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 かす肉作りも終わった為、今まで持っていた呪いの魔物のかす肉を穴を掘って捨てる。混ざると分からなくなるのと、持っていても仕方がないからだ。それと呪いの魔物の脂も捨てて、代わりに竜の脂を入れておく。


 他の素材は冷凍して入れておき、最奥から脱出する。外へ出た俺達はそのままダンジョン街を出て王都へ。中銅貨4枚を支払って中に入り、少し早いが食堂へと行って夕食を食べよう。


 大銅貨3枚を支払って夕食を注文し、席に座ってゆっくりと待つ。周りは聖人ばかりなので微妙な気分になるが、食事を終えたらさっさと宿に戻る。部屋に入って一息吐き、綺麗にした後で布団を敷く。


 子供達は布団の上に乗ってダリアやフヨウと遊び始めた。



 「それにしても聖人どもは疲れるな。まあ、慣れればいいと言われればそれまでなのだが、アレは簡単には慣れられん。拝まれるなどという経験は今までに無いからな」


 「おそらく殆どの人が無いと思うぞ? それも異常な気配を纏うからなぁ。妄信とは違うし狂信でもない。どう表現していいか分からないんだよなー、あれ。偶像アイドルを見るようでもあり、崇拝対象を見るようでもある」



 子供達はダリアやフヨウと遊んでいるので、我関せずだ。そのままウダウダと話していると舟を漕ぎ始めたので、子供達を布団に寝かせて2匹を左右に寝かせる。【昏睡】を使って眠らせたら、ウェルを幸せに沈めておく。


 綺麗にして服を着せたらベッドに寝かせ、部屋と体を【浄化】したら、おやすみなさい。



 <呪いの星112日目>



 おはようございます。今日は2度目のダンジョン攻略です。朝の日課を終わらせて紅茶を淹れ、ゆっくりと飲みつつ静かな時間を過ごす。まだまだ暑いと思える気温ではないので楽だが、この星の夏はどこまで暑くなるのだろうか?。


 そんな事を考えつつ過ごしていると、珍しく誰も起きてこない時間が続く。それだけゆっくりとしていられるんだが、外で声がし始めると流石に起きてきたので朝の挨拶をする。


 皆が紅茶や神水を飲んでいる間に部屋を片付けて【浄化】し、飲み終わって出発となった。宿の従業員に残りのキャンセルと返金不要を言い、食堂へと移動。大銅貨3枚を支払って朝食を注文し、席に座って雑談をしながら待つ。


 周囲が聖人な為、妙な雰囲気になるものの食事を終え、ダンジョン街へと移動して迷宮紋の前の列に並ぶ。順番が来たら進入し、身体強化を使って走っていく。昨日と変わらぬ地形をどんどん進み、19層で昼食をとったら更に先へ。


 そのまま一気に進んで35層、今回出現したのは王角竜だった。再び逃げながら【浄化】を続け、1時間ほどで呪いも限界を迎えたので【集中】して白く変える。今回はスムーズに逃げる事が出来たな。



 「それでも逃げる事しか出来んがな。違う星の竜というのは色んな意味で規格外だ、ここまで異常な成長というか進化した者達だとはな。知性を得なかった代わりに高い戦闘能力を持ったのだろうか?」


 「かもしれないな。竜は間違いなくトカゲの延長線上にいる生き物だが、色々な強さを持っているから何とも言えん。個別に強さも習性も違うしな。とりあえず、かす肉を作り終わったら移動するからなー」


 「「はーい」」



 子供達は適当にウロウロしているが、この層にはアイテムは無いと思う。魔力の流れを感じないし、何処かに滞留しているという事も無い。2匹と一緒に遊んでいる子供達は放っておき、俺はかす肉作りを進める。


 終わって【乾燥】させて袋に入れて纏めたら、アイテムバッグの中に入れていき終了。子供達も暇になったのか帰ってきていた。まあ、かす肉を2つ3つ食べていたけど。そこは気にしていないが、あれだけ肉、肉、肉だったのに食べるんだな。



 「竜のお肉は別だよ!」



 蓮。甘い物は別腹みたいに言われても困るんだけど? と、心の中だけでツッコんでおいて転移紋へ。何処に行くか相談したら、まずは聖国に行って香辛料の補充をする事に。皆の意見も最もだと思い聖国へと移動。


 転移紋で出てくると、陰鬱な雰囲気が広がっている。これは……国が完全に崩壊したかな? そんな事を考えつつダンジョン街から聖都へ。登録証を見せて中に入ると、特にどうこうは無いが陰鬱な空気のままだった。


 前回も泊まった宿に行き、1泊分の金額である中銅貨5枚を払う。その後は食堂に行って食事をするのだが、何だか陰鬱な空気が漂ったままだな。大銅貨3枚を支払って夕食を注文し、席に座って待っていると話が聞こえてくる。



 「新しい王様はまだ決まらねえのか? 聖都に常駐している兵どもが悪さばっかりしてやがる。元近衛の連中にも勝手をする奴が多いし、これからどうなっていくんだろうなー」


 「知らねえよ。あいつら酷い事も平然としやがる異常な奴等だぞ。昨日なんて道端で女を連れて行こうとして、抵抗されたからって殺してたんだぜ? 王城に居る領主は何もしねえし、兵士を止めもしねえ」


 「あいつら城を荒らしただけらしいぞ。何でも宝石とか色んな物を運び出してたらしいしな。何かあったらさっさとトンズラするんじゃねえか? 奪いに来ただけだろ」


 「他の領主は何をしてるのかねえ。誰でもいいけど、さっさと王様になって纏めてほしいもんだぜ。聖都だけがいつまで経っても落ち着かねえしよ。いったいどうなってんだって思うわ」



 どうやら新しい領主が王になろうとしていないらしいな。その割には聖都を牛耳ってるみたいだし、いったい何がしたいのやら……。いや、マジで聖都の財を奪ったら逃げるつもりか? 俺の予想とは違う事をしてくれてるなぁ。お仕置きが必要かね?。


 宿に戻った俺は布団を敷いて準備をし、皆に断りを入れて窓から外に出る。隠密の4つの技を使っているのでバレる心配は無い。


 罪を暴く腕輪をし、手当たり次第に【昏睡】で眠らせて聖人にしていく。西と違い、そこまで赤く光るヤツは多くない。


 ウェルの言っていた通り、向こうは常識がおかしかったんだろう。素早く移動して【昏睡】か【衝気】を喰らわせ、枷を3つ着けて聖人にする。その行動をひたすら繰り返し、兵士も騎士も関係なく変えていく。


 貴族もブッ殺したのが影響しているのか、どうやらまともに国政も出来ないようだ。それでも貴族を生かしておく事など出来なかったので、あの時の判断は間違っていない。何故なら国vs個人だったからな。


 残っている文官も当然居るんだから、そいつ等に任せれば何とかなる筈だが……。貴族関係じゃないから使わないのかね? 下っ端にしか思ってないとか? 仮にそうだとしたらバカ丸出しでしかないが。


 そこは聖人にしたから何とかするだろうと思いつつ、王の部屋を出る。かつての王の部屋で寝泊りしているようだが、それで喜んでる時点で子供だなアレは。城の中の聖人化も完了したので、最後に汚れた場所へと行く。


 扉の外からも臭気が凄いが、俺は外から全てを【浄化】し、完全に綺麗にしてから入る。中では肉が腐りドロドロか、乾燥してこびり付いていたが、それらも綺麗にしたので骨だけになっている。俺はその骨を【念動】で浮かせ、【分解】で塵より細かくした。


 他にも汚れた所は綺麗にし、それから再び町の掃除を始める。スラムに新たに住み着いた者も聖人にし、赤く光る奴等を全て聖人にしたら宿の前まで戻った。自分を何度も綺麗に【浄化】した後で戻ったが、皆はぐっすりと寝ているようだ。


 俺もさっさとベッドに寝転がって目を瞑る。それじゃあ、おやすみなさい。


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