0222
「皆、魔銅の鉱床の御蔭で景気が良いみたいだよ。特に1番景気が良いのは娼館なんだってさ。魔銅の鉱床が見つかる前と比べて、5倍以上に売り上げが増えてるって喜んでたんだ」
「へーっ、そりゃ凄いね。流石に5倍以上になってるとは思わなかったよ。商人が増えたのと、傭兵が増えたのが原因なんだろうけどさ」
「何でも日雇いのように仕事をしてるらしいので、稼いだお金を直ぐに娼館で使うのでしょうね。まぁ、何に使うかは稼いだ本人の自由ですから、良いんじゃないですか?」
宵越しの銭は持たない、みたいな感じかな。いったい何処の江戸なんだか……。でも古い時代って、お金を貯めていても奪われたり、預けておける銀行なんて無いしなぁ……。
結局、家に置いていても取られるし、重くてかさばるんじゃ使うしかないわな。皆が使うから経済は回るんだが、使うしかない状況って経済として健全なんだろうか……。
「お客さんの作った農具の御蔭で、農作業が捗ってるって報告もあったよ。皆が欲しいって言い合いした所為で、結局村長は農具を売り出したみたいだね」
「アルドの作る農具は頑丈で使い勝手が良いから、仕方がないわね。あの子も突き上げを受けてた以上は、抗うのも難しいでしょう」
「まぁ、農具だからね。その内収まるよ。最悪、村の農家に行き渡れば終わるのは事実だし、それぐらい作ってるんじゃないのかな。前回だって結構な量だったよ?」
「そうだね。アルメアさんの言う通り、今回の依頼で村の殆どの農家に行き渡るそうだよ。ただ、そこまでお客さんに作らせるのも、どうなのかって思うんだけど……」
「王太子殿下も、錬金士や練成士を育てると言っていた。いつの日か、村でも1人や2人は錬金士や練成士が居るのが当たり前になるのかもしれないな」
「そうなってくれれば良いけどね。町なら居るんだろうけど、村じゃ来てくれないよ。そもそも、どんな仕事をしてるのかも知らないんだけどさ」
「俺の方を見られても困るんだがな。普通の錬金士や練成士がどんな仕事をしてるかなんて、俺が知るワケないだろう? 俺が傭兵なのは知ってるだろうに……」
「領都の錬金士や練成士は貴族に呼ばれて、アクセサリーなどを作っている事が多いですよ。私も子供の頃に作ってもらった事があるので、覚えています」
「そんな事をしてるんだね。もしかして、アルドさんのような使い方って珍しいのかな? アタイは錬金士とか練成士って会った事ないから分かんないんだけど」
「錬金士や練成士になる人って、凄く少ないんですよ。今も稀にダンジョンから、【錬金魔法】や【練成魔法】の魔方陣が見つかる事もありますからね」
「まだ全ての魔方陣が集まってない分野なんですか……。それぐらい難しいのか、使い熟すのが大変なのか。案外両方なのかもしれませんね」
このまま話をしていると、言っちゃいけいない事を口にしてしまいそうなんで部屋に戻る事にした。俺が魔神に教えられたものと見つかっているものは、実は一致しないんだよなー。
俺はまだ見つかっていない【錬金魔法】や【練成魔法】も使えるんで、”何故使えるんだ!”とツッコミをいれられるとマズいんだ。分かる人は殆どいないだろうがゼロじゃない。
だからさっさと部屋に逃げたんだよ。……まぁ、気を取り直して農具作りを再開しよう。皆は訓練の続きをするらしいので、応援しておく。備中鍬を30本作り、農具は終了した。
気付いたら2匹は既に寝ていて、全員が俺の農具作りが終わるのを待っていた様だ。待たせてしまったお詫びに【房中術】【鋭覚】【精気】を使い、何度も満足させておいた。
丁寧に強力に浄化したら、俺も寝よう。今日も1日お疲れ様でした。
<異世界107日目>
おはようございます。今日は剣と槍を作り終わったら、乾燥と扇風機の魔道具を作ろうと思っています。その2つで少しは涼しくなるだろう。段々と暑くなってきたからな。
椅子に座って浄水を飲みながら剣を作っていく。前回も作ったグラディウスを20本作成し、普通の槍も20本作り終わった。何度も作った物なので簡単に作成出来る。
作り終わったので、待たせていたダリアとカエデの相手をしよう。2匹には浄水を飲みながら待っていてもらった。2匹が起きて来た時には、槍を6本作れば終わりの状況だったんだ。
「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャー」 「グルゥ」
「朝から武器を作ってたのかい? 大変だろうけど、そこまで急がなくても良かったと思うけどねぇ……」
「面倒な事は早めに終わらせたいんだよ。せっかく村に帰ってきたんだから、ゆっくりしたい」
「まぁ、言いたい事は良く分かります。面倒事がずっと残ってると、ずっと嫌な気分のままですからね」
「まぁ、これであの子から農具の依頼は多分こないわ。もし、また言ってきたら拒否すればいいだけよ」
皆と一緒に食堂に行き、大銅貨8枚を支払って朝食を注文する。朝食が運ばれるのと同じぐらいのタイミングで女将さんがやってきた。悩んでるみたいだが、何かあったのかな?。
「おはよう、皆」
「「「「「「おはよう」」」」」」 「ニャ」 「ガウ」
「悩んでるみたいだけど、何かあったのかい?」
「実は食料店に香辛料の入荷が無かったみたいでね。ウチの人も宿の料理をどうするか、悩んでるみたいなんだよ」
「香辛料ですか……。戦争の影響ですかね? でも香辛料に帝国は関係ないですし……。確か香辛料を多く作ってるのは、南の商業国家マールだった筈……」
「ゴードの町から南に行くと、マールとの国境がある南の侯爵領に行ける。そこからの荷が届いていないか、買い占められたか。多分、どちらかだろう」
「確かにディルの言う通りかもしれないわ。今までも、たびたび香辛料の買占めは起きてるのよ。南の侯爵領で買い占められたら、村ではどうしようも無いのよね」
そんな話をしながらの食事だった。香辛料って更に南から来てたのか、知らなかったな。部屋に戻りアイテムバッグを持って村長の家に向かうのだが、暇なのか皆がついてきた。
村長の家に行く途中、シュラが朝に作った剣を振り回していると、妙な少年に声を掛けられた。ナンパではなく、何故か弟子入りという意味の分からない事になっている。
「貴方は自分が何を言っているのか分かっているのですか? いきなり道端で弟子入りを望むなど意味が分かりませんね」
「お願いします! 何としても強くなって、狩りで稼げるようになりたいんです!」
「ちょっと聞くんだけど、何でシュラなんだい? 言っとくけど、シュラは剣の扱いは下手だよ」
「えっ!? そうなんですか? でも、剣を持ってらっしゃいますけど……」
「そう、剣を持って振り回してるだけですよ。そもそも私は殴る方や叩きつける方が得意です」
「そもそも剣でなければいけないのかしら? 別に剣でなくてもいいなら、傭兵ギルドに行けばいいでしょう」
「拘りはありません! でも、強くなりたいんです! お願いします、弟子にして下さい!」
よく分からないのと、しつこいので話を聞いてみる。彼は猫人族で名前はジャンというそうだ。家の手伝いをしていたが、15歳になったので家を出て傭兵になったらしい。
家族は6人で父親が若い頃に死んだらしく、長男である自分がお金を稼ぐ為に傭兵になったが、上手く狩りが出来なくて困っているらしい。ちなみに、家族はルーデル村に住んでいる。
村の人かと思ったらそうではなく、サングの町から流れてきたそうだ。ある程度の蓄えはあるものの、このままだと数年保つかどうかなので早急に稼げるようになりたい。
しかし右も左も分からず、どうしていいか分からないので、強そうな人に弟子入りしようと考えた。話が長かったが、これが全ての経緯なんだと。……こいつ、利用出来ないかな?。
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0222終了時点
大白金貨1枚
白金貨2枚
大金貨18枚
金貨67枚
大銀貨92枚
銀貨63枚
大銅貨125枚
銅貨2枚
ヒヒイロカネの矛
ヒヒイロカネの小太刀
剣熊の爪のサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
二角の角の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
剣熊の骨の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
強打猪の革のジャケット
強打猪の革のズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ