味な練習を続けなきゃいけないんですね」


 「例えば、ディルには才能がある。だから必要な感覚を直ぐに身に付けられる。でも、それが自然に出来るようになるには、ひたすら反復練習をして体に覚えこませるしかない」


 「簡単に出来るようになっても、その先には進めないという事だな。なまじ才能があると練習しなくなってしまい、結局大成しないのだろう」


 「才能がある事は否定されないんですね? とはいえ、魔力や闘気のコントロールを見ていると羨ましくなってしまいます。そんなに上手く出来るなんて……」


 「言っておくが、私はアルドに教えてもらってから毎日練習しているからな? まぁ、そこまで長い時間ではないが、夕食後に毎日日課として練習する時間を設けている」


 「僕も今日から練習したいんですが、どういう練習をすればいいんでしょうか?」


 「じゃあ、そろそろ次のステップへと行くか。みんな広がって両手を広げて当たらないぐらいに。うん、5人組は前回以来だな。それじゃあ、体操を始めよう」



 前回も練習としてやらせた、ラジオ体操第一を行いながらの微弱な身体強化。それを全員にやらせる。やはりディルは正しい感覚を直ぐに身に付けた様だ。流石としか言い様が無い。


 次に正しい感覚を身に付けたのはルタだった。ああ見えて、意外にセンスは悪くないんだよな。それと5人組は前回に教えているのでアドバンテージがあるしな。


 それでも3番目に入ってくるのがジャンなのかよ。残りの4人、お前等もっと頑張れよなー。後からやってるジャンに追い抜かされるってどういう事だ、全く。しっかりしろよ本当に。


 4番目はサリーで、5番目がファレン、6番目がエルで、ビリがララか。ララは毎回そうだが、大雑把に過ぎるんだよな。細かな制御が性格的に不得意なんだろうが。


 ただ、虎人族だけあって闘気の量は5人の中で1番多い。とはいえ、細かい制御が出来るようになって無駄な消費を減らさないと、直ぐに使い果たしてしまいそうだけどな。


 そして、そんな奴は戦いじゃ使えない。一定以上のレベルから上には、絶対に上がれないタイプだ。だからこそ、今の内に矯正しておく必要がある。


 幸いと言うか、練習そのものを嫌っている訳ではないので指導はしやすい。これで練習を嫌うようなら匙を投げたかもしれないな。嫌がる奴を指導する事ほど、無意味な事もないし。



 「これ、思ってるより難しくて大変ですが、これを練習すればいいんですか? あっ!? すみません、失敗しました」


 「別に謝る必要はないさ。ただの練習なんだからな。練習となるとこれなんだが、動きはなんでもいいんだ。ただし、同じ動きを続けない方がいい。動きが固定されるのは駄目だ」


 「アルドが前に言っていた、日常生活を身体強化で過ごすという奴だな。日常の何気ない動きでも身体強化が使える、それが本当の身体強化だと言っていた」


 「僕もお聞きしました。剣を振るとか槍で突くという動作しか身体強化が出来ないのは、間違いだと聞いています。僕は身体強化すら知らなかったですけど……」


 「知らない方がいいし、アルメアが言っていたろう? 何も知らない奴に正しい事のみを教えたら、いったいどうなるのかの実験みたいなもんだと」


 「遠回りせずに最短距離を走っていったら、いったいどこまで強くなるのか。……そういう実験ですか? 何と言うか身も蓋も無い言い方ですね」


 「言いたい事はわかるんだが、誰もが学ぼうとしても学べないんだぞ? 本当に正しいやり方かどうか理解してる奴は殆ど居ないんだ。俺は分かってるが、皆は分からないだろう?」


 「確かに……。アタイはアルドを信用してるけど、本当に正しいかどうかは分かんない。それに、知りようもないしね。誰か教えてくれる人が居るの? って思うもん」


 「正しいかは分かりませんが、強い方から教えてもらう以上は強くなれる筈ですからね。そう信じて練習するだけです」


 「そろそろ昼だから、昼食を食べに食堂へ行こうか。その前に浄化してやるから、動くなよー」



 俺は【神聖八重浄化】を使い、全員を綺麗にしてやった。勿論その裏でコッソリ【浄化】の権能を使ってるんだが、どうやらディルには気付かれたっぽいな。特に何の問題も無いが。


 食堂に行くと、既に皆はカウンター席に居て女将さんと喋っていた。どうやら猥談ではないらしい。やれやれ、どうしても身構えてしまうなぁ……。まぁ、仕方がない事ではある。


 俺はカウンター席に座り、大銅貨9枚を支払って昼食を頼んだ。5人組も自分達で支払って昼食を頼んだらしい。そんな事より猥談じゃないなら、いったい何の話をしてたんだろう?。



 「お客さん達、やっと中庭から戻ってきたかい。さっきダナさん達とも話してたんだけど、何でも王都からお客さん宛に使者の方が来たらしいよ。今は村長の家に居るみたい」


 「王都からって事は、どうやら報酬が決まった様だ。それにしても随分早かったな。俺の予想では、もっと揉めて時間が掛かるだろうと読んでたんだが……」


 「素直に報酬を出す気になったのか、それともケチ臭い事をするので決まったのか。どっちにしろ、行ってみない事には分からないねぇ……」


 「どっちでもいいですよ。どのみちケチ臭い事をするなら、色んな噂が王国を超えて撒き散らされるだけです。事実だけを流せば、文句の付けようがありませんからね」


 「それでも文句を付けてくるのが貴族だけれど、事実を暴露してあげれば問題ないわね。帝国の暗躍を防いであげたとか、王国の裏切り者を証拠付きで見つけたとか」


 「王国内部の帝国の間者を見つけて、引き渡してあげたりもしたね。更には侯爵を捕まえて王国に引き渡す事も、アルドはしてあげたよ」


 「戦争では帝国の斥候の纏め役を捕縛したり、帝国の斥候を20人以上始末したり、砦の食糧を奪ったり、敵の大将を始末したりしていたな」


 「それって、皆さんの御蔭で戦争に勝ったと言っても、過言では無いんじゃありませんか? 幾らなんでも活躍し過ぎだと思いますよ。場合によっては、目の敵にされかねません」


 「ルタが言う事もよく分かるんだが、そもそも王太子からの依頼をこなしてたらそうなったんだよ。別に狙った訳でもなければ、武功欲しさに張り切った訳でもない」


 「それはそれで、逆に凄いと思いますけどね。狙わなくても武功を手に入れられるって凄い事ですよ? そういう星の下に生まれてるようなものです」



 嫌な星だなぁ……ソレ。死兆星かなんかか?。



 ▽▽▽▽▽


 0232終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨18枚

 金貨68枚

 大銀貨107枚

 銀貨66枚

 大銅貨97枚

 銅貨2枚


 ヒヒイロカネの矛

 ヒヒイロカネの小太刀

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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