1663
王女組やウェリアに挨拶をさせるのだが、まずは大陸の西側の説明が要るのでしておく。信秀さん達には多少話していたので、何となくは理解出来たようだ。そのうえで挨拶をさせる。
「私はガイアルム王国の第三王女。リンデリア・エッド・ガイアルムと申します」
「私は聖王国ラグナンドの王妹。リヴィアーテ・ヴィル・ラグナンドと申します」
「私は商業国家マールの王妹。キューレ・ウィム・マールと申します」
「私はディザルオン帝国の第二皇女。カイルリア・ゼオル・ディザルオンと申す」
「私はディアーナ様と同じ里出身の鬼人族でエイルズといいます」
「私はシュライア様やアルメア様と同じ里の吸血鬼族でザラ・シャンティと申します」
「私はガイアルム王国、辺境伯の娘。ウェリア・ファルアンと申します」
「これは御丁寧に。某はヤシマの国の尾州、尾張の国の守護を務めている織田尾張守信秀と申す。大陸の国の王族の方と御会いするなど光栄の極み」
「某は織田尾張守信秀様の家臣で、林秀貞と申しまする」
それぞれの挨拶も終わり少し気が抜けたようになったが、一応各国の権力者、または権威者としての挨拶は終わった。肩肘張るのも面倒臭いが、国家を代表する者として仕事はキチンとしなきゃならないからなぁ。大変だ。
「それにしても、今までこんな事は無かったと思うのですが、何故急に各国の姫君をお連れしてヤシマの国に来られたので?」
「特に大きな事情は無いんだけど、リンデ達もヤシマの国というより大陸の東側を見てみたくなったというところかな? 王族4人は4人共が傭兵なんだよ。ようするに魔物と戦って日々の糧を得ている訳だ」
「「………」」
「まあ、驚く気持ちは分かるんだけどね。変な奴の所に嫁がされて飼い殺しにされるくらいなら、自由に生きたいという者も中には居るさ。後は各国の王がそれを認めるかどうかでしかないよ」
「まあ、それはそうなのだろうが……。姫君が獣や妖と戦うのか? という気はするな。それは平民なり武士の仕事であって、姫君の仕事ではあるまいよ。そのうえ熟せておるというのは信じられん」
「ああ、鍛える事もしていない者が、まともに戦えるとは思えませんからね。とはいえウェリア以外はアルドが鍛えて身体強化も教えていますし、魔法も使えますから戦えはしますよ」
「「………」」
「何やってんだって言いたい気持ちは分かるんだけど、死なれるのも寝覚め悪いんで教えるぐらいはするよ。使い熟せるかは別だし、強くなれるかも別だ。使わなければ鈍るし、胡坐を掻いていれば衰える。当たり前の事だよ」
「……ま、それもそうか。勝家も少し前に慌てたようにダンジョンに行っておったしな。何でも上手く身体強化が使えんようになっておったらしい。あれには落ち着かせる為に内向きの仕事をさせておったのだが、どうもその所為みたいでな」
「そうでしたな。上手く使えぬ事でイラ立ちながら槍を振るっておったそうで、望月が何度も宥めながら教えておったと聞きました。戦に出る以上は強くあらねばなりませぬが、少し忘れていた程度で取り乱すとは……」
「まだ若いから仕方ないがな。それよりも先ほどは助かった。どうにも京八流に勝った事だけではなく、大陸の者を仕官させれば箔が付くと思っておるらしくてな。相当しつこいのだ」
「箔が付くって……完全に見栄の為の道具扱いじゃないの。その程度の事も分からないと思っているのかしら? 何処の国にもお馬鹿さんが居るわねー」
「アレらが居なくなる事は無いから仕方ないさ。愚か者ほど己が賢いと思い込む、だから愚か者だという事さえ理解しない。所詮はその程度だ。それよりも斯波とかいう家が関わっているみたいだけど?」
「先ほども申しましたが、斯波宗家の分家です。斯波家も幾つかあるのですが、尾張にあったのは斯波武衛家といいます。この武衛と呼ばれる官位を持つ御家が斯波家の宗家でした」
「確か足利が斯波の宗家の滅亡を認めた筈。誰かを養子にして継がせる事もしないのだから、言葉は悪いが縁は無くなったと言えるのではないか? まあ、もちろん斯波宗家があった事は残るだろうがな」
「うむ。何と申せばよいか……いつもいつも言う事だが、昔の事を持ち出す者は幾らでもおるのだ。己らは関わり無い癖にな、斯波家の分家だというだけで居丈高に振舞うのだよ。家臣が」
「まるで貴族主義ですね。貴族の威を借りて偉そうにふんぞり返る家臣。そのまんまじゃないですか。オレ達の故郷じゃ馬鹿にされて嫌われてるっていうのに、ここじゃ当たり前に許されてるんですか?」
「流石に当たり前ではありませんよ。ヤシマの国でも嫌われております。ただ、それでも家格としては上なので口が出せないのですよ。家格を大事にせぬなら、己の家も大事にされませんからね」
「ああ、成る程。そういう事ですか、面倒臭いですね。そこから逃げたオレが言う事じゃないですけど、本当に下らなくて面倒ばっかりなんですよ。意地の張り合いなんか見てると、お前達だけでやれって言いたくなりますし」
「「「「「「………」」」」」」
「まあ、そういう面倒臭いのは横に置いとこうよ。それより、この半年ぐらいでヤシマの国に動きはあった? 何か知っておかないと困る動きとか」
「ん? ああ、動きな……。京の都で細川と三好が争ったのは知っておるであろうし……ああ、甲斐の国は持ち直したそうだぞ。正式に武田晴信殿が後を継いだらしいわ。反発した者は叩き潰したらしいな」
「まだ反発する者が居たのかい? 南の駿河に破れ、地震があったのに立て直そうとはせず、今度は南に略奪に行って返り討ち。そんな馬鹿どもなのに晴が戻ったら反発とは。笑うしかないね、本当に」
「とにかく代替わりの際には一度は反発するものです。それを抑え込んでこそ、とも言われますので。ただ、反発したところは当然、面倒な家としか思われませんが……」
「いたって普通の話でしかありませんね。面倒なヤツの扱いが悪くなるなど当たり前の事でしょうに。だからこそ晴に叩き潰されたのでしょうけど。まあ、晴だと新しい者を引き上げるでしょうから良いんじゃないですか?」
その時、話し合いをしている大きめの部屋に平手さんと吉法師と帰蝶がやってきた。子供2人は蓮に用事があったみたいなんだが、イデアが居て驚いている。その後すぐに自己紹介していて、遊びを始めたようだ。
皆は微笑ましく見ているが、そういえば此方の自己紹介を忘れていた。
「そういえばイデアとエイダは初めてだったな。あそこに居る黒髪黒目の男の子がイディアルマ、愛称はイデアだ。呪神、つまり呪いを司る神の子で呪人族の始祖だ。始祖だから当然、不老長寿となる」
「「「………」」」
「まあ、驚くのも分かるけどね。とはいえ主様と共に<封呪界>に飛ばされた身としては、事実としか言えないよ。後、呪神様を勘違いしないようにね。神罰を受けても知らないよ?」
そのアルメアの一言で背筋を伸ばしたヤシマの大人組。子供達2人は遊んでいるので分かっていない。呪神は呪いが広がらないように封じて管理している神だ。呪神が管理してくれなければ、呪いは蔓延している。
「恐ろしい事実だな。ある意味で聞きとうなかったが、そうも言えんか。しかし、愚かな人間種が生み出したものであり、呪いの神が生み出したものではないとは……」
「神に御迷惑をお掛けしておるだけであったとは………。何と言いますか、本当に愚かなのだなと呆れてしまいますな。いえ、呆れておるだけでは駄目なのですが」
「とはいえ呪いともなれば、穢れ以上に我等には如何にも出来ませぬな。穢れとて神殿に行き祓っていただくしかありませぬし、民では祓ってもらう銭を用立てるのは大変です」
そういえばヤシマの国では聖人にしてないんだっけ? 白い枷は去年ヤシマの国から戻って、それから手に入れたんだったな。なら、不良神官は聖人にしていこう。そうしよう。
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1663終了時点
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銀貨2620枚
大銅貨485枚
銅貨50枚
神銅の処刑剣
神銀の錫杖
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神金銀の勾玉
神銅の数珠2個
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




