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 <異世界871日目>



 おはようございます。今日から北伊勢の戦に参戦します。と言っても俺達のやる事はおそらく後方支援であって、実際に戦をするのは尾張の武士だろうけど。前にも言っていたが、戦わせないと功が稼げなくて困る連中が多い。


 俺達がしゃしゃり出ても仕方ないので、なるべく後ろで観戦していよう。というよりクワナの近くに居れば良いだけか。反抗するなら連中の力が必要だし、北伊勢の連中が尾張を攻撃するにしても拠点は必ずクワナになる。


 何より連中が去年、一昨年と奇襲してきた時に拠点にしていたのもクワナだ。北伊勢が尾張を攻める際には、あそこを拠点にする以外には無いからな。逆に言えばあそこを見張っていれば済む。さて、ウダウダ考えてないで起きるか。


 朝の日課を終わらせた後、全員を【覚醒】で起こした俺は、部屋を片付けてから台所へ行く。皆で手分けしてタコスモドキとスープを作り朝食を終らせたら、全員を家から出し閂をして門を跳び越える。


 南の港へと走っていき木像を出すと、乗って海の上を走りクワナの近くへと行く。そこで木像を降りたらクワナへと近付いて中に入る。町中は静かだが何があるかは分からない。俺達はクワナの港へと行き、そこでゆっくりとする事にした。



 「今は何も行われていないが、だからと言って警戒しない訳にもいかない。ここの連中が突然襲い掛かってくる可能性を否定出来ないからな。まあ、暇なんで皆はここを頼む。俺は木を伐ったら戻ってくるから」



 そう言ってこの場を任せ、俺はクワナの近くにあった木を伐り港へと戻る。皆は港として使われているだけの場所に居て、ボーッと海を見ているだけだった。まあ、ツシマと違ってちゃんとした港というか桟橋なんて無いしな。


 そんな事を考えつつ伐ってきた木を加工して竿を作り、持っているデスボーアの毛皮から毛を剥いで糸に加工する。これぐらいなら面倒無く【錬金術】や【錬成術】で作れる。これが布になると途端にどうにもならなくなるんだが。


 そんな事は横に置いておき、竿と糸を作ったら超魔鉄で針を作り完成。餌は適当に捕まえた虫を付けて海に放る。浮きは適当な木片だ。この程度の物でも浮きの代わりは十分出来る。適当に放って待っていたら、すぐに浮きが沈んだので慌ててしゃくる。


 どうやら上手く引っ掛かったらしく、引き上げてみると鯵が釣れていた。俺は鯵を【念動】で浮かせながら餌を付け、竿をイデアに渡したら早速捌いていく。


 素早く鯵を捌いて三枚におろしたら、小分けに【分離】して魚醤と山葵で食べよう。一番新鮮な刺身だ。【浄化】もしてある。



 「うん。流石は最も新鮮な刺身だ、美味いな。釣ってすぐだから美味くて当然とも言えるけど、この調子で釣りをしつつ暇潰しでもしていようか。俺達のやるべき事は見張っておく事で、敵を倒すことじゃないし」



 そう言って、俺は竿と糸と針を量産していく。適当に石でも引っ繰り返せば餌は手に入るし、最悪は適当な疑似餌で構わないだろう。ミミズか虫に見えるようなのを作って使えば、魚は掛かる筈だ。こんな時代の海だし魚だ、スレてないだろう。


 皆は色々な場所に散り、それぞれで釣りを始めた。釣れたら持ってくるので、俺はそれを捌いて食べさせてやる。塩を振って焼いたり、刺身で食べさせたり、適当に煮込んで汁物にしたり。そんな俺達に信秀さんと林さんが呆れている。



 「まあ、敵が余計な事をせんように監視してくれているのは間違い無いし、それをしてくれているのなら構わんのだが……。まさか釣りをしながら食うておるとは思わなんだ。とりあえず順次舟が来るので、それを待って北伊勢での戦となる」


 「アルド殿達はクワナで目を光らせていただきたい。ここを奪われる、あるいは蜂起されると我等は尾張に戻れません。それが一番困るのでお願い致します。ここが確保されていれば我等は帰るだけで済みますので」



 林さんは割と大きな声で言っているが、それは近くにクワナの商人が居るからだ。信秀さんが来たからだろう、クワナの商人がワラワラと集まってきたんだよ。だから牽制する意味で口に出したんだと思う。こっちは帰っても良いんだよ? という事だ。


 まあ、力関係では尾張の方が上だし。今や纏まれないうえに混乱している北伊勢では、尾張に太刀打ち出来ないだろう。北伊勢四十八家と言われるが、北東や東部の家はどうなっているのか分からない。西の一部、六角に近い家は残っているらしいけど。


 既に壊滅していると言っても間違いじゃない。そんな北伊勢を、何処の勢力もある意味では放置してきた。取る価値が無いと言うべきか、それともいちいち面倒臭いと言うべきか。そんな状態なので、余計に誰も手を出さなかった。


 そうやって放置されたから、今回クワナがギブアップした訳だ。これ以上は耐えられませんと、混乱している北伊勢では稼げません助けてくださいとなった。そんな事を細かく林さんが言い、クワナの商人が必死で取り繕っている。


 怒りをブチ撒けたいんだろうが、これで尾張を怒らせても何の得も無い。更に言えば、2年連続で攻めて負けたという事実がある。クワナは場所を提供したり兵糧を用意しただけと言いたいだろうが、攻められた側にそんな理屈は通用しない。


 当たり前だが、奴等の同類としか思われていない。そもそもクワナが攻められてツシマが拠点なら同じ様に思うのだから、こいつらの言っている事は単なる詭弁だ。そんな事を俺も話しつつ煽ったが、クワナの偉い連中は何とか耐えたようだ。


 俺達の話を割と現実的に受け止めていた者達も居るので、クワナ自体が攻め滅ぼされる事は無いと思う。ここの港も俺が整備すれば使えるだろうけど、ここは尾張じゃないからなぁ。裏切りの可能性がある以上は止めとこう。


 続々と舟で輸送されてくる尾張の武士達。港では信秀さんが椅子に座って見ているので、味方でおかしな事をする奴はいない。それよりも少し前に大島さんが来て、兵を率いて率先して鎮圧に向かった。


 実は大島さんには海沿いの土地が与えられる事が決まっている。尾張大島家ではなく伊勢大島家になりそうだが、塩作りをしてもらう事も合わせて決まっているので、最初から収入ありだ。クワナの近くなので、クワナを見張る意味もある。


 大島さんとしては元々美濃の武士だ。なので海沿いの土地はある意味で憧れの土地でもある。塩が作れる土地だから当然でもあるのだが、魚も釣って食べる事が出来るので更にやる気になっていた。


 内陸の者にとっては海の魚って贅沢品なんだよなー。俺としてはなんとも言えないところだけど。とりあえず俺とリンデはクワナの中に入り、宿をとって部屋を確保した。両方とも雑魚寝部屋だが、人数が人数なので仕方ない。


 1泊で大銅貨6枚とそれなりに値段を抑えているので、両方の部屋を10日、大銅貨で120枚分とった。銀貨6枚を支払い部屋を確保したが、おそらく10日は必要ないと思う。


 帰り道でリンデが寝首を掻かれないか聞いてきたので、今日の夜から強制的に聖人化する。そう言うと白い目で見られた。無理矢理に聖人化と思ったようなので、罪を暴ける腕輪を見せてやる。すると呆れた目で見てきた。



 「作ったのは神様連中なんだから、俺を見られても困るんだがな。これで罪を暴いて、赤く光る連中は纏めて聖人化してしまえという事だ。そもそも浄神なんて有無を言わせず全員聖人にしろと言ってるんだぞ?」


 「………」



 今一度、神様がブチギレていると理解したようだ。段々顔が青くなっていっている。本当に神様の言う通りにするなら、とっくに全員を聖人にしていっている。自由意志が残っているだけ感謝してほしいもんだ。


 まあ、浄神以外はそこまでしろとは言っていないんだが。そう言うと多少は安心したようだ。下界のクズどもに一番キレてるのが浄神だからなぁ。あそこまで過激になるのは仕方ない。あの念神が宥めるくらいだし。


 とりあえず今のところは様子見だな。北伊勢の鎮圧戦は始まったばかりだし、どこまで鎮圧していくかはまだ確定していない。尾張としては海沿いはなるべく確保したいところだろう。塩が作れるし。


 内陸の方はなぁ……どうなんだろう?。



 ▽▽▽▽▽


 1709終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1795枚

 金貨2057枚

 大銀貨1660枚

 銀貨2575枚

 大銅貨448枚

 銅貨50枚


 神銅の処刑剣

 神銀の錫杖

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 神銅の数珠2個

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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