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0020




 武器作りを始めるワケだが前回作った剣、槍、片手斧、メイスは除外する。最初に作るのは杖と棒だ。それぞれ木だけの物と、石を被覆した物とを1本ずつ作る。


 何言ってんだコイツ? と言われそうだが、打撃武器としては結構優秀だ。メイスと違って突きが出来て、そこまで重くなく使い勝手がいい。


 杖の長さは、本来使う人に合わせるのだが、今回は140センチで円柱とし、棒は2メートルの長さで六角柱にして作った。当たり前だが【錬金術】と【練成術】で直ぐに作り終わる。


 次に作るのは刀だ。石と木で作るので刀モドキとしか言えないが、使えればいいだろう。ここに日本人が居る訳でもなし。


 太刀と小太刀に打刀と脇差を作るのだが、普通の大きさの物にする。太刀は刃長75センチの物で、小太刀は刃長55センチの物にした。


 打刀は刃長65センチで、脇差は刃長50センチだ。これぐらいが標準ではなかろうか?。


 刀が終わったので次は矛の作成に移る。この世界に矛が無い事が驚きで、絶対に作ろう! と思っていた。なぜならマイナー武器だから。神様も持ってるのに、なんで話題にならないのか……。


 矛の穂は木の葉型や剣型などあるが、今回は木の葉型を作ろうと思う。穂先の長さは40センチ、柄の長さは2メートルにした。長い物でもいいのだが、取り回しが悪くならない長さがいい。


 日本人的には大分満足したので、後は余っている材料で適当に作る。バルディッシュやグレイブ、ハルバードにグラディウスやダガー等を作ったが、材料がまだ余っている。


 農具を作る事を閃き、農具作りを始める。鍬や鎌、更にスコップまで作っても余ったので、最後に大鎌も作った。これで終わりだ。


 男性職員に終わった事を伝え倉庫を後にする。ギルドの建物に行き、完了の報告をミュウさんにしていると職員が昼食に行くのが見えた。俺も昼飯にしよう。


 登録証を返してもらい、依頼の報酬である大銀貨5枚を貰ってギルドを出た。


 朝よりも雨が強かったが、急いで戻り【乾燥】を使う。宿に入ると雨の所為なのか客が多かった。



 「お客さん、お帰り。雨が強くなってるけど大丈夫だったかい?」


 「ただいま。走って戻って来たから何とか大丈夫だよ」


 「この調子だと、今日は一日中雨だね……」



 昼食を注文し女将さんと雨の話しをしていると、昼食が来た。今日の昼食は大銅貨1枚だったので、どうやら猪肉は終了したらしい。残念!。


 昼食を食べ終わると丁度ダナがやって来た。急いで来たのか雨に濡れて息が荒く、カウンター席に居る俺の方へ急いで来る。何かあったのか?。



 「アルド。すまないんだけど、新人5人組を助けに行ってもらえないかい?」


 「この雨の中で狩りに行ったのか……。分かった、場所は?」


 「宿泊所の従業員に、北に行くと言ってたらしい」


 「了解。急いで行くけど遅かったらゴメン」


 「それは仕方ないさ。傭兵なんだ、いつ死ぬかなんて誰にも分からない」


 「準備して直ぐに行くよ」



 部屋に戻り装備を整え宿を出る。門番に事情を話し急いで北へ。ザーザーと雨が更に強く降り、視界がどんどん悪くなってくる。喧嘩売ってんのか? 人命が掛かってるんだぞ。


 分かれ道の近くに来たが居ない……。仕方がないので、目を閉じて【念術】の【探知】と【空間把握】を使う。【空間把握】は脳内に指定の場所や周囲の景色を作り出す様なもので、目を開けずとも動きまわる事が出来る。


 光の幻惑などに騙されず、大変便利で使い勝手がいい。だが、目を閉じてウロウロしてたらただの不審者だ。そういう理由で普段使いできない技である。


 北に進みながら立ち止まり、広範囲の【探知】と【空間把握】を使って調べていく。中々見つからず焦るが集中していると、ついに見つけた。



 「居た!! あんな所まで行ってるのかよ!!」



 思っていたよりも遠く、しかも西だった。雨で視界が悪く方向を見失ったのかもしれない。身体強化を使い一気に近寄ると【探知】に反応があった。


 オーク3匹に襲われてる!? 素早く駆けつけ右端のオークの首を飛ばす。新人共もオークも唖然としていて動かない。直ぐに槍を手放し、鉈と短刀で残りのオーク首を斬り、突き刺す。



 「す、凄い……」


 「た……助かった……」


 「あ、あの! 有難う御座います!」


 「ありがとー、死ぬトコだった」


 「有難う、助かりました」



 5人組を見て分かった。ダナさんが俺に救助依頼を出すはずだと。5人組は全員女性だった。男は死んでもいいとは言わないが、同じ女性でしかも若い。助けてやりたくなるのは理解できる。



 「大丈夫か? 俺は救助依頼で来た。怪我は?」


 「多少の怪我はありますが、全員無事です」


 「なら、そのオークを荷車に積むといい」


 「それは駄目です! 私達は倒していません!」


 「四の五の言うな、金が無くてこんな事になってるんだろ?」


 「そ……それは………」


 「甘えさせて貰おうよー」


 「でも、良いのかな? アタイ達なんにもしてないけど」


 「ここで揉めていても仕方ない。そっちで運んで、売却金の三分の一を受け取る。それでいいだろう?」


 「分かりました。感謝いたします」



 なんか丁寧な喋り方だな……。装備は革鎧だが女騎士みたいだ。イイトコのお嬢様か? もしかして今頃テンプレか? 何だかイヤな予感がするな。


 5人組の見た目は、魔人の騎士、虎系獣人の戦士、狼系獣人の僧侶、エルフの狩人、魔人の魔法使いというバランス型パーティーだ。


 魔人はエルフの半分ぐらいの尖った耳と瞳孔が縦にある。魔人にも角のある者は居るが、魔人の角は全て湾曲している。ちなみに彼女達に角は無い。


 お手本の様なパーティーだが、特化が居ない為に平凡になってしまうのが玉に瑕だな。なんで俺はゲームのように考えてるんだ……。


 ゲームでは僧侶は回復魔法の使い手だが、この世界に回復魔法や治癒魔法は存在しない。治療は薬で行うしかなく、後は身体強化や【闘気術】などで治癒能力を向上させるぐらいだ


 そうしている間にオークの血抜きは終わり、荷車に載せられていた。雨の中なので大した血抜きはせずとも、載せておけば勝手に流れ出る。


 荷車屋には悪いが、荷車も洗い流されるので別にいいだろう。警戒しながら村に帰るのだが、若い女性だからか会話が凄い。マシンガントークという言葉の意味を痛感している。



 「アルドさんも新人なんですか?」


 「まぁ、そうだね。新人だよ」


 「新人なのに、あんなに強いんですかー」


 「魔法も使えるんですね!」


 「アタイも強くなりたい……」


 「こらっ! ちゃんと警戒しなさい!」



 こういう時、真面目だと損するよな。荷車を牽いてる二人の内、戦士の方は普通に会話してるのに。とはいえ傭兵としては騎士の方が正しいのだが……。


 帰りには雨が止んできたので警戒は楽になっていった。村の入り口に着き門番に登録証を見せる。



 「どうやら無事だったみたいだね、良かった」


 「なんとか間に合ったよ」


 「よくある事とはいえ、誰かが死んだなんて聞きたくないしね」


 「ホントになぁ……」



 まずは解体所に行く。彼女達の血抜きは上手くなかったが、僧侶の子が浄化した為、オーク1匹銀貨1枚と大銅貨5枚になっていた。彼女達にとっては初めての高収入だったらしい……。


 思わずなんとも言えない気持ちになった。やはり俺はズレていると改めて突きつけられてしまったからだ。売却金の三分の一を貰いギルドへ行く。


 ギルド前に着くと雨は上がっていたので、【乾燥】を使いたかったのだが自重する。彼女達が居なければ使ったのだが……。


 ギルドに入ると雨だったからか人が殆ど居ない。ミュウさんの所へ彼女達を連れて行き事情を説明する。ミュウさんは依頼の事を知らされて居たからか、すぐに2階へと行った。


 彼女達と共に丸いテーブルと椅子のある方に行き、座って待つ事にする。しばらく彼女達と会話しながら待っていると、ミュウさんとダナが来た。なんかダナが怒ってる? ヤキモチを焼いてるのか、可愛いな。


 ミュウさんは受付に戻り、ダナは近くから椅子を持ってきて俺の横に座る。ダナの機嫌が悪いのが分かり、5人組は小さくなってしまった。機嫌が悪い理由を勘違いしてるよ? 君達。


 ダナは溜息を吐きながら、聞き取りを始めた。



 ▽▽▽▽▽


 0020終了時点


 金貨6枚

 大銀貨6枚

 銀貨10枚

 大銅貨9枚

 銅貨9枚


 鋼の短刀

 鋼の鉈

 鋼の槍

 オーク革の鎧

 革と鉄の肘防具

 革と鉄の膝防具

 革と鉄のブーツ


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