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夕食も終わったので宿に戻ったのだが、結構粘って何とか入れてもらえた。宿の従業員も相当警戒しているらしく、子供達の声が聞こえた事で開けてくれた程だ。流石に抗争を仕掛けてきた連中の中に子供はいないだろうしな。
俺達は部屋に戻り休む事にしたのだが、兵士達と争っているからだろう、外が思っている以上に五月蝿い。子供達もトランプで遊びながら顔を顰めているので、俺は争っている連中の中で、兵士以外の足を潰す事にした。
この町のスラムの奴等にもやるのかと思うかもしれないが、結局スラムの連中なので区別する必要が無い。争っている連中は全て転倒させてから足を挫く。それを繰り返すと一気に静かになった。
子供達も争いが急激に静まっていったので、俺が何かしたと気付いたんだろう。それでも静かになって遊びに集中できるからかスルーした。まあ、俺達には抗争とか関係無いもんな。俺は久しぶりに神獣の毛のブラシでダリアを梳いている。
簡単に眠ってしまうものの、綺麗な毛並みになるまでブラッシングしてやり、そのまま寝かせる。フヨウも同様に完全に力が抜けるまでブラッシングしてやると、子供達は舟を漕いでいた。
俺は子供達の髪も綺麗に梳いてやり、十分に美しくなったら【念動】でベッドに寝かせてやる。俺もベッドに寝転がったら部屋と体を綺麗にして、おやすみなさい。
<呪いの星4日目>
おはようございます。今日もお金稼ぎの日です。昨日の抗争はどうなったか知りませんが、スラムの中も大分綺麗になったでしょう。朝の日課を終わらせて、子供達が起きてくるまでゆっくりしよう。
子供達と2匹が起きたので部屋を片付け、食堂に行って中銅貨5枚を支払い朝食を食べる。海まで行って塩を作ったら昼食を食べ、帰りの途中でミニボーアと狼を2頭倒したので持って帰った。
狩人ギルドに行って売ると、狼はグレイウルフというのが分かった。灰色の毛の狼だからそのままの名前だな。ミニボーアは大銅貨12枚、グレイウルフは大銅貨10枚だった。またもやザワザワしていたので、買取額としては高めなんだろう。
食料店に行って塩を売り、中銀貨10枚を受け取る。相変わらず中銀貨1枚と中銅貨100枚を替えてもらい、多めに中銅貨を所持しておく。よく使う貨幣は多めに持っておかないとな。
終わったら宿で休み、夕方になったら食堂へ行く。中銅貨5枚を支払い夕食を注文したら、席に座って雑談をする。周りからは昨日の抗争の話が聞こえてくるが、正直に言って俺達にはどうでもいい事だ。
食事後は宿に戻ってダラダラし、子供達がウトウトしたら寝かせてやる。最後に部屋と体を綺麗にしたら、おやすみなさい。
<呪いの星5日目>
おはようございます。今日も昨日と変わらずお金稼ぎです。出来るだけ稼いでおいて損は無い。朝の日課を終わらせて、子供達が起きたら部屋の片付け。それを終えたら食堂に行き、中銅貨5枚で朝食を食べる。
海に行って塩を作り、昼食を食べた後は適当に魔物を狩った。町に戻ってギルドに行ったらミニボーア2頭とグレイウルフ3頭を売る。大銅貨24枚と大銅貨30枚になったが、ギルドランクが2にもなった。意外に簡単だな。
その後は食料店に塩を売りに行くのだが、遂にこれが最後だと言われた。流石に今日の分以上は買い取れないらしいので、今日の分を売って中銀貨を10枚貰う。いつも通り中銀貨1枚を中銅貨100枚にしてもらい食料店を後にした。
それにしても早かったなー。まあ、しょうがないけど。
「これから、どうするの?」
「金稼ぎはこれで終わりかな? 武器は超魔鉄製にしたから他の連中より優秀だし……ギルドへ行って情報収集したら、明日から移動するか。都市の方に行ってみないと何も分からないしな」
「そうですね。どこにどんなのが居るか分かりませんし、場合によっては出会うかもしれません。殺す事になるのか、アルドさんが【浄化】すれば済むのか……」
「まあなー。とはいえ、呪われた連中に簡単に会えるとは思ってないけど」
子供達と共にギルドへ行き、近隣の情報を集める。それなりに聞けたが大銅貨1枚を要求されたよ。ちゃっかりしてると思うが、御蔭で迷惑顔はされなかったので良かったかね? とりあえず夕方なんで食堂に行くか。
中銅貨5枚を支払って注文し、席に座ってゆっくりしていると、近くの雑談が耳に入った。
「西の領都の近くに盗賊が出没してるらしいぞ? 結構な頻度で馬車とかが襲われるんだと。もしかしたら一昨日の<ドクロの花>の連中じゃねえかってさ」
「というか領都の近くならそれしかねえだろ。子爵様も虚仮にされてるっていうのに、このザマかよ。情けねえにも程があるぜ」
随分とまたタイムリーな話だな、ワザとか? 子供達も何とも言えない表情してるじゃないか。まあ、邪魔なら殲滅するかね。ついでに溜めこんでる物を根こそぎ貰っていくか。どうせ盗賊だ、誰も文句は言わない。
宿に戻った俺達は明日の移動に備えて早く寝る事にした。神獣の毛のブラシで梳いてやり、皆を眠らせたら、部屋と体を綺麗に【浄化】。それじゃあ、おやすみなさい。
<呪いの星6日目>
おはようございます。今日は移動の日ですが、まずはこの子爵領の領都を目指します。それなりにお金は稼げているので、旅の資金としては十分な金額だろう。朝の日課を終わらせたら、ゆっくりと神水を飲みながら過ごす。
子供達と2匹が起きたので綺麗にしてやり、全て片付けたら部屋の外へ。今日で出る事を告げ、返金は要らない事を話したら食堂へと移動。中銅貨5枚で朝食を食べたら、町の外に出て出発だ。
まずは町から北西へと行く。何故かと思うかもしれないが、大きな森があってグルッと回ってこないと領都に着かないらしい。俺達は身体強化をして走って行く。
北西にベソ村、ササ村、そしてカイプ町に入って昼食をとる。食堂に入り中銅貨5枚で昼食を注文したら、ゆっくりと待つ。やはりどこでも中銅貨1枚の定食があるようだ。楽で助かる。
食事後は出発し、南にキオ村、デルム村、オソン村、そして領都セグノーとある。俺達はオソン村から領都セグノーの間を移動中だが、森の中に複数の人間種の反応があった。おそらくは噂の盗賊だろう。
子供達を見ると「殺る気MAX」だったので諦め、子供達を連れて森の中へと進む。何人かの盗賊がチームで移動しているので近付き、【衝気】で気絶させた後、近付いて【忘我】と【白痴】を使いながら1人ずつ起こす。
話を聞くも、碌な情報を持っていなかった。アジトの場所は聞きだしたのでサクッと殺し、アイテムバッグに収納して移動。次々にウロウロしている盗賊どもを殺して回収する。やはり碌な情報を持っていない。
<ドクロの花>とかいう連中の一部だという事は分かった。本部は領都のスラムにあるらしい。それはともかくとして、森の中の洞窟にこいつらのアジトがあるのでそこへ行く。既に外に居る奴等は殲滅済みだ。
「何で盗賊って洞窟が好きなんだろうね?」
「確かにそうだね。何で態々こんな不便な所に住むんだろう? 確かに魔物が蔓延ってるし守りやすいかもしれないけど……でも拠点なんだし簡単には動けないから、潰されやすいよね?」
そういえば、そうだな。何でこういう連中は妙に洞窟に住むんだろう? 前の星でも工作員なんかが洞窟を拠点にしてたなあ……。




