1664
それからも話は続く。子供達も遊んでいるので暇では無く、手持ち無沙汰にしている訳では無いので良かった。言っておかなければいけない事は無い感じだが、それなりに今年も色々動いていたみたいだ。
「そういえば越後だが、動きが無いと聞いている。愚か者どもも従うようになったらしいが、それ以降は何も動きが無いそうでな。おそらくだがダンジョンを探しておるのだろう。見つかったとは聞かんが、秘匿していれば分からん」
「まあ、裏切り者の多い土地らしいしね。見つかっても虎なら黙ってるだろうし、もしかしたら自分で中に入ってるかもしれないよ。いや、その可能性が高いか……。自分で酒の肴になりそうな魔物を調べてるんじゃないかね」
「何と言うか、滅茶苦茶な方ですな。近場から話していきますと、美濃に関しては大分治まったというところでしょうか。国境の者が小競り合いを仕掛けてきますが、直ぐに帰っていく程度で後は何もありません」
「向こうはダンジョンの活用で手一杯みたいですな。尾張は皆さんの助力があったので上手くいきましたが、美濃は手探りと尾張を真似る形で励んでおります。なので、なかなか上手くいかぬようです」
「それぞれのダンジョンは地域の特色が出てますので、尾張を真似ても上手くはいかないと思いますけどね。美濃のダンジョンに関しては、鉄が採れる可能性が高いダンジョンです。それを売った方が儲かるでしょう」
「成る程、美濃のダンジョンでは鉄がな……。また大きく揉めそうな話よ。鉄は何処でも不足しておるが、美濃のダンジョンで掘れるとなれば話は変わるぞ。どれだけ掘れるのかは知らぬが、幾らでも売れるのが鉄だ」
「そこは美濃という国に任せるしかないでしょうね。ダンジョンの中の山も、金属を見つけるには山師に任せるしかないわ。これは大陸の西側でも変わらない事よ。山師の取り合いもよくある事だもの」
「ふむ、山師ですか……。他の国からでも招ければいいのですが、他国も山師は手放しませんからな。皆さんの話を書状に認めるくらいしか無理でしょう。こちらが手を差し伸べすぎても恨みになりますので……」
「他の国の話に移りますが、伊勢は揉め始めましたな。北伊勢の神殿や神社が裏で奴隷売買をしておった事や、それを神宮が黙認しておった事が露見しましたので。こちらは皆さんに言われて知っておりましたがな」
「北畠の面目が傷付いた形だな。北伊勢だけなら知らんと突っぱねられただろうが、神宮が黙認しておったとなれば別だ。今回の事で神宮の名も落ちたし、都にもその報せは届いておるだろう。北畠も一緒にされたくはあるまい」
「伊勢はそんなところですな。近江は六角定頼殿が亡くなりました。皆さんが帰られた後10日もせぬうちに亡くなったっそうです。まあ嫡男が順当に当主になっておりますので、特に問題などは起きておりません。優秀なそうですし、家臣が支えておるようですから」
「京は相変わらずだし…・・・西国は毛利とやらが潰されたと聞いたな。陶と尼子が攻めたらしく、完全に潰されたそうだ。まあ争っている最中に要らぬ事をしてくる者など、こうなるのが当然だがな。神殿どもも大分奪われたらしい」
「いい気味ですがな。九州は激戦のようで一進一退らしく、どちらが優勢かすら分からぬくらいです。大友と島津の争い以外にも、小さな者達が蠢動しておるようで、本当に戦国乱世の様相を呈しておるとか……」
「私達が移動してきた所はそうでもなかったから、南の方で激戦も蠢動も起きているのだろうね。まあ、本当に群雄割拠の戦国乱世なら近付かない事が一番さ。近づいても碌な事がない」
「四国はいまだに三好が優勢な報せ以外ありませんな。逆に分かり難い為、そう見せておるだけなのでは? とも思われております。苦しいのを見せぬようにしておると……」
「まあ僕達も行った事の無い所だから、何とも言えないけどね。それでも行く気は無いかな。行っても碌な目に遭いそうもないし、わざわざ行く理由でもない限りは行かないだろうね」
「尾張より東は何とも言えぬところです。三河は問題無く治まっておりますが、それは西だけ。東は攻めてきたうえ、神社の銭が無くなり揉めております。権勢を誇った神社が没落しましたからな」
「それで思い出した。そなたが杭を刺した吉良の縁者な、生きておるぞ。ただし、下の方が完全に使い物にならなくなったそうだ。ピクリともせぬようで、更に性欲も完全に無くなったらしい。その所為で他の欲も薄くなったそうだ」
「ああ、山羊角の杭を刺したんだっけ。そうか生きてたか……まあ、放っておいて良さそうだし、放っておくけど。それと山羊角の杭とかキマイラの短剣のような危険物は、神様達に没収されたから。もう手元に無いよ」
「「「は?」」」
「神様に没収された。だからもう無いんだ。代わりに白い枷とか色々貰ったんだけどさ。既に無いから安心していいよ」
まだ分からないようなので3人にゆっくり説明する。王女組も白い枷と聖人の話をし、段々と理解できてきたんだろう。別の意味で恐怖し始めた。今の自分の意思が無くなり善行しか出来なくなる。それがどれほど怖ろしいか分かったらしい。
3人とも首を横に振った後、諦めの溜息を吐いた。特に神が怒り狂っていて、これを人間種に使えと命じた時点で駄目だと思ったんだろう。神の命では粛々と受け入れるしかない。そもそも腐った連中が悪いのだし、そこまで腐らなければいい。
「まったくもって、その通りだな。それ以外何も言えん。……そういえば東の話だったな。駿河は相当の弱体化をしておる。そなたが殺しまくった所為だがな。ただ、北条は不気味に沈黙したままだ。動かぬ理由は分からん」
「今川の駿河を取れば、もっと豊かになれる筈です。にも関わらず、今のところ動きがありません。古河公方を動かして牽制でもしておるのかもしれませんが、どうにも動きが見えてきませんな。ただ、まともに戦える状態では無いようです」
「少し前にも遠江の者らに攻められて防戦一方だったそうですので……。今まで雪斎が居たので上手くいっていた部分が、上手くいかなくなったのだろうと見ております。交渉事は特に雪斎がやっておりましたからなぁ」
「関東の方はよく分かっておらんのだ。昔ながらの小競り合いは今も続けておるらしいが、あそこは平氏も源氏もおる。名門揃いで何とも言えん。今の古河公方よりも名門の家ばかりだからな。東の公方は貧乏籤だと昔から言われる」
「仕方ありません。足利自体が元々源氏の御家人でしかありません。その源氏の家が未だありますし、平氏の家すら未だ残っておるのですから大変でしょう。正直、関東に生まれなくて良かったと思うております」
「まったくですな。関東に生まれたら胃が幾つあっても足りませぬぞ。それぐらい、あちらこちらに気を使わねばなりますまい。関東の下っ端の家の者らは大変でしょう」
「まあ、そなたらが居らぬ間のヤシマの国はそんなものだ。………奥羽の辺りか? あの辺りは何も起きぬよ。そもそも生きていくので精一杯ならしいからな。小競り合いすら起きぬ場所だ。まあ、その余裕すら無いのだから当然だがな」
「大きく何かが動いたりはしておりませんな。ただ地震もそうですが、何かが起きる前触れのような気がして怖い所ではありますが……」
さて、どうだろうな? 足利は弱体化してるが剣豪将軍は生まれない。代わりに一人の剣豪が生まれたが、それはそれで生きたいように生きているだけだから別にいい。
流れとしては大枠でズレてる気はしないが、俺達が動いた事で大きく様変わりした部分もある。早々に尾張と三河が落ち着いたり、美濃との争いが無くなったりした。その影響がどう出るのかは分からないな。
美濃、尾張、三河で固まれればいいが、美濃がな……。今はダンジョンでそれどころじゃないだろうが、代替わりすると仕掛けてきそうな気もする。その時には尾張や三河とは差が付いているとは思うが……。
ま、注視しておくか。
▽▽▽▽▽
1664終了時点
大白金貨101枚
白金貨498枚
大金貨1795枚
金貨2897枚
大銀貨1710枚
銀貨2620枚
大銅貨485枚
銅貨50枚
神銅の処刑剣
神銀の錫杖
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神金銀の勾玉
神銅の数珠2個
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




