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1667




 朝食の後ウェリアを鍛えるため台所を使用して修行をさせる。身体強化をしながら闘神直伝の体操をさせていき、間違っている部分を指摘する。皆も自分の身体強化が間違っていないか修正しているようだ。それでいい。


 修正し続けるしかないし、繰り返していくとウチの女性陣みたいに自分で修正できるようになる。王女組はまだそこまでには到達してないな。何度も何度も修正しないと、その感覚は身につかないから仕方ない。諦めて回数を熟せ。


 そうやって教えていると誰か来たらしいが、ソイツはウチの門をジャンプで越えやがった。別に良いんだけどさ、雨が降ってるからって適当過ぎだろ。玄関まで来たソイツに【念話】を使い、台所に来るように言う。


 いきなり【念話】を受けてビックリしているのが【空間把握】で分かるが、さっさとこっちに来いよな。そう思っていると、台所に移動してきて挨拶を始めた。



 「お久しぶりです。ですが、いきなり声を掛けるのは止めてくれませんか!? 誰も近くに居ないのに声を掛けられるとビックリするのは当然でしょう!」


 「そりゃアンタが門を跳び越えたからだろう? 他人の家の門を跳び越えて入ってきたら唯の侵入者だ。警戒どころか、場合によっては殺されたって文句は言えないよ?」


 「それは……まあ、そうですけど。でも、跳び越えられる者は少ないと思いますし、アルドさんは私だと知っていた筈ですが?」


 「知っていたか知らないかは関係ありません。雨が降っているとはいえ貴女が横着をしたから責められているだけです。分かっているのでしょう? 少しは反省しなさい」


 「あ、はい。申し訳ありません。……ゴホン。それでですね、私が来た理由なんですけど、甲斐の国の事の説明となります。後は交易の品を聞きにきたぐらいでしょうか」


 「千代女は晴の所と交易をしているんだったね。そういえば主様が前回の別れの時にアイテムバッグを渡してた筈だけど、奪われたりなどしていないだろうね?」


 「しません。この通り死守してきました。甲斐の国って荒れてるからか、当初アイテムバッグを奪おうとする者が結構居たんですよ。あまりにも多いんで、武田様から盗人は殺していいっていう書状を頂いたくらいです」


 「それはまた……酷いわねぇ。そこまでの国だったの? 甲斐っていう所は。確かに貧しさから荒れているとは聞いていたけど、でも晴の父親が良くしたんじゃなかった?」


 「信虎様ですね。そうだったのですが、一部の者は米に戻そうとして武田様に怒られていましたよ。武田様が何度も、寒くなる所では米は上手く育たないと説明しているのですが、聞く耳持たない奴等が居るんです」



 千代女の話を聞いていると体操が止まるので、【集中】を使って修行に無理矢理に集中させた。他人の話を熱心に聞いている場合かって話だ。そんな事よりも練習をキッチリ熟せ。



 「甲斐の国は貧しいですから、尚の事多く採れる米を育てようとしてしまうみたいなんです。採れる量が少ないと飢えるという恐怖がどうしてもあるようですね。若いと近年の事もあるので大丈夫だろうと思えるんでしょうけど、年寄りは……」


 「昔の経験が悪い意味で出てしまっているんだろうね。飢えたのは甲斐の国では育ち難い米の所為なのに、収穫量が少ないと植えるという恐怖感があるんだろう。実際にはむしろ多いのに」


 「そういう事は我が国でもあったな。家単位で見て一喜一憂する者がおって困り事であった。実際に村単位で見れば収穫量は上がっておるというのに、たまたま上手くいかなかったからと全て否定する者がおるのだ」


 「それもあるだろうけど、米が食べたいって気持ちも分かるよ。どうしてもね、雑穀よりは米が食いたいさ。あたしだって雑穀とサーサどっちを育てるって言われたら、絶対にサーサを選ぶからね」


 「千代女が言っているのは違うぞ。ヤシマの国では米を売って雑穀を買うんだよ、庶民はそうやって生きている。米が得られないって事は、売れる物が少ないって事だ。雑穀は安値でしか売れない」


 「それで米なんですが、甲斐の国でも雑穀の税は安いんですよね。だから雑穀の方が飢えを乗り切れるんですけど……。買わなきゃいけない物とかもありますから。収入が減るのは困るのでしょう」


 「そりゃそうだろうけど、飢えて死ぬ事に比べればマシだろうに。酒でも飲みたいならダンジョンにでも行けばいいのさ。自分でモンスター狩って売ればいいだろう」


 「武田様も今はそう仰ってます。収入が欲しければ戦って自ら稼げって。腕自慢の者がダンジョンに入っては怪我を負っているみたいですね。元々甲斐の国は獣に負け続けていた国ですから」


 「そういえば魔物に負け続けだったと、晴の家臣が言っていましたね。晴が狩りをするようになってから、やっと勝てるようになったとか。戦争は別にしても、甲斐の国というのは魔物に弱い奴しか居ないんですかね?」


 「まあ……何とも言えないですね。強い者は居ますけど、弱くて口だけの者も多いです。信虎様が愚か者を大分叩き潰しておられたらしく、口だけの奴は減っていたそうなんですが」


 「父親が戦争で亡くなって、また口だけの奴が大きな声を挙げるようになったってところかな? 愚かな貴族とやる事が変わらないね。本当に戦う者なのか疑問があるよ。武力を持つから武士じゃないのかい?」


 「その口だけの者達は武田様が叩き潰されました。一切の容赦無く、長恵殿と共に突撃して行かれて。………ええ、私も何故かその時に居たのでさせられました。御蔭で酷い目に遭いましたよ」


 「戦に出て功を上げられたんでしょ。だったら良かったじゃないの」


 「そうですけど……。でもこっちは200で、向こうは800ですよ? それでこちらから切り込んで蹂躙する羽目になったんです。長恵殿と私で指示している者を狙い、武田様は相手の大将に突っ込まれました」


 「ああ、それで蹂躙ね。晴なら出来るだろう。どうも戦いの機微を掴むのは得意みたいだし、大将の首を獲ったら更に攻めるだろうさ。それで相手は瓦解するだろうねえ」


 「まったくもって仰る通りの、酷い戦いでした。アレって戦いっていうのでしょうか? 村人についてこさせて、私達3人で蹂躙していただけです。その戦いも簡単に終わりましたし。そんな戦が3回ほどあって、それ以降は逆らわなくなりましたね」


 「それはそうでしょうね。僅か3人に蹂躙されたとなれば、何を言っても説得力がありません。200対800で負けるのも恥でしかありませんからね。通常は大将の首など簡単には獲られないのですが……」


 「正しい身体強化が出来るのと、竜の素材の武器があれば可能だね。後は敵を殺すだけで済む。簡単な事さ」


 「その話が周辺の国に広がったからか、甲斐の国を迂闊に攻める事は無かったようですね。元々武田様は戦上手で有名でしたから、それがハッキリと出た戦だったと思います。馬に乗っていましたが……」


 「馬に乗って突撃して、帰ってくる時は徒歩だったんじゃないの? 正しい身体強化が出来るなら、小回りの効く自分の足の方が良いんだよね。坂道なら馬より速いし」


 「いえ。戦場に着くなり馬から降りて、敵陣に走って行かれました。慌てて追いかけたんですけどね、雑兵が構えるより遥かに速く突っ込むんですよ。長槍が対応出来ないまま、弓兵も越えて大将にまで行くんです」


 「その方が早いだろうからなぁ。正しい身体強化の強みを活かした戦い方だ。大将の首を獲られた時点で大敗は確定だからな。その後は逃げれば済むし、指揮系統はズタズタだ。逃げるくらいしか出来ないだろう」



 というより、雑兵は真っ先に逃げ出すな。死にたくないだろうし、大将が殺されたんじゃ逃げても罰は受けないだろう。通常の戦でも大将が殺されれば瓦解する。素早く大将だけを殺されても、結果は変わらないな。


 そもそも農民は戦を望んでる訳じゃないし、戦わされている部分が大きい。勝ち戦なら良いが、負け戦となれば我先に逃げ出すだろう。当然の事だ。



 ▽▽▽▽▽


 1667終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1795枚

 金貨2897枚

 大銀貨1710枚

 銀貨2620枚

 大銅貨471枚

 銅貨50枚


 神銅の処刑剣

 神銀の錫杖

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 神銅の数珠2個

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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