1687
朝食のうどんも美味しく食べ、今日は王女組と共に奴隷を見に行く事を説明する。買うかどうかは別にして、王女組の欲求不満が厳しそうなのが理由だ。それを言われた王女組は何とも言えない顔で俺を見た後、溜息を吐きながら話し掛けてきた。
「残念ながら私達は奴隷を持ったりは出来ませんよ? 幾ら市井に出たとはいえ、それでも王族としての最低限の振る舞いは求められます。流石に奴隷持ちというのは、我が国などでは世間体が悪すぎます」
「そんな事は分かってるよ。バカな奴隷と奴隷商の所為で滅茶苦茶になったからねえ。ただ、ザラやエイルズやウェリアなら持ってもそこまで問題じゃないって事さ。それも建前だけどねえ」
「まあ、それなら問題無いのかな? それなりに問題はありそうだけど、ウェリアは辺境伯の娘だからともかく、ザラとエイルズは問題無いと思えるね。確か2人の里は独立勢力扱いだと聞いているし」
「そうですね。私は持っても特に問題もありません。故郷に帰っても理由を話せば納得されるでしょう。それに血の事を考えると、むしろ評価されるかもしれません。里もなかなか大変ですので。何人か孕ませる事になるかも……」
「ウチの里も同じだよ。新しい血は積極的に入れていきたいしね。そうなると、今まで入った事の無い血の種族が良いし悩むよ。珍しい血の者とかだと、多分手を出してくるのが何人か居るし。となると、ウチの里でも何人か孕ませる事になるだろうね」
「なるほど。小さな里と言ってはいけないのでしょうが、そういう所では色々と考えなければいけない事があるのですね。私としては自分が持つ事は出来ないでしょうが、奴隷を見に行く事に関しては賛成です」
「私も賛成だ。自分では持てない……いや、堂々と持った方が良いか? 私は外に出るのが決まっているし、ヤシマの国の者だと言えばそこまで文句も言われないだろう。私の身を守る護衛として、信用できない者より余程良いと言えば……」
「まあ、それは横に置いておき、今は早く食事を終わらせなさい。麺が伸びてしまっているではないですか。早く食べないからそうなるのですよ。終わっていないのは貴女達だけなんですからね」
王族組は慌てて食べ始めたが何とも言えないな。何だかんだと言って奴隷を所持したいというのが丸分かりだ。お前らそこまでか? と言いたくなるが、そこまで飢えてたんだろうなぁ。それもそれでどうなのか……。
王族組も食べ終わったので綺麗にし、全員の準備が終わったら家を出して閂をし、跳び越えて出発する。まずはツシマに居る大橋さんの所へ行こう。大所帯だけど大丈夫だろう、多分。
身体強化でツシマへと走って行き、大橋さんの店に着くと店員に居るかどうかを聞く。大橋さんは居たようなので呼んでもらうと、すぐに大橋さんが出てきた。俺達は中に入れてもらい、早速大橋さんに聞いてみる。
「はぁ、男手が欲しいので奴隷をですか……。まあ、分からなくはありませんが、大体は農民や食い詰め者ですよ? 偶に妙な出自の方が奴隷になっていたりしますが、滅多にそんな事はありません。それでも見に行かれますか?」
「言葉は悪いんだけど、ガイアルム王国とか、向こうの国に居ないような種族だとありがたいんだよ。新しい血を里に入れたいって言えば分かるかねえ?」
「ああ、血の澱みですか……。それなら、まあ分からなくもありません。奴隷も逃げられると終わりですが、まあ逃げたところで他国では生きられませんし大丈夫でしょう。むしろ皆様に何かある方が問題です。少々お待ち下さい」
そう言って、大橋さんは紙と筆を用意し何かをサラサラと書いていく。終わったら畳んで渡してきた。どうやら大橋さんの一筆らしい。一見さんお断りの奴隷商があるらしく、そこへ行くと良いとの事。
北伊勢の神殿は無理矢理に奴隷にしていたが、本来は育てられないとか食べさせられないという形で奴隷になる。奴隷の間は食べられるのだから、彼ら彼女らはマシな所へ行く事になる。これはカサーラとメトムも変わらなかった事だ。
大橋さんにツシマとアツタで奴隷を扱っている所を聞き、まずはそこへ行ってみる。大橋さんからの紹介状を見せて中に入ると、それなりの人数が生活していた。奴隷として売られるまで彼らは安値で働いているらしい。
安値と言ってもお金がもらえるだけマシだし、言葉は悪いが食べられるだけマシである。今この場に居らず別の商人の所に働きに出ている者も居るそうだ。奴隷商に珍しい血筋の者を聞くも、どうやら居ないとの事。
王女組に聞いた所、特に欲しい者はいないとの事なので店を出てアツタへ向かう。アツタに到着後、目的の店に行き大橋さんの書状を見せると案内された。アツタでも同じく働かされているようだが、珍しい種族が居た。
「あそこに居るのは亜仙族じゃないのか? ヤシマの国では仙女族は崇められてた筈だろう。何で亜仙族の子が奴隷に、しかもアツタに居るんだ? サカモトに居るんじゃ……」
「あの子は両親が亡くなってしまい、奴隷として身売りする他なかったんですよ。再三何度も聞いたんですがね、それしか生きられないからと言われまして。ただ亜仙族でしょ? 安値では売れませんからねぇ、ズルズルと……。当初は10だったんですが、今年で15になりました」
「……??? 15になったら何かあるのかい? 妙な言い方をするけれど……」
「ああ、すみません。お稚児趣味って言うんですがね。小さな男の子が良いっていう方もいらっしゃる訳でして……。で、そういう方は大抵お金を持ってらっしゃるんですが、15になっちまうとそういう方には売れない訳です」
「「「「「「「「………」」」」」」」」
「俺達が買う訳じゃなく、買うのはお前達なんだがどうするんだ? 里に連れて帰るなら亜仙族の血は有利に働くのは間違いないと思う。亜仙族も半仙族も寿命は変わらんからな。長生きの血は簡単には手に入らない」
「そうなんですよねー。……うん、アタシが買うよ。どれぐらい高値か分からないけど、何とか買える筈。………きっと」
「えぇっと。買っていただけるのは助かりますし、あいつもやっと奉公できるので良いんですが……値段は金貨150枚となりますよ? 特に亜仙族ですし、これ以上安値にするのはちょっと……」
「………金貨150枚ね。そこまで高い買い物じゃなかったな。カサーラとメトムの方が高かったぞ。って事は、相当に値を下げてくれたかな?」
「……え、ええ。こちらとしても売れてくれなければ困るという事もありますが、もう5年もウチに居ますからね。流石にそろそろ売れてくれないと、言葉は悪いですが遊女屋に売る事になりますんで……」
「それなら、買われた方がマシって事だね。それにしてもアルドが出すとは思わなかった。あたし、ちょっと驚いたよ」
「言葉は悪いが、金が余ってるっていうのが正直なところだからなぁ。金貨150枚程度じゃさすがにな。この金もヤシマの国の金が結構含まれてるんで、この国に還元しないといけないしなぁ。京の都とかの奴隷商、紹介できる?」
「ええ、それぐらいなら構いません。この仕事は持ちつ持たれつなところが大きいので、金貨150枚をポンと出せる方であれば歓迎されますよ。少しお待ち下さい、紹介状を書いてきます」
その間に買った亜仙族の子の名前を聞くのだが、名は藤次郎というそうだ。名字は無いそうなので普通に平民ならしい。両親は流行り病で一気に亡くなったらしく、どうにもならなかったそうだ。
そりゃなあ、10歳の子供じゃどうにも出来んだろう。結構整った顔をしているので、そういう意味でもエイルズにとっては”買い”だったんだろうな。藤次郎は蓮とイデアに挨拶されてビックリしているが。
あの子達は2人とも美貌がな。イデアだけが槍玉に上がるが、蓮だってレベルは高いんだよ。
▽▽▽▽▽
1687終了時点
大白金貨101枚
白金貨498枚
大金貨1795枚
金貨2747枚
大銀貨1702枚
銀貨2620枚
大銅貨471枚
銅貨50枚
神銅の処刑剣
神銀の錫杖
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神金銀の勾玉
神銅の数珠2個
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




