1662
<異世界829日目>
おはようございます。今日はナコヤに挨拶に行くか、それとも西部さんの屋敷に挨拶に行きます。一応信秀さんの所に挨拶に行くのが先かね? 尾張のトップだし。パッと言ってパッと帰ってこよう。
人数もそんなに沢山で行ってもしょうがないが、よくよく考えれば王女組とかは連れて行くしかないのか。流石に他国の王族が居るのに挨拶に行かないのもな。とはいえ他国だと地方貴族とも言えるし、難しいところだ。
朝の日課を終わらせて、台所に移動したら緑茶を淹れる。飲みながら朝の献立を考えているとダリアがやって来た。最近は珍しいなと思いつつ神水を水皿に入れて出すと、ゆっくりと飲んでいる。
他に誰もいないからかペシペシ叩いてくる事も無い。飲み終わったらダリアは胡坐の中に入って来て丸くなる。先ほどまで寝ていたと思うのだが目を瞑っているので、そのまま放っておく事にした。
アサリと蛤を茹で中身を取り出したら、魚醤やハチミツなどを混ぜた調味液で甘辛く煮ていく。【浸透】や【熟成】で煮込んだら、次に饅頭の生地を作る。それが終わったら甘辛く煮込んだ物を中に詰めて饅頭を作っていく。
そうやって作っていると皆が起きてきた。朝の挨拶をした後は蒸し器に入れて饅頭を蒸していく。出来上がったので、2度目をセットして蒸しながら食べよう。いただきます。
「今日はお茶を飲みながら饅頭か……。コレ、昨日の貝だね。甘辛く煮てあるんだけど、コレはコレで美味しい味が出てる。まさか饅頭の中身をコレにするとは思わなかったよ」
「確かにコレはありですね。甘辛い味付けですけど、昨日と同じで貝の美味しい味はします。思っているよりあっさりしているので、朝には良いですね」
「これね。皮と一緒に食べても、貝だけ食べても美味しい。お肉だと、中だけ食べたら濃いのに、貝はそんな事ないの」
「ああ、それは確かに。貝だとそこまで濃くならないのに、でも皮と食べても丁度良い感じはするね。なんだかちょっと不思議な感じがする」
ああ、旨味が濃いからだろうな。確かに甘辛煮にしたけど、だからといって貝の旨味が抜けてる訳じゃない。煮汁に出てそして貝の身に戻った感じかな。旨味の味があるから、そこまで濃い感じがしないのに美味しいんだろう。
2度目の蒸しが終わる頃になると王女組とウェリアが起きてきたので、朝の挨拶をしてから王女組のを蒸していく。適当に雑談をしていると頭が覚醒してきたのか、ようやく自分達が遅く起きた事を自覚したらしい。
女性陣が遅かった原因を追究しているが、それをする意味無いから。何でかなんて昨日渡した物の所為に決まってるだろうに。そしてそれが当たっていたと暴露するキューレ。お前さんか……口にするのは。
蒸し終わったので渡していくが、朝からなんて話をするんだコイツらは。子供達が居るっていう自覚がないのかよ。子供達は興味の無い話だからかスルーしているけど、朝だしそろそろ止めような。
「申し訳ありません。とはいえ、昨日は思っているより大変だったもので。誰も”怪我”をする事はありませんでしたけど、本当の意味で”使った”事は無いので色々と……」
隠してまで喋らなくてもいいから、もう大人しく朝食食べてろよ。そんな話は聞く気無いっての。それよりも、今日はナコヤ城に挨拶に行くからな。西部さんの屋敷でも良いんだけどさ、多分広忠の所に居ると思うんだよ。
だから行っても意味無さそうだし、一応守護なのは信秀さんだからさ。挨拶するならそっちだろ。他国なら地方領主だけど、ヤシマの国は色々特殊だからな。それに挨拶をしておいて悪い事は無いし。
ついでにこの半年ぐらいの動きを色々教えて貰いたいしな。そういう事で朝食が終わったら準備をするように。今日は急いでないからいいけど、夜の所為で朝が遅れるとか良い事じゃないぞ。
説教でもない事を言いつつ、料理道具を片付けて収納する。部屋に戻って布団などを綺麗にして収納したら、台所へ戻る。その頃には食べ終わっており、お茶のおかわりをしながらゆっくりしていた。
俺もゆっくりしつつダリアとフヨウの相手をしていると、王女組も動き出した。もうウェリアも王女組に混ぜていいな。アイツも一応は辺境伯家の娘だし。生まれは良いんだよ、生まれは。育ちは別だが。
どうやら部屋を片付けてきたみたいなので調べるも忘れ物は無し。なので家の外へ出し、俺だけ残って閂をしたら跳び越える。それが終わったら出発し、走りながらナコヤの城へ。ウェリアの走行訓練も兼ねているんだが、下手だなぁ。
身体強化をしながらの走りにそこまで慣れてないからしょうがない。少しだけ走るのと、走り続けるのは同じじゃないからな。練習で3分走るのと、本番で30分走るのは同じじゃないって事だ。
それでも最後には身体強化を切らさず走ってこれた。ナコヤについた俺達は那古野城へと移動する。門番に話を通すと中へと聞きに行き、戻って来たら丁寧に通された。その事に何か言おうとした様だがスルーしておく。
中に入って少し歩くと林さんが出てきて案内してくれる。何かあったのかと思うも、特に何も無いとの事。……少し奇妙に思いながらも中に入り、信秀さんの居る部屋まで案内される。
部屋の中に入ると、信秀さん以外に誰か居た。俺達は気にせずに入っていき座ると、知らない奴がこちらを睨むようにして聞いてくる。
「いったいこの者達は何ですかな? よく分からぬ者達を話し合いの場に上げるとは……礼儀に欠けると思わぬのか。これだから元守護代の下っ端は」
「それとこれとは関係が無いな。そちらが言っていた京八流に勝った方、それがそこに居る方々だ。良かったな、そちらの心根がよくお分かりになられたであろう」
「なっ!?」
「林さん、どういう事?」
「実は、京八流に勝たれた皆さんを仕官させようと、多くの所から尾張に来ておるのです。大抵の使者は、そもそも皆さんがヤシマの国の者ではないと説明すれば分かって頂けるのですが……。一部の者はしつこいのですよ」
「そうなのだ。我等が隠しておるとか、囲っておるとかな。実にバカバカしい想像を勝手にし、いちいちこっちに言ってくるのだ。そんな者が相手にしてもらえる訳がないというのにな」
「グッ!? ググググ……」
「それで、この阿呆は何処の誰なんだ? 1国の守護をここまで虚仮にするんだから、さぞ立派な家柄の所の家臣なんだろ?」
「この者は越前の斯波家からの使者ですな。元々殿の織田家も守護家であられた斯波家も越前なのです。私もいつかまでは詳しく知りませんが、ある時期に斯波家の宗家は尾張に移り住み、それに随行されたのが殿の織田家なのです」
「ふーん。斯波っていう家にも分家はあるんだろうけど、その分家の家臣が調子に乗ってホザいてるって訳だ。何で家臣如きが調子に乗ってるのさ。やってる事は京の都を焼いた細川ってヤツの家臣と、何も変わらないと思うけどね」
「確かにそうですが、こういう事をする奴というのは大抵そこまで考えられぬのです。そもそも考えられるのであれば、こんな者を使者として寄越したりはしません。斯波家の分家の名が傷付きますからな」
「グッ!? ……失礼する!!」
ドタドタ踏み鳴らしながらバカは出て行った。間抜けな姿を晒しておいて、今さら大丈夫なのかねえ。お宅の家臣はこんな間抜けな姿を尾張で晒しましたよ。素晴らしい家臣をお持ちですね? と言われたら面目丸潰れだな。
そう言うと、若干なんとも言えない目で見られた。勿論そうする気だったんだろうけど、ハッキリ言われると何とも言えなくなってくるんだろうな。自分が出した使者もバカをやってる可能性はあるし。
「そうなのだ。それを考えると何とも言えん。ああいう愚か者は何処にでもおる故にな。それよりも今年は早かったようだが、何かあったか? ……知らぬ女子を多く連れて来ておるようだし」
まずは挨拶をさせた方がいいな。
▽▽▽▽▽
1662終了時点
大白金貨101枚
白金貨498枚
大金貨1795枚
金貨2897枚
大銀貨1710枚
銀貨2620枚
大銅貨485枚
銅貨50枚
神銅の処刑剣
神銀の錫杖
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神金銀の勾玉
神銅の数珠2個
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




