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0186




 流石に昼休憩には長過ぎたな、結構な時間が経ってしまっている。それに、皆も狩りの気分じゃなくなってる以上は、かなり早いけど村に帰るか。狩りをする気にもならないしなぁ。



 「話していた時間が長かった所為か、狩りをする気にならないんだが……皆はどうだ?」


 「確かに狩りの気分じゃないね。かなり早いけど、村に帰るかい?」


 「村に帰りましょうか? 気分が乗らないと集中力も続かないですし、変な失敗をしても困りますしね」


 「帰ってゆっくりしましょうか。ベッドじゃなくて普通にイチャイチャしたい気分だわ」


 「そうだね。激しさは要らないけど、触れ合っていたい気分だよ」


 「うん、分かるな。私もそんな感じだ、ゆっくりと幸せを噛み締めたい……そういう気分になっている」


 「ここからだと直ぐに帰れるだろうから、さっさと帰るか」



 崖下に下りて森の中を帰る。案の定、帰りになると襲ってくる魔物が出てきた。お前等は俺達が帰るのを待っていたのか? と言いたくなってくるな。



 「右前方からフォレストベア3、左からアースゴブリン6、右後方からイエローコボルト7。フォレストベアはディルに任せる」


 「「「「「了解」」」」」 「ニャァーッ!!」 「ガァーッ!!」



 ディルは最悪、怪我なく抑えてくれるだけでいい。それよりも面倒なアースゴブリンの対処が先だ。穴を開けられると面倒だし、何よりディルの足元に落とし穴を作られるとマズい。


 最悪の場合は致命傷を受ける可能性すらある。ディルには防具を使わせてないんだ、未だに訓練中だから。明日山に行ったら適当に狩って、革鎧を作ればいいやと思ってたのが悪かった。


 チィッ!! ……あれ? ディルは回避してる。もしかして魔力の動きをキチンと把握出来てるのか? ……という事は、慌てる必要は全くなかったのか。さっさと倒してしまおう。


 アースゴブリンの最後の1匹を始末した頃には、魔物は全滅していた。最後の1匹は近付いて来る事もなく、必死に穴を開けてどうにかしようとしていた。無駄に面倒な奴だったな。



 「もう、フォレストベアぐらいなら何の問題も無いな。随分安定してきたようで、安心して見ていられるよ」


 「見てる……? 戦いの最中に余所見は危険だと思うが」


 「【念術】の【空間把握】を使ってるから、余所見してる訳じゃないんだよ」


 「【念術】にはそんなものもあるのか!? 知らない事が多過ぎるが、父はどこまで使えたんだろう?」


 「どこまででもいいじゃないか! ディルがそれ以上に使えるようになれば、きっと喜ぶさ」


 「……そう……そうだな。アルドに習えば父以上になれる。なら、父を超える事を考えないとな」


 「シュライア。私達も母を超える事を始めないといけないね」


 「そうですね。目標は、母上が使えた【浄炎】ですか? それとも、最高峰の【神聖八重浄化】ですか?」


 「当然、【神聖八重浄化】だよ。そうでなければ母を超えたとは言えないからね」


 「アタシも何か習おうっと。できれば【闘気術】の何かが良いんだけど……」



 処理が終わったので収納して帰り道を急ぐ。また魔物が出てきたら面倒臭い。さっき俺から何かを習うという話をしていたが、全員魔力と闘気の身体強化が先だ。その後なら教えるが。


 魔力と闘気を正しく、精密に、繊細に使えないと教える訳にはいかない。それに、直接操作が出来ないと教えても使い熟せないのは、【魔法】も【闘気術】も【念術】も全部同じだ。そこは変わらない。


 直接操作が全ての基本になる。だからこそ、魔力薬にも霊薬にも仙丹にも直接操作を行う部分があるんだ。それらは【魔法】にとっても【闘気術】にとっても根幹と言える部分だからな。


 そんな事を帰り道の最中に教えておく。丁度話が終わったタイミングで、川に到着したのでジャンプして渡る。こちら側まで来れば襲われる事は無いだろう。



 「やれやれ、後は歩いて帰るだけか」


 「こちら側まで来れば魔物も出てこないでしょう」


 「これから帰るって時にいちいち出てこられると、鬱陶しさが倍増するね」



 皆で愚痴を言い合いながら帰り道を歩く。流石に人の多い所に魔物が近付いたりはしない。森の拠点が出来てから魔物の居場所も変わってきてる筈だが、危険は無さそうだな。


 魔物は全体的に山の方へ行ったのかも知れない。向こうの方は傭兵もあまり行かないので、傭兵を避ける為に山近くへ行ったなら村は安全だ。ただ、邪生は増えてるかもしれない。


 そんな事を考えながら、皆の身体強化の悪い部分を指摘する。明日は山に行って狩りをした後、訓練を重点的にさせた方が良いだろう。……いや、狩りは今の内に1人で行ってくるか。



 「皆、ちょっといいか? 俺は今から山に狩りに行ってくる。直ぐに帰ってくるから宿で待っててくれないか?」


 「何で山に行くんだい?」


 「ソードグリズリーを1頭狩ってきて、ディルの革鎧を作ろうと思うんだ。魔鉄の武器を持ってたから、それも使えばそれなりの鎧になるしな」


 「明日じゃ駄目なのかしら?」


 「明日は朝からギルドの訓練場で修行をしてもらおうと思っててさ。それで今日中の方が良いんだよ。後、俺1人なら相当速い速度も出せるから」


 「分かりました。けど、早く帰ってきて下さいよ」


 「分かってる。出来得る限り早く帰ってくるよ」



 俺は全員にキスした後、【気配消失】【誤認】【幽体】と身体強化を使い一気に山の方へ行く。キャンプ地を越えて山に入りドンドン進んで行くと、あっさりとソードグリズリーを発見した。


 3頭居たので気付かない内に全ての首を落として、浄化と処理を行う。その後、解体してから収納して村へと戻る。まさか、こんなにあっさり見つかるとは思ってもみなかった。


 早いに越した事はないのだが、ここまで早いと微妙な気分になってくるな。あんな別れ方しておいてコレか? と自分自身に言いたくなってしまう。ちょっと恥ずかしいよね。


 なのでゆっくり戻っていると、何やら妙な連中が分かれ道の所に居た。ココ山、ルーデル村、サングの町に分かれる道の直ぐ近くで、男6人に女4人の集団が居る。


 そんな、どう見ても怪しい集団に近付いて会話を聞いてみる事にした。何か会話してるんだよ、周りを異常に警戒しながら。怪し過ぎるだろう、もうちょっと隠せよ。



 「それで、あの村に居たのか?」


 「クアルヴァーは居る。けれど若様達が見つからない」


 「何でアイツしか居ないんだ? サングの町に若様達が居た形跡は合ったが、もう居なかった。後は、この村に来たぐらいしか考えられない」


 「それより、クアルヴァーは拉致できそうか?」


 「無理ね。チームを組んでるみたいだけど、組んでる相手が最悪よ」


 「どういう事だ?」


 「チーム内に<剣の踊り子>と<血狂い>が居る」


 「何てこった……」


 「他の奴等を人質に取るのは無理か?」


 「喧嘩を売る事になりかねないけど……それでもやる?」


 「「「「「………」」」」」


 「まぁ、そうだよな。俺達でも皆殺しにされかねない」


 「なら、どうするんだよ!? このままじゃマズい事になるぞ? 長は未だに認めねぇが、クアルヴァーが居なきゃ暗殺の仕事も出来ねぇんだぞ!」


 「そんな事は、ここに居る全員が知ってる! いちいち喚くな。長は既に老害と言っていい、唯の耄碌爺だ。それに、先代様を裏切って暗殺したって噂はずっと消えない」


 「多分……事実なんでしょうね。誰か分からないけど、ずっと噂を流してる」


 「しかも重臣の方々も殺しちまってる所為で、俺達は碌に技も学べてない。女の殺しの技は大婆様が居るが、ありゃ毒の技だ。あんなもん学んだって死んじまうだけだ」


 「しかも、才能のあるクアルヴァーに教え込みやがって。大婆様も碌な事しねぇ」


 「あの方は、自分がやらされた事を未だに根に持ってるだけだからな」


 「俺達の里はこれからどうなっちまうのかねぇ……」


 「「「「「………」」」」」



 知らねーよそんなもん。自分達が苦しくなってから泣き言を喚くな。もっと早くディルを助けてたら認めてやるが、お前等も所詮は自分の事だけだろうが。老害と同じだろうが……。



 ▽▽▽▽▽


 0186終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨14枚

 金貨71枚

 大銀貨92枚

 銀貨69枚

 大銅貨309枚

 銅貨2枚


 ヒヒイロカネの矛

 ヒヒイロカネの小太刀

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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