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 大悦びで撃沈したチョロゴンの服を綺麗に整えてから、朝の日課を行い綺麗にする。アリシアが居ないから十分に満足出来ている筈だが、何故か朝から盛って襲ってきたな? まあ、たまにだし誰も起きてないからいいけど。


 そう思っていたら、ウェルはゆっくりと身を寄せてきてキスした後、ヨロヨロしながらトイレに行った。もしかしたらアリシアが居た時は、ある程度の我慢をしていたんだろうか? 紅茶を淹れつつ考えているが、答えを出す意味も無いな。


 紅茶を飲んでいると戻ってきたが、その頃には足腰はマシになっていた。そこまでシてないし、朝からだったからな。すぐに治るだろう。そう思っていると、ウェルは俺の横に座り、太腿を触ったりキスしたりしてくる。まだ盛ってるのか?。



 「別にそこまでではない。朝から満足させてもらえたからな。とはいえ今日は私だけで、そのうえまだ誰も起きてこぬ。ならば雌として、愛しい方と仲睦まじくしていても良かろう? 何ならお口で御奉仕もさせてほしいぐらいだが?」


 「これ以上は遠慮する。そもそもさっきのだって、子供達が起きてくるんじゃないかと気が気じゃなかったんだぞ? 朝から【昏睡】を使う訳にはいかないからな。できれば自然に起きた方がいい、っと起きたか」



 子供達じゃなくフヨウだったが、起きたフヨウは俺の下に来たので、水皿に神水を入れて出す。いつも通りに「ズゾッ」と吸い上げると、首に巻き付いてきて力を抜く。いつもの重みを首に感じていると、ウェルが聞いてきた。



 「そもそもなのだが……フヨウはホワイトスライムなのか? それとも違う別種のスライムなのか? 別の星のスライムだから、別種の可能性もあるかと思ってな。そもそもダリアの種族もよく分からぬし」


 「フヨウは元の星で<セイント>と呼ばれていたスライムだ。ホワイトスライムがどういうスライムか知らないが、フヨウは様々な物を浄化する力を持っている。実際に俺が教えたからか、普通に【浄化魔法】も使えるしな」


 「ほう、そうなのか。ホワイトスライムとは全然違うな。ホワイトスライムは寒い地方に居るスライムでな、別に暑い所でも生きていけるのだが、こやつは獲物を己の粘液で凍らせるのだ。その後に溶かしながら食べていく」


 「へえ。ちなみにダリアは<ツインホワイト>と言ってな、元の星では浄化の得意な猫の魔物として知られていた。前の星では浄化能力や浄化魔法を使える魔物は<聖獣>と呼ばれ、傷付ける事は殆どなかったんだよ。放っておけば浄化してくれる訳だしさ」


 「ああ、成る程な。それならば放っておくであろう、傷つけても良い事など何も無いのだからな。とはいえ、この星に居れば愚かな先祖に何をされたか分からんが……本当にアレらは碌な事をせん」


 「まあ、まともなら<竜の神>が殺せとは言わないだろう。神命が下るという事は、殺す以外に解決法が殆どないか、腹に据えかねて命が下されたかのどっちかだ。おそらくは怒りが溜まってたんだろうなあ」



 そんな話をしているとダリアが起きてきたので、水皿に神水を入れて出してやる。そのまま飲むのを見ていると蓮が起き、トイレに行く前にダリアを抱き上げてモフってから行った。ダリアは何とも言えない、微妙に迷惑そうな顔をしてから胡坐に入り込む。


 そのまま丸まったので、今日はペシペシ叩かないみたいだ。蓮の手出しで忘れてるのかね? とはいえ口に出さずにそのまま放っておく俺。言ったところで叩いてくるだけだしな。


 その後はすぐにイデアも起き、いつもの日常になった。皆が紅茶を飲みつつゆっくりしている間に、俺は今日の予定を皆に伝えておく。



 「今日は休みだが、俺は1人でダンジョンに行ってくる。だから皆はゆっくり休んでてくれ。神水の補給と海産物を獲ってくるぐらいだからさ。皆には大銀貨10枚ずつと小金貨10枚を渡しておくから、好きに遊んでくるといい」


 「いいの?」


 「別にいいさ。ここ最近色々と大変だったからな。帝都に遊ぶ所があるのかは知らないが、皆だって欲しい物もあるだろうし好きに買えばいい。どうせ社会に還元しなきゃいけない金なんだしな」


 「そうですね。盗賊なんかが持ってたお金ですけど、今度はアルドさんが持ちっぱなしですから」


 「すまんな。俺達の場合、俺が装備品を作るんで大きな金額が減らないんだよ。そもそも超魔鉄なんて普通に売れば金貨レベルの物だしな。そして俺は鉄があれば幾らでも作れる。魔鉄に抑える事も出来るんで、鉄があれば儲ける事は可能だ。もちろんやらないけど」


 「面倒なヒトとか関わってくるもんね」


 「ま、そういう事だ」



 そんな話の後、部屋を出て食堂へと移動する。中銅貨6枚を支払って朝食を食べたら、俺は皆と別れてダンジョンへ。1層の人が居ない方へと行き、海水から神水を作って樽に詰めていく。それが終わったら減った塩の補充だ。


 それもさっさと終わったので、その後は【探知】と【空間把握】を使いつつ海産物を獲っていく。【念動】を使っている事に気付かれないように、岸まで寄せてきてから矛で突き刺して手に入れていく。


 黒い秋刀魚、赤い鯵、黄色い烏賊、ピンク色の蛸。色がアレだが、【浄化】しても毒の引っ掛かりは無い。なので問題なく食べられる物だ。そんな中、銀色の鮫が襲ってきた。1層に出る割には凶暴なヤツだな?。


 とはいえ大した事の無いヤツなので、【念動】で動きを固定して首を突き刺し殺害。矛で無理矢理持ち上げたら、遠くの奴が大きな歓声を上げていた。何だか分からないが、とりあえず潰すか。


 俺は解体を素早く行い、土鍋の中で鮫の身を磨り潰したら、塩と混ぜ合わせて焼いていく。長方形の蒲鉾を作って焼いていき、焼きあがったらアイテムバッグの中へと突っ込んでいく。


 それを繰り返していき、全ての鮫の身を蒲鉾にしたら岸を離れた。追いかけてくる連中が居るが、無視して脱出紋へ。外に出たら、そのまま帝都へと戻る。追いかけてきた連中がウザい。



 「おい、兄さん。ちょっと待てよ、良い話があってさ、ここだけの話な「五月蝿いぞ」んだが」


 「俺がその程度の下らん与太話に引っ掛かるような奴だと思っているのか? それはつまり、俺を虚仮こけにしていると思っていいな?」



 魔力と闘気と念力の威圧を行いながら聞くと、あっと言う間に腰を抜かし小便を漏らした。声も出せずに怯えているようなので、鼻で笑ってから立ち去る。ある程度歩くと威圧が無くなったからだろう、話しかけてきた奴は俺の背を悪意の篭もった目で睨んでいた。


 なので歩きだした瞬間に転倒させ、両足のアキレス腱を捻じ切ってやる。遠くから悲鳴が聞こえてくるが、俺の知った事ではない。全てはバカが悪いという話だ。


 帝都に戻った俺は、適当に町をブラブラしつつ歩いていると、なにやら騒ぎが起きているようだった。何が起きてるんだと野次馬に行くと、騒ぎの中心にはウェルと子供達に2匹が居る。


 何でだ? と思うも、目の前には股間を押さえて蹲る男。そして女2人と男1人。あれ? こいつら調子に乗ってた4人組じゃないか、何があったんだ? 野次馬をどけて進もうとすると、兵士がやってきた。


 流石に俺も行かないとマズいな、ちょいとゴメンよ。……っと、抜けられた。さて、何となくは分かるが、話は聞いておかないとな。



 「皆、いったい何があったんだ? 大通りだからか、結構な騒ぎになっているぞ?」


 「ああ、アルドか。このアホな男が私にちょっかいを出そうとした瞬間、蓮が股間を殴ったのだ。こう、振り上げる様な形でな」


 「股間アッパーか、それは俺が教えたんだよ。男の急所だから、情け容赦をせずに振り上げろってな。まあ、それはいいんだが、何でこのバカはウェルに手出ししてきたんだ?」


 「さあ? 随分と酒に酔っているようだから、唯の酔っ払いの絡みだろう。バカバカしいうえに、蓮に股間を殴られて悶絶しているくらいだからな。その程度でしかない。子供の攻撃に反応すら出来んのだ」



 ウェルも容赦ないな、蓮はおそらく身体強化を使った筈だぞ。知らないうえに酔っ払ってるなら、反応出来ないのも当然だ。とはいえ、自業自得でしかないが。


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