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 「皆は何処かへ行ってしまうのかい? 唐突だねえ。それでも神様の所に行くっていうんじゃあ止めようもないし、私がゴチャゴチャ言える事でもないしねえ。それにしても、神様の下で修行しないとお客さんと一緒に居られないとは……」


 「流石にね。アルドいわく、連れて行かれる所は呪いと高濃度の魔力が蔓延している星らしいからさ。何故か蓮と2匹は問題無いらしいけど、何時の間にそんな事をされていたのやら。まあ、修練だと言われたら仕方ないね」


 「そうですね。離れ離れになりますけど、多分修行の間は気にならなくなると思います。アルドも神様の下に居た間は、余計な事を考えなかったと言ってました。絶対にそういう風にされるんだと思います」


 「でしょうね。蓮と離れるのは寂しいけど、私達も不老長寿であるし、アルドと共に居る為には避けて通れないのだと思うわ。1000年以上生きられるのだから、途中にはこういう事もあるのでしょうね」


 「そうだと思うしかないね。神様の下で修行なんて嫌な予感しかしないけどさ、どれだけの期間で修行が終わるかは分からないし、気長に続けるしかないよ。アルドが言うには疲れもせずに眠りもしない、そのうえお腹も空かないしトイレにも行かない場所だからさ」


 「延々と修行が続くのでしょうね。肉体的な疲労は存在しないと言っておられましたし。それでもディルよりはマシですか? ディルの場合は無音の修行が長く続きそうですからね」


 「そうだな。私もそれを危惧している。果たして私に耐えられるのだろうか……と。アルドが耐えられたのだし、多分だが無理矢理にでも耐えられるようにされるとは思う。それはそれで怖いが」


 「あたしは巨神様の下で修行だけど、どんな修行をさせられるのやら。それよりも、神様が干渉するのを禁じている星っていうのが怖いねえ。呪いに塗れているとも聞いているけど、何だかそれだけじゃない気もする」


 「新しい種族が呪いと高濃度の魔力の所為で誕生しているとも聞く。更には【呪魂環】という物を破壊されたとも。それが壊されて星中に撒き散らされたとしたら、相当に文明が滅んでいるかもしれん」


 「とにかく明日、所定の位置へ行く。神様達にはその後で聞くしかない。しかし神様達も暇じゃない筈なのに緊急事態だと言い出したんだ。余程におかしな状態なんだろう、その星は」



 そう言って、俺は部屋に戻った。全ては明日。そう思い、子供達の近くで寝た。ディルも今日は酒を飲むらしい。この星での最後の夜だからな。皆も自由に過ごしてほしい。帰ってこれるか分からないんだ。


 邪気を吸引して綺麗にしたら、おやすみなさい。



 <異世界900日目>



 おはようございます。今日はこの星に来て900日目です。まさかこの日に別の星に旅立つ事になろうとは……夢にも思わないどころか、想像もしていなかったよ。マジで。


 朝の日課を終わらせて食堂に行き、酒に撃沈している連中と食堂を綺麗にする。椅子に座って緑茶を飲んでいると、2階からイデアが下りてきた。トイレから戻ってきたイデアに自分で紅茶を淹れさせ、俺はハチミツなどの用意をする。


 イデアと一緒に静かな時間を過ごしていると、2階から蓮と2匹が下りてきた。トイレに行った蓮を見送りつつ、2階へ上がり布団などを片付ける。再び食堂に下りると、皆も頭を押さえながら起きてきたようだ。


 神水を飲ませて二日酔いを解消させていると、王女組が食堂に来た。女将さんに大銅貨14枚を渡して朝食を注文すると、酒を大量に飲んでいた女性陣とは別に、王女組が飲んでいない事に気付く。


 特にリンデは飲みそうだが、昨夜はヤっていたからか?。



 「そうハッキリと言われても困りますが、そうかもしれません。女として満たされなかった不満を、お酒を飲む事で解消していた……。今、思い出してもそうかもしれないと思います。最近はお酒を飲みたいとも思いませんので」



 まあ、酒は体に良くないから飲まない方が良いと言えばいい。そんな話をしていると町長が来たのでこちらに呼び、聖の主人に強制的にした。最初は意味が分からなくて困惑していたが、メルから言われて顔を真っ赤にして反論する。



 「余計なお世話です! そもそもメル「あら、聖がいやなの?」さんはで……」


 「そんな事ないわよね? だって聖って、貴女の好みそのものって言ってもいいもの。私が知らないとでも思ったのかしら? 玄孫の男の好みぐらい知っているわ。だから貴女に種付けしてもらおうと思っていたのだし?」


 「そ、そんな、事を……勝手に、決められても……」


 「あらあら、早速家に連れて行ってシてもいいのよ? 女なんだもの。いい男が目の前に居たらヤりたくなるのは当然よねえ?」


 「//////」


 「まあ、俺としては聖の主人は町長にするから。王女組に持たせると碌な事をしなさそうだし、ここに居る理由にもなるだろう。それと、王女組は妊娠に気を付けるようにな? あっさり孕んでも知らんぞ」


 「「「「「「「//////」」」」」」」



 何だか嫌な予感がするが、今さらの話でしかない。俺達はこの星から居なくなる訳だしな。とりあえずアイテムバッグの中型を町長に渡し、その中に俺が持っている金を全て入れた。莫大な金額で目を回していたが、無理矢理に渡しておく。


 次の星には持っていけないので渡すしかないのだ。他にも皆が欲しがった物は全て渡しておいた。流石に神の金属製の物や、精霊木に精霊石製の物は渡せない。それ以外に欲しがった物や魔道具なども渡し、朝食を終えた俺達は別れを告げて出発する。


 川の傍を遡って所定の位置まで行くと、一瞬で場所が変わる。俺にとっては懐かしい場所だったが、イデアや蓮はキョロキョロしているな。目の前には浄神と知神と呪神が居る。猫とスライムの神はいないらしい。



 「久しぶりですね。貴方がバラ撒いた紙束でおそらく多少はマシになるでしょう。ならなければ、あの星は滅びるだけです。あの星の者達の責任なのですから、放っておきなさい。それよりも呪いの星です」


 「正しくは呪いと高濃度魔力の星だ。呪いと絡み合っておかしな事になっておる。我等も観測は出来るが手出しが出来ん。何故【世界】が調整役たる我等の干渉を禁じたのかは分からん。それも含めてそなたらを飛ばす」


 「あの星は【呪魂環】が破壊されてしまった所為で、恐ろしい程に衰退していっています。かつては大型の魔道具で空を飛んでいた筈が、今や地に落ちて飛べない雛鳥の如しです。治安も相当悪くなっているので気を付けなさい」


 「それでも俺を派遣する必要があるんですね?」


 「特に呪いがな。満遍なく在るのと高濃度の魔力の所為で、厄介な事になっておる。妙な実力者が生まれたりしており、星全土が乱世になるおそれすらあるのだ。安定化させるには呪いを浄化せねばならん」


 「それで俺の出番ですか……しかし子供達は……」


 「その子供達なら呪いの影響を受けないのと、実戦経験の為ですね。不老長寿である以上は貴方と同じように派遣する事もあり得るのです。で、ある以上は実力を持ってもらうしかない。その修行に丁度いいという事です」


 「ああ。子供達はその星で修行という事ですか」


 「うむ、そういう事だ。我が因子を持つイディアルマよ。次なる星でも様々な事があろうが、負けずに挑むがよい。その先に勝利はある」


 「蓮。貴女もまた様々な事を経験し、知として得るでしょう。それが貴女を良き存在へと昇華させます。苦労をするでしょうが、その先へと進みなさい」


 「では頼みましたよ、アルドゥラム。貴方の浄化の旅路は始まったばかり。まだまだこれからです。浄化という神命以外は好きに生きなさい。種を付けて子供を為しても構いませんよ」



 最後に何を言い出すんだ浄神は。子供達も居るんだって分かってて言ってるだろ。顔が笑ってるじゃないか。それよりも新たな星か……いったいどんな所なのやら。


 ま、次も頑張りますかね。



 ここまでお読みいただき、ありがとうございまず。フォロー、応援して下さる方は重ねて御礼申し上げます。


 元々この作品の当初の予定では、各惑星に一人ずつのヒロインを置き、徐々にハーレム展開になる予定でした。


 ところが最初のヒロインであるダナを登場させた後、もう少し掛け合いの手を増やす為にシュラを作り出したのが発端で、どんどん意図した方向とは別の方向へと行き始めました。


 結局異なる惑星を旅するというコンセプト自体は「ミク ~肉の美女は今日も生く~」の方に移行し、こちらは普段どおりダラダラ続けて行こうと思ったのですが、それにも限界が訪れた為に惑星移動と相成りました。


 色々なところが未完となっている感じですが、根本的な浄化という意味では一定の目途が着いてしまっています。その為、これから先を考えた場合、話が広がらないと判断しました。


 これから先も作品の方向性自体は変わりません。複製された主人公が色々なものを【浄化】していくという形が元々の骨子ですので。


 これからも拙作を宜しくお願い致します。


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