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0210




 軍が進む速度が遅く、【空間把握】で調べるのも十分に間に合う。移動速度の遅さは仕方がないが、警戒する側としたらそこまで悪い事じゃない。早いと警戒が大変だ。


 早速、何かをしようとしている奴を発見した。森の中に入ってからは【気配消失】【誤認】【幽体】を使用している為、敵にも味方にも見つかっていない筈だ。……少し観察してみるか。


 うーん……。何かをしようとしている訳じゃなくて、王国軍を監視しているだけだ。何がしたいんだろう? 考えるより聞いた方が早いか。俺は【衝気】を使い気絶させて枷を嵌める。


 その後【白痴】を使ってから起こし、1つずつ聞いていく。聞き出した結果は微妙だった。コイツは王国軍を監視する任務を帯びている。その為、王国軍に近付いて監視していた。


 ただ、コイツの監視相手はもう一つあり、それが王国側の斥候だった。まぁ、簡単に言うと俺の事だ。砦の建設現場から食料がいつの間にか奪われたので、王国には凄腕の斥候が居る!。


 そんな噂が帝国軍に広がっているらしい……。俺にとっては凄く微妙だ。目立ったが、俺だとはバレていない。良かったのか、悪かったのか、全て纏めると微妙と言わざるを得ないな。


 【止音】を使い音を出さず始末したら、穴を掘って死体を放り込み【浄炎】で燃やす。後は【破砕】して【粉砕】したら、穴を埋めて終了だ。やれやれ今日は何回これをするのやら……。


 とにかく、警戒を続けよう。……と思い直したら、また来たぞ。今度もまた近付いて監視をしているだけだ。気絶させて聞き出すと、さっきの奴と同じ答えが返ってきた。


 どうも帝国側は凄腕の斥候とやらを、かなり警戒しているみたいだ。見つけたら暗殺でもする気かな。見つけられていないから、あんまり意味は無いが……。


 さっさと始末したら、先程と同じように死体を処理する。終わったら再び警戒態勢に移行し、周囲の警戒を行う。軍はゆっくりと進んでいるが、特に攻撃を受けた様子は無い。


 軍に手出しをする者はいないんだが、何か理由があるのか……近付いてくる斥候もいない。混乱を起こす為に多くの人員を投入してくると思っていたんだが、肩透かしを喰らったな。


 そうしていると軍が停止した。何かあったのかと思ったら、少々早いが昼食を食べている。そういえば戦闘は昼前ぐらいだったな。昼食を食べてから敵軍にぶつかるのか……。


 今気付いたが、帝国軍って相当足止めを喰ったのか妙に遅いよな。早くから王国を攻めているのに、未だに国境線辺りに居る。何かの狙いがあってワザと止まったフリをしてる?。


 ここで考えても意味は無いか。俺は昼食を食べずに前方を見てこよう。何かあれば気付くだろうし。俺は王国軍の前方に飛び出し、一路帝国軍まで走ってみる事にした。


 ……成る程ね。中々厄介なトラップと言えるのかもなぁ……。帝国軍が開戦を考えている辺りには、無数の落とし穴が用意されている。どう考えても王国軍を落とす為だろうな。


 俺は昼食のサンドイッチを食べながら【魔術】を使って、こっそりと落とし穴を埋めていく。横からスライドさせるように土砂を入れて、ドンドンと落とし穴を無くす。


 御蔭で開戦前ギリギリに間に合った。勝つ為とはいえ、アレコレとよくやるよ本当に。まぁ、そこまでしても勝ちたいんだろうけどさ。対処するのは本当に面倒だよ。



 「何故落とし穴に落ちない!? いったいどういう事だ! これでは数の少なさから、負けるではないか!」



 ……何だ、コイツ? 覆面で顔を隠した奴が小声で驚いている。落とし穴の事を知っているって事は、それなりに立場が上の奴なのか? とりあえず、捕縛して聞き出すのが1番早い。



 「くそっ!? このままではマズい。早く大将の侯爵閣下にお知らせせね、ガッ!?」



 俺は【衝気】を使い気を失わせると、さっさと手枷と足枷を嵌めた。コイツの立場によっては王太子に預けた方が良いな。そう思いながら【白痴】を使い、情報を聞きだしていく。


 コイツは帝国側の斥候を束ねている立場らしい。そんな奴が何故出てきたのかと言えば、王国側に凄腕の斥候が居るからだ。……またかよ、ソイツ本当に凄腕で恐れられてるんだな。


 気を取り直して聞き出していく。すると、落とし穴などで王国軍を削った後に、建設現場の者を王国軍の背後に攻め込ませる計画だったらしい。どうりであんな所に砦を作ってた筈だ。


 俺が食料を奪った事で計画が破綻しかけたらしいが、開戦間近という事で食料の放出をやったらしい。つまり、帝国軍としては後には退けない状況の様だ。早く伝えないとマズいな……。


 俺はコイツを担ぐと身体強化を使って一気に戻り、王太子の居る近くの茂みからは隠密の技を解除して道へと出た。周りの護衛が騒ぐが、伝えるべき事を急いで伝える。



 「気を付けろ! 向こう側から奇襲をしてくるぞ!」


 「何だと!? それはいったいどういう事だ?」


 「昨日話した砦の建設現場の連中。あれは王国軍の後背を攻める為の兵だ! 詳しくはコイツから聞きだせ、帝国の斥候を束ねていた奴だ!」



 俺は帝国の斥候を束ねていた男を地面へと下ろし、この場に置いていく。もう一度、帝国軍は王国軍の後背を突く気だと教えて、俺は皆の所へと急ぐ。情報を教えて退かせないと……。


 【空間把握】で探すと、直ぐに皆は見つかったが、その向こうから帝国軍が近付いて来ている。マズい早く退かせないと。焦ってもしょうがない、冷静に且つ迅速に。



 「皆、直ぐに退くぞ! こっちに来るんだ!」


 「き、急にどうしたんだい!? 退くって……どういう事?」


 「説明している暇はないんだ! 撤退しながら話す!」


 「分かったよ。皆、撤退しよう!!」


 「「「「了解!」」」」 「ニャ!」 「グルッ!」


 「それで、いったい何があったんだい!? 急に撤退って……」


 「やっぱりまだ気が付いてなかったのか。砦の建設現場の兵士が、王国軍の後背を突く為に攻めて来てるんだ」


 「何だって!? もしかして……もう、来てるのかい!?」


 「とっくに向こうから攻めて来てる、だから皆を退かせてるんだ。流石に数が多いから皆でも対処は出来ない。砦の所に居た300人ちょっとが一気に攻めてくる!」


 「何だって!? 300人もが一気に来るというのか! ……ライブル! 前衛の兵を北側に置き、その後ろに魔法兵を置け! 一度相手を止めねば蹂躙されかねん!」


 「ハッ! 王軍の歩兵200は北側に行き、近衛の魔法兵50は歩兵の後ろにつけ! 必ず止めるぞ! 殿下方に指一本触れさせるな!!!」


 「「「「「ウォーーッ!!」」」」」



 皆を魔法兵の後ろに置いて、魔法を使って支援するように頼んでおく。俺は隠密の3つの技を再び使い、奇襲を仕掛ける事を皆に伝えて、攻めて来る兵の最後尾に回る。


 奇襲をする奴等が、奇襲をされるってどんな気分だろうねぇ……。ヤッベ、ちょっと楽しくなってきた。……始まったな。王国の歩兵隊と奇襲部隊がぶつかった今がチャンスだ!。


 俺は奇襲部隊の最後尾から【風弾】と【土弾】を乱射する。手当たり次第に撃ち込んでいき、当たればラッキーという程度でバカスカ撃つ。ゲーセンみたいで楽しいかもしれない。


 撃ち始めてから僅か2分ほどで、奇襲部隊は大混乱に陥った。王国軍を攻めるというより、手当たり次第に武器を振るっているだけで、帝国軍の兵士同士の殺し合いが起きている。


 この状況で、王国軍の側は冷静に対処出来ていて何よりだ。歩兵が守りを固めて、魔法兵が遠距離から攻撃する。この形を徹底して守っている為に、混乱に巻き込まれていない。


 ライブルの手腕なのかは知らないが、見事だと思う。歩兵が切り込んでいたら、絶対にパニックに巻き込まれていただろうからな。まぁ、混乱を起こした張本人が言う事じゃないが……。


 このままの調子で戦えば、奇襲部隊の殲滅は早くに終わるだろう。問題は本隊同士の戦いだな。まさかとは思うが、負けてないだろうな……。



 ▽▽▽▽▽


 0210終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨17枚

 金貨70枚

 大銀貨92枚

 銀貨66枚

 大銅貨236枚

 銅貨2枚


 ヒヒイロカネの矛

 ヒヒイロカネの小太刀

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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