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 襲ってきたアホどもを皆殺しにして王都を出た俺達は、一路東へと進んでいる。しかしながら急いでも限度があり、今日はポーンの村の近くで野営をする事になった。王都の東のセウェルの町で休んでも良かったのだが、おかしな奴等が手を出してくる恐れがある。


 特に結構な数の兵士や騎士などを殺している俺達に対し、追っ手を差し向けるのは自然な事でしかない。なので極力離れようと思った訳だ。それにしても、かつての蛮族国家の時代、一番暴れたのはエルダ海洋国の奴等の筈なんだがな……。


 そんな話をカマクラや焼き場に、テーブルと椅子を作った野営地で話す。皆も思い出したのか、色々と話していく。俺とメルに子供達、そしてエリアとフォルは料理をしつつだ。



 「そういえばそうだったね。蛮族国家の本国の奴等は、そこまで暴れたりしてないんだっけ? 一番暴れたのがエルダ海洋国の連中と、帝国の東の……あー、成る程」


 「あの辺境伯の血筋に、先ほどの下らない連中ですか? 蛮族国家の時代に暴れた連中の血に連なってそうですね。特に帝国の辺境伯と、あの近衛騎士団長は」


 「私としては認めてはいかんのだろうが、認めざるを得ないと心の何処かで思ってしまうな。流石に辺境伯は酷すぎるのだ。周りに恵まれんと、あそこまでになってしまうとは」


 「私達も他人事じゃないけどね。運が良かったというべきか、それとも継ぐ立場じゃなかったからなのか。それはそれで難しいところだけどね」


 「確かに。王太子であった陛下……兄上と私の側近達が同じ筈がありませんし、同じ教育ではありません。比べられるものが無ければ、比べる事も出来ませんからね」


 「そういう意味では私は母からでしたね。お姉様方の事を聞いて育ちましたから、漠然と傭兵というものを聞いていましたので、貴族や王族以外の事について多少は知っていました」


 「私など母上が傭兵だったからな、直接教えて貰えた。そういう意味では、比較するもの自体は自分の中にあったのだな」



 色々な話をしているのは良いんだが、ふと気になる事があったのでウェリアに聞いてみる事にした。



 「話は変わるんだが、ウェリアが武術大会に出たのは何故だ? あの時には既に性病を患ってたよな? にも関わらず、何故あんな目立つ事をした? まあ、何となくは分かるんだが、一応な」


 「あー……お分かりかもしれませんが、消える前に自分の名前くらい良い意味で残したいなと思いまして。それで出場したんですよ。で、皆さんを見た時に、ついていけば遠くに行けるんじゃないかと」


 「それで一緒に来たいと言い出したと。貴方も今は治ったから良いと言えるけれど、あの試合場に居た誰かにうつしたかもしれないのよ? あくまでも可能性だけど。そこは考えておかなければ駄目よ?」


 「すみません。あの時は何処に行こうかとか、何処で死のうかとばかり考えていたもので……」


 「まあ、今は治ったからもういいけど……。それにしても、病気の人を出されると困るんだよね。キチンと気をつけているのに心無い言葉とか言われるしさ。馬鹿の所為で皆が困るんだよ、アレ」


 「夕食が出来たし、そろそろ配膳を手伝ってくれ」



 その一言で動き出した皆は、自分の分を入れてさっさと食事を始めた。先ほどのウェリアの話は終わったので、皆はもうその話題に触れない。俺も触れる気は無いけど、死のうとしていた割には矛盾した行動をしてたからな。それが引っ掛かってただけだ。


 まあ切羽詰った奴なんて当然のように矛盾した行動をとるから、あんまり深堀しても意味無いんだけどさ。一応聞いておいた方がいいかと思ったんだが、本当に聞く必要が無かったな。


 夕食後、ウェリアにだけ身体強化を教えている。本格的に教えるのは初めてだが、今しか時間がないんだから諦めろ。文句を言おうが何をしようが、教えると決めた以上教えるんだ。それ以外は無い。


 それでも五月蝿いので【集中】を使って教えていく。センス自体は悪くない。リンデに勝つぐらいだし、何と行っても傭兵ランク9だ。少なくともランク6になる実力はあるって事だからな。その上は貴族関連だが。


 それとコイツ、何故か体を動かすセンスも良い。もしかしてエロで鍛えられてる? インナーマッスルが? ………妙な鍛え方だが、コイツの場合は可能性があるんだよなー。それが何とも言えない。


 ウチの女性陣もだが、エロに熱心だと強くなるってどういう事だよ。色々とおかしいという自覚をしてほしいところだ。言うと余計な言葉が返ってくるんで言わないけどさ。


 子供達がお眠になったのでカマクラに入れて、2匹と共に【昏睡】で深く眠らせる。すると女性陣が雪崩れ込んできたのだが、既に各カマクラは閉じてあった。どうも子供達を抱き上げた時から、動いていたらしい。


 ウェリアが疲れ切った顔で寝転がっているようだが、大丈夫そうなので放っとこう。俺は女性陣を丁寧に優しく撃沈し、体を綺麗にしておく。リンデ達は無理だが、ウェリアは寝ていたので綺麗にしておいた。


 最後に勾玉で邪気を吸引し【浄化】したら、おやすみなさい。



 <異世界816日目>



 おはようございます。今日は一気に進んで行こうと思っていますので、出来ればダルダン聖国を越えたいですね。山の上は寒いし、未だ暑い空気の間に越えておきたい。そういえば熊のきぐるみを王女組もウェリアも持ってないな。


 いや、リンデだけは持ってたか? ヤバイ覚えてない。まあ、ヤシマの国に行ってからになるから、今考えても意味は無いけど。朝の日課も終えたし、とりあえず起きて朝食の用意をするか。


 全粒粉を塩と神水で混ぜていると、蓮とイデアが起きたようなので入り口を開けてやる。鍋を一つ出してもらい、神水を自分達で入れさせて、紅茶の茶葉を取り出してもらう。後は適当量を入れさせ、自分達で煮出させた。


 どうなるかは2人の淹れ方次第だ。そこまでマズい物にはならないだろうと思うが、どうなるかな? これも経験だ。そう思いながら捏ね終わった生地を横へ置く。次はスープだな。


 ウィンドチキンの骨で出汁をとり、野菜を煮ただけのシンプルなスープにする。ブラックリザードマンや竜のかす肉に、海老や貝の身に野菜を加えて炒めていく、ある程度火が通ったら調味液を作って絡めたら完成。


 生地を蒲鉾の形にしたら竜の脂を熱して溶かし、揚げ饅頭を作っていく。それを見ながら、紅茶にハチミツを入れて飲む2人。女性陣も王女組もウェリアも起きているが、皆が取り合いをしたので2回目を淹れている。


 ハチミツがあると飲むなぁ、と思いながらも集中して揚げ饅頭を量産していく。朝食が出来たので運んでもらい、すぐに食べ始めた。揚げ饅頭は冷めると美味しさが減るからな。



 「ん! この揚げ饅頭っての美味しいですね! パンっぽいのを脂で揚げるってのがビックリですけど、食べてみてもビックリですよ」


 「この炒め物に入ってるのブラックリザードマンの肉かい? だろうねえ。ダリアの食い付きが凄いから直ぐに分かったよ。相変わらずリザードマン系の肉には、異様に反応するからさ」


 「何かしら琴線に触れるのでしょうが、何が琴線に触れているのかは分かりませんね。私達としては、それなりの肉でしかありませんから何とも……」



 そんな一部が喜ぶ食事も終わり、カマクラなどを壊したら木像に乗って東へと進む。昨日の遅れを取り戻すように一気に進んでいき、ボルダイクの町で早めの昼食をとったら、夕方にはコベイの町に着いた。


 ダルダン聖国の端に何とか辿り着いたな。ここだと小麦のパンが出てくるので、芋中心の食生活ではない。皆もその事に安堵しているようだ。中に入った俺達は大銅貨8枚で大部屋をとり、王女組とウェリアで分かれて部屋を取る。


 それが終わったら食堂に行き、大銅貨14枚を支払って夕食を頼む。出てきたのは多めのダルダン芋だった。そういえばブラギア王国もダルダン芋を多く栽培してるんだっけ?。


 まあ、諦めなさい。



 ▽▽▽▽▽


 1649終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1795枚

 金貨2899枚

 大銀貨1713枚

 銀貨2624枚

 大銅貨828枚

 銅貨50枚


 神銅の処刑剣

 神銀の錫杖

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 神銅の数珠2個

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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