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 子供達も2匹も襲撃があると考えているらしいが、俺もそうだ。ああいう権力や権威に溺れている奴は必ず襲ってくる。もちろん本人が襲ってくる事は無いだろう、しかし何かに襲わせる。それが暗殺者かゴロツキかまでは分からないが……。



 「やはりそうなるか、愚かよな。最初から下らぬ事などせねば恥を掻かずに済んだものを、何故わざわざ余計に恥を晒すのか理解できん。……一応聞いておくのだが、本当に一族郎党を皆殺しにするのか?」


 「ん~………微妙なところだな。リズロッテの刑でも良いし、本当に一族郎党を皆殺しにしても良いし。どっちでも良いと言えば、どっちでも良いんだよなー。実際どっちも前の星でやってきてるからなぁ」


 「既に一族郎党皆殺しをやってたんですね……。正気なのか疑いましたけど、既にやった事があるとは思いませんでしたよ。そこまでやらせた愚か者が悪いのか、それとも本当にそこまでやるアルドが凄いのか……」


 「魔神も言っていたが、貴族との戦いなんて<舐められたら負け>に集約するんだよ。だから相手から舐められないようにすればいいんだ。とどのつまり、結局はそんなものでしかない。相手は権力や権威で、こちらは暴力で戦うだけだ」


 「権力対暴力な……。まあ、こちらは権力など無いからな、戦う力は暴力しかない訳だが……」


 「納得いかないか? だが、奴等の権威や権力だって、結局は暴力に裏打ちされたものだぞ? 貴族が怖いのは騎士や兵士という暴力を持つからだ。それが無くなったらどうなる? 気に入らない貴族なら命令を聞かないだろうし、それでも命じてきたら住民は叛逆するぞ? 大人しく従うのは騎士や兵士という暴力が怖いからだ」


 「………」


 「私もアルドから聞きましたけど、実際のところはそういうものみたいです。もちろん忠誠心を持ったり愛国心を持っている人は居るんでしょうけど……王族や貴族に従うのは暴力が怖いからだと言われました。そして反論出来なかったんです」


 「まあ、仕方なかろうな。アルドの言うように、確かに暴力が無ければ従わん者は多かろう。誰しも税なんぞ取られたくはないし、何故貴族に奪われねばならんのかと思うのは当たり前だな。国を守っているというが、それも怪しい事は多い」


 「そもそも国を守るっていうのも変なんだよ。それで一般人というか農民まで徴兵してる訳でな。そういう事をしない為の税なら分かるんだが、実際はそうじゃないだろう? なんで税を払うんだ? って話だ」


 「自分達で食べ物を作って、でも税で持っていかれて。国を守る為だと言われて戦争に連れて行かれ戦わされる。何から何までやらされてるのに、税まで払わされてる……って事ですね。何かの対価として税を納めてる筈なのに、農業も戦争もやらされるのは確かにおかしいですね?」


 「それで王族や貴族は、城や屋敷でふんぞり返っている訳だ。もちろん戦争に出てくる貴族や王族も居るんだが、それも安全な所にいるだけだ。貴族の何処が貴いのかサッパリ分からん。一番腐っている連中じゃないか」


 「………」


 「アリシアは元王女だからな。とはいえアルドの言っている事は分かりやすくはある。何かの対価に税を払っている筈が、農民は何でもかんでもやらされておる。普通なら爆発してもおかしくないが、暴力が怖くてそれが出来ん。という事だな?」


 「まあな。というより、古今東西において権力とか権威は暴力と密接に結びついているという事さ。殆ど切っても切れない関係なんだよ。権威や権力を確固たるものにするには、どうしたって暴力が要るんだ。稀有な例として、暴力を手放した権威はある」


 「「えっ!?」」


 「それは稀有な例だがな。俺の元の星にある俺の故郷は、途中で権威が暴力を手放した。良い悪いは別にして、苦しい事も長くあったが存続していたんだよ。権威として。それは凄い事だが、真似する事は無理だろうな。偶然に上手くいったようなものだから」


 「それでも凄い事に変わりはないがな。まあ、色々あったのだろう……っと、子供達が寝たようだぞ?」



 分かっているけど急かさないでくれるか? この早くヤりたいオーラは女性陣以来だな。子供達を布団に寝かせ、2匹を左右に寝かせたら【昏睡】を使って深く眠らせる。外には誰も居ないし悪意も飛んでこないが、襲撃は無しかな?。


 そう思っているとチョロゴンに引っ張られたので、【房中術】【鋭覚】【精気】で大満足させてやった。今は忘我の境地を彷徨っているが、そのウェルを見て真っ赤になっているアリシア。


 そのアリシアにも引っ張られたので、【房中術】【極幸】【至天】を使って帰れなくしておく。涎を垂らして白目を剥き、完全にダメな顔をしているが、自分では気付けないからいいだろう。最初が嫌な思い出だと良くないからな。ウェルは初めてではなかったから、最初に使わなかったが。


 部屋と体を綺麗に【浄化】したら、おやすみなさい。2人はアレな姿だが風邪をひいたりはしないだろう。そんな気温でもないし。


 ………今が何時か分からないが、こんな時間に来やがって。十分に寝てからって事か? いちいち面倒な奴等だ。【空間把握】で確認すると、黒い覆面をした連中が8人宿の周りに居て、1人を外に残して入ってくる。


 どうやら外に居る奴がリーダーみたいだな。それはいいんだが、この部屋に一直線に来るのはどういう事だ? 宿の従業員がバラしたのか? ……あの従業員、【威圧】だけじゃ足りなかったようだな。


 それはともかく、入り口の扉の前まで来たので【衝気】で気絶させ、更に【昏睡】を叩き込む。木の枷を嵌めたら外に居る1人も気絶させて、部屋に居る連中を【念動】で庭に出す。


 外の1人に【昏睡】を叩き込み、近寄って木の枷を嵌めたら庭へ。そして下っ端から順番に話を聞いていく。【止音】を使っているので、音が漏れる心配は無い。十分に話を聞いたら首を切って次へ。


 そうやって話を聞いて行き、最後にリーダー格の奴に話を聞く。下っ端の連中に聞いていた通り、この町の暗殺組織の者で間違いないようだ。構成員の数は少なく、秘密主義の暗殺集団らしい。他のメンバーの情報も聞き出したら、リーダー格の首を刈る。


 その後アイテムバッグに死体を収納し、宿の従業員の所へ。既に寝ているので【昏睡】を叩き込み、庭に引きずり出して話を聞く。どうやら大通りの宿という事で妙なプライドを拗らせていたらしい。喚いているが下らなさ過ぎて呆れてくる。


 リーダー格のヤツの首をアイテムバッグから出すと、即座に泣き言を言い「助けてくれ」と言い出した。今さら言っても既に遅い。襲撃に加担した奴を助けるバカはいない。俺はさっさと首を切り落とし、そいつもアイテムバッグに収納する。


 隠密の4つの技を使って宿を出ると、暗殺集団の連中を全員殺しに行く。そこまで数は多くないので大した時間は掛からないだろう。


 ………現在終了して、領主邸に向かっている。まあ、残っていたのは4人だけなんで然したる時間は掛からなかった。それよりも領主邸の裏に来たが、閂じゃなくて鍵がついていて驚く。珍しく閂じゃないが、俺にかかれば秒で開く物でしかない。


 【念動】を使ってさっさと開け、中へと侵入。まずは魂の形を覚えている執事の下へ。寝ているので【昏睡】を使い、そのまま首を切り落として終了。目覚めさせてやる気もない。そして次に当主の部屋へ。


 そいつが指示して俺達を暗殺させようとしたのは、既に暗殺者から聞いている。【白痴】を使われて口を噤める奴はいないんでな。この世から消しはしないが、代わりにリズロッテ以上の刑にしてやる。


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