表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
227/1948

0226




 皆は2匹の身体強化のレベルの高さから目を逸らそうとしているが、何かしら思うところはあるのか少し考えているようだ。2匹だって、いきなりこのレベルだった訳じゃない。


 よく2匹でじゃれあって遊んでいたが、ああいう時も身体強化の練習をしていた。極僅かだと消費も殆ど無い為、長時間の練習が出来る。2匹はそれだけ練習してきたという事だ。


 ただでさえ感覚が鋭く、元々魔力や闘気の扱いが上手い2匹なんだ。その2匹が更に皆よりも勤勉に練習してたんだから、上手くなって当たり前なんだよ。ならない訳が無い。


 そんな事を皆に言い聞かせておく。何度も言ってるんだが、生活を練習の場にするという意識にならないのだろう。忘れたように何もしなくなるんだよなー。……なんでだろうな?。


 汗を掻いているディルと2匹を浄化して綺麗にしておく。2匹も興奮は収まってきたようで、落ち着いたら酒を貰い舐め始めた。最近は飲まなかったんだが、珍しい事もあるもんだ。


 皆が飲んでる間、ディルが練習していたので目の前で見せながら指導する。何度も何度も練習しないと、体に覚えこませるのは無理だ。そこには、毎日の積み重ねでしか辿り着けない。


 2匹が寝た後、【房中術】【喜昇】【楽豊】の3つを使い満足させた。浄化を行いながら明日の予定を考えるも、特に良い案も出ないのでさっさと寝る事にした。それじゃ、おやすみ。



 <異世界108日目>



 おはようございます。今日の予定は特にありません。強いて言えばジャンの特訓ぐらいかな? 正しい身体強化を教えないといけない。昨日は魔力と闘気の使い方だけだったしな。


 正しい身体強化が出来るようになれば、戦闘能力は格段に向上する。ただし、覚えたてだと細かな制御は無理だから直ぐに倒れるかもしれない。そこだけは気をつけてやらないと。



 「おはよう。ダリア、カエデ」


 「ニャー」 「グルゥ」



 2匹にも浄水を出してやり、一緒に飲む。2匹も興奮する事など特に無く、水を飲んだ後は俺の傍で落ち着いている。時々、少し体を擦り付けてくるぐらいだ。緩い時間が流れている。


 2匹が静かにしているからか、いつもの時間に皆が起きてこない。まぁ、偶にはこんな日があっても良いだろう。俺は2匹と共に食堂へと下りて行く。食堂にはジャンも居なかった。


 カウンター席に座り、従業員に大銅貨9枚を払って朝食を注文する。ゆっくりしていると女将さんがやってきたが、訝しげにこっちを見ている。まぁ、気持ちはよく分かる。



 「おはよう、お客さん。……もしかして、ダナさん達はベッドの上かい?」


 「おはよう、女将さん。ベッドの上なのは間違いないけど、単にまだ寝てるだけだよ。今日2匹は、起きた後も静かだったんだ。その所為か、いつもの時間に起きてこなかったんだよ」


 「成る程。いつもは大きな音で目が覚めるのに、今日は静かだったんで眠ったままな訳だ。それなら、ゆっくり寝かせてあげるべきだね」


 「疲れてるのか、単に起きられないだけなのか。どっちでも良いんだけど、無理に起こす必要もないからそのままさ。どうせ、その内起きてくるだろうし」


 「おはようございます。……皆さんはどこかへ行かれたんですか? それとも、まだ寝てらっしゃるんですか?」


 「おはよう、ジャン。皆なら、まだ寝てるよ。その内起きてくるから放っておいて大丈夫だ。それより朝食を食べようか」



 2匹とジャンと共に朝食を食べていると、皆が2階から下りてきた。どうやら自分達が寝坊をしたと気付いたらしい。慌ててカウンター席に座り、朝食を持ってくるように頼んでいる。



 「アルド、起こしてくれても良かったんだよ? 別に手間が掛かる訳じゃないだろうに」


 「他人に起こされて機嫌の良い奴なんて居ないっていうのと、起きないって事は何がしか回復が足りないって事でもあるんだ。2つの理由で寝かせておいた方が良いと判断したんだよ」


 「確かに、起こされて機嫌の良い者など居ませんね。最近は、起こされてもそこまで不機嫌になる事はありませんが……」


 「とはいえ、朝から不機嫌で居たくもないから難しいところね。いつもより少し遅いぐらいだから、特に問題は無いんじゃないかしら」


 「それに、起きない奴が悪いと言われたら、全く反論の余地は無いんだよね」


 「起きない奴が悪い。この一言で全て終わる話でしかない。それに体が回復しない内に起こされても、辛いだけだからな。体力は回復しておかないといけない」



 時々ディルは暗殺者視点に戻るよな。それがディルだと言えば、それまでなんだが。今日はどうするかな……山に行くのは早いかな? いや、あえて山の麓に行くか。


 ついでに素材が手に入ったら、なんか作ってやろう。ジャンはボロい装備しか持ってなかったからな。革鎧と剣帯と青銅の剣しか持ってないんだから、貧弱な装備しかしていない。


 新人はそんなものと言えばそれまでなんだが、流石に装備が悪過ぎる。革のサンダルを履いてるだけマシだと言えるが、森歩きでさえ怪我をしかねないのが何とも言えない。


 食事後、部屋に戻って準備を整えて宿を出る直前になって、5人組は起きてきた様だ。アイツ等大丈夫なのか? 俺達より遥かに遅いって、傭兵として大きな問題だと思うがな。


 村を出た俺達は北へと行き、分岐路を西へと行く。キャンプ地に着くと一休みして、それから山の麓へと進んで行く。皆は真面目に身体強化の練習をしていて、ジャンに教えてもいた。


 俺もジャンの指導をしながら、【探知】や【空間把握】で魔物を探す。大した事のない魔物の相手をしてもしょうがないので、ある程度の魔物を探していると発見した。



 「右前方からダッシュボーアが1頭来るから、ジャン1人で戦え。残りはサポート」


 「「「「「「了解」」」」」」 「ニャ」 「ガゥ」



 ジャンはダッシュボーアの突進を回避しているが、攻撃が出来ない。突進を受ければ死ぬかもしれないので、回避優先になるのは仕方がないんだが、当然それだけでは勝てない。


 回避しながら攻撃してみるも、腰の入っていない攻撃など意味が無い。刃が毛で滑ってダメージにすらなっていない。踏み込んで、腰の入った一撃を入れないと駄目だ。


 その為には、ダッシュボーアを一時的に止める必要がある。身体強化が十分に出来るなら、幾らでも勝つ方法はあるんだが……。出来ない以上は、自分の出来る方法で勝つしかない。


 さて、ジャンはどんな方法で勝つのか、それともギブアップするのか? どっちを選ぶのか楽しみだ。まだジャンは回避優先で傷すら与えられていない。


 このままだと……おっ!? そうそう、それで良いんだ。ずっと走り続ける生物なんていない。方向転換する時に一旦止まるなら、そこを狙うのは当然だ。そして、狙うのは足だ。


 間違えずに良く狙ったな。そこまでの傷にはなってないが、確実に相手の足は遅くなった。もう少し傷が深ければ踏ん張りも利かなくなっただろうが、今はこれで十分だろう。


 確実に足が遅くなってる。良し良し、方向転換の隙を再び突いたな。今度の傷はさっきと比べて深いから、これで前足が殆ど使えなくなった。後は油断せず一気に攻めて倒せば良い。


 皆のアドバイス通りに首を刺して倒した。助言ありとはいえ、新人が1人でダッシュボーアを倒したんだから誇って良いと思うぞ。俺は処理と解体をするから、休憩してていい。


 俺は解体した皮を革にした後、ジャンの足に合わせてブーツを作る。ジャンは目の前でブーツが出来ていく状況に、目が点になっている。気にせずブーツを作り、要所を牙で被覆した。


 ジャンに履かせて調整し完成となるが、他にも指貫グローブと半篭手、それに脛当を作って身に着けさせる。自分で倒した魔物の素材で自分の装備を作る。これも傭兵の醍醐味だ。


 残った素材はカスばかりなので、肉と内臓以外は穴に埋めて出発する。歩いてる最中も、ジャンは新しい装備にニヤニヤして喜んでいる。周囲の警戒ぐらいはしろよー。



 ▽▽▽▽▽


 0226終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨18枚

 金貨68枚

 大銀貨94枚

 銀貨66枚

 大銅貨112枚

 銅貨2枚


 ヒヒイロカネの矛

 ヒヒイロカネの小太刀

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ