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 遊んでいた子供達もウトウトしてきたのか布団に寝転がり、2匹も寝転がったので【昏睡】を使って深く寝かせる。ウェルを満足させて寝かせたら、綺麗に【浄化】して準備完了。おそらく王都最後の聖人化を始める。


 隠密の4つの技を使って外に出た俺は、罪を暴く腕輪をして赤く光る奴を探す。今日もいつもと変わらず手当たり次第に聖人にしていくが、既に王城が近い。その王城近くの屋敷に侵入しては聖人にしているのだが、その屋敷も倒壊している箇所が目立つ。


 必ずしも助かった訳ではないらしいな。それとこの国では王も一貴族とそこまで変わらないからか、常駐している貴族というのは殆ど居ない。屋敷を持っているのも高級武官や高級文官だ。


 貴族かと思って枷2つで聞き出したら唯の武官や文官で驚いたよ。まあ、国政の中枢を担う武官や文官なんだから良い暮らしをしているのは当たり前だろうけどさ。普通の王国なら城の近くにあるのは貴族の屋敷だからなぁ。この国には法衣貴族は居ないらしい。


 屋敷の下働きの者も含め、全員を聖人にしていき王城へ。ここでも赤く光る者をひたすら聖人にしていくのだが、残りが少ないので居場所が分かりやすい。最初の方は赤く光るというより、近くの生命反応を調べる形にどうしてもなってしまう。


 生命反応に近付き、赤く光るかどうか調べて聖人化。今は罪を暴く腕輪の反応をメインにして探している。この腕輪でも赤く光る奴の方向というか方角は分かるんだ。俺はそっちに行って聖人化している。


 最初に使っても反応が多過ぎて分からないし、腕輪が使いづらいのはその為だ。本来なら青く光る人達の中から赤く光る犯罪者を探すんだが、赤く光る連中が多過ぎて探すという意味では最初は使えない。この国だけだろうけどな、こんな現象。


 王城の一角で寝てる偉そうなオッサンも聖人にし、同じ部屋で寝てる中年女性も聖人にしておく。多分だけどこいつらが王と王妃だろう。オーラの欠片も無いが、プライベートだとこんなものかね?。


 さっさと終わらせ、赤く光る奴が居ない事を確認するが、今度は王都の外を向いている。少し疑問に思ったが、ダンジョン街を忘れていたので慌てて向かった。


 ダンジョン街の柵を越えて入るのだが、思っているよりも中に人が多い。むしろこれでよく呪いの生物が生まれていないものだと感心する。そんな中、ここに居る連中を片っ端から聖人にしていき、どんどんと変えていく。


 王都より楽なのは密集している事と、外に居る者達が殆どだという事だ。前の星と違って、ダンジョン街と言っても大半は解体所と屋台なんだ。ダンジョンに挑戦する連中は基本的にガラが悪いので、ダンジョン街に常駐する人は殆ど居ない。


 今ここに人が多いのは、避難民が雑魚寝をしているからに過ぎない。本来ならダンジョン街の夜には人が殆ど居ないからだ。金が無くて宿に泊まれないようなのが居るくらいで、そいつらも身包み剥がされる危険性を分かって寝泊りしているんだ。


 今は地震で家を失った人が寝泊りしているので少々違うみたいだが、情報収集する余裕はある。なかなかに大変ではあるが終わりは来るもので……今日はここまでだな。明日なんとか終わらせよう。時間が足りなかった。


 王都に戻った俺は自分を【浄化】し、部屋に入ってベッドに横になる。1時間ぐらい寝られれば良い方だろうか。それじゃあ、おやすみなさい。



 <呪いの星110日目>



 おはようございます。物凄く眠たいですが、朝食を食べたら寝るので構いません。朝の日課を終え、紅茶を入れながら神水を補充するのを忘れていた事を思い出す。まだあるけど残りは少ないな。今日の夜に補充しとこう。


 紅茶を飲みながらボーッとしていると、皆が起きてきたので朝の挨拶をし、そのまま片付けを始める。終わったら食堂に移動し、大銅貨3枚で朝食を食べて宿へと戻った。眠たくて我慢できないので、おやすみなさい。


 ……ダリアに起こされたが、顔をベロベロ舐めるのは止めてほしい。確かに起きたけども。


 自分を【浄化】して皆に声を掛けると、少々変な目で見られた。どういう事かと思って聞くと……。



 「食堂の料理がね、お昼から普通に食べられたの。お肉もちゃんとした味だったし、首から上が牛の女性か、白い蛇の人が何かしたんじゃないかなー?」


 「結局は肉なんですけど、でも美味しくない肉じゃなかったんですよね。何故か」


 「呪いの味というか、そういう物が感じられなかったからな。おそらくは浄化しておるのだろうが、この王都で浄化出来る存在といえば牛頭と白い蛇の女以外は知らない。まあ、スラムではなく普通に生きられるようになったのなら良かったとは思うが……」



 片付けも終わったので食堂に行き、大銅貨3枚を支払って食事を待つ。運ばれてきた料理を食べると、確かに普通の肉の味がする。もしかして浄化能力は浄化魔法と違って無限に使える? それとも一度呪われたから魔力が増大している?。


 よく分からないが、呪いが消えて美味しい料理になっているなら問題はないか。そう思い、さっさと食べたら宿へと戻る。美味しい食事にはなっていても肉ばかりなのは変わらない。野菜スティックを出して食べながら、子供達の相手をする。



 「という事はまだ聖人化は終わってないのか。避難民が居る以上は仕方ないのであろうが、大変だな。人が多い王都の民が減ってコレだからな。西に行くとどうなるのやら」


 「それだがな、王都ドレンの西にはジャブレン村、キムロサ村、アリホム町、そして国境となっているようだ。つまり王都の西は辺境伯領という事になる。ダンジョンの位置がここだから、ここを首都にするしかなかったんだろうな」


 「そうだったのか……」


 「そして悲しいお知らせだ。国境の先は蛮族の地だと聞いた。どうも旧魔導王国の爆心地、その中心はジャングルというか森になってしまっている。その中に村というか集落を作って住んでいる者達が居るそうだ。たまに食料欲しさに攻めてくるらしい」


 「もはや集落というか村人というか、唯の原住民ではないか。あの黒い光の中心が、今や森に埋もれているとはな……。しかしこの国は切り開いたりしないのか?」


 「王様いわく、呪いでおかしな木になっていて、とても切り開けないそうだ。呪い由来のおかしな魔物も居て、森の中で暮らしている奴等は異常だと言っていたよ。どうも30年前の爆発で飛び散った高濃度の呪い、それに耐えられた奴だけが生き残ったようだな」


 「それでも行くんだよね?」


 「ああ。そこの奴等も【浄化】しなきゃいけないだろうし……いや、聖人か? どのみち行って何とかしなきゃいけないのと、壊れた【呪魂環】のあった場所を確認しておかなきゃいけない」


 「次は樹海ですか……そこに行く前に食料を買ってくるのが先ですね」


 「そうなる。ダンジョンを2度攻略して食料の買出しだ」



 会話をしながらの神経衰弱なのでイライラしなかったみたいだが、たまには悪くないだろう。子供達が舟を漕ぎ始めたので布団に寝かせ、2匹を左右に寝かせて【昏睡】を使う。


 襲ってきたウェルを反撃で撃沈して寝かせたら、部屋と体を綺麗に【浄化】して聖人化の開始だ。隠密の4つの技を使った俺は、ダンジョン街に行って残っている連中の聖人化を始める。残っている者は殆ど居なかったので、あっと言う間に終了した。


 夜になれば寝ている者が大半なので特に問題なく、周囲にバレる事もなかった。素早く離れた俺は、王都の屋敷のある区画に行き、そこの水を少し拝借して神水に変えつつ補充していく。


 王城にも行って複数の井戸から水を貰い、神水に変えて樽に詰めていく。満タンにはならなかったが半分くらいは補充できた。今の所はコレで十分だろう。帰って寝るか、赤く光る奴等も居ないし。


 宿に戻る前に自分を【浄化】して綺麗にし、部屋に戻った後でもう一度綺麗にしたら、おやすみなさい。


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