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0193




 <異世界98日目>



 おはようございます。今日は朝から王太子にクソガキ当主を渡しに行きます。それにしても、コイツはいつまで寝てるんだ? 【昏睡】を叩き込んだとはいえ寝過ぎだろう!。


 カマクラを出ると朝焼けの中、澄んだ綺麗な空気を吸い込む。ある程度領都から離れた場所にカマクラを作ったんだが、朝早くにも関わらず領都から出る人がそれなりに見える。


 朝早くから仕事で領都を出るのか……商人かなんかだろうな。さて、俺もお仕事を始めないとな! クソガキ当主を出し、カマクラを【魔術】で潰し更地に戻しておく。


 隠密の3つの技を使い門を越えて伯爵邸へと進む。誰も咎めないし、止めもしない。当然とはいえ、ちょっと面白い。伯爵邸へと近付くと王族兄妹は起きたところなのか外に出ていた。


 ラッキーだったので、王太子に近付いて技を解除し挨拶する。ビックリして固まらず、直ぐに俺を警戒したのは優秀だ。それに比べて妹の方は完全に固まっている。武器ぐらい構えろ。



 「おはよう。昨日は色々な事があり過ぎて、クソガキ当主を捕まえて来たよ」


 「ああ、おはよう。もう少し遠くから出てくるようにしてほしい。それで、クソガキ当主とは?」


 「背負ってるコイツの事だ。侯爵家の当主なんだけど、名前を知らないし知る気も無いんで、クソガキ当主と呼んでる」


 「うむ……? 侯爵家の当主だと!? ……確かにこの顔は侯爵家当主のガルニックだ。まさか、侯爵家の当主を拉致してきたのか?」


 「その辺りの話をしたいんだが、中に入れてくれるとありがたい。外で話す訳にはいかないだろう?」


 「そうだな、直ぐにこっちへ来てくれ。リンデ。何を固まっているんだ、早く動きなさい」


 「は、はい!」



 固まり過ぎだろうよ。再起動した第三王女は慌てて伯爵邸の中に入って行く。俺も入っていき、依頼を請けた時と同じ部屋に案内された。ソファーに座り、クソガキ当主を転がす。


 正面に王太子とライブルと昨日睨んできた奴。俺の横に第三王女が居る。何でこの配置なんだ? 普通はライブルか睨んでた奴が俺の隣じゃないのか? この辺のマナーはさっぱりだ。



 「それで、先程も聞いたし確認もしたが……。そこに転がっている侯爵家の当主ガルニックなんだが、何故拉致する事になったんだい?」


 「まず最初に言っておくと、拉致する気は全く無かったんだ。こいつがバカな失敗をしなきゃ、こんな事はせずに済んだんだよ」


 「バカな失敗………。とにかく、最初から話してくれ」


 「分かった。まずは、調査の為に侯爵邸に侵入したんだ。食堂の横にある台所の勝手口は閂で閉じられてる事が多いんで、閂を外せば簡単に侵入出来る」


 「最初から色々オカシイ気がするんですが……。閂を外すって、外からですよね? いったいどうやって……?」


 「話を続ける。そこから侵入して【気配察知】を使うと、3つの反応とその手前の部屋に1つの反応があった。3つの反応の場所が執務室だと予想して進んで行った」


 「凄いですなぁ。聞いていると、前に私の部屋に証拠物を届けられたのが、アルド殿であると良く分かる」


 「……手前の部屋のメイドは気絶させておいて中の様子を窺うと、バカな話をしているコイツが居た。帝国と共に辺境伯を攻めて手に入れ、帝国と地続きとなれば攻められないと言っていたよ」


 「随分浅はかな考えだな。そう上手くいく訳がないだろうに、そんな事も分からないとはな……」


 「動機はここだ。侯爵家の領地が成り上がり者に奪われたのが気に入らないそうだ。ついでに、奪って渡した王族も同罪らしいよ?」


 「ほう?」


 「ムーッ!! グーッ!!」



 実は少し前からクソガキ当主は目を覚ましてたんだよ。唸っているが、この場の全員が無視してた。今は無視されていない替わりに物凄く睨まれている。ま、自業自得だ諦めろ。


 後でゴチャゴチャ言われると面倒なので、侯爵家にあった全ての証拠物をこの場に出しておく。最後に出した手紙を見て激しく反応するクソガキ当主。やっと気付いたのかよ。



 「随分喚いているようだが、その手紙に何かあるのか?」


 「この手紙こそが拉致する原因になった物なんだよ。バカは内通の手紙に自分の名前を書いたらしくてさ、取りに戻って来たところを拉致する羽目になったんだ」


 「この男は、そこまで愚かだったのか……。普通は内通の手紙に名前なぞ書かんだろう。そんな事は私でも分かるぞ」


 「メイドと乳繰り合った後そのまま寝てれば良いのに、戻ってくるからこうなる。人が隠し部屋の中を調べていたっていうのに、邪魔しやがって……」


 「メイドに手を付けるって……碌な事をしませんね。メイドは逆らう事など出来ません。それを利用して不埒な事を強要するなど、腐った貴族の見本のようなものです」


 「ムーッ!! ウーッ!!」


 「で、コイツどうする? そこに沢山証拠はあるし、コイツの首は落とすぐらいしか価値は無いけど……」


 「そうだな……。ライブル! 近衛から人員を割き、この男と証拠を王都へ護送せよ。その後、出発する!」


 「「ハッ!」」


 「じゃあ、俺は朝食を食べてから皆の所へ戻るかね。ゆっくり戻っても、クレの町で合流できるだろう」


 「そういえば、お姉様方は如何されたのですか? いらっしゃらないようですが……」


 「皆は領都グリュウの宿で寝てるよ。この時間なら起きてるだろうけどな。アイツを拉致したのが夜遅かったんで、俺だけこっちに来たんだ」



 流石にこのまま居ても邪魔にしかならない為、さっさと伯爵邸を後にした。毎回泊まっている宿に行き、大銅貨1枚を支払って朝食を食べる。朝食後、領都を出て侯爵領へ。


 全力の身体強化をしながら移動し、1時間ちょっとでクレの町に到着。町中を見回るも、皆は居なかった。どうやら、まだ領都グリュウ方面に居るらしい。


 クレの町を出発して領都グリュウ方面へ向かう。全力の身体強化をしているものの、【空間把握】で確認は出来ている。その筈なんだが、まだ見つからない。おかしい、見逃したか?。


 結局、気付いたら領都グリュウに到着していた。領都に入り、泊まっている宿に向かうと皆は宿の中に居るようだ。監視をしている奴等も増えていて、何かがおかしい気がする。


 隠密の3つの技を使い、宿の部屋に侵入して皆の前で解除した。多少警戒されたが、俺だと分かり全員が安堵した様だ。2匹は俺の服に顔を擦り付けてくる。



 「ただいま。監視をしている奴等がやたらに増えていたんだけど、どういう事?」


 「「「「「おかえり!」」」」」


 「多分だけどアルドが拉致したからじゃないかい? 宿に踏み込んでは来ないけど、出ようとすると邪魔してくるんだよ」


 「どうやら私達を犯人だと疑っているようですね。まぁ、半分ぐらいは当たっているのですが……」


 「どうも、侯爵家は大混乱しているみたいなの。その御蔭で監視者が増えるだけで済んでるようね」


 「踏み込んで来られると面倒でしかないからね。今はまだ来ないからいいけど、いつ来てもおかしくなかったんだよ」


 「私達ならば暴れて突破する事も可能だが、あまり良い事ではないからな。出来れば穏便に済ませたかった」


 「成る程な。侯爵家の当主は王太子に預けてきた。それと、もう領都を出発して侯爵領に入って来ている筈だ。さっさとここから逃げようか」



 俺は隠密の3つの技を使い全員を認識出来ないようにする。結構大変だが、領都を脱出するまでなら余裕だ。俺の体から手を離さないように言い、全員で宿を出る。


 監視者の前を通り過ぎ、大通りを南下して領都の入り口へ。門に常駐する兵士も昨日に比べて増えているが、話を聞くまで違和感をあまり感じなかったな。


 門を通る為にチェックを受けている人達の横を素通りして、領都を脱出した。相変わらずだが、真正面に居るのに気付いていないのは滑稽だ。


 アルメアなんて手を振って、確かめていたのか遊んでいたのか分からない事をしていた。



 ▽▽▽▽▽


 0193終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨14枚

 金貨71枚

 大銀貨92枚

 銀貨66枚

 大銅貨244枚

 銅貨2枚


 ヒヒイロカネの矛

 ヒヒイロカネの小太刀

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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