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 夕食後。色々と女性から話を聞き、情報を入手しておく。特に村の構成を中心に聞いたのだが、この村の世帯は32戸。1つの家に4~8人で、約130~200人ほどだった。思っているより多いと思うが、それでも聖人にするのに難しい数じゃない。


 大凡おおよその村の範囲も聞けたので、後は襲ってきた奴等を返り討ちにしてから、村の犯罪者全員を聖人に洗脳すれば終わる。そこまで難しい事ではないが、早く襲って来ないとそれだけ遅くなってしまう。出来れば早めに襲ってきてほしいもんだ。


 相変わらず俺の話を聞きながら「こいつ大丈夫か?」って感じの顔をしている女性。まあ、いちいち教えてやる必要もないので、俺は訂正も何もしないんだけど。夕食を終えてゆっくりした後、俺は家に浄化魔法を使いつつ、こっそりと【浄化】して綺麗にした。


 その上で布団を敷き、掛け布団は必要ないので出さなかった。子供達は布団の上に移動してリバーシをしており、それを女性が横から見ていた。何となくルールは分かったんだろう、面白そうにしている。


 俺はもう1つ布団を敷き、そちらでウェルと寝る事にした。女性の寝具は? と思ったら特に無いらしく、いつも板間のうえに直接寝ていると笑っている。



 「いや、それだと寒い時季は大変じゃないのか? 布を作ってるんだったら、中に綿を入れればこれと似たような物は出来る。敷布団と掛け布団は違うが、それでも同じような物を作って上から掛ければ寒くないだろう。冬までに作っておいたらどうだ?」


 「そんな事をしても無駄ですよ。良い物があったら奪われるだけです。寝ている間だけといったところで、あいつらは人の家にズカズカ入ってきますし、勝手な事ばかりするんです。皆、あいつらの報復が怖いので黙ってるしかなくて……」


 「心配せずとも、先ほどの奴等なら纏めて聖人にされるからな。ゆっくりと考えればいい。この村は聖人だらけの村になる。果たしてそれが良い事なのかどうかは知らぬがな」



 そんな事を話していると子供達がウトウトし始めたので、リバーシを回収して子供達のアイテムバッグに仕舞い、左右に2匹が移動して寝転がった。子供達も布団に寝転がり、目を瞑り始めたので【光球】の魔法を消す。


 この村では暗くなったら寝るのが当たり前なのだが、俺達はいつも眠たくなるまでは起きているので、女性もそれに付き合っていただけだ。俺は敷布団を3つ敷いているので、今は女性も布団の上で寝転がっている。これで布団の良さが分かってもらえるだろう。


 そんな事を考えながら子供達と2匹と女性に【昏睡】を使い、我慢をしているウェルに【念話】で説明した。すると、すぐに起き上がっては服を脱ぎ、全裸になると襲いかかってくる。俺は【房中術】と【精気】で満足させ、【浄化】してから服を着せていく。


 ウェルを寝かせたら家と体を綺麗にし、後はバカどもが襲い掛かってくるのを待つだけとなった。俺は寝る訳にもいかずに待っていたのだが、【探知】には反応があるのでいてはいなかった。どうも奴等は落ち合う場所を決めていたのか、そこへ続々と集結している。


 そして集まった奴等でどうやって襲うかの話し合いをしている最中だ。俺からすれば「今ごろ?」と思うが、話し合いで決めるようで時間が掛かっている。そして結局は俺達が持っている金欲しさに、この家に突っ込むと決めて向かってきた。あの話し合いに何の意味があったんだ?。


 連中のバカさ加減に呆れてくるものの、俺はゆっくりと待ち、奴等が玄関の戸を静かに開けた時点で【衝気】を使い気絶させた。その時点で間違いなく犯罪だからだ。いつも通り【念動】で浮かせて音をさせないようにし、俺は外へ出ながら連中も外に出して枷を2つ嵌める。


 一応話を聞くものの、やはり俺達の持つ金を盗む事しか考えていなかった。如何なる理由があろうと盗みは犯罪だし、こいつらが欲から動いただけなのは聞き出している。村の中央まで連れて行き、3つ目の枷を着けて2分待つ。


 8人を聖人に変えたら罪を暴く腕輪をし、1軒1軒の家を回りながら赤く光る者を聖人に変えていく。当たり前だが村人全てを聖人にする事は無い。流石に全員を聖人にするのはおかしいし、赤く光らない者を聖人にするのはやり過ぎだ。


 とはいえ、子供以外の全員が赤く光るのは仕方がないんだろうな。生きていく為でもあるし……でもなー、子供でも赤く光ってるのが居るんだよ。まあ、そこは容赦なく変えるんだけどさ。それと1軒1軒が離れているので地味に面倒臭い。


 移動しては聖人に、移動しては聖人にと変えていき、最後に一番大きな家に来た。間違いなく村長一家の家なんだが、中に居る全員に枷を2つ着けてから話を聞いていく。


 ………やはり嘘の可能性が極めて高いようだ。流石に長老的な爺さんは、王の血筋だという事が嘘っぱちだという事は分かっていた。正しくは、王の血筋だという事にして村を支配しているようだ。つまり村長をする理由として、祖先がでっち上げたものだったらしい。


 流石に村長の父親、つまり先代村長はそれを知っていたようだ。というより村長一家はそれを知っていた。バカにはまだ知らされていなかったようで、それで【白痴】でも堂々と王の子孫だと語っていたようだ。何と言うか、本当に古い時代にありがちな事をしてたんだな。


 全て聞き出したので3つ目の枷を着け、全員を聖人にして終了だ。結局3人の子供以外は全員聖人にする事になったが、荒れている地域の村だと考えればこんなものだろう。何かしら小さな事はしているだろうし。そう思いながら戻り調べてみるも、俺達を泊めてくれた家の女性は青く光っている。


 やはり問題無いが、こんな村にあってよく犯罪をせずに生きてこれたな。そう思うものの深入りする気は無いので、さっさと寝よう。それじゃあ、おやすみなさい。



 <呪いの星90日目>



 おはようございます。それなりに時間が掛かったものの、昨日は村人の殆どを聖人に洗脳しました。なので女性も絡まれる事はないだろうし、あのゴロツキどもも真面目に働くだろう。そう思うと気分がいいが、いちいち時間が掛かったなあ。家同士が離れてるから余計にそう思うんだろうか?。


 朝の日課を行い、終わったら紅茶を淹れてゆっくりと飲む。昔の日本家屋を安っぽくした色々残念な見た目の家ばかりだったが、お金の無い時代というか辺鄙な所ならこんなものかと思う家だ。それはいいんだが、それが点在している所為で移動が面倒臭かったんだよなー。


 そう考えているとフヨウが転がってきたので、水皿に神水を入れて出す。吸い上げたフヨウはいつもの定位置である首に巻きつき力を抜く。そのまま静かにしていると、何故か次に起きたのは女性だった。


 俺が既に起きているのを見て「ギョッ」としていたが、いつも一番早く起きるのでこんなものだと説明しておく。それ以外に説明のしようもないしなぁ。とりあえずコップを出させて紅茶を入れてやった。今はハチミツを溶かしている。


 ハチミツと聞いても「ギョッ」としていたが、甘味はなかなか手に入らない贅沢品のようだ。それとここから西に行くと村があり、その向こうに町があって、そこから来た行商人に布を売って生計を立てているらしい。


 この村の名はテッテオ村。西にあるのはアルート村とフェデオ町という。まずはそこまで行って、それから情報収集だな。ここは戦乱の土地だし、領地を奪い合っているような戦乱の状況となっている。


 少々厳しめに対処していくしかないな。それはそうと、そろそろ朝食を作り始めるか。


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