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0221




 「皆、下りてきたんだね。村長がね、一度家に来てほしいって言ってたよ。なんでも、メルさんに相談する事があるんだってさ。それと、農具がもうちょっと欲しいそうだよ」


 「あの子が相談ね……。引継ぎはキチンとやったし、何かあったかしら?」


 「さて……私はメルさんへの言伝しか聞いてないから分からないよ」


 「昼を食べ終わったら行くか……皆はどうする? 俺とメルにしか用事が無いみたいだけど」


 「アタシは部屋で訓練するよ。そろそろ本気でヤバくなってきたからね。誰かさんの才能があり過ぎるんだ」


 「私も同じです。前に聞いた【浄炎】の魔方陣とコツを忘れないように、姉上と共に裏庭に行って訓練します」


 「流石に【浄炎】の練習を、室内でする訳にはいかないからね。それにしても【聖浄四重浄化】でさえ使い熟せないんだから、まだまださ」


 「【聖浄四重浄化】!! 凄いです! あの浄化魔法が使えるなんて。王都の大神殿でも、使える者は居ない大魔法ですよ!」


 「あ……ああ。そうなんだね………」


 「【聖浄四重浄化】ですら使える者が居ないのですか? 使い熟せるかどうかは別にして、使える者さえ居ないとは……。【浄炎】もそうですが、私でさえも使えますよ」


 「お二方は数百年を生きる吸血鬼族の【真祖】の方ではありませんか! 私達には無理ですよ。お二方なら出来るでしょうが……」


 「私も姉上も、【浄炎】や【聖浄四重浄化】が使えるようになったのは、アルドに教えてもらってから。つまり、ここ最近の事ですよ?」


 「「「「「えっ!?」」」」」


 「そもそも、浄化魔法の魔方陣やコツを占有しているのは神殿だろう? 誰であろうと、魔方陣が分からなければ使える訳が無いだろうに」


 「ええーっ!? ファレン、そうなの? 私、初めて聞いたんだけど……」


 「わ、私に言われても……。子供の頃から、教えられた通りに習ってきただけだし……」


 「神殿はね、元々大昔に降臨された浄神様が、地上を浄化する拠点として作られた建物が元なんだよ。そこに浄化魔法の魔方陣やコツが伝わっていて当然だろう?」


 「それを地上の人々に教え、広めなさいと言われたんです。にも関わらず、占有して自分達だけのものにしているのが今の神殿ですよ」


 「………」


 「その所為で多くの人が上手くならなくて、地上は邪気塗れさ。神殿に神罰が落ちないのが不思議なくらいだよ。神殿は極めて危険な事をしているのを、全く理解していない」


 「でも、その魔方陣は神殿に伝わってるもので……」


 「ええ、そうでしょう。ですがそれは、浄神様が地上に広める為に残したもので、神殿のゴミどもが他人を見下す為に使うものでは無いんですよ」


 「簡単に言えば、エルフや一部の種族だけが霊薬を作れるというのと似た形だよ。神殿の奴等が他を見下す為に、占有して権威付けに利用しているだけなんだ」


 「で、でも……」


 「信じたくないなら、それでいいと思う。だが、浄神の思いを踏み躙ってる事実は一切変わらない。その事は覚えておくようにな。神罰が落ちても自業自得としか思わないよ、俺は」


 「………」


 「ウチにはそんなの無いけど、エルフも神殿もそんなのばっかりだね。神様が伝えてくれたものを自分達のものにして偉そうにする、アタイには分からないよ」


 「何故そんな事をしたのか分からない以上は、迂闊な事は言えません。ですが、神殿が浄化魔法を教えて広めたなんて話は、聞いた事がありませんね」


 「それは、そうだろうね。【聖浄四重浄化】すら使えないんだ。教えて広めたら、自分達以上の者が出てくるかもしれない。所詮そんなところだろうさ」


 「何かアレだな……【神聖八重浄化】まで含めた、全ての浄化魔法を纏めた本でも書いて売り出してやろうかな? そうすりゃ神殿のケツに火が着くだろうよ」


 「!?!?!?」


 「アルドさんって【神聖八重浄化】まで使えるんですね。それって確か、浄化魔法の最高位ですよ? なんで、神殿の者でもないのに使えるんですか……」


 「まぁ、使えるもんは使えるしなぁ……。メル、そろそろ村長の家に行くか?」


 「そうですね。ここで喋り続けても意味は無いですし、行きましょうか」



 ファレンは何か聞きたそうにしていたが、俺に言いたい事はもう無い。なので、宿を出て村長の家に向かう。それにしても、また農具作りかー。いつまで続くんだろうな……。


 流石に今回で終わってくれればいいんだけど。村長の家って相変わらず、村外れでそこまで大きくはないなぁ。メルは勝手知ったる我が家だったからか、どんどん進んで行く。


 ついには、村長がお茶してた裏の畑にまで行って話を始めた。ある意味スゲーってなるけど、良いのかね? あっ、戻ってきた。やっぱり外から声を掛けるべきだったな。



 「メルさん! 一応声を掛けて下さい。いきなりだと、泥棒か何かと間違える事だってあるんですよ!」


 「大丈夫よ。間違えても貴女の腕じゃ、どうにもならないわ。それよりも相談って何かしら?」


 「また、そうやって……。相談の内容は時間が掛かるので、一旦横に置いておきます。アルドさん、前回と同じ分の農具と剣を20本と槍を20本、お願いします」


 「了解。それは良いんだが、魔銅を売ってほしいんだが許可を貰えるかい? 欲しい量は大剣1本分ぐらいなんだが……」


 「それなら問題ありません。向こうに居る、ギルドの監視員にこの紙を渡して下さい。量によって値段が変わりますから、詳しくは向こうで聞けば分かります」



 魔銅を買う為の許可書を貰ったので、村長の家を後にして一路森の拠点へ。拠点の近くまで来たら、木を伐り倒し丸太を必要分作る。川の近くで石を拾っては圧縮して必要量を収納した。


 後は久しぶりに魔銅の洞窟に行くだけだ。洞窟まで歩いて行き、入り口の見張りに許可書を見せると中に入れてくれた。中に居た監視員に許可書を見せると、倉庫に案内される。


 倉庫と言うか、オークが居た小部屋だった所だ。そこに鉱石が積まれていたので、必要な量を取るように言われた。凄い大雑把だなー。これって大丈夫なのか?。……まぁ、いいか。


 俺はアイテムバッグを置くと目の前の鉱石を精錬して、1キロのインゴットを5本作りギルドの監視員に見せた。監視員は驚いたものの、金貨3枚だと言うので支払ってから収納する。


 全ての用事が終わったので宿に帰る。帰り道、周りを見ると鉱石を大量に積んだ荷車を、必死に牽く新人を何人も見た。日雇いのような依頼らしいが、ずっと請けている奴も居る様だ。


 傭兵になったのに、作業員の仕事を続けてて大丈夫なのかね? 俺が心配する事じゃないんだろうけど、辞めていく奴も結構居そうだな。そんな事を思った帰り道だった。



 「ただいまー。って、そこまで興奮する事か!? 分かった、分かったから。少し落ち着こうなー、迷惑だからなー」



 何故か最近2匹が矢鱈に寂しがるんだよな。何かあった訳じゃないんだろうけど、戦争中にあまり構ってやれなかったからか、それとも一時的なだけなのか。ま、一緒に居てやれば落ち着くだろう。


 俺はアイテムバッグを横に置いて、農具作りから始める。鍬を40、鎌を50、スコップを30本作ったら、もう夕方だった。食堂に下りて大銅貨8枚を支払い夕食を注文する。


 カウンター席の近くに5人組が来て注文しているのを聞いていると、女将さんが夕食を持ってきてくれた。凄く話がしたそうに見えるのが、嫌な予感を増幅するんだが……。



 「今日、村の色々な人達が集まる大会議が昼過ぎからあったんだけど、メルさんが出てて驚いたよ。まさかその為に村長が呼んでたなんて知らなくて、ごめんね」


 「別に良いのよ。あの子が悪いのだから気にしないで。それにしても、村長を譲ったっていうのに、大会議に私を呼ぶなんてね」



 ルーデル村の大会議。何を話し合ったんだろうな? 聞いてもいいが、藪蛇になりそうな気もする。



 ▽▽▽▽▽


 0221終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨18枚

 金貨67枚

 大銀貨92枚

 銀貨63枚

 大銅貨133枚

 銅貨2枚


 ヒヒイロカネの矛

 ヒヒイロカネの小太刀

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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