1674
「その後は父上だけではなく帝のご機嫌伺いをする羽目になってな。それが終わってようやく帰ってくる事が出来た。まったく、無駄に時間が掛かったわ。そもそも私がしなければいけない事ではないのだがな……」
「まあまあ。頼られているのは間違い無いのですから、頼られている内が華というものです。それはともかくとして、皆さんは何故ヤシマの国に? 不老長寿の方々はともかく、各国の王女の方々は何故?」
「私達は一度大陸の東側を見てみたかったのです。連れて行ってもらわなければ見る事など出来ませんし、聞くのと見るのでは全くと言っていいほど違いますので」
「まあ、それはそうね。私達もヤシマの国に渡ってくるまで、東にこんな国があるなんて知らなかったし、大陸の西側にあんな国々があるなんて想像もしてなかったわ」
「私も同じだな。そもそもガイアルム王国の南に行かなければ、カサーラやメトムと会う事もなかった。今では考えられんが、向こうに行ってなければ奴隷を買おうとなどしなかった筈だからな」
「それはそうだろうね。何か一つ違うだけで、全く別の人生を歩んでいた……何て事は普通にあるものさ。私だって案外、お姫様みたいな生き方をしていたかもしれないしね。今はあり得ないとも思うけど」
「まあ、そうですね。私も不老長寿の皆様がおられなければ、とっくに犯されるか殺されているでしょうし……。そういう意味では、ほんの僅か変わるだけで全く違う人生を歩んでいたかも……」
「私もそうだな。不老長寿の皆様が帝国に来て、あの時話しかけなければ、今でも碌に物事を知らぬままかもしれん。エルダ海洋国の王女のようにな。あんな風に振り回される立場など御免被る」
「あのー……見た事が無い方が居るんですが、紹介をしていただいても良いですか? 僕達は知りませんので……」
「ああ、すまない。まずは王女組と共に居るのは、ガイアルム王国の辺境伯の娘でウェリアという。性病をもらって自殺を考えていたバカだと思えば分かりやすい」
「「「「「………」」」」」
「ちょ!? 何でバラすんですか! わざわざ言う必要なんてない事でしょうに!!」
「だったら今後は普通に生きなさい。性病を受けてどこに行って死のうかとばかり考えていたのでしょう? しかも安くて質の悪い娼館に行ったのが原因でしょうが!」
「それはいかんな。我がヤシマの国でもそういう所はあるが、性病の者が出たとなれば首を落とされるぞ。それも客まで落とされる事もあるのだから、注意した方がよい」
「アルドに治してもらってからは、多少はマシになったみたいだけどね。それまでは、とにかく男だろうが女だろうが喰いまくる奴だったんだよ。そんな事してるから性病もらっちまうんだろうに……ねえ?」
「それは駄目ですね。奴隷として奴隷商に身柄を預けられた時にも、怪しい者とは性行為をするなと言われていました。奴隷の方がそういう事には厳しいくらいの印象を受けましたね」
「そして蓮の横に居るのがイデアだ。本名はイディアルマ。呪神という呪いを司る神の因子を持ち、呪人族という新しく生み出された種族の始祖となる。ちなみに呪人族は呪いに強い種族だ」
「「「「「………」」」」」
「まあ、そうなる気持ちは分かるけどね。あの時は私達も<封呪界>という、呪神様が呪いを封じ込めている空間に行ったんだよ。そこでイデアと会った以上はね、現実だし事実なんだ。何より、私達は呪神様にお会いしたんだよ」
「そして最後の一人はエイダだね。エイダの本名はエイルアーダ・ユル・ディカストルと言って、エイルアーダ皇国という国の初代女王だよ。不老長寿でね、もう350年ほど生きてるんだ」
「……生憎どこにある国か知らぬが、初代の方が居られるとはな。某は足利義藤と申す」
その後は自己紹介になったけど、別に無理してそれっぽく作らなくてもいいと思うんだけどな? 一応足利家だからそうしなきゃならないのかねえ。それよりも、クニはどうしたのか聞くか。
「クニか? クニならツシマに居る筈だぞ。私達と居ると色々な者に出会う事になるからな、クニの立場では疲れるのだろう。芝居の方も考えているらしいので、その事もあってツシマに居る筈だ」
「成る程ね。何かがあったなら寝覚めが悪いけど、元気にしてるなら良い事さ。それよりも、アンタ達は大丈夫なのかい? 狙われると言えば狙われる立場だからねえ。細川晴元って奴は死んだけど、他にも似た様な奴は居るだろうし」
「今のところは無いな。私を狙っても意味が無いのと、弟はまだ子供だ。父上を狙うかと言えば……京の都を差配しているのは三好だからな。狙うとすればそちらであろうよ。父上も上手く逃げている」
「言葉は悪いですが、足利といっても山城の国の紅衆なだけですからね。兵を自ら集める力が無いのは変わりません。特に山城の国には自分勝手な者が多いですし……」
「それより、あそこの武士は滅茶苦茶ですよ。神殿とくっ付いていたり、神社とくっ付いていたり、公卿や公家とくっ付いていたり。足利の言う事なんて碌に聞きません。その癖、問題があると足利が悪いとなるんですよ」
「僕達もさすがにアレは無いと思いました。多少マシなら外国の者である僕達の前では言わないんですけどね、頭が悪い人は関係無く大きな声で喚くんですよ。呆れるしかありません」
「まあ、呆れていたメトムに怒って手を出そうとし、藤さんの許可でボコボコにしましたけどね。それを見て笑っていた者達は静まり返りましたよ。むしろ将軍が笑っていたくらいです」
「アレは当然よ。あれだけ偉そうにしておきながら、メトムに一方的にボコボコにされたんだもの。話にならないわ。挙句の果てには剣なら云々とか言うからどれほどのものかと思ったら、メトムにボコボコにされるし」
「何ですかそれは? 恥の上塗りをしただけですか、バカバカしい。そもそも殴り合いで一方的に負けてる時点で駄目でしょうに、何で剣なら勝てると思ったのでしょうね? バカの考えは分かりません」
考えるだけ無駄だと思うぞ? バカは所詮バカだからな。別のものなら自分が勝てるとか安易な事しか考えてないんだろう。所詮その程度だからバカなんだが、それも理解出来ないからバカなんだよ。
それにしても京の都の方に行ってたのなら、三河がどうなったかは知らないか。広忠がどうなったか聞いてないんだよな。アジロのダンジョンには行ったけど、あれはあくまでもダンジョン目当てで行っただけだし。
「広忠か? 生憎私は知らぬが元気にやっているのではないか? 何かがあったとは聞いておらぬし、松平は三河の白衆筆頭だからな。何かあれば話題になる筈だ。耳に入らぬという事はあるまい」
「まあ、そうか。元気にしているなら良いんだが、広忠はまだ若いからな。よからぬ事に巻き込んでくる奴が居るかもしれん。まあ、今はそんな暇は無いとは思うんだがな」
「東三河と遠江の争いがあったらしい事を聞きませんでしたか? 小競り合いで終わったとか何とか……」
「そういえばそんな事があったような気はするな。確か……西三河は何もしなかったのではなかったか? 東三河は前年に攻めておるからな、奪われでもせぬ限り兵は出すまい。自業自得だ」
「奪われたら、奪うチャンスだものね。それまでは放っておくでしょう。むしろ西三河の者達の溜飲を下げる為にも、ワザと放置する必要があるわ」
「だろうね。これでホイホイ助けたら、足下が揺らぎかねない。東の連中が頭を下げてからだろうね、助けるのは。そしてそれは去年攻め込んだ奴等が悪いんだ。完全に自業自得さ」
余計な事をすると後の方まで尾を引く事になるからな。東三河の奴等も知っている筈だが、それでも欲に溺れた以上は仕方がない。相応しい末路を辿ってくれないと、西三河の連中も許せない。
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1674終了時点
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大銅貨471枚
銅貨50枚
神銅の処刑剣
神銀の錫杖
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神金銀の勾玉
神銅の数珠2個
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




