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 そのままウダウダと話し続けていても仕方ない為、部屋の中を片付けた後で綺麗に【浄化】してから宿を出る。食堂に行って中銅貨7枚を支払い、朝食を注文して席に座ると、周囲から大きな話し声が聞こえた。



 「ダンジョンのあるエレジ町を治める貴族の屋敷、その当主の部屋に死体を放り込んだ奴が居るんだってよ。何かそいつを探してるらしいんだけど、よく分からないらしいぜ。何でも人相も分からないらしい」


 「何だそれ? 人相も分からない奴をどうやって探すんだよ。そもそも死体を放り込むって事自体、意味が分からねえけど、貴族だって分かってやってるなら顔は隠すんじゃねえの?」


 「それが、顔を知っている執事は殺されてて分からねえらしい。他にも知っているらしい奴を探してるそうだけど、見つかってねえそうだ。そもそもどうやって貴族の屋敷に侵入したんだろうな?」


 「確かにそうだな? 貴族の屋敷なんてしっかり守られてるだろうし……そもそも死体を放り込むなんて事が出来るなら、殺す事だって容易く出来た筈だよな? 何で犯人は殺さないで死体を放り込んだだけなんだ?」


 「さあ? とはいえ、当主の部屋は血とか色々な物の臭いが染み付いちまってて取れないそうだぜ? それで、部屋を潰すか屋敷ごと建て替えだってよ。まあ、当主の部屋が死体塗れだったらしいからなぁ。貴族からしたら屈辱なんじゃねえの?」


 「使用人とか家族じゃなく、代々の当主が使ってたっていうなら怒り狂いそうだな。見つけたら懸賞金とか出そう! ……って風貌が分かんねえのか。それじゃあ、探しようがねえな」


 「ま、そういうこった。探してる奴等も居るのかも知れねえけど、止めておいた良さ気だ。既にエレジ町に居ないだろうし、なら何処に行ったか分からねえしな。こっちに来てる可能性もあるけど……」


 「高くはねえな」



 今ここに居るけどな。それより意外と早かったというべきか、それとも普通だというべきかは迷うが、情報が出回り始めたか。ま、捕まる前に俺達はこの国を出て行くけどな。さて、食事も終わったし、そろそろ出るか。


 食堂を出た俺達は、その足で町も出て出発する。更に西へと走って行き、シルル村、ヤンデ村を越えてココノ町までやってきた。今日はここでストップだ。


 宿に行って中銅貨8枚で部屋をとり、酒場に行って中銅貨7枚を支払って食事をしたら宿の部屋に戻る。子供達とトランプで遊んでいると眠たくなったのだろう、舟を漕ぎ始めたのでさっさと寝かせ、2匹と一緒に【昏睡】で深く眠らせる。


 その後はウェルとアリシアを満足させて、部屋と体を綺麗に【浄化】したらベッドに横になる。それじゃあ、おやすみなさい。



 <呪いの星32日目>



 おはようございます。昨日は早めに眠れたので、問題なく回復したようです。朝の日課を終わらせたら紅茶を淹れて飲む。今日はハッキリと覚醒しているからか、いつも通りに静かな朝を楽しむ。どうせすぐに終わるだろうけど。


 そんな事を考えていると蓮が起きて部屋を出た。帰ってくると再び布団に寝転がったので、どうやら2度寝をするらしい。まあ、好きにしなさい、五月蝿くしないなら何でも良いよ。そう思いながら紅茶を飲んでいると、外が騒がしくなった。


 何だと思い【空間把握】で確認すると、どうやら娼館で金の無いヤツが遊んだらしく、昨夜からケツが売られているらしい。「そんな事はどうでもいい」と思ったが、何処のかは分からないが貴族のボンボンだったようだ。それで騒ぎに?。


 すぐに静かになったから、朝っぱらから騒いだ奴が居ただけか。【空間把握】を使うのを止めたものの、蓮は紅茶にハチミツを溶かしている。どうやら外の五月蝿さで起きたらしい。2度寝の邪魔しやがって……とはいえ機嫌は悪く無さそうだな。


 そう思っていたら、紅茶を片手に俺の近くまで来て胡坐の上に座った。たまにある甘えたい日なのかね? まあ、好きにしていいけど。そう思っていたらウェルが起きたらしく、そのまま部屋を出た。


 戻ってきて紅茶を入れていると、今度はアリシアが部屋を出る。静かな時間はここで終了のようだ。俺と蓮だけだと意外に今日は静かだったな。イデアと2人の時間と変わらないくらいだ。


 その後は静かに雑談していたが、割とすぐに全員起きてきたので部屋の片付けを始める。布団を綺麗に【浄化】してからアイテムバッグに仕舞い、紅茶を煮出し終わったら神水の樽も仕舞う。


 ゆっくりし終わったら宿を出て食堂へ行き、中銅貨7枚を支払って朝食を注文する。今日は聞く意味のある噂は無いようだ。どこかの旦那が隣の旦那と浮気してたとか……その噂は聞きたくないのでシャットアウトします。


 微妙な気分になりながら食事をし、終わったら町を出る。今日も西へとイベント事も無く平穏に進み、コイス村、キキ村、そしてヤーディ町へと来た。ここまで来ればこっちのものだ。帝国との国境は隣だからな。


 つまりここは辺境伯のお膝元の町になる。ドラゴンの面倒があったが、もうちょっとで獣国も終わりだ。破竹の勢いで取り戻しているって聞いたが、少なくとも辺境伯の領地は取り戻せたんだなぁ。


 後はこの近辺の、南北の領地を取り戻せたら終わりか。それでかつての国土を取り戻せる訳だが……その後はどうなるのかね? 帝国本土ともなれば命がけで守るだろうし、泥沼に陥りそうな気もする。


 まあ、俺が介入する事は絶対に無いので、見守るだけなんだけどな。それよりも、宿は中銅貨10枚でとれたから、さっさと食堂に行こう。妙に高いが、取り戻せたばかりで金が無いんだろうか?。


 食堂に行って中銅貨7枚を払うと足りないと言われたので、もう7枚を追加で払う。もしかしたら取り戻すのに辺境伯家は結構な借金でもしたのかね? それで重税かけて値段が上がってる?。



 「どうなのだろうな? その可能性もあるし、むしろ住民が帝国に奪われていた所為で値段を上げざるを得んのかもしれん。最近取り戻せたばかりなら、落ち着くまでは時間が掛かると思うぞ?」


 「でしょうね。辺境伯家か町全体かは知りませんけど、儲かるならそのまま上げ続ける可能性もありますけどね。後は外からやって来る者だけ高いとか? それも仕方ないのでしょうけど」


 「国境ですから、普通は通行税で儲かるんでしょうけど……因縁の帝国との国境ですから輸出入も多くないでしょうし、本当に儲かるんでしょうか?」


 「それはやってみてじゃないか? 駄目なら値段を下げるだろ。というか、下げざるを得ないだろうしな。国境の町の値段が高い所為で商人が近寄らないってなったら、それはそれで問題だ」



 あんまりここで話していてもいい話題じゃないので、さっさと別の雑段に切り替えて適当な会話をする。食事が終わったら宿に戻り、ゆっくりしつつ適当な会話をしながら子供達の遊びに付き合う。


 どうやら女性2人は酒を飲む事にしたらしい。好きにすればいいが、またキツイ酒でグダグダになるんじゃないだろうな? そんな事を考えているものの、酒飲みなんて他人の話を聞かないものか。


 なので放っておき、子供達が眠たくなるまで付き合った。今は先に寝ていた2匹を【念動】で浮かせて横にズラし、子供達を寝かせたら左右に移動させて【昏睡】を使う。


 女性2人は既に撃沈しているのでベッドに寝かせ、面倒が無いように【昏睡】を使って眠らせたら、俺もベッドへ。それじゃあ、おやすみなさい。


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