1706
勝家君は必要な事を言ったら帰って行った。戦が始まるのは3日後。俺達は朝にクワナに行き様子を見て、敵が居て構えているなら潰すという事だ。要するに尾張勢が欠ける事無く上陸する為の手助けだな。
それと今回やるべき事は北伊勢の北東部の制圧だ。この部分はクワナがあるものの、それ以外は滅茶苦茶な状態になっている。武士が居なくなって元の住民が居るものの、賊も蔓延っていて最悪の状態だと言える程酷い。
元から住む村人と、新たに入ってきた賊との血で血を洗うような抗争も起きているらしい。その状態を沈静化し、制圧するのが目的だ。ちなみに六角と北畠の許可はあるんだと。
よくもまあ両家が許可を出したなと思うも、北畠に関しては伊勢の北東には殆ど影響力が無いらしい。今までも独立勢力のような状態だった。六角は海を諦めた訳ではないのだろうが、塩を安く売る事で納得したらしい。
もちろん安くと言っても限度があるが、法外な値段ではなく儲かる値段なんだそうだ。近江も割と足下を見られた値段で塩を売られるらしく、地理的に大変らしい。越前の朝倉か若狭の武田だが、どちらも値段交渉には渋いようだ。
そこはいいとして、六角としても安値で塩を売ってくれるなら諦めてもいいという事だろう。そもそもクワナは自治都市みたいなもので、六角も北畠も言う事を聞かせられなかったようだし。
どちらかと言うと、クワナが適当にかわしていたのが正しいか。のらりくらりと逃げていたが、代わりに窮地に陥ると誰も助けてくれなかったという事だ。だから最終的に尾張に泣きつく事になった。
神殿と結託していたが、その神殿から俺が根こそぎ奪ったからなあ。それで神殿が立ち行かなくなりおかしな事になったんだろう。本来ならまだまだ金があったし、それで尾張を攻められたんだろうが、それが無くなって瓦解した。
北伊勢の神殿連中は中伊勢を攻めたし、中伊勢の長野は北畠と争い中。六角も近江で北近江に四苦八苦。周りで一番安定しているのは喧嘩を売ってた尾張となるんだから、クワナとしては頭を下げて助けてもらうしかない訳か。
どれだけ信秀さんに奪われるかは知らないが、ある程度は織り込み済みだろう。最低でもある程度は渡さないと、尾張攻めをしていた事の詫びにはならない。2年もやったんだしな。
「そう、2年も攻めておきながら助けろと言われても納得はしないよ。上に立つ者としては分かるだろうけど、下の者は納得しない。流石にその者達が納得する態度と誠意は示さないといけない。当たり前だけどね」
「姉上の仰る通りですが、払えますかね? それとも何かの利権で手を打つのでしょうか? 私達にはどうでもいいので、予想して遊ぶくらいしか出来ませんが……」
利権ねえ……塩を作る利権かな? それとも塩作りに関して炭を売る利権だろうか。流下式塩田の方法を教えたとしても、ダンジョンが無いと儲からないんだよ。もちろん情報が流出するのは問題だが、大量の薪や炭を確保しなきゃならない。
それが出来るのはやっぱりダンジョンなんだよな。そのうえ海に近いダンジョンって、近隣だと尾張にしかない。そういう意味でも尾張って恵まれているんだよ。海に近いから薪や炭や獲物が運びやすい。
「確かにそうだね。海に近いほど港に運びやすいし、沿岸なら海の魔物に怯える事無く舟が使える。物を沢山運ぶにしても、海に近い所にダンジョンがある方が有利だ。ヤシマの国はダンジョンが多いからねえ」
「島国だけど、思っている以上に国土が広いのよね。多くは山や森や沼地だけど……。それでも広い分魔物も多いしダンジョンも多い。それをどう考えるべきなのかしら。ちょっと困るわね」
「何と言うか、国って広い方が凄いって思いやすいけど、魔物が蔓延っている様を見ると本当にそうなのか疑問が湧くね。必ずしも広い国が良いとは限らない気がする。だって大変だし」
「魔物と戦う事もそうだけど、山や森や沼地ばかりでもねえ。苦労してるみたいだし、米を育てるには良いんだろうけど……。魔物を蹴散らして米を守る事を考えると大変だよね。まあ、さほど多くはないみたいだけどさ」
「米を食べる魔物はおるが、それを食らう魔物もおるからの。私の元の国でもそんな感じであった。導入当初は苦労をしたが、100年も越えるとそういう食らい合いが出来上がる」
話を続けていても仕方ないので打ち切り、後片付けも終わっていたのでダンジョンへ出発する。今日も王女組と男4人の修行だが、実戦訓練としては上手く行っている感じはする。
17層に着くと牛系のモンスターを狩っていく。3日後に戦なので多少多めに干し肉を作ったり、肉を確保したりしながら戦って昼食を食べる。ダンジョン内で昼食を食べるのにも慣れたようだ。適度にリラックス出来ている。
干し肉やチーズを作りながらも戦いを続け、少し早めにダンジョンを出た。皆を先に帰し、俺はツシマへ行って大橋さんの店で米酢を買う。大銀貨1枚分買ってツシマを出たら、真っ直ぐ温泉地へと戻り家へと入る。
皆は休息していたが、俺は獲物の確認をしたりしてアイテムバッグを整理していく。中にあった冷凍の甘柿を出して適当に食べさせて処分し、ダークチキンの羽根を入れて布団を作り渡していく。
すっかり忘れていたが、こういう事はよくあるんだよな。やらなきゃいけない事をしていると、別にやっていた事を忘れてしまう。反省しないといけないんだけど、どうせまた同じ事をやるだろう、きっと。
夕食作りをはじめ、出来たらさっさと食べていく。戦を控えた時期なだけに入念な準備はしておきたい。食事中に皆に言ったが、明日は美濃のダンジョンに行く。あっちもそろそろ難易度を下げたい。
夕食後はいつも通り後片付けをし、空いたら風呂に入る。上がって縁側で涼み、汗が引いたら部屋へ。既に子供達は撃沈していたので寝かせ、女性陣も満足させて寝かせる。色々【浄化】したら、おやすみなさい。
<異世界869日目>
おはようございます。今日は美濃のダンジョンに行く日です。さっさと朝の日課を行い、台所に行って朝食を作る。味噌味の肉野菜炒めを作り、饅頭の中に入れて蒸していく。その間に皆を【覚醒】で起こした。
饅頭が蒸しあがったら食べさせていき、新たに蒸しながら俺も朝食を始める。今日はちょっと急ぎ気味だ。朝食を終えたら後片付けをし、家を出たら木像に乗って美濃のダンジョンへ。
それなりに遠いので早めに出たかったんだが、その為に朝から急いだんだ。そんな事を話しつつ美濃のダンジョン前で木像を降りた。アイテムバッグに収納し、美濃のダンジョン前の列に並ぶ。
順番が来たらさっさと侵入し1層目。草原だったので見晴らしは良く、他の者達が進んでいる方角へ移動して行く。勾玉で吸引と【浄化】をしつつ進んで行き、20層で昼食をとる。
ここまでの層は、1~5層が草原、6~10層が平原、11~15層が森、16~20層が荒地だった。ここから先は昼食が食べられるか分からないので、今の間に食べておく。こういうのも大事な事だ。
昼食を終え、21層へと進むと洞窟だった。本当に食事をしておいて良かったと思う。洞窟の層もどんどんと進み、突破して26層。今度は山だが、呪いを感じる。男4人も感じ取っているのか、そわそわしているな。
俺は呪いの魔物に近付いて【浄化】をするも、男4人は呪いの魔物の恐ろしさに動けなかったようだ。アレは慣れるしかないからなあ。恥じゃないから安心していい。そんな事を話しながらも5等分してウェリアにも食べさせる。
全員おかしな効果は無かったが、魔力と闘気は増大した。念力は既に頭打ちだ。それを確認したら先へと進む。27、28、29層にも呪いの魔物は居たので【浄化】し、心臓は5人に食べさせた。どうも殆ど頭打ちになったっぽいな。
それを確認した後の30層、どうも最奥だったらしく、出てきたのは土偶と埴輪だった。まあ、ヤシマの国も本場だろうし分からなくもない。色が普通なので倒すべき奴が分からないが……。
どいつを倒せば終わるんだ?。
▽▽▽▽▽
1706終了時点
大白金貨101枚
白金貨498枚
大金貨1795枚
金貨2057枚
大銀貨1660枚
銀貨2581枚
大銅貨448枚
銅貨50枚
神銅の処刑剣
神銀の錫杖
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神金銀の勾玉
神銅の数珠2個
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




