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 適当な話をしつつ片付けを行ったら、食堂に行き大銅貨3枚を支払って夕食を注文し席に座る。周りからは注目されるだけで大した話は聞こえてこない。聖人に変えると噂話を仕入れるのは難しくなるな、仕方がないんだろうけど。


 周りからチラチラ見られながらの食事も終わり、さっさと宿へと戻る。聖人化すると妙に注目されるんだよなー、何故か俺が神の使徒だと認識してたりするし……聖人に変えられると妙な知識を与えられるんだろうか? 前の星でもそうだったんだが。



 「聖人になったから分かる……訳はないな。アルドの言う通り何らかの知識を与えられてないと、アルドが神の使徒だと気付く事などできまい。実際にどうやって分かったのだと考えても、知識無くば無理だと分かる」



 うん。俺が神の使徒だと聞いても普通の奴は信じない。聖人の連中には知識が与えられたうえ、何かしらを妄信しているからこそだろうか? まあ、これ以上考えるのは止めよう。狂人を理解しようとすれば、こっちも狂ってしまう。


 俺はダリアが近寄ってきたのでブラッシングしつつ、子供達やウェルと雑談を始めた。今日の買い物で何が売っていたとか、そんな話を聞きつつブラッシングしていき、ダリアが眠ったら次はフヨウだ。


 撫でながら十分にリラックスでき、ストレスが無くなっただろうと思えるまでブラッシングしたら2匹を布団に寝かせておく。次は蓮かイデアなんだが……と思ったら、蓮が膝に乗ってきたので始める。


 いつも通り数度で目がトロンとしてきたが、そのまま梳き続けていると寝てしまう。頭を【念動】で固定しつつ十分に綺麗になったら布団に寝かせ、最後にイデアを梳いていく。綺麗になるまで梳いたら布団に寝かせ、【昏睡】を使って眠らせたらウェルの番だ。


 そう思っていたら横に来てゆっくりとキスしてきた。今日はどうしたんだと思うも、リクエストがあったのでウェルの望み通りにして大満足させる。ウェルにしては珍しい事を言い出したと思うも、本人が悦んでいたのなら構わないか。


 そう思い綺麗にした後で服を着せ、ベッドに寝かせたら宿を出る。いつも通り隠密の4つの技を使い外に出たら、最後の区画の聖人化を始めよう。やはり町1つを聖人化するには時間が掛かるな。そんな事を思いつつも赤く光る者に対し手当たり次第に枷を3つ嵌める。


 流れ作業のように行い、何も考えずに枷を3つ嵌めて2分待つのを繰り返す。ひたすらに行い続け、3日間の中で一番早く終わった。罪を暴く腕輪をしつつ広範囲を調べながら歩き、赤く光る者がいないか入念に調べていく。


 罪を暴く腕輪に関しては、広い範囲を調べる事も狭い範囲を調べる事も出来る。切り替える事が可能となっており、現在は広範囲モードで調査中だ。ここまで聖人化しないと赤く光る奴等だらけでまともには使えないんだ、広範囲モードは。


 町中を移動して調べた結果、赤く光る者は完全に居なくなっていた。代官っぽい感じの屋敷もあったんだが、使用人も子供も含めて聖人にしたので、これからは領地経営に邁進してくれるだろう。賄賂と悪事の温床だったんじゃないかと思えるほど、屋敷の一角に大量の貨幣を持ってたからな。


 こういう時代には賄賂や中抜きが当たり前とはいえ、それにも限度があるだろうと思うくらいに貯め込んでたぞ。まあ、これからは領地の為に使うだろうから俺は取らないでおくけど。


 宿の前まで戻ってきた俺は、自分を綺麗に浄化してから部屋へと戻る。これで町は綺麗になった。明日は1日ゆっくり休んで、明後日出発しよう。次は何処に行くべきかの情報収集もしないといけないし、聖人化が終わってもやること多いな。


 やる事は多いが、明日だ、明日。それじゃあ、おやすみなさい。



 <呪いの星94日目>



 おはようございます。今日は村や町の情報収集を行い、ある程度の地理を頭に入れておきます。話を聞く相手が聖人なのが何とも言えないが、そこはそれ確実な情報が得られるんだからプラスに考えよう。


 朝の日課を終えて紅茶を淹れつつボーッとする。流石に3日連続で夜中まで起きているとキツいなー、聖人化を急いで行っていたから仕方ないんだけど。流れ作業でやってたとはいえ、町は人の数も多いし大変だ。


 それでも爆心地近くなうえ、ここまで荒れていると根こそぎ聖人に変えるしか正す方法が無い。神様達も止めないのが全てなんだろう。俺の知識にある地球の古い時代でも荒れ具合はこんなものだしな。


 紅茶を飲みつつ下らない事を考えていると、蓮が起きたので見送る。そのまま適当な事を考えていると戻って紅茶を入れた蓮は、俺の膝に座って紅茶を飲み始めた。下らない事を考えていただけなのでいいかと思いつつ、そのまま静かな時間を過ごす。


 ウェルとイデアが起きたので見送り、2匹の水皿に神水を入れて飲ませる。そうしていると戻ってきて紅茶を入れた後、ウェルが昨日の事を聞いてきた。



 「昨夜で全て終わったのだと思うがどうなのだ? 3日目だからか随分と眠そうな顔をしておるのでな」


 「ようやく全部終わったよ。昨夜は代官みたいな奴を聖人にしたけど、貨幣はそのままにして戻ってきた。別に暗殺者をけしかけられた訳でもないから、慰謝料としては取れないしな。代わりに領地の為に正しく使うだろう。あそこまで貯めた金だと、賄賂か中抜きが大量にありそうだが」


 「碌な事をせんなと思うも、大多数の者が権力者を目指すのもそれが理由だからな。何とも言えんというか、野心や欲望が無ければ上に立とうとせんのも事実だ。悲しい話ではあるが」


 「聖人になってるから、権力者として民に奉仕しそうではあるけどな。どういう理屈で上に立つかは分からないが、間違いなく今までの常識をブッ壊してくれると思う。まあ、聖人になった段階でブッ壊れた後だと言えるんだけども」



 部屋を片付け、紅茶を飲み終わったら食堂へ。大銅貨3枚を支払い朝食を注文したら、席に座って運ばれてくるのを待つ。朝食を食べた後は暇そうな人に聞き込みを行っていき、ある程度分かったら宿へと戻った。


 フェデモ町から北西にアモッチ村、カロッソ村、マーテンロ町。マーテンロ町から南にショイル村、ソイルン村、アテンビー町。アテンビー町から西にウィク村。レレオ村、カッソグ村、ドレン町とある。


 そしてドレン町がドーレント王国の首都というか、王様の治める町になる。群雄割拠の時代だからか、それとも魔物がいるからなのか、領地持ちもそこまで大量の町や村を傘下に治めている訳じゃないようだ。


 昼前に宿に戻った俺は夕方まで寝かせて貰う事にした。流石に連日の聖人化で相当の疲労と眠気が溜まっている。急いだところで3日は掛かるので、予備日も含めて5日間ぐらいは宿をとっておいた方が良いだろう。


 今回はそれが分かっただけで十分だ。それじゃあ、おやすみなさい。



 「アルド。起きろ。もう夕方だぞ。流石に起きろ、でないと襲うぞ」


 「お、おお。もう夕方か。何だかあっと言う間だったが仕方ない。起きるよ」



 俺は起きて伸びをし、自分を【浄化】して綺麗にする。部屋と皆も綺麗にしたら、宿を出て食堂へと向かう。皆は町に出ていたそうだが、聖人ばかりなので問題は何も無かったそうだ。


 それは良かったが、何故か偉そうな感じの服を着た奴も居たらしい。よくよく聞いて見ると昨日聖人化した代官っぽい奴だったが、そいつがこの地方の領主だった。


 ……もしかして、この国の地方領主って村を数個と町しか持ってないのか?。


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