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 全て作り終えたので、さっさとカマクラに入って休む。子供達と2匹は既に中に入って休んでいた為、後は俺達が入って入り口を塞ぐだけだった。


 皆で寛ぎながら雑談し、子供達が舟を漕ぎ始めたので寝かせ、2人と2匹に【昏睡】を使う。ウェルを満足させて寝かせたら、カマクラ内と体を綺麗に【浄化】し、罪を暴く腕輪を使う。すると、赤く光る反応があった。


 俺はそっとカマクラを出て入り口を閉じ、赤く光る反応へと向かう。すると、ダンジョン街に反応があった。もしかしたらだが、王都から逃げ出した奴が戻ってきたんだろうか? そんな事を考えながらも聖人にしておく。


 たった2人の為だけになー、と思いつつ、俺はせっかくなので一気に西へと走る。元々歩かなければ、そこまで次の村は遠くない。人の足で普通に歩くか、馬車で移動して日中に着くくらいだ。


 身体強化して走る俺だとすぐに着く。ジャブレン村に着いた俺は、隠密の4つの技を使って村の人達を聖人にしていく。赤く光る者達を全て聖人にしたが、1人の青年だけは青く光っていた。どういう事か分からないが、男で青いのは珍しい。


 そんな事を思いつつ、聖人化が完了したので帰る。町の事もあるので先行するのは悪い事じゃない。


 カマクラに戻った俺は、自分を綺麗に【浄化】したら入り口を開けて中に入る。皆はぐっすり寝ているので、俺も横になっておやすみなさい。



 <呪いの星115日目>



 おはようございます。今日はジャブレン村へと歩いていくのですが、どのみち道中の魔物も変えていくので歩いて進みます。朝の日課を終わらせ、カマクラの外に出たら椅子に座って紅茶を淹れる。


 ゆっくりと飲みつつ過ごしているが、誰も起きてこないな。全粒粉を神水と塩で練っていき、適当にヘビーブルの肉を薄く切って香辛料を振って炒めていく。魚醤を少し回しかけて味付けしたら、完成なので置いておこう。


 適当な野菜を切って千切って用意し、出来た生地をチャパティにして焼いていく。全員分が焼きあがった頃には皆も起きていた。料理をしながら朝のあいさつをしていたが、皆はボーッとしている。よく眠れたらしい。


 タコスモドキにして、皆の前の皿に乗せていく。置いてすぐに食べ始めたので、俺もさっさと食べよう。では、いただきます。



 「今日のはヘビーブルだからか、お肉がガッツリしてて美味しい。お肉を焼く時に竜の脂が使ってあるから今までと全く違ってるんだね。これは前の星のお肉の味と殆ど変わらない」


 「そうだね、久しぶりに食べた味って感じ。脂1つとっても全く違うし、やっぱり竜の脂は凄いよ。美味しいのにしつこくなくて、サラっと喉を通るからまた食べたくなる」


 「ああ、うむ。分かるな。あの竜どもというのは強さが尋常ではないが、味も尋常ではない。何から何までメチャクチャな奴等だが、知性の代わりに身につけたモノなのだろうな」



 噛み締めるように食べているが、竜の脂1つでここまで変わるんだよなー。手に入れたからこそ思い出したというべきか。どう考えても違う。それ程までに美味いのが竜であり、ドラゴンとは明らかに異なっている生物だ。


 美味しい朝食を終えた後は準備をし、カマクラなどを壊したら出発。歩きながら魔物を変えていく。枷を4つ嵌めて白い魔物に変えつつ、昨日ジャブレン村の連中を既に聖人に変えた事を話す。


 若干のジト目で見られたものの、先行して聖人化しているので、睨まれたり警戒されたりという気分の悪い事は無い。そう言うと、渋々ジト目を引っ込めた。邪険にされない代わりに聖人だからな。どっちも微妙と言わざるを得ないんだろう。


 昼食を挟んで進み、それなりに魔物を白くしていくとジャブレン村に着いた。入り口の近くにカマクラを設置するとワラワラと人が集まってきたが、拝んだりしてくるだけで何か言ってくる訳じゃない。


 仕方なく「そっとしておいてくれ」と言うと、分かったのか名残惜しそうに離れていく。顔が引き攣る思いだが、とりあえず耐えた俺は、先行するのも微妙だなと思ってしまった。町を早く終わらせる為に今日もするんだけどさ。



 「先に聖人にしてたら、ああなるのは仕方ないよ。悪意の視線も嫌だけど、聖人の視線もねー……」



 そうだな、蓮。どっちも色々面倒臭い。それはそうと夕食を作って食べたら、さっさと中に入って休もう。誰も反対しなかったので手早く夕食を作ってさっさと食べ、カマクラの中に入って入り口を閉じる。


 皆で話したり遊んだりして時間を潰し、子供達が舟を漕いだら寝かせていく。2人と2匹に【昏睡】を使ったら、ウェルを【精気】のみで撃沈させる。満足するまでシたからか、ウェルはぐったりしているが嬉しそうだ。


 綺麗にした後で服を着せ、髪を梳いて寝かせたら、カマクラを出て入り口を閉じる。身体強化で一気に進み、キムロサ村に着いたら聖人化を始めていく。それなりの人数は居るものの、町に比べたら楽なのでさっさと終わらせよう。


 行商人も居たが纏めて聖人にし、終わったらカマクラへと戻った。中に入る前に自分を【浄化】し、綺麗にしたら中に入って寝転がる。今日も一日お疲れ様でした。



 <呪いの星116日目>



 おはようございます。今日はキムロサ村に行き、先行してアリホム町を聖人化する日です。皆は暇な日が1日減るし安全も確保しやすくなるんだから、悪い事じゃないとは思う。ただ聖人に絡まれるのは面倒だが、どのみち町では最終的に周囲が聖人だらけになる。


 朝の日課を終わらせてカマクラを出たら、椅子に座って紅茶を淹れる。いつも通りに飲んでいると、今日はフヨウが最初に起きてきた。コロコロと転がりながら出てきたフヨウに神水を出すと、いつも通り吸い上げて定位置へ。静かな時間を過ごす。


 朝食作りを始め、全粒粉を神水と塩で練ったら休め、その間に角煮を作る。終わったら生地に詰めて成形し、角煮まんが出来たら蒸篭へ。子供達も起きてきたし蒸し始めると、蓮がウェルを起こしに行った。


 今日はウェルがよく寝ていたが、起きてきたウェルは自分が最後だと気付いたのか、すぐに席に着く。蒸しあがった角煮まんを皿に乗せていくと、皆が手にとって食べ始める。熱いから気を付けろよー。


 俺も自分の分を食べよう。いただきます。



 「あふっ! はふっ! ほふっ! ………この熱さで一気に目が覚めたが、熱々のままに食べないと美味しくないからな。うむ、千切ったら凄い熱気だ」



 子供達も「あつっ、あつっ」と言いながらも美味しそうに食べている。夏も20日以上過ぎたから、そろそろ暑くなってくると思うんだが、未だにそこまで気温は上がってないな。何か理由があるのか、それとも暑さの本番は秋まで続くのか。


 朝食後、少しゆっくりしてから準備を開始。カマクラ等を壊して更地にしたら出発する。いつも通りに魔物を白くしつつ進んで行き、昼食を経てキムロサ村へ。途中で行商人に擦れ違ったけど、会釈だけで終わったのは助かった。


 昨日の夜に聖人化した奴なので、何かしら絡まれると思っていたのだが、邪魔をする素振りが無かったのは本当に良かった。聖人に固まれるなんて面倒でしかないし。


 キムロサ村の入り口近くにカマクラを設置したものの、誰もこちらに来ないので料理を作りつつゆっくり過ごす。今日は麦飯とハンバーグとサラダと味噌汁だ。デスボーアとヘビーブルのミンチで作り焼いていく。


 しっかし本当に誰も出てこないな。こっちとしては助かるけど、不気味といえば不気味だ。聖人って何考えてるか分からないし。


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