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<呪いの星113日目>
おはようございます。今日は香辛料と食材を買ったら別の国へ行きます。食料がダメそうなら香辛料だけでいいな。そもそもドーレント王国か聖国でしか香辛料が買えない。他の所でも育てられるんじゃないかと思うが、俺は農家じゃないので分からないし。
種とか持って行ったらアリシアの所でも作れるかもしれないが、地球でも胡椒は割と繊細な温度管理とかが必要だって聞いた事あるし、無理っぽいかね? 朝の日課を終えて紅茶を淹れつつ考えるが、知識が碌にない俺が考えても無駄だな。
大人しく紅茶を飲みつつボーッとしているが、今日も誰も起きてこない。どうにも最近の気温がちょうど良いのか、寝ている事が多いな。病気とかではないから良いけど、これがおかしな病気なら困っているところだ。
紅茶を飲み終わる頃には皆は起き、俺は布団を片付けて部屋を【浄化】しておく。皆も紅茶を飲み終わったので宿を出て食堂に移動し、大銅貨3枚を支払って朝食を注文する。昨日と同じく陰鬱な雰囲気の中で食事を終え、香辛料の店に移動。
前回も多く購入したが、今回も小金貨3枚分の香辛料を購入して食料店へ。覘いてみると、あまり多くの食料は無かったので購入を諦め、ダンジョン街へと移動。そのまま順番を待ち、迷宮紋でダンジョンへと進入。さっさと進んで行く。
29層の川が流れている山の地形で昼食にし、食べたら更に先へ。最奥で呪いの熊を【浄化】したら、解体して毛皮を手に入れ残りを【粉砕】。転移紋でウィルナイト帝国へ。
ウィルナイト帝国に着いたらダンジョン街を出て、帝都ウィラーへと移動。登録証で中に入り、前回も泊まった宿へ。中銅貨6枚を支払い部屋を確保したら食堂に。大銅貨3枚を支払って夕食をとったら、さっさと宿へと戻る。
久しぶりの帝国だが、特に何かがあるという訳でもないな。子供達はリバーシで遊んでいるので放っておき、俺は罪を暴く腕輪を取り出す。赤く光るので帝都にも聖人に変えておくべき奴がいるようだ。
腕輪を仕舞ってゆっくりしていると、ダリアが胡坐の中に入ってきたので外に出し、ブラッシングを始める。相変わらず抵抗を許さない超リラックス効果でダリアは撃沈し、されるがままを通り越して寝てしまった。
そのまま綺麗になるまでブラッシングを続け、綺麗になったらフヨウの番だ。フヨウが終わったら蓮で、その後はイデアを綺麗に。2人と2匹が終わったら、布団に寝かせて【昏睡】を使う。
待たされていたウェルが襲い掛かってきたが、逆に貪って撃沈。気を失っているウェルを神獣のブラシで綺麗になるまで梳き、終わったら綺麗にして服を着せる。最後に部屋と体を【浄化】したら、窓から外へ。
隠密の4つの技を使い、帝都の中を移動しながら赤く光る者を聖人に変えていく。一般人はともかく、貴族の家に多いのは予想通りか。使用人とかメイド、執事なんかも赤く光っている。貴族だけじゃないのかよ……。
更には帝城の中の者も聖人にしたが、皇太子などは聖人化しなくてよかった。ちょっと心配だったがセーフで何よりだよ。とはいえ赤く光っていたら問答無用だったのだが。
帝都の中に赤く光る者も居なくなったので、俺は宿へと戻る。これぐらいで良いんだよな、本来は。何でドーレント王国は、あんな地獄だったのやら。まだ村2つと町1つが残ってるんだけどな。
宿の前で自分を綺麗に【浄化】し、部屋に戻ったらベッドに寝転がる。それじゃあ、おやすみなさい。
<呪いの星114日目>
おはようございます。今日は帝都で食料を買い、その量次第ではさっさとドーレント王国に戻ります。朝の日課を終わらせて紅茶を淹れていると蓮が起きてきた。トイレから戻ってきたら紅茶を入れる蓮を【念動】で支えつつ、2人で静かな時間を過ごす。
そうしているとイデアが起き、その後すぐにウェルが起きた。今日は2匹が一番遅いようだ。
部屋を片付けて宿を出た俺達は食堂に行き、大銅貨3枚を支払って朝食をたべる。終わったら帝都の中の食料店へ。十分な食料が売っているので中銀貨1枚ずつの米と小麦と大麦を買い、中銀貨1枚分の野菜も購入した。
流石に多くて怪訝な顔をされたが、これから樹海へと分け入ると説明すると胡散臭い者を見る顔をされた。俺は気にせずスルーし、中銀貨1枚分の味噌も買っていく。ここしか味噌を売ってないんだよなー。
子供達も欲しい物を買っていたし、ウェルも欲しい物を買っていた。結局ウィルナイト帝国で揃ってしまったが、それならそれで楽で良い。俺達は買出しを終えたらダンジョン街へと向かい、そのままダンジョンへ。
20層の平原で昼食にし、食事を終えたら最奥へと進む。最奥では再び呪いの熊が出たので【浄化】し、毛皮だけ剥いで後は【粉砕】して捨てていく。転移紋でドーレント王国へ移動したら、王都には行かず西へと移動。
王都から離れたらカマクラと焼き場などを作り、夕食作りを開始。王都に行かないので怪訝な顔をされたが、カマクラを作った段階で皆も納得していた。王都に泊まったところで肉尽くしだしな。
全粒粉を神水と塩で練り、別の鍋では出汁を作る。その隣ではかす肉と野菜を炒めて適度に香辛料を使って味付け。麺が出来たら茹で、出汁の入った椀に麺を入れてかす肉と野菜の炒め物を上から乗せたら、うどんの完成だ。
さっさと食べていってもらい、最後に自分の分を作り終えたら、いただきます。
「野菜が多くて具沢山だから良いな。特に肉尽くしのドーレント王国で食うから美味く感じるのかな? まあ、冗談であって、本当は竜のかす肉だからだけど」
「本当にな。これは驚くしかない。竜の物は何でも美味しいとは聞いていたが、まさかこれほどの物とは思わなんだ。ここまでの物を食べた事があるなら、デスボーアの肉でも納得せん筈だ」
「うんうん、これこれ。竜はかす肉でも美味しいんだよね。更にお肉は全く腐らないし。いつ食べても新鮮なお肉なんだよ!」
「流石に100年経つと駄目だけどね。逆に言うと100年ほど経たないと自然に熟成されないっていう、意味不明なお肉ではあるんだけど」
「………」
100年と聞いて唖然としているが、呪いに塗れた竜だから更に違っている気もするぞ? まあ、それはともかくとして、美味しかったものの食べ終わったので後片付けをしよう。
後片付けも終え、カマクラの中にすのこと布団を敷いたら、蓮とイデアの革鎧などを白い革製に変えていく。2人の分が完成したら素材が無くなったので丁度良い。
2人が着けていた物は【粉砕】して捨て、次は竜の素材で武器作りだ。暴食竜の骨と牙で大太刀と短剣を作り、他の武器を纏めて【粉砕】して捨てる。次は連とイデアなんだが……。
2人の武器は王角竜の骨と角で作る。短槍と短剣なのでさっさと作り、今までの物は【粉砕】して捨てた。最後にウェルの武器を暴食竜の素材で作り、今までの武器を【粉砕】して捨てれば完了だ。
ウェルは盾を持つ事に決めたのでメイスと短剣にし、大刀は壊して捨てた。子供達の事もあるし、タンク役を正式にやってくれるみたいだ。なので球形メイスと短剣となる。
試しに短剣を木に向かって振ると、何の抵抗も無く切り裂いた。その事に唖然とするウェル。とはいえ俺達の誰も驚いてはいない。竜の素材の武器はあんな物だしな。この星ではこれ以上の武器は手に入らないだろう。
「当然だ。……切れ味がおかし過ぎるぞ、コレは」
それが竜の素材だ。諦めてくれ。




