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 「ん!! ………この肉!! ビックリするほど美味しいんですけど!? 何ですか、コレ!! ………はー。まだ口の中に余韻として残ってるんですけど、いったい何の肉ですかこれ? オレこんな美味しい肉、生まれて初めてです」


 「これは竜の肉だよ。しかも塊焼きで焼かれた竜の肉さ。色々な焼き方があるけど、竜の肉はこの焼き方が一番美味しいんだよ。……うん。それにしても、何度食べても美味しいね。感動する味だよ、本当に」



 他の皆は黙々と食べてるな。子供達でさえ余計な事は喋らず味わうのに集中してる。今までは五月蝿かった蓮でさえだ。相変わらず竜の肉の破壊力は非常に高い。まあ、全ての肉の中で一番美味いんだからしょうがないんだけど。


 それにしても美味い。久しぶりに食べると感動が返ってくるというか、驚くほどに美味しい事を再確認する。連続で食べると感動が薄れるのに、期間が空くと感動が復活するんだよな。相変わらずだけど、本当に別格な肉だ。


 夕食を十二分に味わったものの、食事というより竜肉が終わったときの溜息が凄かったな。皆がガッカリしたような溜息を吐いていた。とはいえ食べたら終わるんだから諦めなさい。ゆっくり余韻に浸ってるのも居るけどさ。



 「それにしても美味しかったです。終わるのが悲しくなるほどに。竜のお肉は2年ほど前に食べさせて頂きましたけど、あの時もここまで美味しくなかったと記憶しています」


 「そうなのかい? 塊のまま焼くのってどうなのって思ったけど、それじゃないと美味しくならないっていうのも変わってるね。まあ、竜の肉自体、一生に一度食べられれば幸運なんだけどね。普通は」


 「ですね。何度も味わう事が出来るなんて王侯貴族でもあり得ない事です。逆に考えると、それほどのお肉ですから調理法が発展しないのも当然とも言えます。そもそも他のお肉と似た料理法で試すしかありませんし」


 「まあ、その通りだな。どれだけ頑張っても一生に一度だ。昔の皇帝陛下が食したとも言われているが、果たしてちゃんとした料理法で食べたのかは疑問がある。それほどの味と香りだからな」


 「勘違いしているのかもしれないけれど、竜の肉は熟成するまで硬過ぎて食べられないのよ? 熟成するのに必要な時間は100年ほどらしいわ。私達はアルドが【錬金術】の【熟成】を使ってくれるから食べられるけどね」


 「【錬金魔法】でも大丈夫だとは思うが、慣れていなければ劣化してボロボロになり食えた物じゃなくなるな。そもそも熟成された竜の肉を食べる事自体が非常に難しいという事も知っておくようにな」


 「そう考えると物凄く贅沢な肉を食べてるんですね。昔、初めて食べさせてもらったのは里に案内している時でしたっけ? サンドイッチに挟まれててビックリするほど美味かったのを覚えてますよ」


 「そうでしたね。あの時が初めてでした。もう殆ど覚えてないですけど、でもあの時以上に美味しいのでしょうね。物凄くジューシーなのにクドくなくて、脂も肉もとんでもない美味しさでした。何と表現していいか分からない程です」


 「竜を狩るって事自体が驚きなんですけど、その竜の肉も簡単には食べられないなんて、普通の人は知りもしませんよ。それよりも、ここまでの肉を大量に振舞って良かったんですか? 結構な量でしたよ?」


 「前にダンジョンの最奥で4頭の竜と戦った事があるんだが、ようやくその時の竜肉に届いたな。それ以前に狩った竜の肉が余っててな、今日ようやく食べ終わった。熟成に100年掛かるって事は、早々に腐ったりはしないって事だからな?」



 俺の一言を聞いて納得した王女組。昔に食べた事がある王族というのも理解したんだろう。硬い肉を必死に噛んだものの食べられず、希少な肉を食したとアピールするしかなかったというのを。


 わざわざシュラが口にすると、王女組全員が微妙な顔をした。そこにアルメアが自分もそうだったと追撃を加えると、何も言えなくなったようだ。まあ、食べられないほど硬い肉を、食べたと言い張らなきゃいけない王族って大変だとは思う。



 「言わないでくれ。我が帝国には竜の肉を食べて、その強大な力を取り込んだと言われる祖先もおられるのだ。それが硬くて食べられなかったのを宣伝に使っただけだと思うと……。仕方がないのだろうがな」


 「何処の国だって同じだよ。我が国だって似たようなものだし、せめて宣伝に使わないと納得できなかったんじゃないかい? とはいえ、竜の強さを考えると当たり前だろうと言われたら、何も言い返せないけどね」



 色んな事を話しているが、後片付けをして部屋に戻ろう。子供達も2匹も満足したようだし、女性陣も久しぶりの竜肉にご満悦だ。とはいえ確実に手に入れられる肉じゃないからなぁ。次はいつになるのやら……。


 片付けが終わったので風呂に入り、今は縁側で涼んでいる。一緒に風呂に入っていた2匹もダラーンとしていて、【冷風】を浴びながら気持ち良さそうな顔をしている。さて、汗も引いてきたので、そろそろ鬱陶しいのを排除するか。


 当然だが2匹も気付いているが、こちらに手を出して来ないので無視しているだけだ。俺は台所に入ると隠密の4つの技を使い、家の向こう側からこちらを窺っている男の後ろに立ち【衝気】を使って気絶させる。


 その後、素早く白い枷を2つ着けて話を聞く。この男は那古野城に居た越前の斯波家の家臣だ。俺達を仕官させられなかった事で帰れないのか、それとも気に入らないのか知らないが、とりあえず聞いてみれば分かるだろう。


 ………下らないな。予想した通りかよ、もう少し頑張れないもんかね? ………ああ、成る程。そういう事か、納得したわ。下らない事に変わりはないけどな。お前には3つ目の枷をプレゼントだ。


 2分待った後で外すと立派な聖人になっていた。ヤシマの国の最初の武士の聖人がコレかとは思うが、まあいいか。さっさと越前に帰れよ、じゃあな。そう言って、俺は男を帰す。


 家に戻って、2匹と共に部屋に戻ると皆から質問をされた。どうやら俺の気配が消えた事は分かっていたらしい。なので、越前から来ていた奴がウチを見張っていた事を教える。その一言で何をしてきたか皆は分かったようだ。



 「どうやら越前の斯波としては、何としても俺達を仕官させなきゃ困った状態になるみたいだな。だからこそ信秀さんに居丈高に話してたんだが、それが最悪の展開になった訳だ」


 「まあ、仕官させなきゃいけないアタシ達に対して、あまりにも印象が悪いからね。それはともかく、何でそこまで仕官させなきゃいけないんだい? 言葉は悪いけど、所詮は他所の国のヤツだろ?」


 「そうなんだけど、皆は覚えてないか? 越前といえば加賀と同じく、将軍や帝の命にも従わなかった所為で紅衆の地位を剥奪されてる。ついでに朝廷の官位もだ。つまり越前と加賀は紅衆が空席なんだよ」


 「「「「「「「「あー………」」」」」」」」


 「もし、この状態で別の奴が紅衆に任じられたら困った状態になる。越前の奴等は朝倉に従うだろうが、将軍からも朝廷からも見放されているとなれば、従わなくても罰を与えるのは難しい。建前が無いからだ」


 「既に紅衆ではない以上、国の者を従わせる建前が無いという事ですね。今は力で無理矢理従えているだけの無法者といったところですか。誰か他の者が任じられれば内乱になっても不思議ではありませんね」


 「だからこそ越前で大きな顔をしている斯波氏が、朝倉を救ってやった形にしたいみたいだな。どうやら越前でも、俺が帝に頼まれて管領の細川を【浄化】した事は知られているらしい」


 「ああ。要するにアルドを仕官させて、アルドに口添えさせて紅衆の地位に戻りたいという事ね。いえ、斯波家の力で戻れたという形にしたいのかしら?」


 「そういう事だろうね。実に下らないけど、政治というのはこういうものさ。ただ、露骨過ぎるうえに使者がバカ過ぎて失敗してるけど。普通に政治をしているといえば終わる話だったと」


 「しかし、失敗しているのだから驚くほど滑稽だがな? アルドの助力も得られず、むしろ印象が悪化しただけでしかない。結果としてみれば最悪だ。そのうえ聖人は正しく報告するだろうしな」



 まあ、今のところ北陸に興味も無いからどうでもいいけどね。



 ▽▽▽▽▽


 1670終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1795枚

 金貨2897枚

 大銀貨1710枚

 銀貨2620枚

 大銅貨471枚

 銅貨50枚


 神銅の処刑剣

 神銀の錫杖

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 神銅の数珠2個

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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