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 蟻の魔物というのは非常に厄介だ。小さな蟻ほどの繁殖力は無いものの、それでも繁殖力は旺盛で数が多い。1匹1匹の能力は低くとも数の多さで押し切られるのと、何と言っても女王蟻を倒すまで終わらない事が厳しい。


 そんな蟻の魔物が攻めてきたとなれば厄介だろうが、どこから攻めてきたんだろうな? あまり蟻の魔物が人里を攻めるって聞かないけど……もちろん無い訳じゃないと思うが、変だな?。


 そんな事を戻った宿の部屋で話すも、原因は不明なので寝る事にした。それじゃあ、おやすみなさい。



 「ふおっ!! 首筋に這わないでくれビックリする。いや、フヨウ起きるから! 首筋がゾワゾワするから!!」


 「………」



 フヨウにおかしな起こされ方をした俺は、フヨウのゾワゾワ攻撃が無くなって安堵する。一番心臓に悪い起こし方だった気がするぞ、本当。


 落ち着いたので周りを見ると、微妙な感じの顔で見てきていた。何か大した事がない事で騒ぐなと言っている感じだが、それは違うと声を大にして言いたい。ここはフヨウにやってもらうべきだな。


 フヨウさん! やっておしまいなさい!。



 「ひあっ!? ちょっとダメ、フヨウ! これは、ヒッ!!」


 「うあっ! 何コレ!? ゾワゾワする!! ちょっとフヨウ、止めて!!」


 「はあっ!? ちょっと待て、コレは! ふぅっ! そこは止めて!!」



 三者三様のゾワゾワを味わった後、俺を凄いジト目で見てくる3人。むしろ俺の方がジト目で見たいぐらいなんだけど? 俺がフヨウに起こされてる時「何コイツ?」って顔で見てたろうに。


 俺がそう言うと、3人とも目線を外して明後日の方を向きやがった。俺が受けたゾワゾワ攻撃が騒ぐほどの威力だったと分かったようだな。まあ、それならいい。部屋を片付けて食堂に行くか。


 大銅貨3枚を支払い、席に座った俺達は適当な雑談をして待つ。周囲の話題も聖人になったカロッソ村の人達の話題ぐらいで、新しいものは無い。蟻の魔物の話が聞きたかったんだが、無理して聞く事もないか。


 宿の部屋に戻った俺は、久しぶりに神経衰弱を子供達としている。当然ながら俺は嫌がらせ側だ。相変わらず子供達は俺が適当な合わないカードを引っ繰り返すので、記憶するのに大変な苦労をしているらしい。久しぶりだからかな?。


 フヨウが胡坐の中に入っており、ダリアは右膝をペシペシしたり体を擦り付けたりして遊んでいる。ウェルは神経衰弱を見ながら「あーでもない、こーでもない」と、自分も参加しているつもりで覚えながら見ているようだ。


 子供達が疲れてウトウトしたら布団に寝転がらせ、2匹を左右に置いて【昏睡】。ウェルは【房中術】と【鋭覚】で相手をし、綺麗にして服を着せたら寝かせる。最後に部屋と体を【浄化】したら、隠密の4つの技を使って窓から外へ。


 今日も赤く光る者を片っ端から聖人に変えていき、宿に戻ろうとしたその時、地面の下に魔力を感知した。すぐに【空間把握】で調べると蟻の魔物だと判明。体長は12センチほどと前の星より小さいが、代わりにそれだけ殲滅するのが難しいという事だ。


 困ったものの、数は少ないので【念動】で始末して【浄炎】で焼いておく。大量の数が居るなら俺一人では手が足りない可能性が高い。蟻の魔物が何故この町を狙うのかもよく分かってないし、どうしたものかねえ?。


 自分を綺麗にして戻った俺は、再度部屋と体を綺麗にしてベッドに寝転がる。それじゃあ、おやすみなさい。



 <呪いの星99日目>



 おはようございます。昨日は蟻の魔物が町の下の地中に居ました。流石に地下で動かれると厳しいとしか言えないだろう。領主や街の兵士も気付いていないっぽいし。朝の日課を終わらせて紅茶を淹れて飲んでいると、今日は皆早く起きてきた。


 紅茶を入れて一口飲んだウェルが、俺の顔を見て聞いてくる。



 「妙な……心配事でもありそうな顔をしているが、どうかしたのか? 聖人化が上手くいっていないのか、それとも気になる事でも?」


 「昨夜な、地面の下に蟻の魔物が数匹いた。聖人化は順調で、その帰りだったんだが……。町の柵なんかを破壊したのも蟻の魔物だって聞くしな。何だかこの町、蟻の魔物に攻められてる気がするんだよ」


 「地面の下から襲ってくるって怖いね。魔力で分かるなら逃げられるけど、いきなりだったら食べられちゃうかも……」


 「蟻の魔物が人間種を食べるとは限ってないけどね。でも蟻の魔物が好む何かはあるのかな? それとも蟻の魔物に攻撃した人が居て、蟻達は復讐しようとしているとか?」



 それは何ていうタイトルの洋画なんだ? と言いたくなるイデアの一言だな。それはともかくとして、蟻の魔物が地面の下をウロついていたのは事実だ。注意しないといきなり群れで襲ってくるかもしれない。


 まだ聖人化が終わってないんで勘弁してほしいし、できれば女王蟻を白い魔物に変えてしまいたいんだよな。そうすれば白い蟻を生み出し続けてくれるかもしれん。それに、蟻のような小さい魔物なら一気に浄化が進む可能性があるんだよ。


 俺としてはチャンスなんで逃がしたくない。皆にそう説明しながら部屋を片付け、食堂に行って朝食を食べた。宿に戻って少しゆっくりしたら、おやすみなさい。



 「う……今日は普通、というか何故か蓮が寝てるのか?」



 俺の左側では何故か蓮が寝ているが、イデアとウェルはリバーシで対戦している。ダリアとフヨウもやっているので蓮だけが外れたのか、それとも眠たかったんだろう。俺は皆に挨拶した後で部屋を綺麗にし、蓮を【覚醒】で起こす。


 その後は食堂で夕食を食べるのだが、やはり大した話は無かった。精々いきなり友人がおかしな事を言い出したというぐらいだ。おかしな事といったって善を説き始めただけだろう。宿の部屋に戻った俺は、昨日と同じく神経衰弱で子供達の相手をする。


 久しぶりに頭をフル回転で使っているが、子供達にとっては良い事だ。そんな頭の体操をさせながら相手をしていると、舟を漕ぎ始めた。眠たくなった子供達2匹を寝かせ、【昏睡】を使って寝かせたら次はウェルだ。


 今日はウェルを幸せに沈めて寝かせ、綺麗にしたら窓から出る。いつも通り隠密の4つの技を使っているが、今日は昨日以上に人が居ない。夜に出歩かないのは良い事だと思うが、それより赤く光る連中の聖人化を始めよう。


 今日もギリギリいっぱいまでやったが、微妙にまだ終わってない。やはりカロッソ村の住人を聖人化するのに時間が掛かった所為だろうが、アレは仕方のない事でもある。そろそろ帰って寝るか。


 嵐の前の静けさみたいで嫌だが、蟻の魔物も今日は見ないんだよなー。本当に大丈夫かねえ。自分を綺麗にしたら宿の部屋に戻り、ベッドに寝転がったら、おやすみなさい。



 <呪いの星100日目>



 おはようございます。この星に来て記念すべき100日目ですが、何だか嫌な予感が拭えません。多くの者は既に聖人にしていますし、残っているのは領主を含む一部だけです。


 だから問題は無いと思うんだが……最悪は消えてもらえば済むしな。新しく上に立ちそうなのを聖人にすれば済むんで、今の領主は消えてもらって構わない。どうせ後を継ぐのは息子だろうし。


 朝の日課を終わらせて紅茶を淹れ、一息吐いているとイデアが起きた。トイレに行くのを見送るとダリアが起きてきたので神水を入れて出す。大人しく飲んでいるのを見ていると、イデアが戻ってきて紅茶を入れる。


 ハチミツを溶かしているのをみていると”ソレ”は起きた。


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