表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
182/1948

0181




 よく分からない馬人族とはギルドで別れ、宿へと戻ってきた。既に夕方なので女性従業員に大銅貨8枚を支払い、注文してから部屋へと戻る。装備を外して浄化をし、食堂へと下りていく。


 食堂には既に女将さんが居てこちらを手招きしていた。何かあったのか? でもなー、凄くイイ笑顔なんだよ。何だか嫌な予感がするぞ?。



 「皆、おかえり」


 「「「「「ただいま」」」」」 「ニャン」 「グルッ」


 「今日ね、娼館の売り上げが凄く増えたらしいよ」


 「ん? トーカ、どういう事だい?」


 「何でも、お金持ちの凄い女性が居たらしくてね。結構な人数の子達が、男女関係なく喰われたらしいんだ。でも金払いが良かったらしくて、娼館主達はホクホク顔だったよ」


 「あの駄馬ですか!! ……本当に碌な事をしませんね!!」


 「な、何だい急に!? シュラさんはどうしたんだい?」


 「トーカが言ってる金払いの良い客っていう女に、ギルドで会ったんだよ。シュラの知り合いらしいんだけどさ、見境無く喰う女らしくてね。それで怒ってるんだ」


 「そうだったのかい? 娼館主達は臨時のボーナスを出すっていうぐらい喜んでたんだけど……」


 「その娼館の後に、ギルドでシュラの姉であるアルメアに色目使ってるんだよ」


 「そ、それは……。その人、ちょっとオカシイんじゃないかい?」


 「シュラいわく、貴族を喰って逃げた女らしいからねぇ……」


 「………」



 女将さんすら絶句させる女って、相当凄いな。それにしても嫌な予感がしたんだが、そこまでじゃなかったな。もっとエロの方向に話が行くんだと思ってたんだが……。良かった。


 あの馬人族の話程度なら特に何の問題も無いな。右から左にスルーする程でもない。いつもは相当のエロ話なので、俺もスルーせざるを得ないんだ。何故なら女性のエロ話って生々しいんだよ。



 「結局そんな話だったのかい? 何だか笑顔だったから気になってたんだけど」


 「ああ。実はね、凄く良い精力剤が手に入ったんだよ! まだ10日経ってないから使えないんだけどね」


 「あんまり薬に頼るのは良い事ではありませんよ」


 「そうなんだけど、安物ならわざわざ買ったりしないよ。今日手に入ったのはね、魔力薬の精力剤さ! 今の村長が作ってくれたんだよ」


 「あら? あの子、なかなかやるわね。精力剤はそれなりの難易度だから、まだ売りには出さないと言ってたのに」


 「そんなに難しいのか? 私は小さな傷に効く物ぐらいしか作れないから、どれぐらい難しいものかは想像もつかないが」


 「魔力薬は魔力の直接操作が出来ないと作れないんだよ。仙丹は闘気の直接操作が出来ないと作れない。材料が簡単に手に入るのは仙丹の方だから、習うなら仙丹の方がいいよ」


 「いや、習うなんて考えてもいなかったが……。もしかしてアルドは作れるのか?」


 「作れるな。両方共そこまで難しいものじゃない。直接操作を一つの薬ごとに習うから難しいんであって、直接操作そのものを先に習えばいいんだよ」


 「つまり薬ごとの操作方法じゃなくて、直接操作自体を先に習えって事だね?」


 「そういう事。そうすれば直接操作が出来るんだから、後は微妙な違いだけですむ。それぞれの薬を作る操作は、実はそんなに差が無いんだよ」


 「そうなの? 私達は色んな事をしなければ作れないから、凄く大変なのに……」


 「多分伝わっていくうちに、直接操作の部分を減らしていったんじゃないかな。何かの素材で代用するとかしてね」


 「それは、直接操作というのが難しいからか? 殆どの人が継げないなら、変えるのは仕方がない事だと思うが……」


 「ディルが言っている事が、たぶん正解だと思う。苦肉の策として代用を考えたんだろうさ。でもなー、それは教え方が下手なだけなんだよな。直接操作なんて誰でも出来るようになる」



 浄神や魔神や闘神が嘆いていたな。教え方が悪い所為で、薬の正しい作り方が途中で失われたって。魔力薬だけじゃなく霊薬や仙丹も、正しい作り方は既に失われてしまっている。


 直接操作に関しては、地道に鍛錬すれば5年ほどで使えるようにはなる。才能やセンスによってどこまで出来るかは変わるが、薬作り程度なら5年で十分だ。ちゃんと教えれば。


 才能が無くても、センスが無くても、素質が無くても、5年あれば薬作り程度の直接操作は出来るようになる。才能の有無は簡単に作れるかどうかでしかなく、作る事は出来るんだ。


 そんな事をこの場の皆に説明していく。神様のところは師匠としたが、当然ウチのメンバーにはそれが誰かはバレている。しかし驚きだったようで、ザワザワしてるな。



 「つまり、伝える人達が下手だった所為で作れないって事なのかい?」


 「まぁ、そうなるね。昔の事だから、いつそうなったのかは知らないけど。魔力や闘気の直接操作は、むしろ傭兵にとって重要なんだが、知らない奴は多いみたいだな」


 「正しい身体強化の事だね? あれが出来るのと出来ないのじゃ、相当の差があるのは事実だよ」


 「へぇー。傭兵も本当に強い人達は修行だったり鍛錬だったり、色んな事をして鍛えてるんだね」


 「そうしないと儲かりませんし、どこかで野垂れ死にですよ」


 「傭兵も大変だ……」



 今日は本当にエロ話が無かったな、珍しい事もあるもんだ。部屋に帰りながらそんな事を考えていた。部屋に戻って椅子に座り一息吐くと、ディルがジッとこっちを見ていた。



 「どうした?」


 「アルド。直接操作とやらを教えてほしい」


 「は? 今日もやったじゃないか?」


 「??? ……どういう事だ?」



 俺は正しい身体強化も直接操作の一つである事をディルに伝える。魔力と闘気を僅かに使い、自分の力で任意に強化率を変化させる。耐久力重視から筋力重視へ、更に五感も強化する。


 そうやって見せていると、ディルは早速真似をしていた。感覚的に、俺がどういう風に魔力と闘気を扱ってるいるかが分かっているみたいだ。失敗しているが使い方は正しい。


 やっぱり、とんでもない才能をしているな。何だろう? 漫画とかで見る、理性と本能のハイブリッドって感じだ。強い記憶力と鋭い感覚を一緒に持ってるって、相当の才能だよなぁ……。


 簡単に必要な感覚を覚えていってるが、教え甲斐が有るような無いような。ただ、流石のディルも覚えるところで止まったな。使い熟すには別の才能が要るから、これは仕方ない。


 後はひたすら反復練習をしていくだけだ。覚える為に反復練習、使い熟す為に反復練習。どのみち練習しなきゃ解決しない事に、才能の有無は関係ないんだよな。頑張れよ、皆。


 うん。さっきから危機感が出てきたのか、全員練習してるんだよ。2匹だけは練習をしていない。2匹は普段から練習しているので、この段階はとっくにクリアしてる。


 2匹の場合は基礎段階は終了していて、現在は色んな技を見て、感じて、覚える段階だ。前に俺の【気配消失】を覚えた時には、既に基本は卒業していた。


 やっぱり2匹が1番レベルが高いんだよな。感覚が鋭いのもそうだが、余計な事を考えずに真似をするのと、普段から練習しているのが大きいんだろう。その2匹はいつの間にか寝ていたが。


 俺が心の中で褒めてたのに。そう思ったのも束の間、ベッドに強制連行されてしまった。反撃として、全力の【房中術】と【喜昇】で撃沈しておいた。今日の隣は、メルとアルメアだ。


 皆を浄化して、そろそろ寝るか。今日も1日お疲れ様でした。



 <異世界95日目>



 おはようございます。まだ朝は過ごしやすく、蒸し暑さは感じません。この辺りはそもそも蒸し暑くならない気もするが、どうなんだろう。聞くような事でもないし、別にいいか。


 それにしても、ルーデル村に戻ってきたものの、特に何かがある訳でもないし……。どうしたもんか。帝国の事があって戻ってきたが、特に村に何かあったという事も無い。


 更に言えば、俺が暗殺者に狙われて村に迷惑を掛けてるぐらいだ。本当にどうしたもんか……。



 ▽▽▽▽▽


 0181終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨14枚

 金貨71枚

 大銀貨92枚

 銀貨69枚

 大銅貨318枚

 銅貨5枚


 ヒヒイロカネの矛

 ヒヒイロカネの小太刀

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ