0166
「「「「チュッ!///。おはよう、皆」」」」
「おはよう、皆」 「ニャ」 「ガゥ」
「アルド、昨日はなんだったんだい? 物凄く心が充実してて、何回も満足させて貰ったのに求め続けちゃったよ。大変じゃなかったかい?」
「あれは、ああいう技だから皆の所為じゃないよ」
俺は【精気】の説明をする。あれは夜の技じゃないが、体力の回復を促す技だ。邪生の心臓を食べているとはいえ、4人も無尽蔵に体力がある訳じゃない。体力の消費は何気に多い。
体が頑強になった分、体力の消費も増えたと言った方が正しいか。それでも食べる前に比べれば体力は増えている。ただ、消費量も増えているというだけだ。
それに、邪生の心臓を食べても気力は増えたりなんてしない。闘気と気力は同じものじゃないので、当然と言えば当然だ。気力は精神力なので、鍛えて増えるというものでもない。
だからこその【精気】でもあり、この技が高難易度である理由も精神に作用するからだ。逆に使えば気力を減退させる事も出来る。
「説明したから分かっただろうけど、かなり高難易度の技だ。ただし、この技は当然自分にも使える。……と言うより、本来は自分用の技なんだ」
「そんな技もあるんだねぇ……。昨日は何か……こう、凄く充実してたんだよ」
「ええ。体の満足もありますけど、それ以上に心が満足しています」
「そうね。いつもの技のように凄く強い訳じゃないから、とても心が充実してたわ」
「気力が充実するって良い事だと思うよ。昨日は最後まで、自分のペースで満足させて貰えたからね」
「あんまり強い技は良くないのかもしれないな。気付かない不満は溜まっていたみたいだし」
「そうだね。でも、いつもの技も使ってほしいし、昨日の技も使ってほしい。色んな満足の仕方をさせてほしいんだよ、アタシ達」
「そうなんですが。私達も頑張ってアルドに満足してもらわないと」
「頑張って【房中術】を磨かないといけないわ」
「ああ。私達も精一杯の御奉仕をしないといけない。頑張って飽きられないようにしよう!」
「「「おー!!」」」
何だろうな? このスポーツ漫画的なノリ。なのに、頑張る方向はエロなんだぜ? 何かおかしいって思うのは俺だけじゃない筈だ。誰かが見ていたら同じように思うだろう、多分。
食堂に下りて大銅貨7枚を支払い朝食を注文する。待っていると女将さんが朝食を持ってきた。今日は機嫌が良いらしく、ニコニコと笑顔だ。
「おはよう、皆」
「「「「「おはよう」」」」」 「ニャ」 「ガウ」
「朝から色々なところで言われてるみたいなんだけど、帝国が攻めてきたらしいよ」
「「「「「えっ!?」」」」」 「ニャ?」 「グル?」
「あれぇ? 皇帝も皇太子も戦争する気は無かった筈だろ?」
「その筈だけど……。何かおかしいね? 幾ら何でも王国に潜ませた工作員を潰されてから、戦争って始めるもんかい?」
「どう考えてもおかしいですね? それに帝国が攻めてきたのなら、何故隣の侯爵が動いてないのでしょうか……?」
「もしかして……帝国が攻めてきたっていう、情報だけが出回ってるのかしら」
「成る程。ルーデル村で混乱を起こして……そうした場合、狙いは何だろうね?」
「占拠するのは無理だな、帝国からじゃ距離があり過ぎて維持出来ない。隣の侯爵でも無理だ」
「じゃあ魔銅……これも無いねぇ。帝国に運ぼうとしても、途中で王国の軍に奪われるだろうさ」
「魔物の素材……これも無いですね。普通にお金出して買った方がマシです。軍を使う方がお金が掛かりますからね」
「じゃあ……理由はなんなのかしら? 他に村で得する物って何かあった?」
「私は知らないよ。元村長のメルさんの方が知ってるだろう?」
「………」
「……? アルド、どうしたんだい? じっと、黙って」
「いや、何かを手に入れようとしてるんじゃなくて、誰かを殺そうとしていたらどうだろう?」
「誰かを殺すって……。帝国がアルドを狙ってるって事かい!?」
「可能性としては高くないと思うんだが、工作員をかなり潰してきてるからなぁ。知ってるなら確実に恨むだろうしな」
「そういえば、そうでしたね。アルドは暗殺組織を潰したり、帝国と近い貴族をブチ殺したりしてますから」
「知っていれば、確かに恨むわね。とはいえ、自国内の愚かな貴族の所為なんだし、筋違いだと思うけれど……」
「今の所、情報が少な過ぎて答えは出せそうにないね。迂闊に想像だけで決め付けるのは良くないし、保留にするしかないよ」
そうだな。アルメアの言う通りだ。決め付けておかしな間違いをしても、後で困った事になりかねないしな。それに、シュラが言ってた侯爵の動きが無いのも妙だ。
とにかく、ギルドへ言って情報を集めよう。部屋に戻り準備を整えて出発する。宿を出て直ぐ4つの悪意を感知し、その後ろに更に3つの悪意を発見した。
【空間把握】で確認すると、4人組と3人組の傭兵のチームだった。成る程な、傭兵の中にも帝国の犬が居たって訳だ。気付かないフリをしたまま、ギルドに行き中に入る。
素早く訓練場へと進み、こちらを見失った隙に【気配消失】【誤認】【幽体】を使ってギルドの外に出る。ギルドの建物に入って来た4人組とは別に、監視してる3人組の後ろに回る。
他の皆には、奇襲を受けない訓練場の中央で待機しててほしい事を【念話】で伝えてある。いきなりだったので驚いていたが、説明の暇が無いのでしょうがない。
「アイツ等はターゲットの処理が出来たのか? 随分遅いが……」
「男1人の処理に手間取ってるなら、失敗したか女に目が眩んだかのどっちかだな」
「チッ! 無駄なことをせず、俺達だけで終わらせるべきだったんじゃないか?」
「そう言うな。俺達の顔を覚えられる訳にはいかん。帝国に戻るのが難しくなるし、任務にも支障が出る。我等のような者が傭兵を隠れ蓑にしている事が露見してみろ、消されるぞ」
「お偉方は、代わりは幾らでも居ると思ってやがるからな。俺達のような者がどれだけ修行したか……精鋭なんて簡単には揃わないって事をまるで分かってねぇ」
「言いたい事は分かるし俺も言いたいが、俺達のような下っ端の扱いなんて変わらないさ。変わるならこんな苦労はしていない」
「本当に苦労するところは、金に目が眩んだバカどもにやらせればいい。俺達がこんな事で苦労を背負う必要なんて無い。それに、失敗しても金に靡くバカはどこにでも居る」
「違いない。バカが仕事をキッチリやるまで、俺達はゆっくり見ていればいいだけだ。それにしても……そんなに強そうな奴には見えなかったがな」
「相手を侮ると失敗するぞ。帝国内の仕事で何度かあったのを忘れたのか? 俺達のような者が失敗すると碌な目に遭わんのだ、気を引き締めろ」
そろそろ良いか。これ以上喋りそうにないし、こいつ等が帝国の工作員だという事も分かった。後は捕縛するだけだ。俺は【衝気】を使って、こいつ等を気絶させる。
そう思ったのだが、リーダーっぽい奴は気を抜いてなかったらしく、気絶まではいかなかった。ちょっと驚いたが、顎にフックをお見舞いして物理的に気絶させた。
アイテムバッグに残っていた石と木で、手枷と足枷を作って嵌める。その後2人を引き摺り、リーダーっぽい奴を背負ってギルドの建物に入る。
こっちを見て大勢がギョッとするが、全てスルーしてミュウさんにヴェルを呼んでもらう。そのまま待っていると、皆がバカ4人組を引き摺って連れて来た。ボッコボコにしたらしい。
皆は俺が引き摺ってきた3人のゴミどもを見て、大変イイ笑顔になった。え~っと……一応、こいつ等は自白させないといけないんで、ボコられると困るんですよ。
それにしてもそっちの奴等は、何と言うかボコられ過ぎてて哀愁が漂ってるな。
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0166終了時点
大白金貨1枚
白金貨2枚
大金貨14枚
金貨68枚
大銀貨92枚
銀貨54枚
大銅貨105枚
銅貨5枚
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトの小烏丸
ヒヒイロカネの小太刀
真っ黒な金砕棒
剣熊の爪のサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
二角の角の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
剣熊の骨の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
強打猪の革のジャケット
強打猪の革のズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ




