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1643




 ウェリアが出た試合は準決勝だったが、動揺した所為なのか、それともアイツも御前試合に出たくないのか敗退した。どうやら敗者の試合にも出ないらしい。そのまま負けたウェリアはこっちに来た。



 「皆さんお久しぶりです。それよりそこの方、ズルいんじゃないですか? 明らかにワザと手を抜いてましたよね。さすがにオレでも分かりますよ。何でそんな事をするんです?」


 「それは御前試合に出る気が無いからです。他の皆が残っているなら良かったんですけど、もう私しか残っていませんでしたからね。ならば適当に負けて終わらせるだけです」


 「そもそもなんだけど、私達は結構な制限を付けて戦っていたからね。結局のところ、手を抜いているというなら全員手を抜いてるんだ。キューレだけじゃないよ」


 「そうだな。それでも負けたのだから言い訳など出来んが……。しかし、上手く隙などを突かれると私達でも負けるという事が分かったのだ。精進せねばならぬだろう」


 「ええ。流石に対人戦を知らなさ過ぎたのだと思います。やはり魔物は素直に戦ってくれるのだなと、改めて思いましたね。人間種相手だと、これほど駆け引きがあるとは……」


 「ええー………。この人達全員が手を抜いてたんですか? 当たると厄介だなぁ、と思って注意して見てたんですけど、まさか注意を向けていた4人全員が手抜きだったなんて」


 「ウェリア。貴女は辺境伯の娘でしょうに、4人が誰かも分かっていないようですね? そんなだから駄馬と言われるんです。辺境伯の下に帰って少し習ってきなさい」


 「いやいや、またオレの事をそう言う……。止めて下さいよ。それに、彼女達がどうかしたんですか? 別に皆さんの知り合いだっていう時点で、手を出す気なんてありませんけど?」


 「アンタねえ……。いや、辺境伯の下を若い頃に飛び出たアンタは知らないのか。リンデ、リヴィ、キューレ、カイリは各国の王族だよ。王女、王妹、王妹、皇女。言われればアンタでも分かるだろ」


 「…………いやいや、何で大会なんかに出てるんですか? 間違いなくマズいでしょ。何かあったらどうする気です? 誰が責任とるんですか!?」


 「それ以前に、君も言われなければ気付かなかっただろうに。往々にしてそんなものさ。仮に気付いても、そっくりな誰かとしか思わないものだよ。更に先ほども言った通り、彼女達は手加減をして試合に出ている」


 「ああ、成る程。つまり試合を見て実力を見切ったと思っても、いざ襲えばボッコボコにされるって事ですね。それなら良いんですかねえ……オレには分かりませんけど」


 「辺境伯ってまさか……ファルアン辺境伯ですか? アルドさんを暇潰し相手にしようとした所為で殺気を受けて、下が大変な事になっていましたね。女傑と言われていたのですが、アレを見ると……」


 「何やってんですかね? あの人は……。昔から能力の足りない相手を見下す事がありましたけど、傭兵だからって見下したのか、それとも他に何かあったのか……」


 「雨の日の余興の様にして呼び出していたな。王太子殿下とリンデが居たから考えたのだろうし、依頼という形にしようとしたのだろう。とはいえ、そもそも傭兵は依頼を断る権利があるんだがな」


 「上に行くほど拒否出来ないというか、請けざるを得なくなっていくみたいだけどね。だからこそランク6で止める実力者が多いんだし、登録し直してランク6で止めたりするんだけど……」



 話していたら決勝も終わったようだ。決勝の前に敗者復活の最後の試合があり、負けた者も十分にアピールできたみたいだ。どうも敗者復活だと思っていたら、運悪く負けた者も、見ている観客にアピールできるだけだった。


 とはいえ、名前を売るにはアピール出来た方が良いからな。傭兵でも名前を売りたい奴は居るし、そうなるとアピール出来る場はあった方が良い。それに実力者同士でぶつかって負けたなら、その後は敗者の試合でアピールし続けられる。


 そういう意味でも敗者の試合はあった方がいい。そんな話をしながら宿へと戻る。ウェリアは別の宿に泊まっているらしく途中で分かれたが、底無しの性欲の事を聞いた王女組は何とも言えない顔になっていた。


 親からの愛情不足で歪み、情事を好む性癖になってしまった。王族4人は、何となく分からなくはないとの事なので、やはり歴代の中にはそういうのも居たんだろう。ちょっとした事で人は歪むからなあ……。


 特に幼少期の影響は大きい。そこで駄目になる人も結構居るしな。子供の頃の教育って大事なんだけど、大事だからこそ、やり過ぎる人って多いんだよ。多大なプレッシャーとストレスに子供を晒し、そして駄目にしてしまう。


 おっと、宿に着いた。嫌な思考は投げ捨てて、部屋に戻ろう。まだ夕方には早いけど、【冷風】で部屋を冷やすだけにしておく。送風機と冷房を回収するのが面倒臭い。


 適当な雑談をしていると夕方になったので、食堂に行き、大銅貨14枚を支払って食事を注文する。運ばれてきた食事を食べていると、近くから武術大会の結果が聞こえてきた。


 近衛で優勝したのは、小人族と獣人族の夫婦の旦那らしい。昔、脇差を作った夫婦だな。あの小人族、思っているよりも強かったんだなぁ……。兵士は知らない奴で、一般はイーストアルムの木こりだそうだ。


 俺は知らないけど、筋骨隆々で有名な人物らしい。傭兵の優勝は聞いた事の無い名前の奴だった。こちらは王都で有名なクランの奴らしい。特に名前の知らない奴なんで、どうでもいいというのが本音だ。


 食事後、部屋でゆっくりしようかと思ったら、何故か王太子とライブルが宿に来ていた。また何か厄介事でも起きたのか?。



 「厄介事だと言えるのが、何とも言い辛いところなのだが……。実は父上がリンデを連れて来てくれと言ってな。ああ、流石の父上もリンデを城に戻すとか言っている訳ではない。ただ、自分の所為で弟の顔も見に帰れないと自覚したらしくてな」


 「ああ、そういう事ですか……。確かにそれは事実ですから、弟の顔を一度くらいは見ておきたいですね」


 「それと、君達に依頼をしたいんだ。明日の御前試合なんだが、それぞれの優勝者との戦いの後、君達との手合わせを組み込みたい。正直に言うと、近衛の者達に強さというものを見せてほしいのだ」


 「身体強化を教えていただきましたが、それで奢っている連中が居るのですが、そいつらは叩き潰しております。ただ、アルド殿に教えて貰ったにも関わらず、不老長寿の方にも勝てると誤解しておるようで……」


 「ああ。不老長寿が何する者ぞ、っていう感じか。言いたい事は分からなくもないが、圧倒的に実力も経験も足りてないと自覚させればいいんだな? 俺達は神様連中の名誉を背負うんでな。馬鹿は潰さなきゃならん」


 「まあ、そうだね。ついでだからアタシ達も手合わせしてやろうか。不満を持っている近衛を出してきな。現実っていうのをしっかりと叩き込んでやるよ」


 「神様と修行をした経験は伊達ではないのですからね。もしくは蓮かイデアと手合わせしますか? それでもこの子達が勝ちますよ。私達について来れますし、ダンジョン最奥での戦闘経験もありますから」


 「「………」」



 子供に何をやらせるんだって事かな? それともウチの子供達は何処かが違うって事に呆れたかな? それにしても結局リンデは近衛の本部に行く事になったな。王太子が言ってきたから、仕方ないんだろうけどさ。


 俺達への説明が終わったら2人は帰って行ったが、相変わらず前回と同じくエイダに見惚れてたな。それを見てリンデが困惑してたが……。ああ、あんな王太子は見た事が無いと。むしろ人間味があって、俺は良いと思うけどね。


 年末の苦労した、疲れ切った顔もそうだったが、王太子は何でも熟せるって顔を出し過ぎな気はする。もうちょっと人間味がある方が周りも手伝ってくれると思うがねえ……?。


 あんまり完璧超人だと周りも大丈夫だと思い込み、潰れるまで働かされるぞ。そうなったら困るのは国なんだから、良い事じゃないと思うがな?。



 ▽▽▽▽▽


 1643終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1795枚

 金貨2906枚

 大銀貨1713枚

 銀貨2625枚

 大銅貨962枚

 銅貨50枚


 神銅の処刑剣

 神銀の錫杖

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 神銅の数珠2個

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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