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 12層の掃除を終えたので13層へと進む。1層1層進む毎に、転移したら即【神聖世界】を使う。それで一定範囲の呪いは浄化される為、そこから移動を開始していく。もちろん【探知】と【空間把握】を使い、呪いの薄い所を探すのも忘れない。


 そちらへと【浄化】しながら進み、近くへとやってきたら壺で呪いを吸い込む。その後は今いる層の端を1周し、転移紋に戻ってきたら次の層へ。その繰り返しで進めたのは16層までだった。ここでタイムアップ。俺達は脱出紋で外に出る。


 今日のダンジョンアタックでも16層までしか行けなかったか……。朝になってどれだけ呪いが進んできているかだな。そんな事を話しつつ夕食を作る。



 「どうやらこのダンジョン、奥から手前の層へと呪いが移動してきているようだからな。それを考えると思っている以上に奥の層に呪いが蔓延しているのだろう。それとも最奥から無限に湧き出しておるのだろうか?」


 「さて、そこまでは分からないが、俺達が想像するより遥かに多そうだ。一筋縄では行かない気がする。そもそも魔物が一切居ないダンジョンというのも珍しい。今までそんなダンジョンを見た事が無いしな」


 「このダンジョンは普通のダンジョンというより、呪いを封印する為だけにある気がします。ダンジョンなのはついでで、呪いの封印の方が本命なんじゃないかと」


 「大事ななのは呪いを封じる事で、それが出来るならダンジョンじゃなくてもよかった?」


 「多分そうなんじゃないかなって……そもそも迷宮紋から漏れてたからさ。元々【呪魂環】の時から少しずつ神様達が漏れるようにしてたって聞いたし、それとよく似た形にしたんじゃないかな?」


 「成る程な。ついでに濃い呪いを噴出させる事で悪用できなくした、と。呪いが濃すぎて悪用どころか近付いたら死ぬか、呪いに汚染されてしまい近づけなくなった訳だ。まあ、呪いを悪用されて兵器利用されたんだから、そこまでにするのも分からなくは無い」


 「【呪魂環】が壊れた後、呪いに汚染されて変わる者が出てきたのも、濃い呪いが噴出するようになったからか。それまではもっと緩やかだったのに、近づけず利用も出来ないようにする為に濃く噴出するようにした。結局は禄でもない事をした所為か」


 「そうなるな。旧魔導王国の者の所為だが、同時に旧魔導王国がしなくても何処かがやっていただろう。そして結果は変わらなかったと思う。兵器を作って自滅するなんて、よくある事だ」


 「「「「「………」」」」」



 夕食の時にする話じゃなかったかな? 俺は話題を変え皆と別の話をしていく。夕食後、後片付けを終えたらカマクラに入り、すのこと布団を敷いたらゆっくりと休む。流石にダンジョン内では延々と呪いの【浄化】ばかりだったので疲れた。


 魔物と戦うとか何か変化があればいいんだが、魔物もおらずに呪いの【浄化】のみだからな。それが余計に厳しかった。子供達もそうだったんだろう、今日は遊ぶ事もなく既にウトウトしている。


 流石に寝るには早いので子供達の背もたれになってやり、ある程度の時間は座らせたままにしておく。体に良くないからな。


 40分ほど経ったので流石に大丈夫だろうと思い、子供達を寝かせ2匹も左右に置いたら【昏睡】を使う。ウェルがゆっくりと抱き付いてきたが、【精気】のみで相手をし大満足させて寝かせた。


 体を綺麗にして服を着せたらカマクラ内と体を【浄化】し、それが終わったら外へ出てカマクラを閉じる。西へと走っていき、最後に残った2つの集落の者を真っ白に変えたらカマクラへと戻った。


 ダンジョンの攻略前に集落のもの全てを真っ白にする事ができた。これで明日からゆっくり休める。それにしても長かったなー、本当に疲れたよ。それじゃあ、おやすみなさい。



 <呪いの星124日目>



 おはようございます。今日もダンジョンの呪いを【浄化】しに突入します。そろそろ一気に走って攻略したいところだけど、それが出来るのかは分からないんだよなー。そんな事を考えつつ朝の日課を終わらせる。


 カマクラの外に出て椅子に座り、紅茶を淹れて飲みつつボーッとしている。今は少しでも静かな時間を楽しみたい。そうやっていると子供達が起きた為、この時間も終わりだなと考えつつ朝食を作る事にした。


 全粒粉と塩と神水で練り、いつもの生地を作成する。かす肉と野菜を煮込んでいき、【熟成】を使いつつ煮込んだら味噌などを混ぜて味付けする。最後に饅頭を作って蒸せば完成だ。終わった頃には皆も起きていたので早速食べよう。


 配膳したら、いただきます。



 「今日は具の入っていない饅頭と煮込み料理だけかと思ったら、朝から濃いな。しかし美味い。味噌で味付けしてあるが、竜のかす肉だからかこれだけでも美味いし、野菜のいい風味も出ている」


 「これね、具が入ってない饅頭だから良いんだよ。この濃い味のスープなら、具が入ってると邪魔だと思う。何も入ってない饅頭だから、ちょうど良いんだよ」


 「うん。敢えてプレーンな饅頭にしてあるのが分かるよ。このスープに付けて食べても美味しいし、濃い味を流すのにもちょうど良いから」



 子供達にとってもちょうど良かったようで何よりだ。煮込み料理は【熟成】を使えば美味しくなる料理が多いから、俺的には手抜き料理なんだよな。手を抜いても美味しくなるからいいんだけどさ。


 美味しい朝食を終えた俺達は、後片付けをして準備を整えたら、ダンジョンへと入る。昨日と同じように魔法の準備をしていたが、今日の1層は呪いが漂っていなかった。皆も不思議そうにしているが、実際に呪いが無いのが現実だ。


 理由は分からないが奥へと進んで行く。1層から順に見回っていていくが、13層に入るまで綺麗になっていた。13層にはそれなりに呪いがあったので、昨日にくらべれば奥から噴出する呪いは減っているのだろう。


 13層から【浄化】を始め、14、15、16と進み、17層からは本格的な【浄化】を始める。昨日と同じように丁寧に綺麗にしていき、遂に20層へ。


 【神聖世界】を使ってから周囲を見ると、土が剥きだしの地面が見えたが地形がよく分からない。しかたなく転移紋近くまで行き、壺で一気に【浄化】する。十分に綺麗にした後、いつも通りに端を回って分かった。この層は禿山だ。


 起伏があるので分かりやすい山なのだが、木が1本も生えてないので奇妙に思えたんだ。禿山の地形なんて初めてだよ。そう思いつつも【浄化】しながら先へと進む。


 22層で昼食にし、終えたら更に先へと進んで行く。ひたすら【浄化】を繰り返し、今日は28層まで進む事が出来た。明日か明後日には最奥まで行けそうだな。そう思いながら脱出紋で外に出る。


 今日も夕食の後はさっさとカマクラに入り、疲れたのと満腹でウトウトしている子供達を座らせておく。40分ほど経ったら寝かせ、既に寝ていた2匹を左右に寝かせたら【昏睡】を使う。


 近くに来てリクエストをしてきたウェルを満足させ、綺麗にしたら服を着せて寝かせる。カマクラ内と体を綺麗に【浄化】したら、おやすみなさい。


 ……夜中に無粋にも降り立った阿呆どもが4頭ほどいたが、子供達や2匹にウェルを起こさないようにして【衝気】で気絶させ、枷を4つ嵌めて真っ白にしたら放置。カマクラに戻って寝た。


 何をしようと降り立ったのか知らないが、空飛ぶトカゲがいちいち絡んでくるんじゃない。しかも鬱陶しい雄だったのが余計に腹立たしかった。


 真っ白に変えてカマクラに戻った後で、【覚醒】を使ったら飛び立って去って行ったものの、そもそも寝た後に邪魔された事がムカツクんだよ。空飛ぶトカゲの事なんて忘れてさっさと寝よう。


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