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0164




 「1つずつですね、これは……。まずはアースゴブリンが19、コボルトが10、イエローコボルトが7、オークが19、ダッシュボーアが3」


 「こっちはスマッシュボーアが6、レッドパンサーが7、ウィンドディアーが5、ソードグリズリーが7、レッドパンサーの邪生が2だ」


 「改めて見ると、大量に狩ったねぇ……。1日でこれかい……気付いたらとんでもない事をしてたんだね、アタシ達」


 「流石にこれは、とんでもないとしか言えん。よくもまぁ、これほど狩ってきたものだ」


 「私も初めてですよ。1度で、これほど持ち込まれたのを見るのは」


 「全部で金貨18枚、大銀貨169枚、銀貨41枚、大銅貨108枚となる。流石にこれだけ大量に査定すると疲れるな」


 「……ん? 値段が下がってるのかい?」


 「今から説明するつもりだったんですよ。レッドパンサーやソードグリズリーの値段は下がっているんです。結構市場に流れましたので……」


 「あー……。私達の所為ですね。結構倒して売りましたから」


 「そういう事だ。ソードグリズリーは半値にまで落ちている。それでも金貨2枚という高値だがな」


 「金貨25枚、大銀貨50枚、銀貨20枚、大銅貨128枚でお願いします」


 「分かりました。伝えておきます」



 その後、登録証を返してもらい、お金と木札を受け取る。ギルドへの道で売却金を5等分し、俺は金貨5枚、大銀貨10枚、銀貨4枚、大銅貨28枚を受け取った。


 今日の儲けは大きいが、これを毎日やると魔物が居なくなってしまう。明日は適当に狩りをするか、依頼を請けるか、それとも休みにしよう。……おっと、ギルドについたな。


 扉を開けてギルドに入って直ぐ、後ろのバカを一本背負いで投げ飛ばす。当然4人の居ない方に投げたんだが、強かったのか結構いい音がした。投げられたバカは悶絶している。



 「人のアイテムバッグを奪おうなんて、随分いい度胸をしてやがるな。そんなに死にたいのか?」


 「グゥ……クゾッ………勝手な……言い掛かり………」


 「そうか、なら拷問を始めようか。お前が口を割るまでな?」



 俺はサバイバルナイフでこのバカを切り刻む。浅く切っているので、そこまで重い傷ではない。だが、痛みが強く出るように切っている。当然だが、拷問なので【白痴】も使う。


 ギャーギャー喚かせた後に【白痴】を使って喋らせているので、傍目には屈服したように見えるだろう。4人は【白痴】を知っているので、喋った事が全て真実だと分かっている。


 ただ、周りの連中はそれを知らないので、こういう手順が必要になる訳だ。あっさり喋った内容は、バカバカし過ぎるものだった。周りの連中も呆れている。


 簡単に言えば、娼館に行く金が欲しかっただけのようだ。このバカが相当入れ込んだ男娼が居るらしい。同性愛だろうが何だろうが、どうこう言う気は無いが犯罪は犯罪だ。



 「バカな奴はどこにでも居るけども……何て言えばいいのか。久しぶりに、よくいるバカが出て来たね?」


 「娼館に通うお金の為に襲ってくるというのは、久しぶりと言えるぐらい普通の理由ですね」


 「ええ。暗殺者とか、貴族のいいなりになってる傭兵とか、色々な者に監視されたり襲われたりしたものね」


 「そんな傭兵が居たのかい? 暗殺者に襲われた時は私も居たけど。その前からもあったのか……」


 「正確には、貴族の言いなりだった王都のギルドマスターに脅された傭兵だったよ」


 「それは……どうなんだろうね?」


 「姉上。既に私の名で傭兵ギルドの総本部に知らせていますから、何かしらの報復はあると思います」


 「おや、総本部の報復かい? それはなかなか面白い事になりそうだね」



 バカは引き摺られて行ったが、お構いなしに皆は話しをしている。まぁ、バカがどうなろうが知った事では無いと言えばそれまでだが。完全に居なかった事にされてるな。


 俺はミュウさんに手続きを頼み、終わるのを待つ。獲物が多かった所為で結構時間が掛かるらしい。ギルド内の椅子に座ってゆっくり待つ事にした。



 「しかし、ギルドマスターが貴族の犬とは……世も末だね。この国は本当に危ないと思えるよ」


 「ところがねぇ……。実は帝国が長年この国にやってる攻撃なんだよ。貴族主義を流行らせたり、貴族と平民を仲違いさせたり、ギルドと傭兵を対立させたりしてるのさ」


 「ほう。帝国がそんなことを……。でも何故そんな事を知ってるんだい? それは完全に国家機密だろう?」


 「アルドが幾つかの暗殺組織や貴族をブチ殺した際に、機密文書とか奪ってきてるんですよ」


 「流石は主様」


 「そこで手に入れた機密文書は、近衛騎士団長であるライブルの所へ放り込んだりして知らせてあるよ」


 「後は国がする事であって、アタシ達のような傭兵がする事じゃないからねぇ……」


 「そうね。戦争にはならないだろうし、私達がする事は何もないわ」


 「ん? ……戦争にはならないのかい?」


 「皇帝も皇太子も戦争をする気はないのよ。ただ、皇太子に従ってる貴族が勝手な事をして迷惑を掛けてるみたい」


 「皇帝の側近達が長年掛けて王国に潜ませてきた暗部。そういう奴等が、バカな貴族の所為で次々に露見してるんですよ、姉上」


 「何だろうね? 急にバカバカしい話になったような……?」


 「苦労してる下っ端を王都の北で捕まえたろ? あいつ等はその尻拭いだよ」


 「……ああ! 思い出したよ、あの可哀想な者達! ……本当に碌な事をしないね、色んな意味で」


 「帝国内でも責任の擦り付け合いをしてるんじゃないか? 俺が帝国の手の者を結構潰したんで、その責任はかなり大きいだろうしなぁ」


 「そういえば、アルドが大きな町で動くと大体帝国が絡んでましたね。で、アルドが潰して回ってたと」


 「そうそう。動く度に帝国だっていうぐらいに多かったんだよ。だから、帝国側は相当アルドに潰されてる筈だよ」


 「俺が悪いんじゃなく、俺達に手を出そうとしたアホどもが悪いんだよ。俺達を殺したり売り払おうとしてたんだぞ? 殺してくれって言ってる奴等を殺すのは当たり前の事だ」


 「まぁ。アタシ達に手を出そうとしたんだから、アルドに殺されるのは当然だけどね」


 「そうですよ。アルドが自分の女に手を出そうとされて、許す筈がありません」


 「そうよね。私達はアルドの女だもの」


 「主様は、自分の女はちゃんと守ってくださるからね」



 急にジト目で見られてるな。どうしてそういう方向へ話を持って行くんだろうね? 4人は。


 アルメアが帝国の話に対して知らないフリをして、皆に伝えようとしてた事までは良かったのに。


 帝国の話だった筈が、急に惚気話になったら誰だってジト目になるだろうな。俺だってそうなる自信がある。帝国の話しは伝えられたので、ここからは人伝に拡散していくだろう。


 とにかく、不安になる必要は無いが多少の危機意識は持っておいてほしい。それと、ギルドと傭兵の対立は帝国の工作だと理解させておかないと、妙な争いになっても困るしな。


 帝国は厭らしい攻撃を幾つもしてきているので対処が面倒なんだよ。王国はどうでもいいが、ルーデル村や魔眼族の里と吸血鬼の里は守ってやりたいし。


 ん? ミュウさんが呼んでるな。ああ、やっと手続きが終わったのか、それにしても長かったなぁ。全員の登録証を返してもらったので、そろそろ宿に帰ろうか。



 「そろそろ宿に帰ろうか、手続きも終わったし。皆の登録証を渡すから、こっちに来てくれ」


 「やっと終わったのかい。えらく時間が掛かったねぇ……」


 「1日であれ程の獲物を狩って来られると、その分だけ時間が掛かりますよ。邪生まで含まれてたんですから」


 「あー……。種類も多いうえに邪生まで居ましたね、確かに」



 まぁ……気持ちは分かる。解体所でも多いって、愚痴を言われたからね。



 ▽▽▽▽▽


 0164終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨14枚

 金貨68枚

 大銀貨92枚

 銀貨54枚

 大銅貨119枚

 銅貨5枚


 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトの小烏丸

 ヒヒイロカネの小太刀

 真っ黒な金砕棒

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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