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1691




 光と聖が少しずつ話している最中に、飲み物を2人に渡してやる。1度目は赤い飲み物で、2度目は金色の飲み物だ。それを見てジト目で見てくるウェリア。まあ、神血と神薬を何故そのタイミングで飲ませるんだって事なんだろうけどね。


 ちょうど都合の良いタイミングだった事も事実なんだよ。とはいえ、2人ともがお尻を押さえて呻くとは思わなかったんだけどさ。調べる気は無いけど、相当酷使されてきたんだろう。そこまで痛がるって事はな。


 痛みが治まった2人に、2度目に飲ませたのは神薬といい、死亡以外の全てを治せる薬だと告げた。そして尻がそこまで痛かったという事は、それだけ酷使していて治すのに痛みを伴うほど悪かったという事を。



 「説明もせず飲ませたのは悪いと思うが、こっちとしても黙って飲んでくれないと困るんでな。それともう1つ、王族に病気をうつされても困るんだ。それもあって今の内に飲ませて起きたかったんだよ。少なくとも病気の全ては治ってる」


 「そ、そうですか……。私達も色々ありましたが、やはりそこまで酷かったんですね。先ほどは激痛というのも生温いと思えるほど痛かったのですが、逆に言えばそこまで悪かったという事でしょうし……」


 「ええ。そして、心当たりは山ほど在り過ぎますので……。子供の頃の事を思い出しても、酷いのは何度も……」


 「ま、まあ、それでも治って良かったですよ。今までの事が全て回復したんですし、これからは心機一転、新しい自分として頑張れば良いんです。それが一番ですよ」


 「そうですね。私達も過去にばかり囚われていても良い事なんて無いのでしょう。前向きに生きていく、その始まりの日にしないといけないですね」



 良い話風に纏めようとしているウェリアに疑問があるが、そもそも今は平氏の屋敷なんだし何もさせないぞ? そういう意味を篭めた視線で見るが、ウェリアの奴は理解したのか、それともしてないのか。


 どっちでもいいが、布団を敷いてさっさと寝る事にする。自分も含めて全員を綺麗に【浄化】し、勾玉で邪気の吸引と【浄化】をしたら、おやすみなさい。



 <異世界849日目>



 おはようございます。今日は全力で尾張に帰る日です。それは良いんだが、どの木像に乗せよう? ウェリアに自分で運転させても、絶対に俺より遅れるんだよな。かといって新人2人では動かす事すら難しいだろう。


 自分が寝ていた布団を収納し、朝の日課を終えたら台所に行って緑茶を淹れる。コップに入れてゆっくり飲みながら、無理やり詰めて4人乗れば何とかなるかとも思う。ただ、その場合に乗るのは象の木像になる。あれしか4人乗れないだろう。


 そんな事を考えながら、全粒粉に摩り下ろしたジャガイモと塩と神水を混ぜて練っていき生地を作る。横では竜のかす肉と野菜のスープを作っていく。生地が出来たら成形し、次は人数分の玉子焼きだ。


 1つ1つ焼いていると、ウェリアと光に聖が起きて台所にきた。ちょうど人数分の玉子焼きが出来たので、饅頭を蒸篭に入れて蒸し始め、ウェリアに見ているように言って部屋の片付けをする。


 布団などを【浄化】してから収納し、部屋も綺麗に【浄化】したら台所へ戻る。人数分の皿と椀を出し、スープを入れて出していると蒸しあがったようだ。皿に乗せて、ジャムとハチミツを出したら食べようか。


 一応魚醤なんかも出しておき、準備は完了。それじゃあ、いただきます。



 「ジャムでもハチミツでも美味しいな。まあ、使ってるのがアレ過ぎるが、美味しければ何だって良いだろう。かす肉しか肉がないが、コレはコレで朝食としては悪くはないか。あいつらは肉が足りないとか喚きそうだが……」


 「仕方ないんじゃないですか。そもそもアルドさんも言いましたけど、オレ達の国は肉とパンの国ですからね。米の国じゃないんで、何とも言い辛いんですよね。基本の部分が違うと言うか……」


 「まあなあ。とはいえ、お前さんらも米が嫌だって訳でもないし、饅頭でも満足するからなぁ。絶対にパンじゃないと駄目だって訳でもないだろ? 小麦を練った物なら然程文句も言わないし」


 「まあ、そうですね。小麦を食べてきたんで、それなら文句はないですけど。この饅頭も柔らかいので、パンに比べれば楽に食べられますからね。今日のはまたジャガイモが入ってるみたいですけど」


 「今日は1日移動だからな、お腹に溜まる料理の方が良いと思ったんだよ。2人は馴染みが無いだろうが、俺達は尾張の温泉地に家がある。だからそこまで帰らなきゃならないんだが、一気に移動するから」


 「は、はあ……。尾張が何処にあるかは知りませんが、京の都から近いんですね?」


 「そんな事は無いんじゃないですか? 東の近江に行って、スズカ峠って所から伊勢に入って、そこから北東に行って海をちょっと越えたら尾張ですから……どれくらい何だろう?」


 「「………」」


 「まあ、そなたらは心配いたすな。この者達は滅茶苦茶だが、出来ない事は言わぬ。まあ、言ったという事は出来るという事なのだがな……」



 何で遠い目をするのかね? 清常さんは。そう、この人ちゃっかり来て朝食食べてるんだよ。別に良いんだけど、美味い物が食べたいと人は図太くなっていくのかね? 周囲の奴等って大抵そうなっていくんだよな。


 そんな朝食後、平氏の屋敷を後にした俺達は京の都を出て、象の木像を出して乗り込んだら、一気にフルスピードで進んで行く。詰めたらギリギリ乗れたので全力で進んでいるが、3人は耐えるので精一杯らしい。


 こんな事は一回で済ませたいので勘弁してもらおう。そんな事を暢気に考えつつ、スズカ峠で休憩と適当な食事を挟み、そのまま温泉地まで一気に進んだ。夕方前に帰ってきたが、怖ろしく速いなぁ。前よりも速いぞ。


 温泉地の前で木像を降りて収納し、ガクガクしている3人を連れて温泉地に入る。家の門を跳び越えて開けて中に入ると、ダリアが出てきて足に突進してきた。フヨウも転がってきて、俺の足を登る。


 それを見て驚く2人を無視して中に入れ、台所まで行くと皆は庭で王女組を扱いていたようだ。庭から中に入ってきて台所に座る。俺もさっさと夕食の準備を始めつつ、2人に挨拶をする様に言った。



 「ウェリア様の奴隷となりました、光人族の光と申します。宜しくお願いいたします」


 「主人はまだ決まっていませんが、聖輝族の聖と申します。宜しくお願いいたします」


 「光人族とか聖輝族って……これまた相当珍しい種族だね。まあ、それ以上に珍しいアタシが言う事じゃないんだけどさ。ああ、アタシは【神眼族】のディアーナ。皆からはダナと呼ばれているよ」


 「光人族と聖輝族ですか……私も少し聞いた事がある程度です。ああ、私は吸血鬼族のシュライア。正しくはシュライア・メルド・アンセルです。フルネームで呼ぶ必要はありませんよ」


 「私はアルメア・メルド・アンセル。この愚妹の姉だよ。私もフルネームで呼ぶ必要はないけど……何でこれほどレアな種族が奴隷になっているのやら?」



 その後も皆が自己紹介していくが、蓮とイデアを見て2人はビックリした。特にイデアに対しては仰天する程に驚いており、自分達がいた神殿なら間違いなく不幸になっていたと断言する。


 その一言を聞いて、皆は大凡どんな目に遭わされてきたか納得したようだ。相変わらず神殿は碌でもない事が分かって何よりである。


 エリアに麦飯を炊いてもらいつつ、フォルにスープを任せ、メルと子供達にはサラダとマヨネーズ作りを頑張ってもらっている。俺は再びのヘビーブルを焼いている。皆からのリクエストがあったからだが……追加で焼くか。



 「すまん。今日もちょっと厄介に……うん? 見慣れん男が4人も居るな? 何かあったのか?」



 藤達もどうしてこう、ズカズカと来るんだろうな。清常さんにも思ったが、美味しい物を食べるには図太くならないと駄目なんだろうか? ……そういえば元々図太かったなー、藤は。


 最初なんて当たり前のように身体強化を教えろって来たしなぁ。何も変わってないだけか。



 ▽▽▽▽▽


 1691終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1795枚

 金貨2097枚

 大銀貨1702枚

 銀貨2620枚

 大銅貨448枚

 銅貨50枚


 神銅の処刑剣

 神銀の錫杖

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 神銅の数珠2個

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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