0189
部屋に戻り、早めに就寝する事にした。明日は朝一でギルドに行って、正式に依頼として受けてから出発になる。ライブルからの依頼だから捨て駒にはされないと思うが……。
俺はソードグリズリーの素材の残りで剣帯、指貫グローブ、半篭手、脛当、ブーツと作りディルに試着させる。どうやら問題は無かった様だ。ディルだけ防具が良くなくて済まない。
謝ったら今までの防具より遥かに良い物だから、謝られても困ると言われた。2匹は既に寝ていたのでベッドに引きずり込まれたが、【房中術】と【鋭覚】で反撃して勝利した。
皆を綺麗に浄化して、おやすみなさい。
<異世界96日目>
おはようございます。今日から依頼を請けて戦争に参加します。気を引き締めないと、調子に乗って死ぬなんて唯のアホだからな。浄化していると2匹は起きたらしい。
「おはよう。ダリア、カエデ」
「ニャー」 「ガルゥ」
今日は朝から2匹をワシャワシャしてやる。久しぶりだったからか物凄く喜んでるな。猫だからと言えばそれで終わりだが、前にやった時は喜びもしなくて澄まし顔だったのに。
「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャ~」 「グル~」
「今日は移動だけど、どこまで行けるかねぇ。ちょっと楽しみだよ」
「私達の身体強化がどれほど上達したか。本当に楽しみですね」
「そろそろ朝食を食べに行って、準備をしよう」
全員で食堂に下りると、ライブルはまだ起きてはいなかった。大銅貨8枚を支払い、朝食を注文してゆっくり待つ。水を飲みながら待っていると、女将さんが朝食を運んできた。
「皆、気をつけて行っておいで。でも、必ず帰ってくるんだよ」
「トーカ、心配しなくても必ず帰ってくるさ」
「そうですよ。待つ側だからヤキモキするんでしょうけど、私達なら問題ありません」
「落ち着いてゆっくり待っていれば、戦争が終わって帰ってくるわ」
「調子に乗ったりなんてしないさ。何より、調子に乗るほど若くはないしね」
「戦争に参加するのは始めてだが、迂闊な事をするつもりも、勝手な事をするつもりもない」
「出来る事をやって、出来ない事はしない。それだけだよ。無理難題を言われたら、さっさと逃げればいいだけだ。後で捨て駒にしやがったとでも言えばいいさ」
「それは勘弁してほしいですな。そんな事をさせる気も、命じる気もありませんが」
「やっと起きてきたかい。ライブルは食べてな、アタシ達は部屋で準備をしてくるよ」
俺達は部屋に戻り、全ての準備を整えて部屋を後にする。ライブルは既に朝食を終えていたので、一緒に傭兵ギルドまで行く。セルネットは村長の家に預けているらしい。
ギルドに入ってミュウさんの所へ行く。ライブルが用件を言って、依頼の用紙に記入をする。その後、俺達が依頼を請ける者のところにサインをすれば手続き完了だ。
「これで依頼の手続きは完了です。……本当に良かったんですか?」
「ミュウ……。アタシ達は新人や素人じゃないんだよ? 全て分かったうえで仕事をやると決めてるんだ」
「そうですよ。受付嬢が口を出していい事ではありません」
「ヴェル、どうしたんだい?」
「いえ……何となく、こうなるんじゃないかと思っていました。皆さん、ご武運を」
「任せておきなさい。敵は殲滅です」
「足を引っ張らないように、やれる事を精一杯やる」
「本当にやりそうで怖いよなー」
「そうだね。我が妹ながら怖いねー」
「アルド! 姉上! 2人の方が怖いでしょうに」
「「「「「アハハハハ!」」」」」
良い雰囲気のまま俺達は村長の家に行き、ライブルがセルネットを受け取る。村の入り口で門番と挨拶をしたら、村を出て侯爵領を目指す。まずは領都ディムアストへ行く事になる。
ライブルは俺達と一緒に歩いて行こうとするがセルネットに乗るように言い、俺達は身体強化を行って一気に進んで行く。ライブルとセルネットは慌ててついて来た。
サングの町を過ぎ、シグの村を通り、ゴードの町で昼食をとり、ロワの村に到着した頃には疲労困憊だった。……ライブルとセルネットが。俺達は宿に行き2部屋をとる。
一部屋は6人部屋で、もう一部屋は1人部屋だ。ライブルは疲労困憊のセルネットを少しでも回復させようと、宿の厩舎で水を飲ませたり、体をマッサージしたりしている。
仕方ないので、後でこっそり【生命活性】と【心静】のコンボで眠らせておこう。そうすれば、翌朝には完全回復しているだろう。前に刺した時のような傷でもなければ危険は無い。
【黄泉帰り】は非常に危険な技なのだが、【生命活性】はそれほど危険ではない。まぁ、【黄泉帰り】も俺が使う以上は、安全をある程度担保出来てないと使わないけどね。
物事に絶対は無いので、ある程度の安全にならざるを得ない。……おっと、ライブルが戻ってきたので、今の内にセルネットを寝かしつけてくるか。ライブルも疲労困憊で部屋に行ったし。
あっさりとセルネットを寝かしつける事に成功し、部屋に戻ってきた。皆は特に疲れた様子は無く、元気に酒を飲んでいる。もう少しで夕食なんだから、そこまで待てばいいのに。
「皆は疲れたりしてないか? ライブル程じゃないだろうが、疲れてるなら早めに休むようにな」
「流石にライブルのようにヤワじゃないさ。……というより、幾らなんでもヤワ過ぎないかねぇ」
「近衛騎士団長ともなれば書類仕事が多いでしょうから、体が鈍っているのかもしれませんね」
「そこまで鈍ってるような感じはしなかったのだけれど、責任ある立場では仕方ないのかしら?」
「……君達ね? 分かってて言うのは感心しないよ? どう考えても邪生の心臓の御蔭だろう。私は疲れていない訳じゃないけど、疲労困憊でもないぐらいかな?」
「私は結構大変だった……。身体強化を上手く使って、疲労軽減をしなければ置いていかれていただろう……」
「置いていく気は無いから、ペースダウンするだけだよ。でも、セルネットに乗ってるだけのライブルが疲労困憊とはなー。とはいえ、上下運動が激しそうな鳥ではあったが……」
「手綱を握って制御するのと、上下の動きに耐えるので精一杯に見えたが……」
「だろうね。本来あんな速度を出す乗り物じゃないし、あんなに長く速度を出さないから仕方ないさ」
「セルネットに関しては、【生命活性】と【心静】を使ってきたから大丈夫だろう。完全回復までいかなくても、9割は回復してる筈だ」
「「「「「………」」」」」
またジト目で見られたなぁ。いつの間にそんな事をやったんだってところか。明日の事も考えたら回復していないと困る事になりかねない。領都で休めるなら問題は無いんだが……。
そのまま侯爵領に進軍となったら、セルネットが回復していないと困る。それに近衛騎士団長である以上は、王太子についてないといけないだろうし。……そろそろ食堂に行くか。
宿の食堂にはライブルは居なかった。どうやらまだ眠っているらしい。このまま寝かせておいて、体力の回復をさせた方が良いかもしれない。ついでに遠隔で浄化しておいてやろう。
大銅貨8枚を支払い夕食をとったら部屋に戻る。明日からの事を話そうかと思ったが、領都で王太子と合流したら指示を聞く必要があるので、今決めてもしょうがない事に気付いた。
なので、そのまま2匹と遊んでいるのだが限界っぽい。あー、電池切れたかー。はいはい、分かってますよ。そんなに引き摺らなくてもいいだろうに……。焦らない、焦らない。
俺は【房中術】と【喜昇】で勝利した後、浄化を行う。いつもそうだが結構汚れるんだよ、特に女性が5人だから。……浄化も終わったので、俺も寝よう。今日も1日お疲れ様でした。
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0189終了時点
大白金貨1枚
白金貨2枚
大金貨14枚
金貨71枚
大銀貨92枚
銀貨66枚
大銅貨277枚
銅貨2枚
ヒヒイロカネの矛
ヒヒイロカネの小太刀
剣熊の爪のサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
二角の角の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
剣熊の骨の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
強打猪の革のジャケット
強打猪の革のズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ