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0177




 「……やぁっ! ………っ……」



 隙をついて上手く攻撃したな。そして直ぐに回避行動に移れるように体制を整えて、敵の攻撃を回避する。しっかし、ディルの故郷ではどんな戦い方を教えてるんだか。理解に苦しむ。


 今までの長い経験があるとはいえ、少し教えたらソードグリズリーと防具無しのガチバトルが出来てるんだぜ? どこまで才能を腐らせる教育だったんだよ。そのうえ毒まで使わせているしな。


 ディルの体の中がボロボロだったのは、間違いなく暗殺用の毒の所為だ。特に女性の局部に塗るタイプの毒薬で、漫画や小説とかの中でくノ一が使うタイプの毒。元の世界に、本当にあったのかは知らないけど。


 ただ、この世界にはそのタイプの毒があるのは確実だ。そもそもディルを抱く前に重点的に浄化して綺麗にしたからな。本人には言っていないが、毒が染み付いていて危険だったんだよ。


 そこまで体を犠牲にしていたからボロボロだったんだが、今の戦いを見ていると十分に強くなる素質も才能もある。つまり、わざわざ毒なんぞ使う必要も無い。


 ちなみに、邪生の心臓を食べてもセンスや素質や才能が、強化されたり手に入る事は無いだろう。という事は、ディルのセンスや素質や才能は自分自身のもので、元々持っていたものだ。


 そんな事をソードグリズリーを倒し終わったディルに説明していく。ディルは説明を聞いているのか分からないぐらいに呆然としているな。どうやらソードグリズリークラスを1対1で倒した事は無いようだ。



 「………」


 「いつまでボーっとしてんだい。シャキっとしな!」


 「!!! 私が……1人でソードグリズリーを………」


 「何だか呆然とし過ぎじゃないかしら? そこまで驚く事?」


 「……ダナとメルには理解出来ないようですね、姉上」


 「1人でソードグリズリーを討伐するって、結構凄い事なんだけどね?」


 「そうか? 別にそこまでの事じゃないと思うが……」



 はぁ~ヤレヤレって、何でそのポーズ!? いやいや、別にそこまでの事じゃないだろう。山に来たら普通に出てくる魔物だし、力は強いが行動は速くないから苦戦はしない相手だぞ。



 「アルドは何故ソードグリズリーが金貨で売れるのか……どうやら分かってないようだね」


 「1匹で金貨の値がつく魔物は、非常に強くて簡単には勝てない相手なのだ」


 「そうです。アルドもそうですが、ダナもメルも身近過ぎて分かってないようですね」


 「分かってないと言うより、そういう感覚が無いんだろう。かく言う私も、大分感覚が薄れてしまったけどね」


 「そう言われてもねぇ……。出てきたら倒さないと、被害が出るじゃないか」


 「そうよねぇ。強いだとか怖いだとか言っていられないもの」


 「そう言えるだけで強いと思う。私の故郷ではこんな強い魔物は出てこない。正直に言えば、子供だけでも狩りに行ける程に危険は少ないのだ」


 「そんなところで修行って……。そりゃ大した技は身に付かないだろう、ぬるま湯に浸かってるようなもんだ。それで毒に頼るのか? 真面目に修行して強くなれよ」


 「アルドにしては珍しい、随分と辛辣だね。何かあったのかい?」


 「……まぁ、いいか。ディルの体がボロボロだったのは毒に頼った所為なんだ。それも女性が使う毒だよ。それで分かるだろう?」


 「「「「………」」」」


 「恐らくそうだろうと思っていたが、やはりそうだったのか……。あれは里に伝わる秘伝の毒で、一族の女は必ず使い方を教えられるそうだ。大婆様からそう聞いた」


 「つまり、1度は必ずあの毒を使うって事か……。俺でさえディルを綺麗に浄化したぐらい、染み付いて取れなくなる毒だぞ。ディルの故郷の奴等は何を考えてるんだ?」


 「「「「「!!!!!!」」」」」


 「取れてなかったのか? 私は……アルドを殺そうとした………?」


 「そこまで重く考える必要は無いけどな。毒が染み付いてるのは分かっていたし、丁寧に浄化して全て取り去ったから問題は無いよ」


 「ありがとう………」


 「何と言うか、許せないねぇ!」


 「女をそういう風に扱うなんて……!! 根切りにした方が良いでしょうか?」


 「男のアレを削ぎ落とせばいいんじゃないかしら?」


 「もしくは、玉だけを潰すかい?」


 「何故そんな事になってるか。誰が知っていて、誰が知らないのか。そういう所が分かっていない以上は無茶は駄目だぞー。無実の相手まで攻撃したら、やり過ぎだからな」


 「それは分かるんだけど、納得は出来ないよ」


 「長く続いていると、自分達が何故続けているのか分からなくなるんだよ。昔からやってるとか、言い伝えがあるとか、祖先から受け継いだとか、そんな理由だったりするんだ」


 「私の故郷は、本当かは知らないが700年続いていると聞いている。元々は暗殺業で生きてきた一族で、いつかは知らないが傭兵ギルドの粛清専門になったらしい」


 「場所はどこだい?」


 「傭兵国家ヴェスティオンの東。つまり聖王国ラグナンドとの境にある」


 「はて? あんな所に700年も続く集落なんてありましたっけ? 姉上」


 「記憶に無いね。650年生きてきた私の記憶に無い以上は、怪しい伝承だよ」


 「650年!?」


 「ああ、知らなかったのかい? 私は吸血鬼の【真祖】でね。もう650年も生きている不老長寿さ」


 「………」


 「別にそこまで驚く事はないでしょう。私は600年ですし、ダナは400年ですよ?」


 「俺は1年も経ってないけどな」


 「はいはい、余計なチャチャを入れない。そもそもアルドは神界にどれだけ居たか分からないんだろ?」


 「そうなんだよ。真っ白な空間なうえに、時間がどれだけ経ったかの感覚が無いんだ。しかもずーっと起きていられるし、腹も減らない。トイレに行く必要も無いんだよ」


 「話だけを聞いていると、妄想の類に聞こえてしまうわね」


 「そう思うのも仕方がないさ。今思い出すと、あそこは一種の牢獄だよ。真っ白で何処までも続き、神様が居なければ話し相手も居ない所だ」


 「「「「「………」」」」」


 「永遠の孤独というところだろうか?」


 「そんな感じに聞こえるね」


 「ちょっと洒落になりませんね」


 「しかも死ねないのよ?」


 「心が壊れそうだね」


 「そんな暇もないくらいに修行続きだったけどな。死んだ方がマシだと思える修行も沢山あったよ……ハハハ……」


 「笑いが乾き過ぎてて怖いよ?」


 「まぁ、それは置いといて。ディルの故郷の事は忘れていいと思うぞ。こっちから関わる意味も無いし、向こうも関わってこないだろう」


 「しかし、里の者達は……」


 「言いたい事は分かるが、俺達が言ったところで聞くと思うか? 普通は余所者の言葉なんて聞かないうえ、俺達の方を悪だとして攻撃されかねない」


 「それは……。確かにそういうところは、故郷の者達にはあるが……」


 「里とか集落で集まってると、自分達が正しいという考えに凝り固まりやすいのは間違い無いよ」


 「昔、姉上達が怒り狂って暴れ回った時みたいな事ですか?」


 「うん……まぁ、そうなんだけど。他に言い方はなかったのかい?」


 「俺達が正しいとかホザいていた連中を、串刺しにした話ですか?」


 「「「「………」」」」


 「何やってんの!? えっ、串刺しにしたの!?」


 「心配いりませんよ。イキがってたバカどもの尻に、張り型を押し込んで恥ずかしい目に合わせただけです」



 良かったぁ……。吸血鬼で串刺しって聞いたら、どうしてもブラド公を想像してしまう。どこそこに串刺しにした死体を並べたとか、そんな話は聞きたくも無いからな。


 ちょっと待て。ケツに張り型を入れて串刺しも、十分におかしい。そもそも、その張り型は誰のだよ。更に言えば、恥ずかしい目って事は最後までヤったって事か? 張り型で?。


 もう、それは公開処刑じゃないか。そいつらの人生そこで終わりだよ。ケツに張り型入れられたうえ、最後までヤられたら……もう駄目だろ。癖になってなきゃいいけど……。



 ▽▽▽▽▽


 0177終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨14枚

 金貨68枚

 大銀貨92枚

 銀貨54枚

 大銅貨109枚

 銅貨5枚


 ヒヒイロカネの矛

 ヒヒイロカネの小太刀

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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