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1713




 女性陣と王女組は信秀さんについて行ったし、聖人にした武士は信秀さんに預けた。俺達は港に居るんだが、釣りでもするか。そう言って子供達に竿を渡す。子供達は慣れた手つきで針に餌を付け、海に向かって投げ込む。


 浮きに使っている木片がすぐに沈み、しゃくって上げると鯵が釣れていた。早いなーと思うもスレてない魚ってこんなものなのかとも思う。適当に刺身にしたり、なめろうにしたりして食べながら子供達と過ごしていると昼になった。


 子供達はそれなりに魚を釣り上げたし食べたので、昼食は要らないとの事。俺もそこまで食べたいとは思わないので、このまま遊んでいる事にした。ちなみにダリアもフヨウも食べているので別に要らないようだ。


 港で監視をしていると舟が入ってくる事は殆どなくなった。おそらくだが人員の輸送は既に終わっていて、後は兵糧の輸送ぐらいなんだろう。意外と言ったらなんだけど、干し肉とかも輸送されていて驚く。元の日本じゃ無かったと思う。


 肉が沢山獲れるとなれば、当然それを保存する技術も作ろうとするよな。俺も干し肉の事は言っておいたし。となると試作するのは当然だし、兵糧としては優秀と言わざるを得ないわな。特に塩が多いから、塩分を補給するには丁度良い。


 昔の兵糧で塩を補給できるのって味噌ぐらいか? 芋がらを味噌で煮て縄みたいにしヤツ。名前知らないけど、何かの漫画で読んだ事あるな。おそらくああいう物ぐらいしか戦地での塩分補給って無かったんじゃないかと思う。


 日本もそうだが戦って基本的に夏と冬だ。これは田植えとか色々あるからだが、冬はともかく夏場は塩分補給しなきゃ倒れるだろうから、塩分の濃い物は必須だった筈。あの時代だとそこまで考えていないだろうけど、それでも豪勢な食事は塩が多い物だったと思う。


 あの時代は塩も貴重で、塩が碌に使われていない食事を農民はしていた筈だし。……おっと、子供達が暇なのかウトウトしている。ここは遊びで子供達の目を覚ませるか。そう思って適当に鬼ごっこを始めた。


 子供達が真剣にやるのは良いのだが、身体強化まで使って本気でやるとは思わなかったな。まあ練習になってるし、タッチされなければセーフだから、必死に逃げ惑ってるけども。港の中しか駄目だと言ってあるからこそ白熱してるのかね?。


 そんな事をしていたら、なにやら港の中で揉め事が起きている。俺達は鬼ごっこを止めて揉め事の方に行ってみた。すると、クワナの者と尾張の船乗りで揉めているようだ。何かと思ったら、自分の舟だから返せと言っている。



 「それはワシの舟なんだから返すのが当たり前だろうが! さっさと返せ、この盗人が!!」


 「何言いやがる! これはクワナが攻めてきた時に手に入れた舟だ! そもそもお前等が攻めてこなきゃ奪われなかったんだろうが! 文句なら北伊勢の神殿や武士に言え!」


 「何だと!!」



 俺は仲裁に入り、そもそも戦で奪われた以上はどうにもならない事。文句なら舟を出させた神殿や武士、もしくはクワナの商人に言うべきだと諭した。クワナだって戦で勝ったら、相手の物は奪って手に入れるだろう?。


 そう言ったのだが全く聞く耳を持たず、あろう事か殴りかかって来たので、顎を打つのと同時に【衝気】を使って気絶させる。周りに居た野次馬も分かっているが、どうしても自分の舟を取り戻したかったのかね? そんなに大事な舟なら意地でも貸すなよ。


 そんな事を喋ると、周りのクワナの者達は何とも言えない顔をする。上から言われれば出さなきゃ仕方ないのかもしれないが、だとしても出した以上は文句を言うべきじゃない。そもそも負けたら奪われるなんて何処でもやってる。


 自分達だけは都合よく返してもらえるなんてあり得ない。誰もが分かっているのか、周囲の者も苦笑いしたり顔を背けるだけだ。自分達も戦に勝ったら奪う以上は、誰も文句なんて言えない訳だしな。


 倒れて気絶している男は無視し、作業を続けていく。男が返せと言っていた舟は、さっさと尾張に引き上げていった。まあ、それが一番良いだろう。男が目を覚ましても面倒な事になるだけだ。


 その後は港での揉め事もなく進み、夕方まで子供達と遊んでいた。未だに女性陣や王女組が帰ってこないが、子供達もお腹が空いたようなのでクワナの食堂に夕食を食べに行く。町中に入ると騒がしい声が入り口から聞こえてきた。


 見に行かなくても気配でウチの女性陣と王女組だと分かる。どうしたものかと思ったら、子供達は見に行くというので町の入り口まで歩いていく。人が随分多く居るが、左右に分かれ始めたので俺達も道を開ける。


 先頭には勝家君が居て、隠れていた北伊勢の武士の中でも名のある奴の首を掲げている。正しくは槍の先に突き刺して歩いていた。まあ、戦国時代ってこういうものだけどさ、あまり良い事とは思えないなー。仕方ないんだけど。


 他にも武士が居て、北伊勢の武士の残党を始末したとアピールしている。血が滴っているし病気の元なんで止めて欲しいところだ。そう思っているとウチの女性陣が近付いてきた。



 「アルド、子供達と一緒に何をしてるんだい?」


 「いや、子供達と一緒に食堂に行こうと思ったら、なにやら入り口が騒がしかったから見に来たんだよ。そしたらアレをやってるんで、どうしたものかな? と思ってさ。まあ、見るもんでもないし食堂に行くよ」


 「私達も行きましょう。アレを見ていても仕方ないし、血を撒き散らすのもね? 手柄をアピールするのは分かるし、賊を嗾けようとしていた連中に圧力をかけるというのも分かるけれど、あまり見ていて気分の良いものではないわ」



 そう言っている皆と食堂に行き、大銅貨14枚を支払って食事にする。ちなみに聖の食事代は王女組が出している。一応保留中ではあるものの、王女組の誰かに渡すつもりではあるからな。まあ請求されたら渡すから、特に問題ないんだけど。



 「それで、賊を討ってきたんだと思うんだが、上手くいったのか? 皆なら逃げられる心配も無いと思うし、賊を発見するのも簡単だったと思うんだが……」


 「そうだね。アルドが聖人にした奴は嘘を吐けないから本当の事を喋ってくれたし、そいつの言う通りの場所に賊は居たよ。【気配察知】で簡単に分かったのは良いんだけどさ。凄く面倒でねぇ……」


 「実はその賊ども、魔物に襲われてそれなりに負傷者を出していたのですよ。その所為で血の臭いに魔物が寄って来てですね、尾張勢を襲うという状況じゃなかったんです。賊どもを倒す為に、賊どもを助ける羽目になりました」


 「酷かったわよねー。私達が魔物と戦っているのに、その後ろから襲ってくるのよ。もちろん私達が尾張勢の味方だと分かっているからでしょうけど、フォレストベアに襲われて負けていた程度なのにねえ?」


 「本当に呆れる程の愚か者どもさ。あの4人組でさえ十二分に対処出来る程度の実力しかないのに、こっちを襲ってくるんだからね。途中から賊は男性4人に、魔物は私達でと分けた程だよ」


 「王女組にはサポートを任せたのだが、男4人組はあっさりと賊を倒していたようだ。まあ、然して強い者達も居なかったようだし、武士は尾張の者に討たせた。私達はアルドの言っていた通り、男4人の殺人の経験だからな。武士かどうかはどうでもいい」


 「あの4人も問題なく殺せたし、その後を見ても特に問題はないね。今は初めての殺人で、ちょっと滾ってるくらいだと思う。王女組としては丁度いいんじゃないの?」


 「まあ、そうでしょうね。私達としては慣れたものですが、初めて人間種を殺すというのは少々違うものですから。それでも経験が無いと咄嗟の時に動けませんし、難しいところですね」



 男4人は黙々と食事をしているが、確かにちょっと滾っているようだ。まあ、あの程度なら放っておいていい。既に入念に【浄化】もしたからトラウマにはなるまい。後は王女組で発散すればいい。


 実際には発散じゃなくて、搾り取られるだけだろうけど……。



 ▽▽▽▽▽


 1713終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1795枚

 金貨2057枚

 大銀貨1660枚

 銀貨2575枚

 大銅貨336枚

 銅貨50枚


 神銅の処刑剣

 神銀の錫杖

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 神銅の数珠2個

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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