1642
<異世界811日目>
おはようございます。ガイアルム王国武術大会2日目です。今日は決勝まで行くだろうが、昼を回るだろうなぁ。昨日は子供達に迷惑掛けたし、今日は今から用意しておくか。
朝の日課を終わらせた俺は、部屋を出て宿の中庭に行き土鍋で麦飯を炊く。横に鍋を出し、ウインドチキンを一口大にしたら、魚醤とハチミツなどを合わせた物に漬け込む。【浸透】も使って染み込ませたら小麦粉を塗す。
後は揚げていくだけだ。竜の脂を鍋で溶かし、漬け込んだ肉を揚げていく。中庭に良い匂いを撒き散らしているが、朝早くなので大丈夫だろう。揚がった唐揚げを引き上げて、新しい肉を揚げていく。
それを繰り返していると、麦飯が炊けたようだ。塩を振って馴染ませ、少々強引におにぎりにしていく。【念動】を使っているので綺麗に作れているが、麦が混ざっていると難しいな。纏まり辛い。
それでも完成させたおにぎりを皿に乗せ、アイテムバッグに収納する。唐揚げも同様に皿に乗せて収納していった。土鍋2つ分のおにぎりだから量は大丈夫だと思うが……。まあ、昨日よりはマシという事で。
部屋に戻ると既に皆が起きており、ジト目で見られた。朝から中庭で料理してるんだから、何やってんだと思われても仕方ない。俺は皆に事情を説明するも、昼食を作っていたという一言で納得したようだ。
皆に神水と水出しの緑茶を配り一息吐いていると、蓮が昼を早速楽しみにしている。ここ最近は米を食べていなかったからか、エリアも楽しみにしているらしい。まあ、気持ちは分からなくもないけど。
部屋を片付け、忘れ物がないかを確認したら食堂へと移動。大銅貨14枚を支払って朝食を注文し、席に座って待っているとすぐに来た。今日は早いなと思うも、武術大会中で人が多いからかと納得。
食事をしていると王女組が来たが、周りから微妙に注目されているようだ。エイダとイデアに注目が集まっているが、昨日の活躍の所為か再び王女組に注目が……。微妙な表情をした3人と2人が席に座り、リンデが注文をしに行った。
俺達は一足先に食べ終わり、食堂を出て南の試合会場へと行く。それなりに早い筈なのに、既に結構な数のギャラリーが居た。傭兵らしき者が多いが、中には明らかに貴族の格好の者も居て、周囲には誰も近寄らない。
まあ、面倒な連中に関わりたくは無いわな。俺達は昨日と同じ場所に行き、試合の観戦を行うのだが、何故か周囲に傭兵が集まってくるぞ? 別に何かをしてくる訳でも、悪意を向けてくる訳でもない。
「周りの連中は何が目的かねぇ。別におかしな奴等が寄ってきている訳でもない。アタシの【神眼】でも怪しい奴は見えないし、余計に集まってくる意味が分からないよ」
「案外、私達が昨日、王女組と仲が良かったのを見たからじゃないかしら? 私達の周りに居れば、王女様方と知り合いになれると思っているのかも」
「というより、答えはそれだろうな。エイダやイデアが目的なら、昨日既に近寄ってきている筈だ。そうではないとなると、私達が王女組と一緒に帰っているのを見たからだろう」
まあ、周りの連中が何を考えているのかは知らないが、これだけ周囲に傭兵が居れば貴族は近寄ってくるまい。こいつらは悪意も無いし、防壁になってくれるならそれで良いや。
ゆっくりと待っていると、近付いてきたザラとエイルズが困惑しているので、俺達が多少詰めてスペースを空けてやった。2人は王女組の試合前まで一緒に居たらしいが、試合に出ない者が居ても仕方ないので、こっちに来たらしい。
目の前では試合が始まり、多くの傭兵が戦っているが、いったい何人エントリーしたんだ? 俺が思っていた以上に試合をしている傭兵が多い。そもそも負けた者はそこで終わりのトーナメント方式の筈だろう?。
「負けた者ですか? 再挑戦出来ますよ、ただし1回だけらしいですけど。何でも敗者のみ集まって試合をしている場所があるそうです。本戦で負けた人も、そっちに出ている人は多いようですね」
「本戦で負けて後から出てくる人に「卑怯だ」とか言った奴が居たらしいけど、本戦1回目であっさり負けたザコだったらしく、未練がましく居残って文句だけ言ってたみたいですよ」
「情けない奴だねぇ……。根性無しが外から文句言ってるだけかい。本戦で勝ち上がった奴の方が強いんだから、後から挑戦できるのも当然だろうに。文句なら自分の弱さに言やいいのさ」
「そういう奴ほど、自分の弱さは棚に上げるからね。いちいち相手をしてやる価値も無いんだけど、弱い奴ほど大声で喚くんだよ。何で弱さと声の大きさが比例するんだろう? 稀に合わない奴が居るけど」
そんな話の最中に、昨日上手く隙を突いて勝っていた女傭兵とリンデの試合が始まった。リンデは集中しながらも、上手く相手の攻撃を回避している。木剣で危ない攻撃のみ流し、それ以外は回避に徹しているな。
上手く捌いているからか、女傭兵は隙が無くて困っているようだ。そんな攻防が続いていたが、遂に焦れた女傭兵が強引に身体強化モドキを使った。しかしリンデに綺麗に流されてしまい、体が崩れたところを叩かれて終了。
リンデの勝ちとなったが、相手の女傭兵も笑顔なので納得の負けらしい。そんな中、捌くのに失敗して負けた奴が1人。敗者の試合にも出ずにスゴスゴ帰って来た。<奴は四天王の中でも最弱>とか言われるぞ、リヴィ。
「くそー、まさか頭を狙ってくるとは思わなかった! 散々袈裟と水平だったじゃないか。身体強化モドキの時だけ振り下ろしとか……うぐぐ、悔しー!」
「まあ、アレは受けてはいけませんね。木剣なんですから、受けたところで剣ごと頭を叩かれるだけです。試合ですから、それで負けが決まってしまいますよ。殺し合いなら別ですが、試合は向こうの方が上手かったですね」
4人の中でリヴィが1番早く脱落したからなぁ。とはいえ、本気なら別なんだから良いと思うけど。シュラも言ってたが、殺し合いと試合は完全に別物だ。殺し合いなら、そもそもリヴィも受けようとはしていない。
そんな事を考えていたら、カイリも負けたらしい。一瞬の隙を突かれたようだが、負けは負けだ。素直に帰ってきた。どうやら体当たりで倒されたようだが、そこの想定が甘かったようだな。
この大会は武術大会であって剣術大会じゃないんだ。そもそも剣でしか戦ってはいけない、なんて決まりはない。実際、木槍を使っている者も居れば、棍棒を使っている奴も居る。
そんな試合なので、普通に殴ったり蹴ったりも当然あるし、その延長線上に体当たりもあるだろう。戦闘という意味では間違っていない。戦場でもそうやって敵を倒すしな。まあ、想定が甘かったとして諦めろ。
そんな話をしていると、まさかのリンデが負ける事態に。いや、リンデは御前試合を嫌がっていたから丁度良かったのか? 負けた相手は……って、あれはウェリアじゃないか!? お前出てたのかよ!?
ウチのメンバーも驚いている。イデアとエイダは分かっていないが、説明して即座に理解したらしい。色々駄目な奴だと。ただ傭兵ランクは9なうえ、実力は以外に侮れない奴のようだ。
アイツ1人で旅をしているようだし、思っているよりも修羅場を潜り抜けてきているんだろう。別の意味の修羅場も潜り抜けてきているようだけど。残ったのはキューレだけかぁ……。
そろそろ昼なので、おにぎりと唐揚げを食べながら観戦を続ける。随分と数が減ったし、どうやら昼過ぎには終わりそうだな。昼食が必要だったのは昨日だけか。蓮とエリアが喜んでるから別にいいけどさ。
おっ? キューレもウェリアに負けたぞ。………でも、あれワザとだよなぁ。何となくウェリアも分かってるっぽくて、微妙な表情をしている。王女組ではキューレしか残ってないし、キューレは御前試合に出る気が無いんだろう。
キューレも俺達の所に来て王女組が揃うと、試合を待っているウェリアがこっちを見て驚いている。お前さんは驚いている暇があるのか? 次の試合が始まるぞ。
ウェリアは慌てたように試合に出て行った。
▽▽▽▽▽
1642終了時点
大白金貨101枚
白金貨498枚
大金貨1795枚
金貨2906枚
大銀貨1713枚
銀貨2625枚
大銅貨976枚
銅貨50枚
神銅の処刑剣
神銀の錫杖
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神金銀の勾玉
神銅の数珠2個
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




