0187
折角だから、コイツ等も地獄に落としてやろう。俺はワザと3つの技を解除して、コイツ等の前に姿を現す。いきなり現れた俺に敵意を向けてくるが、どうでもいい程度でしかない。
「誰だテメェ!? 急に現れやがって、どこに居た!?」
「それが分からない時点で話にならないな。まぁ、いい。お前達が話していたクアルヴァーだが、既に粛清専門の裏稼業だとバレているぞ?」
「「「「「何!?」」」」」
「既に村のギルドから総本部に情報は送られている。良かったな。彼女を拉致しようがどうしようが、彼女が仕事をする事はもうない。後は、お前等の里に調査が入るだけだ」
「……何? どういう事だ?」
「ん? こんな簡単な事も分からないのか? 仕方ない奴等だな。お前等の里では彼女以上に仕事が出来る者は居ない。という事は、これからは仕事に失敗するという事だ」
「「「「「!!!」」」」」
「やっと気付いたか。そうなると失敗の原因を調べる為に総本部の調査が入る。その結果、先代の長を暗殺した事も重臣を殺害した事もバレる訳だ」
「何故お前がそんな事を知っている? 怪しい奴め」
「オマエら程は怪しくないさ。少し前に自慢気にペラペラ喋ってくれた奴等が居てな? それで知っているんだよ。面倒な喋り方をする奴だった。9割が自慢とか、頭がオカシイだろ?」
「若様は!? その人はどこに行った!?」
「どこにって……兄弟も纏めてどこかの地面の下に居るぞ? 燃やして灰にして【粉砕】して捨てたからなぁ」
「「「「「!!!」」」」」
「この人殺し野郎がっ!!!」
「それで? どうやって俺が殺したと証明するんだ? 証拠は何処にあるんだろうなー」
「!」
1人のバカが斬り掛かってきたので、腰に差してあった小太刀を抜き首を斬り落としてやった。この程度の奴等に殺されてやる程、俺は弱くはない。……というか、コイツ等が弱すぎ!。
「何でこう、ザコは弱い癖に力に頼るんだろうな? お前等もここで死ぬか、それともさっさと逃げるか……好きな方を選べ」
俺は殺した奴の死体を【浄炎】で焼いた後、【錬金魔法】で粉砕するところを見せた。そうする事で、コイツ等の末路を無理矢理にでも理解させる。
そもそも俺がやったのは反撃なので、俺の殺人は何の問題も無い。
「「「「「………」」」」」
「さっさと選べ!!」
「「「「「!!!」」」」」
「わ、分かった。俺達だって死にたくない。帰る……里に帰るんで殺さないでくれ」
「彼女をもっと早く助けていれば、お前等の事も考えてやっても良かった。……だが、お前等は自分が助かりたいだけのクズだからな。殺してもゴミを処理しただけに過ぎない」
「「「「「………」」」」」
「とっとと失せろ!!!」
蜘蛛の子を散らすように逃げていった。クズはどこまでいってもクズでしかないな。ヤレヤレだ。さっさと帰って革鎧を作ろう。あのバカどもが来たら、今度こそ全員始末する。
俺は嫌な気持ちを抱えたまま村へと帰る。……殺したゴミ? 風に乗って飛んでったよ。どこに行ったかは……知らない。風任せだから、良い所に飛んで行けたらいいけどな。
村を出る時と同じように、【気配消失】【誤認】【幽体】を使って村の中に入る。出る時に門番のチェックを受けてないので、入る時も受けないように入る。さっさと宿に帰ろう。
3つの技を解除して宿に入り、そのまま2階の部屋へ。皆は思い思いの格好で寛いでいた。直ぐに2匹が駆け寄って来たので受け止めてやる。……ウググ、結構パワー強くない?。
「おかえり。……何かあったのかい? 表情が良くないみたいだけど……」
「よく見てるな。実は帰りに男6人と女4人の妙な集団が居たんだ」
「そりゃね。愛しい人の事はよく見るさ。……それで?」
「そいつらはディルの里の連中だったよ。ディルが裏切っていたら拉致して言う事をきかせるつもりだったようだが、ダナとシュラが居て手が出せないとさ」
「何だい、それは? アタシ達が居ようが居まいが、関係なく実行するんじゃないのかい? 随分弱気な暗殺者だね」
「どうやら、そいつらも今の里長が怪しい事は知ってた様だ。重臣を暗殺した事も、里の中では噂として流れていたらしいが……」
「済まない。私は聞いた事が無い。それに仕事が終わって里に帰っても、直ぐに次の仕事に行く事も多かった。だから里の中の噂は知らないんだ」
「ディルが知らないと言うより、ディルに聞かれないようにしていたんでしょうね。という事は、聞かれたらマズいという自覚はあった訳ですか……」
「どうも今の里長は、もう老害と言われる程の耄碌爺の様だ。何をやろうとディルが里に帰る事も、仕事をする事も無いと教えてやったら驚いていたよ」
「驚きで済んだのかねぇ。そいつ等下っ端だろうけど、お先真っ暗だと知ってどんな気持ちになったか聞いてみたいもんだ」
「悪趣味ですよ? 気持ちはよくわかりますが。私も今までの経緯を知ってる以上は、自業自得としか思いませんけどね」
「後、ディルに毒の使い方なんかを教えた、大婆様と呼ばれてた奴が居るんだけどな。自分がやらされた事を先代の娘であるディルにやり返したかったらしい」
「「「「「………」」」」」
「”自分がやらされた事”かい……。つまり、古くから毒の犠牲者は居た訳だ。とはいえ大婆様なんて呼ばれてる奴だ、先々代ぐらいがやらせたんだろうけどねぇ」
「大婆様も、あの毒の犠牲者だったのか……」
「勘違いしては駄目よ? その年寄りがやらされた事と、それを貴女にやらせた事は同じじゃないわ。自分がやらされたからといって、他の人にやらせていい事にはならないのよ」
「そうだね。そんな事が許されるなら、君の里の者は全員不幸にならなきゃいけなくなる。そういう因果は遡れば幾らでもあるものさ」
「後は……そうそう、1人斬りかかって来たんで首を刎ねて燃やして粉砕しておいた。風に乗って飛んでったから、どこに居るかは知らないが……」
「まぁ、私も里に戻る気はもうない。だから里の誰かが死んでも特に気にはならないな。思い出してみると、誰も私を助けようとはしなかった。だから私も助ける気は無い」
「それでいいんじゃないか? 今後は知らない奴等で良いだろう。無関係な奴等がどうなろうと、知った事じゃないからな」
「それよりも、それが私の革鎧なのか? ソードグリズリーの皮がみるみる革になっていって、そして鎧になっていくんだが。こんなのは、初めて見る」
「そういえば防具作りを見せるのは初めてか。俺達の着けてる王角竜の革鎧とか、アルメアの着けてる大飛竜の革鎧なんかはこうやって作ってるんだよ」
「……王角竜? ……大飛竜?」
「ああ、そうだ。ディルには言ってなかったか。俺達の鎧は、ダンジョンの最奥で出てきた竜の皮で作った鎧なんだよ」
「……ん? それはもしかして、戦って勝ったという事か?」
「当然だろう。勝たずにどうやって手に入れるんだ?」
「実際に戦った私達からすると、1度目の王角竜は何とも言えないのよね。アルドが一撃で倒してしまったから、私達は何もしてないの」
「牽制したくらいかね? その後にアルドが【闘気術】の奥義、【怪力無双】を使って一撃で倒したんだよ。確かアダマンタイトのメイスがひしゃげる威力だったかい?」
「私はその時には居なかったけど、アダマンタイトがひしゃげる威力って、滅茶苦茶過ぎるんじゃないかな?」
「姉上、その滅茶苦茶な威力がないと倒せなかったんですよ。王角竜にしてはオカシイ程に大きかったんです」
「そういえば倒した後に言ってたな。あの王角竜は軍隊が蹴散らされる強さだって」
「それ程の、とんでもない強さの竜の革鎧だったのか。私の着けていた鎖帷子が大した物じゃない筈だ」
そりゃ、なあ。ドラゴンの革鎧って、ゲームでも最強かそれに近い防具だもんな。それに比べて青銅の鎖帷子とか、序盤に登場する物だからな。比べる方が間違ってる。
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0187終了時点
大白金貨1枚
白金貨2枚
大金貨14枚
金貨71枚
大銀貨92枚
銀貨69枚
大銅貨309枚
銅貨2枚
ヒヒイロカネの矛
ヒヒイロカネの小太刀
剣熊の爪のサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
二角の角の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
剣熊の骨の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
強打猪の革のジャケット
強打猪の革のズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ