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 俺は杭の形にした超魔鉄を槍のように持ち、そのまま身体強化を全力で使い”右目”に向かって跳び上がる。それは狙いを違わず相手に直撃し、右目を大きく抉る結果となった。しかし、この攻撃はここで終わりではない。



 「グォォォッ!! おのれ、人間如きが! 私の眼を……!! 許さんぞ、キサマ! 必ず殺してやる!!!」


 「ウェル! 【念話】で言っておいた通りだ! やれ!!!」


 「分かっておる! リョクディマ、くらえ!!!!」



 ウェルはドラゴンのまま、握った左拳を杭の底部に思いっきり打ち込む。「ズドン!!」という音がして、杭はリョクディマの脳を突き抜けて後頭部から先端が飛び出る。普通の生物なら死亡する程の一撃の筈だが、それでもリョクディマは沈まない。



 「ギィィィィッ!!! グゥォォォォ!!! GAッ!! Oノレ、ウェRディラNK!!! Oマエヤ、NンゲンGトキニ、KKマDヤラレルトH!!!」



 未だ闘志というか殺意も衰えないで、こちらを殺そうとしてくるリョクディマ。それよりも脳が壊れておかしな事になっているな。これはチャンスか? ……俺はアイテムバッグから矛を出し、タイミングを図って再び身体強化を使い、今度は左目に突き刺した



 「Gャァァァッ!!! Gガッ!? Oノレ、ニNゲンメ!!! Dコマデモ、WタシノJマヲシオッテ!!!」


 (ウェル、奴は目が見えなくなっている筈だ。俺はお前の後ろに隠れて全力で【浄化】をする。すまないが、完全に集中した状態だと俺は無防備になってしまうので守ってくれ!)


 (分かった。しかしリョクディマの奴が見境無く暴れるとどうなるか分からんぞ。出来得る限り早くしてくれ!)


 (了解だ。集中する事さえ出来れば、呪いの吸収速度を確実に上回れる筈。そうすれば倒せるだろう。じゃあ、頼む!!)



 俺はウェルの背後に回り、全力でリョクディマを【浄化】する為に自らに【集中】を使って【浄化】する。【集中】を使うと一つの物事に集中しきってしまう為、敵が近くに寄ってきていても分からなくなる。


 戦場で一つの物事に集中するのは非常に危険なのだが、現在それをしないとリョクディマというドラゴンを倒せないのでどうしようもない。自分の命を他人に任せないといけないのは怖いが、致し方なしというところだろう。



 「Dコダ、ウェRディランK!! Nンゲン!!! イマスGニ、コノワタSガコロSてヤルZ!!! Dコダ! DコニイR!!!!」


 「ここだ、リョクディマ!! 呪いに狂った貴様に負ける訳にはいかん! ハグレとはいえドラゴンとして、お前をここで殺す!! そうせねば、ドラゴンが厄災の権化と言われてしまうわ!!」


 「GッGッGッGッ! オロカナKトヲ!! SベテヲKロセバスムデAロウガ!! スベテSマツシテSマエB、DラゴンをノノシルMノナドオラヌH!!!」


 「グゥッ!! ……ハハッ! どうしたリョクディマ? 先ほどまでと違って力が篭もってないぞ? これなら戦えなくもないな!! そら、私の身体強化をした拳を喰らえ!!!」


 「グBォッ!!! Oノレ、WェルディRンカ! ナゼワタSトタイトウにTタカエルノDッ!? KンナバカNッ!! ワタシハSイキョウのDラゴンデハナカッタNカッ!? コタエロ!! NゼコエGキコエNノダ!!」


 「ハッ! 所詮はリョクディマ、お前を利用しようとした奴の声だという事よ! お前は利用されたのだ、呪いにな! 呪いの甘言に乗り、己を明け渡したが故の末路だ! いさぎよく受け入れろ!!!!」


 「Fザケルナ!!! ワタ、Gゥォォォ!!!! WタシノチカラがNケル!! コンナBカナ!!! ワタシNチカラDケデハナイ、ワタシガKエルダト!? ナゼダ!! ナゼワタシGキエル!?!!?」


 「呪われたからだ! お前が呪いを受け入れたからだ!! 呪われし者が生き続ける道理は無いぞ、リョクディマ! お前は浄化されて消えていくのだ!!」


 「イヤD!! ナゼワタSダケガKンナメニAワネバナランノD!! サンZンワタシヲOカシ、HラマセテKタクセニ!! ワタシHムレノタイHンのオスニOカサレタノダZ!! ヒトTキニモワTッテ、カワRガワルWタシヲOカシツクシタノD!! Aノオスドモハ!!」


 「リョクディマ………例えそうであったとしても、呪いに塗れたお前が生き永らえる理由は無い。私のように犯そうとする雄などブチ殺して、さっさと群れを出れば良かったものを……」


 「ワタシG、キエル……ヒカリG………AA……。竜の神よ、わた」


 「リョクディマ!? ………消えたか。しかし、アルドが言っていた通り、完全に塵になって消えていったな。確かにアリシアとは明らかに違う。……それにしても、あのリョクディマが群れの雄の大半から犯されていたとは……あの雄どもは頭がおかしいのか、まったく!!」


 「ふぅ……集中し過ぎてフラフラするな。それにしても、どれだけ呪いを溜め込めば気が済むのやら。ドラゴンはともかくとして、生物の中には驚異的に呪いを吸収する奴がいるかもしれん。今までとは違って、戦い方を考え直した方がいいな」



 そんな事を口にしつつ、俺はリョクディマが消えて落ちた杭と矛を回収する。これもなー……呪いのドラゴンには効かなかったし、どうしたもんかね? そう思いつつ杭を大太刀に直していると、ドラゴンが新たに3頭飛んで来た。………またかよ。


 そのドラゴン3頭は降り立った後に周りをキョロキョロしながら話し掛けてきた。



 「この辺りに強烈な呪いを感じたのだが、少し前に消えた。お前は何か知っているか? ………どうした?」


 「いや、私はハグレだ。それを知らんお前達は違う群れの奴なのだと思ってな。それはいいとして、先程までここに居たのは私が元居た群れの者。名をリョクディマという。そいつが呪いを吸収して狂っていただけだ」


 「狂っていたとは大問題ではないか!! いや、消えたからもう居ないという事か。………それよりもハグレとはどういう事だ? いや、間違いなく同族殺しだろう。お前はそれを口にするという事を理解しているのか? ハグレは追放者だ、誰も助けてはくれんぞ?」



 3頭のドラゴンは若いのか、急にニヤニヤしながら性欲を発し始めた。【探知】などを使っているからすぐに分かるんだけど、コイツらも同じかよ。リョクディマがこういう雄の所為で狂ったとなれば、気持ちは分からんでもない。



 「ここで呪いに狂った奴は、散々お前らのようなケダモノに犯された所為で狂ったんだが……。ドラゴンというのは本当に獣と変わらんな? 雌を強姦して悦に浸るとか、獣以下の畜生か?」


 「うん? そんな所にちっぽけな人間種が居たのか。それにしても我等ドラゴンに対して随分不遜な物言いだな。まあいい、死ね」



 そう言って俺にブレスを吐いてくるが、【念動】で横に逸らす。相変わらずバカの一つ覚えのようにブレスを吐く奴等だな。頭が悪い上に大した実力も無いのか、他の2頭もブレスをはいてきたので逸らす。



 「まったく、ドラゴンというのは度し難いほどのバカが大半なのか? まあいい、手を出してきたのはお前達だ、さっさと死ね」



 俺はそう言った後、【瞬閃】と身体強化の連続で3頭の首を刈った。あっと言う間に終わったが、死体をこのままには出来ないので焼却処分する。無駄にデカイから余計に魔力を喰うんだよな。面倒臭い。


 大きな穴を掘って【破砕】と【粉砕】を繰り返していると、またドラゴンがやってきた。今度も3頭だ。いい加減にしろよと思いながらも、死体の処理に集中する。


 こいつらも手を出してきたら、さっさと処分するか。


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