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 <呪いの星16日目>



 おはようございます。今日はゾルダーク侯爵家の領地にあるダンジョンへと移動を開始します。あんまり王都に長居する事も出来なさそうだし、限度というものがある。長居し過ぎて見つかるのもマズいし、目を付けられるのもなー。


 既に美貌というか見た目で目立ってきてたし、丁度良いと言えば丁度良いタイミングでもあるか……。朝の日課を終わらせて、紅茶を淹れつつ考える。適当に考えながらもコップに紅茶を入れて飲み、情報をどうするか考えているとイデアが起きてきた。


 戻ってきたイデアがコップに紅茶を入れるのを見つつ、王都から西への情報を殆ど収集していなかった事を考えていく。まあ、移動してから聞き込んでも間に合うのだが……どうするかな?。


 皆も続々起きてきたので挨拶し、水皿に神水を入れたりしつつも考える。部屋を片付け、最後に綺麗に【浄化】したら宿の玄関へ。従業員に宿を出る事と返金不要を告げてから食堂へ移動。中銅貨6枚を払って朝食を注文したら席に座る。


 目新しい話は周囲に無く、食事を終えた俺達はさっさと王都を出た。門番にも特に気にされた様子は無かった為、アリシアには気付かれなかったようだ。俺達は王都から西へと進んで行く。村の名前も町の名前も分からないが、気にしなくてもいい。


 身体強化で走って行き、ついたのは町だった。登録証を見せて中に入り、道行く人に話し掛けて王都から西への地理を聞く。大銅貨1枚を渡すと喜んで話してくれるので、【白痴】を使って聞きつつ地理を頭の中で整頓する。


 この町の名前はナトと言い、西にエトル村、シルト村、オック町、セトゴ村、ヤント村、ドベク町、ナトイ村、モーリ村、ゾルダ町、ロロイ村、ワイ村、デカート町、国境となっていることが分かった。


 ゾルダーク侯爵家の領都はゾルダ町という所だ。その近くにダンジョンがあるらしいので、とりあえずそこまで移動だな。少し早めの昼食を食べる為、食堂へと行き中銅貨6枚を支払って昼食を食べた。


 特に聞くべき情報も無かったので、食事後すぐに町を出る。腹がこなれるまでは歩き、その後は身体強化をして走って移動。シルト村の近くまでが限界だった為、カマクラを作って休む事にした。今日は朝も昼も食堂だったので、皆が喜んでいるのが何とも言えない。


 粟と稗は無くなったので蓮に麦飯を炊いてもらい、イデアとアリシアには肉を切っていってもらう。俺はタレ作りとスープ作りだ。焼き肉なので野菜オンリーに決め、謎の魚節で出汁を取ったら一部を取り出して、その後に野菜を入れて煮込んでいく。


 取り出した出汁の水分を減らし、魚醤と灰持酒と呪いの魔物の脂を少し入れて味を調整したら完成だ。前よりもコクがあって美味しい。なかなか良いタレになったなと思いつつ、煮込んでいるスープに追い野菜をして少し煮込んだら完成。


 結構な量の肉を切って用意しているが、それ全部食べられるのか? そう言うと、問題無いとアリシアから返答があった。こいつ食う気マンマンだなと思いつつ、もう終えているイデアを労う。これで鹿とミニボーアの肉は終わりそうだな。


 まだ呪いの魔物の肉があるから問題ないんだが、アリシアはよく食うので多めに持っておいた方が良いかね? そんな事を考えつつ超魔鉄の焼き網を出して脂を塗り、肉を焼く用意は出来た。麦飯も今終わったようだ。


 飯を椀に盛り、スープを椀に入れて、タレを小皿に入れたら準備完了。肉を焼き網に乗せて焼いていき、焼けたら小皿に取って、いただきます。



 「ん~! お肉も美味しいけどご飯が美味しい! やっぱり粟と稗は美味しくなかったんだね。麦飯に戻ると、こっちの方が美味しいのがよく分かるよ。お肉も美味しいけど、やっぱりご飯!!」


 「まあ、蓮はそうだよね。ボクはどっちでも良いかな? 粟と稗にも味はあったし、あれはあれで悪くなかったと思う。ちょっと独特ではあったけど、別にマズい物ではなかったし。まあ、蓮もマズいとまで言ってないけどさ」


 「こっちの方が美味しいと言っているだけですしね。それにしてもお肉が美味しいです。このタレも美味しいですし、スープも美味しい。本当に食堂でお金出して料理を食べるのがバカバカしくなってきます」


 「それは仕方ないけどな。そもそも料理してもらう代金も含んでいる訳だし、普通の料理と俺達の料理は材料が違いすぎる。普通の料理人なら激怒するところだ。どうやったって美味しくならないんだしな」


 「それでも、です! 美味しくないのを食べたくないのは誰だって同じですよ。もちろん毎回用意するのが面倒というのは分かります。でも、一日に一回は美味しい料理を食べるべきです!」


 「それ、前に蓮が言った! 美味しいの食べないと元気が出ないんだから当たり前! だから毎日一回はお料理するべきなの!!」



 そう力説されてもなー。後、女性達の方が食い意地が張っているのもどうなんだろう? 蓮は米が食べたい、アリシアは美味しい物が食べたい。仕方ないとは諦められないようだ。ま、諦めるか。一日一回なら面倒ではないし。


 食事後、片付けを終えたらさっさとカマクラの中に入る。すのこを敷いて、上に布団を乗せると早速寝転がるダリアとフヨウ。ブーツを脱いで座る蓮とイデア。久しぶりのカマクラにキョロキョロするアリシア。バラバラだな。


 子供達はトランプを出して遊び始め、ダリアとアリシアがリバーシをしている。ま、ダリアが余裕で勝つだろう。俺はアイテムバッグの整理だ。要らない物とか妙な物があれば捨てるんだが、どうやら不要な物は無さそうだな。


 確認後はコップに神水を入れてゆっくりしていると、子供達もアリシアも舟を漕ぎ始めた。仕方なく片付けて行き、終わったら【念動】で寝かせていく。2匹は自分で移動して寝転がったので、俺も端に寝転がり目を瞑る。今日も一日お疲れ様でした。



 <呪いの星17日目>



 おはようございます。今日もゾルダーク侯爵家のダンジョンへと移動します。朝の日課を終わらせてカマクラの外に出た俺は、紅茶を淹れて飲みつつ朝食を作っていく。全粒粉に神水と塩を混ぜて練っていき、生地が出来たら休ませる。


 次に鍋なのだが、いい加減に面倒臭くなってきたので超魔鉄を使って寸胴鍋を作る。ここに神水と謎の魚節を入れて出汁をとり、後は野菜とかす肉を煮込む。その横で空中に秋刀魚を浮かせて焼き、終わったら骨を全て【分離】して身だけにする。


 最後にスープの中に入れたら、これで秋刀魚は終了だ。結構消費に時間が掛かったなぁ。その後は饅頭を作りつつ、土鍋に入れたチーズを溶かしながら灰持酒等を入れて伸ばせばチーズは完成。


 皆は起きて外に出てきていたので手伝ってもらい、饅頭が出来たら蒸篭で蒸していく。それは蓮とイデアに任せ、俺は近くの森の奥に行き、小川から水を汲み上げて神水に変えて入れていく。結構な量の水を消費してるんで、今の内に補充しておきたい。


 戻ってきたら既に完成していて食べていた。まあ、それは構わないし、俺の分は置いてあるので問題ない。じゃあ俺も、いただきます。



 「今日も西に走って行くんでしょ? 今日は何処までいけるかなぁ……。少なくとも結構遠いよね? 村と村を一日掛けるのに、町と町の間に村が2つもあるもん」


 「でも村のように野菜とか作る所がないと、町を維持できないから仕方ないよ。町は食べ物より人の方が多いし。町の場所より、村の場所の方が重要なんじゃないかな? 野菜作るのにも水は沢山必要だし」



 村があっての町なのか、町が出来た後の村なのか。どっちが先なんだろうな?。


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