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 鉄の登録証を受け取り、ついでにアーマーベアを売った報酬を受け取る。1体につき小金貨1枚。これが多いのか少ないのか分からないが、周りで物凄く驚かれているので相当高いのだろう。それなら納得かな。


 俺達の用は終わったのでそろそろギルドを出ようかと思うと、入り口から4人組が入ってきた。何と言うか、歴戦の狩人”感”を醸し出している奴等だ。あくまでもそういう雰囲気なだけで足運びなどの基本は大した事が無い。


 そんな連中が入ってきたので、俺達は横を通って出ようとすると突っ掛かってきた。



 「よう、あんたら子供を連れていったい何の用だ? ここは子連れで来る所じゃねえよ。大人しく仕事を変えな、じゃないと命が幾つあっても足りねえぜ」


 「そうだよ? この仕事はすぐに死んじまうからね、死ぬ前に撤退する事は何ら恥ずかしい事じゃないさ。私らみたいにランクが8になるまでに死んじまうのも多いか……」


 「これが俺の登録証だ。さっき貰ったもんでな。”御忠告”ありがとうよ」



 俺が鉄の登録証を見せると、こっちを侮っていた4人組は何も言えなくなり、目線を外すと受付へと行った。周りの小声を聞いていると、どうやら先ほどの奴等は武術大会に出ているらしい。それで調子に乗っていたのだろう。


 という事は勝ちあがれているんだろうな、あの程度でも。そんな事を話しつつ、いつもの食堂に行って中銅貨7枚を支払い注文する。席に座って待っていると、近くから話し声が聞こえてきた。



 「今年の皇族方は驚くぐらいにお強いなあ。槍の姫様と剣の姫様は残念だったが、一番下の姫様はまだ勝ち残っていらっしゃる。皇太子様と第二皇子様の試合は残念だったが……」


 「あれはくじ引きだからしょうがねえ、まさか本戦一戦目で皇太子様と第二皇子様が当たるなんてなー。順当に第二皇子様が勝利したけども、思っている以上に接戦だったな」


 「本当にな。第二皇子様が弱くなったっつーより、皇太子様が強くなられたんだろうなあ。素晴らしい戦いだったし、1戦目から見るような試合じゃなかったぜ。決勝とかで見たかったぐらいだ」



 どうやら皇太子は負けたみたいだが、特に評価が下がるとかそういう事は無いみたいだ。そこはこの国の良い気風だと思う。それ以外の話は無いもんかね?。



 「昨日の客は碌なもんじゃなかったわ。金払いは悪いのに偉そうだし五月蝿いし、興味の無い話をずっとしたがるのよ? さっさと終えて、さっさと失せろって何回も思ったわよ」


 「あー。たまに居るわね、そういう客。御愁傷様。私の方は普通の客だったけど、知り合いは面倒な客に当たったってさ。金払いは良いけど、代わりに妙な要求してくる奴」


 「それも面倒なタイプの客よね。お金払えば何でも出来る訳じゃないんだけど、それを分かってないのよ。ああいう奴等って普段卑屈な奴が多いらしいけどさ、碌な客じゃないわ」



 こっちはこっちで妙な話をしてやがるし……元々スラムに近い場所とはいえ、そういう客ばかりじゃない筈なんだがな。時間帯が被ってるのかね? 面白そうな話は無さそうだ。



 「武術大会に<紅の華>とか<銀獅子>とか<黒の魔女>が出てるけど、今年も決勝まで行きそうだ。それと久しぶりに出てきた<血の大斧>と<白の剣>な。鉄の登録証を持つ一流の奴等が、明日の試合で激突するぞ」


 「誰が落ちて誰が上がるのかねえ、楽しみだけど全員強いからなあ。魔法を組み合わせている奴等も居るし、そうなると余計に分からん。誰が勝ちあがっても不思議じゃない」



 へー。そんな二つ名持ちみたいな奴等が居たのか、知らなかった。まあ、知ってなきゃいけない理由も無いんだけど。そもそも俺達は名前をアピールする気も無いし。それより食事も終えたし、そろそろ宿に戻るか。


 宿の部屋に戻るも、背負って走ったので疲れたのか、既にアリシアがウトウトしている。これは駄目そうだと思って装備を外させベッドに寝るように言うと、あっさりと寝た。背負っている状態だったから、いつもに比べて無理に強化したかな?。


 素直に寝てくれると面倒が無いので寝かせ、子供達もウトウトしてきたので布団を敷いて寝かせる。2匹を左右に寝かせて【昏睡】を使い、ウェルは幸せに沈めておく。部屋と体を綺麗にしたら、おやすみなさい。



 <呪いの星48日目>



 おはようございます。今日もダンジョンへ行きますが、もうちょっとアーマーベアを売るかもしれないので攻略をどうするか悩み中です。先に攻略しておいて、それからアーマーベアを乱獲しようかな?。


 朝の日課を終えて紅茶を淹れて飲みつつ、起きてきた順に挨拶していく。いつも通りの朝を終えたら食堂に行き、中銅貨7枚を支払って朝食を食べた。


 今日も朝からダンジョン街へと行き、迷宮紋からダンジョン内へ。一気に走って30層へと行ったら、まずは昼食を食べる。既に遅い昼食だが食事を終わらせ、アーマーベアを3頭狩って血抜きと【冷却】を済ませたら最奥へ。


 案の定35層が最奥であり、今回は巨大なウサギだった。体高5メートルを超えるウサギであり、鈍重過ぎて動きが鈍かった。なのであっさりと【浄化】し、現在は解体中なんだが……。



 「あのね、そろそろお漏らししないでちゃんと動けなきゃ駄目だよ! アリシアなんて今回で3回目なんだから、そろそろしっかりして!」


 「はい、申し訳ないです……」


 「すまん」



 2人ともまたもや動けずにアレだからなぁ。ウチの子供達でさえ呪いの魔物でも……そういえば遠くからで、子供達を近づける事はあまり無かったな。だからか? それとも徘徊型の呪いの魔物であり小さかったからかね?。


 ちょっと分からないけど、子供達が最初から漏らす事はなかったな。この星の者は呪いに弱いのか? それとも普段から呪いの影響を受けていた事が関係している? ……考えても答えは出ないから止めよう。


 心臓を取り出して少し切り食べさせるも、全員大きな変化は無し。なので残りの心臓を半分にしたらアリシアとウェルに食べさせた。二人とも嫌がりながらも魔力と闘気は増えたな。よしよし。


 まだ嫌がってないで白い皮でブーツを作るから、足を出しなさい。………やっぱり引っ付こうとする白い皮は優秀だよなー。余った皮はブラに使うんだけど、それでも余るから俺もブーツを作ろう。


 皮を余す事なく使い切った俺は、肉はともかく骨と歯で困っている。どんな武器を作るべきだろう? 今回の素材は自分用なんだが、超魔鉄が効かない相手は今のところ呪われたドラゴンだけなんだよ。


 なら無理して作らなくてもいいとは思うんだが、備えておくべきだとも思う。仕方ない、大太刀にしておくか。そしてこれがあるならソードグリズリーの太刀は要らないから捨ててしまおう。


 呪いのウサギの素材で作ったが、刀身1メートル55センチ、柄が45センチで作り上げた。微妙に余っていた皮を持ち手に巻いたのはいいが、骨と被覆した歯が余ってる。



 「もし使い道が無いなら盾の素材に使えませんかね? できれば鉄じゃなく、もう少し軽いのがいいんですけど……」



 アリシアの意見を採用し、被覆していた超魔鉄を剥がして、代わりに呪いウサギの骨と歯を被覆する。これでほぼ全ての素材を使い切った。使わないと勿体ないから使うんだが、段々と装備も充実してきたな。


 残った必要の無い物はフヨウに食べてもらい、必要のない栄養を撒き終わったら脱出紋で外に出る。ダンジョン街を出たら真っ直ぐ帝都に戻るんだが、何故か妙な連中に声を掛けられた。



 「ちょっといいか? お前さんが子供を連れた、最近鉄の登録証になったっていう狩人で間違いないな? 用があるんで「ちょっと邪魔よ」話をした「邪魔なのはそっちです」いんだが……」



 ………こいつらは誰だよ?。


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